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第4章 アリーシア一家の危機
第19話 未来の娘、第一皇女ミーシャ
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アリーシアはあの後、疫病の収束を見届け、タリマンド侯爵や街の者たちへ感謝されながらタリマンドを後にした。
急ぎカシウス皇子を追うも、馬車のため、倍以上の時間がかかる。
眠っていたみーちゃんが目を覚ましたのは、タリマンドを出発し、帝都に到着する数日前。馬車の中でのことだった。
「うーん、すごくよく寝た気がする……」
そんなのんきな声をあげ、みーちゃんが体を起こす。
「みーちゃん! よかった!」
ぎゅっと抱きしめたアリーシアにみーちゃんは身をよじる。
「ちょっとちょっと、そんなに強くは抱きしめないで!」
「ごめんごめん、もう体は大丈夫なの?」
「……力が戻ってる! もうダメかと思ったのに!」
抱きしめる力を緩めるアリーシアにみーちゃんは不思議そうな声をあげる。
「タリマンドの巫女長が助けてくれたの」
「タリマンドの巫女長? ああ、あの厳しいおばさんね」
「厳しい?」
みーちゃんも巫女長のことを知っているようだったが、アリーシアは厳しいという印象は抱かなかった。
「そうそう、だって、『儀式に必要だ!』って言っていろんなことを叩き込まれたんだから」
「そう、そうだったのね、苦労をかけたね、ミーシャ」
アリーシアはみーちゃんにさりげなくミーシャと呼び掛けてみた。
「うん、本当に大変だったんだから。まあ、おばさんのおかげで、アリーシアに会えたんだから、いいんだけどね」
そのまま会話を続けるみーちゃん。
アリーシアは再びみーちゃんをぎゅっと抱きしめる。
「ミーシャ、あなた、ミーシャなのね? ごめんなさい、ごめんなさい、ミーシャ」
アリーシアは瞳からあふれる涙をおさえることができない。
自分が至らなかったばかりにミーシャには本当に大変な思いをさせてしまった。
アリーシアにできることはミーシャに詫びることだけだった。
「ア、アリーシア? な、なにを言ってるの?
わたしはみーちゃんで、あなたの守護霊なの!」
「もう隠さなくって大丈夫よ。全部、巫女長から聞いてるから」
「で、でもおと、皇帝陛下が、本当のことは言っちゃダメって……」
「うん、みーちゃんは言わなくっていいの。こうして会えて、お話ができるなんて、本当にうれしい」
投獄された日以降、何度頼み込んでも、マリナの言うまま、どんな屈辱的ことをやらされても、ミーシャに会わせてくれることは二度となかった。
こうして、娘と話ができる日が来るなんて、本当に夢のようなことだ。
「……お、おかーさま……」
小さな声でみーちゃんがつぶやく。
呼び慣れてないからか、少したどたどしい。
「な、なあに?」
アリーシアも自分に対する聞きなれない言葉に、思わず緊張してしまう。
「わたしも、ずっとおかーさまに会いたかった。だから、お父さまと、儀式をして、会いに来たの」
「みーちゃん、無理してしゃべらなくてもいいの!」
真実を伝えることで力が失われてしまうと聞いている。
これ以上、みーちゃんの力が失われることは絶対に避けなければならない。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。お父さまと、おばさんから言っちゃダメなことはちゃんと聞いてるから!」
「そ、それならいいんだけど」
みーちゃんがちゃんとそれを守れるのか、少し心配になる。
「じゃ、じゃあ、私がいなくなってからのこと、できる範囲で教えてくれる?」
「……お父さまが帰ってくるまでのことは、楽しくないし、あんまり覚えてないから、お父さまが帰ってきてからのことを話すね」
たどたどしい説明だったが、どうやら、前世のカシウス皇帝陛下が、行方不明から再び姿を現したのは、ミーシャが四歳、つまりアリーシアの死後、三年経過したときのことらしい。
(よかった、陛下は生きていたのね)
相当な深手を負ったカシウスは、動くこともままならず、西の王国内の穏健派に秘密裡に匿われていたのだ。
それから、アリーシアが処刑される直前に即位した第二皇子ハインリヒとの内戦状態に陥る。
第二皇子はカシウスのことを帝国を陥れるために用意された偽物と喧伝した。
だが、第二皇子の政治に不満があった民衆や、もともとカシウスを慕っていた軍の一部はカシウス側についた。
激しい内戦の末、ついにカシウス派が勝利し、内戦は終結したのだ。
カシウス皇子が帝都に戻り、ミーシャに再会できたのは、さらにおよそ二年が経過し、ミーシャが六歳になった時だった。
「そう、そうなの。あれから六年も……ミーシャはひとりで頑張っていたのね」
あのマリナの元での六年間の生活。
いくら子供とはいえ、マリナがアリーシアに対して行った非道を考えると、その扱いは容易に想像がつく。
「ほとんど覚えてないし、だいじょーぶだよ。やっとおとーさまが戻ってきて、おかーさまの死に関わった人たちは、ぜんぶいなくなったし」
処刑されたのか、投獄されたのか。
陛下の性格を考えると、敵対した者たちを許すことはないだろう。
「それから、おとーさまは、おかーさまを取り戻すための研究をはじめたの」
マリナに奪われていた首飾りに呪術の力が宿っていることに気づいた陛下は、その首飾りで時間を戻す方法があることにたどりつく。
そこからタリマンドの巫女長のもとで、ミーシャは巫女として儀式を行うための修行を行い、七歳になった時に、儀式を行ったのだ。
「そうだったのね。わたしのために、ふたりは頑張ってくれたんだね」
全く心を通わせられなかった前世のカシウス陛下。そして、赤ちゃんの時に別れてしまったミーシャ。
そのふたりが何もできなかった自分のために、時を戻すなどという、大それたことを成し遂げたのだ。
「だって、おかーさまはおかーさまだから当たり前でしょ!」
カシウス皇子と長く接するようになった今だからわかる。
前世の陛下も、陛下なりにアリーシアのことを愛そうとはしてくれていたのだろう。
その表現がアリーシアに伝わらず、またアリーシアの方も恐れから今のようにはっきりと意思を表せなかった。
(わたしがもっとしっかりしていれば……)
あれほど簡単に、マリナに陥れられることはなかったはずだ。
「もちろん、みーちゃんもおかーさまに会いたかったから。こうしてお話しできるなんて、夢みたいだし!」
「ほんとに、本当にそうね」
みーちゃんとしてではあるが。ミーシャとこうしてお話ができる。
それだけで、大きな幸せをアリーシアは感じることができた。
「昔のおはなしはこれくらいだけど……。そういえばこっちのおとーさま……カシウス殿下はどこにいったの?」
「そうだ、カシウス様が大変なの!」
今度は、アリーシアからみーちゃんにあれからの出来事を話す。
西の王国との戦争が勃発し、カシウス皇子が先行してその収拾に向かったことを。
「カシウス様が、前世の時みたいに、帰ってこなかったら……」
あの時は自分も投獄され、なにがなんだかわからないうちに起こった出来事だった。
だけど、今度は、絶対にカシウス様を失うわけにはいかない。
「だいじょーぶよ! おとーさまは強いし、ちゃんと行方不明になった時のことも聞いてるから!」
カシウス皇子の私邸への抜け穴をはじめ、エステルハージ侯爵家の事件や、疫病騒ぎ、西の王国との戦争等、時をさかのぼる前に、カシウス陛下から大きな事件とその解決のために必要なことは聞かされていたらしい。
(もちろん、歴史が変化しているから、役に立たないこともあるけど……)
少なくとも、大きな材料にはなる。
今回の件でみーちゃんからもたらされたのは、西の王国内の穏健派の主要メンバーと、陛下が深手を負った際に一時的に逃れた、国境付近にある大規模な鉱山跡の情報だった。
(外交官であるお父様に頼めば、穏健派に接触できるかも……)
あのヴァルゲ宰相も西の王国の間者だろう。アリーシアの父であるエステルハージ侯爵への襲撃騒動も、西の王国が関わっていた可能性が高い。
(そのあたりの証拠をそろえて、交渉すれば……)
なんとか、大きな戦争になる前に講和が叶うかもしれない。
「帰ったら、すぐにお父様に相談しないと!」
「みーちゃんにとってはおじーさまね」
(前世の陛下も、今世のカシウス様も、わたしのことを助けてくれた。――今度は、わたしが恩を返す番よ)
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「厳しい?」
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「そうそう、だって、『儀式に必要だ!』って言っていろんなことを叩き込まれたんだから」
「そう、そうだったのね、苦労をかけたね、ミーシャ」
アリーシアはみーちゃんにさりげなくミーシャと呼び掛けてみた。
「うん、本当に大変だったんだから。まあ、おばさんのおかげで、アリーシアに会えたんだから、いいんだけどね」
そのまま会話を続けるみーちゃん。
アリーシアは再びみーちゃんをぎゅっと抱きしめる。
「ミーシャ、あなた、ミーシャなのね? ごめんなさい、ごめんなさい、ミーシャ」
アリーシアは瞳からあふれる涙をおさえることができない。
自分が至らなかったばかりにミーシャには本当に大変な思いをさせてしまった。
アリーシアにできることはミーシャに詫びることだけだった。
「ア、アリーシア? な、なにを言ってるの?
わたしはみーちゃんで、あなたの守護霊なの!」
「もう隠さなくって大丈夫よ。全部、巫女長から聞いてるから」
「で、でもおと、皇帝陛下が、本当のことは言っちゃダメって……」
「うん、みーちゃんは言わなくっていいの。こうして会えて、お話ができるなんて、本当にうれしい」
投獄された日以降、何度頼み込んでも、マリナの言うまま、どんな屈辱的ことをやらされても、ミーシャに会わせてくれることは二度となかった。
こうして、娘と話ができる日が来るなんて、本当に夢のようなことだ。
「……お、おかーさま……」
小さな声でみーちゃんがつぶやく。
呼び慣れてないからか、少したどたどしい。
「な、なあに?」
アリーシアも自分に対する聞きなれない言葉に、思わず緊張してしまう。
「わたしも、ずっとおかーさまに会いたかった。だから、お父さまと、儀式をして、会いに来たの」
「みーちゃん、無理してしゃべらなくてもいいの!」
真実を伝えることで力が失われてしまうと聞いている。
これ以上、みーちゃんの力が失われることは絶対に避けなければならない。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。お父さまと、おばさんから言っちゃダメなことはちゃんと聞いてるから!」
「そ、それならいいんだけど」
みーちゃんがちゃんとそれを守れるのか、少し心配になる。
「じゃ、じゃあ、私がいなくなってからのこと、できる範囲で教えてくれる?」
「……お父さまが帰ってくるまでのことは、楽しくないし、あんまり覚えてないから、お父さまが帰ってきてからのことを話すね」
たどたどしい説明だったが、どうやら、前世のカシウス皇帝陛下が、行方不明から再び姿を現したのは、ミーシャが四歳、つまりアリーシアの死後、三年経過したときのことらしい。
(よかった、陛下は生きていたのね)
相当な深手を負ったカシウスは、動くこともままならず、西の王国内の穏健派に秘密裡に匿われていたのだ。
それから、アリーシアが処刑される直前に即位した第二皇子ハインリヒとの内戦状態に陥る。
第二皇子はカシウスのことを帝国を陥れるために用意された偽物と喧伝した。
だが、第二皇子の政治に不満があった民衆や、もともとカシウスを慕っていた軍の一部はカシウス側についた。
激しい内戦の末、ついにカシウス派が勝利し、内戦は終結したのだ。
カシウス皇子が帝都に戻り、ミーシャに再会できたのは、さらにおよそ二年が経過し、ミーシャが六歳になった時だった。
「そう、そうなの。あれから六年も……ミーシャはひとりで頑張っていたのね」
あのマリナの元での六年間の生活。
いくら子供とはいえ、マリナがアリーシアに対して行った非道を考えると、その扱いは容易に想像がつく。
「ほとんど覚えてないし、だいじょーぶだよ。やっとおとーさまが戻ってきて、おかーさまの死に関わった人たちは、ぜんぶいなくなったし」
処刑されたのか、投獄されたのか。
陛下の性格を考えると、敵対した者たちを許すことはないだろう。
「それから、おとーさまは、おかーさまを取り戻すための研究をはじめたの」
マリナに奪われていた首飾りに呪術の力が宿っていることに気づいた陛下は、その首飾りで時間を戻す方法があることにたどりつく。
そこからタリマンドの巫女長のもとで、ミーシャは巫女として儀式を行うための修行を行い、七歳になった時に、儀式を行ったのだ。
「そうだったのね。わたしのために、ふたりは頑張ってくれたんだね」
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「だって、おかーさまはおかーさまだから当たり前でしょ!」
カシウス皇子と長く接するようになった今だからわかる。
前世の陛下も、陛下なりにアリーシアのことを愛そうとはしてくれていたのだろう。
その表現がアリーシアに伝わらず、またアリーシアの方も恐れから今のようにはっきりと意思を表せなかった。
(わたしがもっとしっかりしていれば……)
あれほど簡単に、マリナに陥れられることはなかったはずだ。
「もちろん、みーちゃんもおかーさまに会いたかったから。こうしてお話しできるなんて、夢みたいだし!」
「ほんとに、本当にそうね」
みーちゃんとしてではあるが。ミーシャとこうしてお話ができる。
それだけで、大きな幸せをアリーシアは感じることができた。
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「そうだ、カシウス様が大変なの!」
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だけど、今度は、絶対にカシウス様を失うわけにはいかない。
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少なくとも、大きな材料にはなる。
今回の件でみーちゃんからもたらされたのは、西の王国内の穏健派の主要メンバーと、陛下が深手を負った際に一時的に逃れた、国境付近にある大規模な鉱山跡の情報だった。
(外交官であるお父様に頼めば、穏健派に接触できるかも……)
あのヴァルゲ宰相も西の王国の間者だろう。アリーシアの父であるエステルハージ侯爵への襲撃騒動も、西の王国が関わっていた可能性が高い。
(そのあたりの証拠をそろえて、交渉すれば……)
なんとか、大きな戦争になる前に講和が叶うかもしれない。
「帰ったら、すぐにお父様に相談しないと!」
「みーちゃんにとってはおじーさまね」
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