★【完結】街中華『ちゃらんぽらん』(作品241015)

菊池昭仁

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その3

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 常連の田中さんが、カウンターで餃子を食べながらビールを飲んでいる。

 「大将、さっき確定申告に行って来たんだけどよお、あんまり頭に来たから言ってやったんだ。
 「国民は増税、政治家は脱税かよ? ふざけんな! 税金なんか払わねえぞ!」ってな?
 そしたら税務署の奴が言うんだよ。
 「刑事罰と行政処分を受けることになりますよ」と脅しやがる。
 じゃあ政治家は死刑だよな? ったくよお! どうなってんだこの日本は!
 ビール、もう1本」
 「10年以下の懲役、または500万円以下の罰金。あるいはその両方。
 過少申告加算税、不納付加算税、延滞税、無申告加算税、重加算税、利子税などが加わる場合もありますからね?」

 ラオチュウは麺を茹でながら答えた。

 「だってよお、不明、不明、不明って申告してんだぜ。
 あの八王子のチンピラ国会議員、安倍場あべば派の腰巾着、安牛田あんぎゅうだの野郎」
 「ホントそうですよねえ。ボクも許せませんよ、裏金だなんて」

 ショウ・コウシュがビールを持ってやって来た。

 「ショウちゃんも嫌いか? あの安牛田の奴」
 「だいっ嫌いですよ、だってアイツ、ボクの笹をとりあげようとしたんですから」
 「それはお前が「パンダ・パーティ」を主催して受け取った「裏笹」だろう?」
 「エヘヘ、テヘペロ」

 ショウ・コウシュは可愛らしく舌を出した。

 「いいじゃねえか、裏笹くれえ。
 でも裏金は駄目だぜ裏金は。
 使い途が言えねえのは言えねえような所にも配っているからだ」
 「どんなところへです? 田中さん」
 「たとえばゴルゴとか・・・」
 「ゴルゴってあの、「命」とかをカラダで表現したり、お尻から火を吹きそうな激辛料理を食べる人ですか!
 「まあそんなところだ」
 「ブート・ジョロキアとかなんじゃらスコーピオンとか高そうですもんね?
 なるほどなるほど、だから恥ずかしくて言えないんですね? 裏金の使い途」
 「それから選挙や街頭演説の妨害のためにその筋の「組」に払ったりとかもあるからな?」
 「えっ、幼稚園にもですか!」
 「何でだ?」
 「だって「桃組」とか「うさぎ組」とかにでしょう?」
 「・・・」
 「いいからお前は皿でも洗ってろ」
 「はーい」

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