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第3章「夢の続きを大根と共に」
閑話休題その6「ベルナルドの誓い+α」(ベルナルド視点)
しおりを挟む古代遺跡都市カイユテ、暗殺ギルド――
「おい!カルロはまだ見つからないのか!」
「すいやせん。お頭、あいつ山奥にでもいるのか
まったく見つかりやせん!」
「あの野郎、しくじりやがって。今度という今度は許さん
必ず見つけ出して落とし前つけさせてやる!」
「お頭、例の魔導師はどうしやす?」
「おまえバカか?噂以上の化け物に関わるとかありえん
触らぬ神になんとかってやつだ。ほっとけ!」
「はあ。わかりやした」
「とにかくカルロだ。あいつのせいで貴族どもに
追い回されて、組織はガタガタになっちまった。
その上、レム・リアスが攻めてきただと?
このゴタゴタでカルロはここから逃げ出すはず。
その時を逃がすな!あいつは俺の手であの世へ
送ってやる。必ずだ!」
古代遺跡都市カイユテ、アデラールの家(賃貸)――
「リーナさん。ここは危ない。早く街を出なさい」
「でも、お兄ちゃんが、、」
「アデラールさんはきっと大丈夫!リーナちゃんわたしと
一緒に逃げましょう」
「ティリアさん、私はお嬢様の元へ参ります。リーナさんを
お願いします」
「はい!ベルナルドさんもお気をつけて!」
あの方が一緒ならアデラールさんも必ず生還されるはず。
なら、いまはお嬢様をお支えしなくては。
ルミエラ様はきっと、市民を見捨てず戦うと仰るだろう
ならば、私は命を懸けてお嬢様を守るのみ。
どのみち、この毒に侵された身体では長くはない。
ようやく、ご厚恩をお返しできる時が訪れた。
この刀に懸けて。推して、、、参る!
古代遺跡都市カイユテ、領主邸――
「ベルナルド殿!どこへ隠れておったのです?さあ
大人しくこちらへ参られよ」
「そこをどけ。どかぬなら手加減せんぞ」
「手向かうおつもりか!こっちが何人いると思ってる!
勝てる見込みはないぞ!!」
「勝てるかどうかやってみるか?」
「く、、!者ども!こやつをひっ捕らえろ!」
「のんびりしている時間はない。全員まとめて
あの世へ送ってやろう!いくぞ!『十文字一刀流
奥義!花舞風月千斬陣!!!』」
時間がない。お嬢様をお救いせねば、時間が!
「ぐ。。はぁはぁ。。毒が回ってきたか。。。
いよいよ時間がないな。。お嬢様!」
「ベルナルドですか!早くここから出ますよ。
離れなさい。扉を吹き飛ばします!」
良かった。まだご無事で。。。
「ベルナルド!どうしたのですか!顔色が悪くて
今にも倒れそう。。」
「時間がありません。お嬢様、街は敵軍に蹂躙され
市民が大勢殺されております。伯爵様もここには
おいでではありません」
「そうです、、か、、ならば、わたくしは残った兵士を
まとめてこの街を守ります!」
「ともに参り。。ま。。す!」
「そんな身体では無理です。ここに残りなさい」
「もはや時間の。。問題です。最後まで。。あなた様に
従い果てる。。つもり。。です!」
「わたくしは良い従者を持ちましたが、わたくしを
残して死ぬなど許しません。わかりましたね?」
「はは。。そうですな。かしこま。。りまし。。た」
お嬢様も分かっておいでだろう。
私の命がもう、長くないことを分かっていて
私の意思を尊重してくださった。
刀の誓いに懸けてお嬢様を最後までお守りする。
それが先代伯爵様に救われた恩を返す、唯一のみち。
その為に命を燃やし尽くしても本望だ。
必ずお守りする!
*****
本日は多忙な為、2章最終回は夜更新します。
*****
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