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第4章 アリーシア一家の危機
第18話 マリナと第二皇子ハインリヒ
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西の王国から宣戦布告の一報が届いた後のこと。マリナは、皇宮にほど近い、第二皇子の別邸にいた。
(疫病騒ぎに、他国との開戦……、お金を儲けるには絶好の機会ですわね)
マリナの家である、バルダザール伯の家門は地に落ちていたが、マリナの商売は逆に財を積み上げていた。
商いへの影響を食い止めるため、屋号からはバルダザール伯の名前をなくし、第二皇子派の人物が表向きは経営者となっている。
だが、実権を握っているのは変わらずマリナだ。
(ハインリヒ様からもたらされる情報、的確すぎますわね)
ハインリヒ――第二皇子からもたらされる、誰よりも早く正確な情報。
それはマリナの商売の拡大に大いに役立っていた。
バルダザール伯に続き、マリナの母である伯爵夫人まで拘束されたが、まだマリナ自身には累が及んでいない。
マリナは第二皇子のお手つきとなり、あの後、この別邸を与えられた。その事実により、大きく風向きが変わった。
(皇妃からは相変わらずなしのつぶてですけど……。あのことは、皇妃としても計算外だったのでしょうね)
あのこととは、デビュタントの後、マリナが第二皇子から乱暴を受けたことだ。
結果的に、それにより自分の地位が保たれていることは理解しているが、あの時のことを考えると、マリナは複雑な気持ちになる。
あれから、何度も顔を合わせているというのに、第二皇子とはそういう機会は訪れていない。
(あの時のことを許すつもりはありませんが……。一度してしまえば、もうわたくしには興味がないということかしら)
それはそれで、納得がいかない。
マリナが思考に落ちていると、扉が勢いよく開かれる。
思考の対象である、第二皇子ハインリヒがそこにいた。
「ハインリヒ様、女性の部屋に入るときはもっと丁寧にお入りください」
「お前は、母上のようなことをいうんだな」
少しむっとしたその表情は十六歳の年相応のものだ。
誰にでも丁寧で純粋無垢な少年、それが第二皇子の仮面。
それが、マリナの前だけはがれ、粗野な口調になる。
(本当のハインリヒ様の姿を知っている人は一握りですわね)
その事実はマリナに優越感を覚えさせる。
第二皇子ハインリヒはソファに乱暴に腰を下ろす。
マリナは慣れた手つきで、用意してあったワインを注ぎ、対面に腰を下ろした。
「それより聞いたか? タリマンドでの、兄上と侯爵令嬢の活躍を」
ワインを少しあおった後、第二皇子は話を切り出す。
もちろんマリナの耳にも入っていた。
カシウス皇子とアリーシアの活躍で、疫病はありえない速さで収束。
しかも、疫病は他国の陰謀により引き起こされ、犯人も捕らえたという話だ。
特に、マリナが許せなかったのはアリーシアについての噂だ。
町の平民たちに分け隔てなく献身的に接し、特に子供たちから絶大な人気になっていた。さらに常に人形を持っている姿から、「形代を持つ聖女」という異名まで得ている。
「ハインリヒ様のお話では、カシウス皇子が疫病鎮圧にてこずって、お従姉さまも疫病にかかって大変なことになるっておっしゃってましたよね?」
疫病にかかって悲惨な目にあうアリーシアを楽しみにしていたマリナは、あてがはずれてハインリヒに口をとがらせる。
マリナはつとめてぞんざいな態度で第二皇子に接していた。
最初はこれ以上、自分を侵されないための虚勢だったが、マリナのその態度に、ハインリヒも怒ることはなく、より気安くなった。
第二皇子は自身の力は小さい。
だが、皇妃の庇護は絶大だ。その扱いは慎重にならざるを得ない。
常に腫れ物を触るような態度で接してくる者たちにうんざりしているのだろう。
「あの何もできないお従姉さまがよりにもよって『聖女』だなんて……」
そんな称号はアリーシアにはふさわしくない。
「ふむ、兄上の女はなかなかやるようだ」
「くっ、お従姉さまなんかより、わたくしの方が何倍も役に立ちますわ」
からかうような第二皇子の態度に、マリナも半ば本気で反論する。
今も、マリナの商会から得られる財により、第二皇子は独自の力をつけ始めていた。
「しかし、兄上がタリマンドに出向いているときに宣戦布告とは。西の王国もなかなかやる。だが、疫病の収束が早すぎて、兄上はもう戦地へと向かった。これはあてが外れたかな?」
タリマンドからとんぼ返りしたカシウス皇子は急ぎ軍を再編。
そのまま戦地へと向かっていた。
「どうせ、ハインリヒ様も知っていらしたのでしょう?」
第二皇子の言葉をマリナがさぐる。
西の王国との戦争が始まるという話は、宣戦布告の前から聞かされていた。
「まあ、オレが皇帝になるには、どうしても大きな後ろ盾が必要だからな。
……お前も、オレの駒のひとつとして、せいぜい役に立つことだ」
第二皇子は西の王国が後ろ盾であることを、否定をしなかった。
バルダザール伯へのエステルハージ侯爵家のっとりの甘言も、西の王国が絡んでいた。帝国の勢力を削ぎたい他国は無数にあるが、西の王国はその筆頭だろう。
「わかっておりますわ」
マリナ自身も駒と言われたが、動じずうなずき返す。
皇妃にも見放された今、マリナに頼れるものは第二皇子しかいない。
今は、第二皇子のお気に入りで居続けること、それがマリナが選んだ道だった。
「だが、これはお前にとっても大きなチャンスだぞ」
「どういうことですの?」
確かに、戦争は商売にとってチャンスであることは間違いない。
だが、第二皇子の言葉には違う色合いが含まれているように感じた。
「あの兄上の女……アリーシアの異名、もちろん知っているな?」
「『形代を持つ聖女』ですわね」
第二皇子の問いに、マリナは嫌々答える。
「タリマンドに居た王国の間者からの情報だが、どうやら、疫病の解決はあの形代が絡んでいるようだ」
「人形が解決に?」
マリナもすぐには理解が及ばない。
「タリマンドの呪術は聞いたことがあるだろう?」
「それは、知ってます」
先のタリマンドを併合する戦争でも、勝利したとはいえ、呪術により甚大な被害があったという。皇帝陛下も呪術が原因で片足が不自由になったのだ。
「あの形代は、タリマンドの呪術が関わっている。『神託』という力で、未来のことが見通せるそうだぞ。もしかしたら、お前の父が失敗した、エステルハージ侯爵への襲撃事件を防いだことにも関わっている可能性がある」
「あの人形が?」
アリーシアの母親が作ったという、昔からアリーシアが持っていた人形。
たしか、アリーシアの母はタリマンドの巫女だったはず。
それにアリーシアの態度が急変したのはお茶会の時以降。あの人形を持ち歩くようになってからだ。
「タリマンドの呪術って、皇帝陛下から使用は禁忌とされているものですわよね?」
戦争での被害もあり、講和の条件のひとつとして、その使用は禁じられた。
「そうだ。まあ、ここまで言えば、お前ならわかるだろう?」
つまり、これはアリーシアを陥れるための大きな材料になる。
マリナの口が笑みの形を帯びる。
「幸い、兄上……カシウス皇子は遠く離れた戦地にいる。今なら、お前を止められるものはいないだろうな」
「……わたくしの好きにしてよいということですわね?」
マリナの問いに、第二皇子はうなずく。
これまでは、父母であるバルダザール伯と伯爵夫人がたてた計画に乗るしかなかったが、今回は自分自身で計画をたてられる。
今度こそ、アリーシアを彼女にふさわしい地位へと引きずりおろすのだ。
「……お前も好きにしろ。戦地から戻ってきたときに、お気に入りの女を守れなかったと知った兄上の姿が楽しみだ。
……まあ、兄上も戦地から戻ってこれないなんてことも、あるかもしれないがな」
そう言って第二皇子もニヤリと笑う。
第二皇子派の者による策動か、金で雇った者たちか。
いずれにしても、何等か罠を仕掛けているのだろう。
「まあ、ハインリヒ様もいろいろ考えていらっしゃるんですね」
「これは戦争だ。何が起こってもおかしくない。……ただ、それだけのことさ」
(そう、これは戦争なのよ。お従姉さま、これまでのようにはまいりませんわよ)
アリーシアとカシウス皇子を狙う新たな策動が動き出そうとしていた。
(疫病騒ぎに、他国との開戦……、お金を儲けるには絶好の機会ですわね)
マリナの家である、バルダザール伯の家門は地に落ちていたが、マリナの商売は逆に財を積み上げていた。
商いへの影響を食い止めるため、屋号からはバルダザール伯の名前をなくし、第二皇子派の人物が表向きは経営者となっている。
だが、実権を握っているのは変わらずマリナだ。
(ハインリヒ様からもたらされる情報、的確すぎますわね)
ハインリヒ――第二皇子からもたらされる、誰よりも早く正確な情報。
それはマリナの商売の拡大に大いに役立っていた。
バルダザール伯に続き、マリナの母である伯爵夫人まで拘束されたが、まだマリナ自身には累が及んでいない。
マリナは第二皇子のお手つきとなり、あの後、この別邸を与えられた。その事実により、大きく風向きが変わった。
(皇妃からは相変わらずなしのつぶてですけど……。あのことは、皇妃としても計算外だったのでしょうね)
あのこととは、デビュタントの後、マリナが第二皇子から乱暴を受けたことだ。
結果的に、それにより自分の地位が保たれていることは理解しているが、あの時のことを考えると、マリナは複雑な気持ちになる。
あれから、何度も顔を合わせているというのに、第二皇子とはそういう機会は訪れていない。
(あの時のことを許すつもりはありませんが……。一度してしまえば、もうわたくしには興味がないということかしら)
それはそれで、納得がいかない。
マリナが思考に落ちていると、扉が勢いよく開かれる。
思考の対象である、第二皇子ハインリヒがそこにいた。
「ハインリヒ様、女性の部屋に入るときはもっと丁寧にお入りください」
「お前は、母上のようなことをいうんだな」
少しむっとしたその表情は十六歳の年相応のものだ。
誰にでも丁寧で純粋無垢な少年、それが第二皇子の仮面。
それが、マリナの前だけはがれ、粗野な口調になる。
(本当のハインリヒ様の姿を知っている人は一握りですわね)
その事実はマリナに優越感を覚えさせる。
第二皇子ハインリヒはソファに乱暴に腰を下ろす。
マリナは慣れた手つきで、用意してあったワインを注ぎ、対面に腰を下ろした。
「それより聞いたか? タリマンドでの、兄上と侯爵令嬢の活躍を」
ワインを少しあおった後、第二皇子は話を切り出す。
もちろんマリナの耳にも入っていた。
カシウス皇子とアリーシアの活躍で、疫病はありえない速さで収束。
しかも、疫病は他国の陰謀により引き起こされ、犯人も捕らえたという話だ。
特に、マリナが許せなかったのはアリーシアについての噂だ。
町の平民たちに分け隔てなく献身的に接し、特に子供たちから絶大な人気になっていた。さらに常に人形を持っている姿から、「形代を持つ聖女」という異名まで得ている。
「ハインリヒ様のお話では、カシウス皇子が疫病鎮圧にてこずって、お従姉さまも疫病にかかって大変なことになるっておっしゃってましたよね?」
疫病にかかって悲惨な目にあうアリーシアを楽しみにしていたマリナは、あてがはずれてハインリヒに口をとがらせる。
マリナはつとめてぞんざいな態度で第二皇子に接していた。
最初はこれ以上、自分を侵されないための虚勢だったが、マリナのその態度に、ハインリヒも怒ることはなく、より気安くなった。
第二皇子は自身の力は小さい。
だが、皇妃の庇護は絶大だ。その扱いは慎重にならざるを得ない。
常に腫れ物を触るような態度で接してくる者たちにうんざりしているのだろう。
「あの何もできないお従姉さまがよりにもよって『聖女』だなんて……」
そんな称号はアリーシアにはふさわしくない。
「ふむ、兄上の女はなかなかやるようだ」
「くっ、お従姉さまなんかより、わたくしの方が何倍も役に立ちますわ」
からかうような第二皇子の態度に、マリナも半ば本気で反論する。
今も、マリナの商会から得られる財により、第二皇子は独自の力をつけ始めていた。
「しかし、兄上がタリマンドに出向いているときに宣戦布告とは。西の王国もなかなかやる。だが、疫病の収束が早すぎて、兄上はもう戦地へと向かった。これはあてが外れたかな?」
タリマンドからとんぼ返りしたカシウス皇子は急ぎ軍を再編。
そのまま戦地へと向かっていた。
「どうせ、ハインリヒ様も知っていらしたのでしょう?」
第二皇子の言葉をマリナがさぐる。
西の王国との戦争が始まるという話は、宣戦布告の前から聞かされていた。
「まあ、オレが皇帝になるには、どうしても大きな後ろ盾が必要だからな。
……お前も、オレの駒のひとつとして、せいぜい役に立つことだ」
第二皇子は西の王国が後ろ盾であることを、否定をしなかった。
バルダザール伯へのエステルハージ侯爵家のっとりの甘言も、西の王国が絡んでいた。帝国の勢力を削ぎたい他国は無数にあるが、西の王国はその筆頭だろう。
「わかっておりますわ」
マリナ自身も駒と言われたが、動じずうなずき返す。
皇妃にも見放された今、マリナに頼れるものは第二皇子しかいない。
今は、第二皇子のお気に入りで居続けること、それがマリナが選んだ道だった。
「だが、これはお前にとっても大きなチャンスだぞ」
「どういうことですの?」
確かに、戦争は商売にとってチャンスであることは間違いない。
だが、第二皇子の言葉には違う色合いが含まれているように感じた。
「あの兄上の女……アリーシアの異名、もちろん知っているな?」
「『形代を持つ聖女』ですわね」
第二皇子の問いに、マリナは嫌々答える。
「タリマンドに居た王国の間者からの情報だが、どうやら、疫病の解決はあの形代が絡んでいるようだ」
「人形が解決に?」
マリナもすぐには理解が及ばない。
「タリマンドの呪術は聞いたことがあるだろう?」
「それは、知ってます」
先のタリマンドを併合する戦争でも、勝利したとはいえ、呪術により甚大な被害があったという。皇帝陛下も呪術が原因で片足が不自由になったのだ。
「あの形代は、タリマンドの呪術が関わっている。『神託』という力で、未来のことが見通せるそうだぞ。もしかしたら、お前の父が失敗した、エステルハージ侯爵への襲撃事件を防いだことにも関わっている可能性がある」
「あの人形が?」
アリーシアの母親が作ったという、昔からアリーシアが持っていた人形。
たしか、アリーシアの母はタリマンドの巫女だったはず。
それにアリーシアの態度が急変したのはお茶会の時以降。あの人形を持ち歩くようになってからだ。
「タリマンドの呪術って、皇帝陛下から使用は禁忌とされているものですわよね?」
戦争での被害もあり、講和の条件のひとつとして、その使用は禁じられた。
「そうだ。まあ、ここまで言えば、お前ならわかるだろう?」
つまり、これはアリーシアを陥れるための大きな材料になる。
マリナの口が笑みの形を帯びる。
「幸い、兄上……カシウス皇子は遠く離れた戦地にいる。今なら、お前を止められるものはいないだろうな」
「……わたくしの好きにしてよいということですわね?」
マリナの問いに、第二皇子はうなずく。
これまでは、父母であるバルダザール伯と伯爵夫人がたてた計画に乗るしかなかったが、今回は自分自身で計画をたてられる。
今度こそ、アリーシアを彼女にふさわしい地位へと引きずりおろすのだ。
「……お前も好きにしろ。戦地から戻ってきたときに、お気に入りの女を守れなかったと知った兄上の姿が楽しみだ。
……まあ、兄上も戦地から戻ってこれないなんてことも、あるかもしれないがな」
そう言って第二皇子もニヤリと笑う。
第二皇子派の者による策動か、金で雇った者たちか。
いずれにしても、何等か罠を仕掛けているのだろう。
「まあ、ハインリヒ様もいろいろ考えていらっしゃるんですね」
「これは戦争だ。何が起こってもおかしくない。……ただ、それだけのことさ」
(そう、これは戦争なのよ。お従姉さま、これまでのようにはまいりませんわよ)
アリーシアとカシウス皇子を狙う新たな策動が動き出そうとしていた。
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