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第3章「夢の続きを大根と共に」
第27話「新たな一歩」
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古代遺跡都市カイユテ、ギルド内一室――
「エチル殿、ヤツラが洞窟に入ったと我が手の者から
念話が入りました」
「そうですか。そうですか」
「事前の調査によればあの洞窟は、奥が小規模な実験場に
なっており、現在の主はSランクの、ある魔物です」
「存じておりますよ。ククク。今度の敵もあの者なら
倒せるでしょうよ。でも、それがまさに狙いどころ」
「計画を聞いた時はさすがと思いましたよ?はははは
ワタシに取っても、あの男はワタシの所有物をかすめ取ろうと
飛び回るハエでして。この機に消えて欲しいものです」
「消して差し上げますよ。よりによって、王太子殿下の
邪魔をするから、このようなことになるのです」
「この計画が成功した暁には、ぜひ、お願いしますよ?」
「ボ殿も心配性なお方ですな。安心してください。必ず」
ギルドマスター、ボ・リンキーがエチル屋と名乗る男と
向き合い、あやしく笑う。
「しかし『流麗たゆたうの岸辺のジュラ』とはな、、、」
エチル屋と名乗った男は、吸血鬼の真祖の名を口にして
『あるいは、この魔物が』と口に出そうとしてやめた。
古代遺跡都市カイユテ、ルミエラの私室――(ルミエラ視点)
「ベルナルド、どうでしたか?」
「アデラールさんは既にカイユテを発っているようです
午前中には出ているので、もう間に合いません」
「そう、、ですか。よほどのことでもない限りあの方でしたら
大丈夫だとは思いますが。参りましたね。わたしくがお父様に
軟禁されるなどとは予想外でした」
「私も、伯爵様の目を盗んで、ようやくお嬢様にお目通りが
叶いました。次はいつお会いできるかわかりません」
「分かっております。お父様はわたくしを王太子殿下の妃に
しようとして、、、いえ、望まれたのは殿下のほうのようです」
お父様のことです。
この好機は絶対に逃そうとしないでしょうね。
貴族の子女として生まれた以上は、お父様のご意向でしたら
従うつもりですが、いま、このタイミングで殿下に嫁ぐのは
時期ではありませんわ。
いいえ、わたくしの将来のことは、むしろ気にはしません。
そうではなくて、最近の殿下には後ろ暗い噂があります。
内容が内容なので、王都の貴族も恐れ多く口にはしませんが
本当なのでしょうか?
そして、それがどうも当家も関わっているかもしれません。
だからこそ、今はタイミングが悪いのですわ。
このお話しをあの方に伝えなくてなりませんね。
「ベルナルド、アデラール様がお戻りになられたら噂のこと
伝えてくれますか」
「はい、お嬢様、それではそろそろ戻ります」
「ご苦労様でしたね」
出来れば隣国の様子も探りたいところですが、監視が厳しく
意図を知られることなく動くのは無理です。
せめて、アデラール様の無事を祈りますわ。
東の森の洞窟、第1階層――(アデラール視点)
「ちょっと!まだ着かないの~?つかれたよー」
「リタ?静かにしなさい」
「俺の出してる精霊がいま、奥まで調べに言ってるから
もう少し待とう」
「ええ。でも、アデラール。さっきの魔法すごかったわ
あなた。こんなに強かったのね?」
「そうだよ!冒険者になった時に診断したんだろー?」
「ああ、したよ」
「なんで戦士になったんだよ~?あれだけ強かったらアタシ
虐めたりしなかったよ」
「虐めはよくないわ。雑用きちんとやってくれれば、私は
それで良かったのよ。ねえ?アデラール。この依頼を終えたら
少し私と魔法の話しをしないかしら?」
「ああ、構わないが。俺とエリルでは属性が異なるぞ」
「あら?私が興味があるのは、大根よ。詳しく聞きたいの」
「構わないが、それなら大精霊と話しをしたほうが早いと
思うぞ?」
「そう。わかったわ」
大根魔法って言っても、俺以外の者が使える魔法はDAIKON
くらいか?いや、どうだろう。DAIKONも、大根の王様の
限定の魔法っぽいんだよな。
そもそも、まともな魔法教育を受けた者に、あのデタラメな
魔法理論を理解するのは難しいような。
正直なところ、俺も未だに謎の部分が多い
それを溢れる魔力で強引に使ってるようなものだ。
しかし、俺は何故、こんなにも大根に愛されるんだ。
おでんの具としては最強だと認めるけどな。
俺からの大根への愛は果たして、王たる器を満たしているのか
1度ゆっくり考える必要があるな。
いちおう、大根の国とかあるらしいしな。。
是非、1度おいでくださいとか言われているが遠慮したい。
なぜか行かなくても、だいたい察しがつくわ。。。
しかし、この洞窟思ったより広いな?
パンナ、まだか?
『マスター。もう奥までついております。そこからもうしばらく
お進み頂ければ、わらわの元まですぐかと』
そうか。で、敵は?
『敵は真祖のようです。この敵は前回の者よりはずっと下位の
個体のようですが、前回は女神様が即座に消し去ってしまわれ
本来の強さをまったく発揮せず、でした』
そうだな。
『マスターだけでしたら話しは簡単ですが、2人の女どもも
生還するのをお望みでしたら、レムリトもお呼びくださいませ』
そうか。わかった。接敵する前に呼んでおこう。
姿を現して2人を守ってやってくれるか?
『委細は承知しました』
「エリス、リタ、次の角を曲がれば敵がいる。おまえたちには
残念かもしれんが吸血鬼だそうだ」
「それは厳しいわね。でも、吸血鬼なら洞窟へ入った時点で
気づかれているわ」
「戻れないなら進むしかないねー」
「2人はなるべく離れて自分の身を守ってくれ。最初にそこそこの
魔法をいきなり当てておくから」
「わかったわ。なら私は灯りを大きく維持しておくわ」
「助かる!アタシとエリスの回復は任せて!」
「人間の娘よ。わらわはアデラール様に仕える大精霊じゃ。こたびは
マスターのご指示ゆえ、そなたらを守護してやるが、ゆめ、油断は
禁物じゃ」
「もう一体、従者を出すから少し待ってくれ」
「いえ、マスター。あの者でしたら、もうすぐ着きますゆえ
着いたらすぐに我らに加勢するでしょう」
「そうか。わかった。余り夜まで時間もないから、このまま行くぞ
日が沈む前に決着をつけたい」
「わかったわ」
「はいよー」
吸血鬼も先刻、承知した上で待ち構えているはずだ。
まずは俺が飛び出して、派手なのをぶつけて、あぶりだしてやるか。
「よーし!アデラールに『神のご加護があらんことを!慈悲の女神に請う!
ブレス!!』」
リタのブレスの魔法を受けて、身体が光に包まれる。
なるほど、こういう魔法もあるのか。
これなら、リーナでも使えるな。
それに暗闇でも、邪悪な魔を発する者のオーラが視覚化されるようだ。
見える。よし、ここからいきなり2つコンボでぶつける!
『彼方より来たりて収束せよ!かりそめの生命に戒めを与えん
さすれば、光によりて、拘束せん!摂理を違える者どもに神罰を
与えん!不死者専用拘束魔法!ホーリーブラスト!!』
周囲の空間が『ぼう』っと淡く光はじめると、闇の中でこちらを
見つめる陰に向かって収束する。
敵を捕らえて弾けると、無数の光の束が吸血鬼の身体を焼きながら
拘束しはじめた。
『ぐおおお、貴様らなにも、、、ぐお!焼ける!、、、
神聖属性か!おのれ!貴様はどこぞの司祭だ!こんな高位の
浄化を受けたのは久しぶりだが、こんなのでは俺は
殺せないぞ!』
「おー!すごいなー。それ神聖属性の高位魔法じゃないか!
って効いてないのー」
「光が敵を捕らえてるうちに、もう1発大きいのいく!」
「私も一応、火炎の矢を打てるだけ!」
『47柱の炎の精霊に命ず!集い来りて敵を焼き払え!
ファイアアロー!!』
『シュバッドドドドドドドド』
『ぐっ、、ぐおお、ぐ、ククク!効かぬわ!そうらお返しするぞ』
『血は血によって酒杯を満たす!生ある者、その魂までも血で
染め抜いて、我が真なる主に供える手向けと成す!』
『フハハハハ!俺をそこらの死肉どもと一緒にしたのが貴様らの
運の尽きだ。一滴残らず絞りつくしてくれるわ!
吸血魔法奥義!エナジードレイン!!』
「きゃああああ!?ちょっとー!」
「くっ!!障壁がわれ、、、る、、、」
「マスター、予想外でした。あまり持ちそうにありませぬ
申し訳ありません。それに、あの者も敵の結界のに阻まれ
立往生しておるようです」
「任せろ。わざわざ時間を掛けて魔力を練ったんだ
調子に乗ってる吸血コウモリに思い知らせてやるさ」
だが、全力を出すとまた山主に怒られるな。
魔力をセーブして、ギリギリのところでぶっ放す。
いいかげん暗いところも飽きた!
『99柱の炎の精霊に命ず!彼方より此方に収束せよ
炎よりも紅き刃となりて、仇なす者をその身で包め!!
プロミネンス!!』
『ぐおおおおお!おにょれ!きしゃままままあああ
こ、こここ、このくらくくく』
「しぶといな。さすが吸血鬼!じゃもういっちょ!
追加注文入ります!お持ち帰りですか?今すぐ
お召し上がりですかー?」
『今すぐお召し上がりですね!だったら無詠唱で骨まで滅せ!
プロミネンス!お代は結構です!!』
『ぐああ!まさか、まま、ま、人間ごときにいいい』
人間ごときに何?
吸血鬼の身体が紅蓮の炎に包まれ、激しく焼け続ける
人型の灰となって、やがて崩れ落ちた。
エリスとリタも傷は負ってるが大丈夫なようだ。
思ったのだが、やはり一人で戦うのは無理だ。
エリスとリタが居なければ倒せたかは分からない。
もっと詠唱を高速化できないか?
とにかく、これで依頼を完遂できた。
新たな一歩としては上々だと思う。
しかし、これ報酬どうなるんだ。
*****
作者です!
表現に乏しい私はバトルを書くのが苦手です。
あと数話、冒険するお話しを書かせてください。
そのあと2章最終話に特大のざまぁ行きます。
*****
「エチル殿、ヤツラが洞窟に入ったと我が手の者から
念話が入りました」
「そうですか。そうですか」
「事前の調査によればあの洞窟は、奥が小規模な実験場に
なっており、現在の主はSランクの、ある魔物です」
「存じておりますよ。ククク。今度の敵もあの者なら
倒せるでしょうよ。でも、それがまさに狙いどころ」
「計画を聞いた時はさすがと思いましたよ?はははは
ワタシに取っても、あの男はワタシの所有物をかすめ取ろうと
飛び回るハエでして。この機に消えて欲しいものです」
「消して差し上げますよ。よりによって、王太子殿下の
邪魔をするから、このようなことになるのです」
「この計画が成功した暁には、ぜひ、お願いしますよ?」
「ボ殿も心配性なお方ですな。安心してください。必ず」
ギルドマスター、ボ・リンキーがエチル屋と名乗る男と
向き合い、あやしく笑う。
「しかし『流麗たゆたうの岸辺のジュラ』とはな、、、」
エチル屋と名乗った男は、吸血鬼の真祖の名を口にして
『あるいは、この魔物が』と口に出そうとしてやめた。
古代遺跡都市カイユテ、ルミエラの私室――(ルミエラ視点)
「ベルナルド、どうでしたか?」
「アデラールさんは既にカイユテを発っているようです
午前中には出ているので、もう間に合いません」
「そう、、ですか。よほどのことでもない限りあの方でしたら
大丈夫だとは思いますが。参りましたね。わたしくがお父様に
軟禁されるなどとは予想外でした」
「私も、伯爵様の目を盗んで、ようやくお嬢様にお目通りが
叶いました。次はいつお会いできるかわかりません」
「分かっております。お父様はわたくしを王太子殿下の妃に
しようとして、、、いえ、望まれたのは殿下のほうのようです」
お父様のことです。
この好機は絶対に逃そうとしないでしょうね。
貴族の子女として生まれた以上は、お父様のご意向でしたら
従うつもりですが、いま、このタイミングで殿下に嫁ぐのは
時期ではありませんわ。
いいえ、わたくしの将来のことは、むしろ気にはしません。
そうではなくて、最近の殿下には後ろ暗い噂があります。
内容が内容なので、王都の貴族も恐れ多く口にはしませんが
本当なのでしょうか?
そして、それがどうも当家も関わっているかもしれません。
だからこそ、今はタイミングが悪いのですわ。
このお話しをあの方に伝えなくてなりませんね。
「ベルナルド、アデラール様がお戻りになられたら噂のこと
伝えてくれますか」
「はい、お嬢様、それではそろそろ戻ります」
「ご苦労様でしたね」
出来れば隣国の様子も探りたいところですが、監視が厳しく
意図を知られることなく動くのは無理です。
せめて、アデラール様の無事を祈りますわ。
東の森の洞窟、第1階層――(アデラール視点)
「ちょっと!まだ着かないの~?つかれたよー」
「リタ?静かにしなさい」
「俺の出してる精霊がいま、奥まで調べに言ってるから
もう少し待とう」
「ええ。でも、アデラール。さっきの魔法すごかったわ
あなた。こんなに強かったのね?」
「そうだよ!冒険者になった時に診断したんだろー?」
「ああ、したよ」
「なんで戦士になったんだよ~?あれだけ強かったらアタシ
虐めたりしなかったよ」
「虐めはよくないわ。雑用きちんとやってくれれば、私は
それで良かったのよ。ねえ?アデラール。この依頼を終えたら
少し私と魔法の話しをしないかしら?」
「ああ、構わないが。俺とエリルでは属性が異なるぞ」
「あら?私が興味があるのは、大根よ。詳しく聞きたいの」
「構わないが、それなら大精霊と話しをしたほうが早いと
思うぞ?」
「そう。わかったわ」
大根魔法って言っても、俺以外の者が使える魔法はDAIKON
くらいか?いや、どうだろう。DAIKONも、大根の王様の
限定の魔法っぽいんだよな。
そもそも、まともな魔法教育を受けた者に、あのデタラメな
魔法理論を理解するのは難しいような。
正直なところ、俺も未だに謎の部分が多い
それを溢れる魔力で強引に使ってるようなものだ。
しかし、俺は何故、こんなにも大根に愛されるんだ。
おでんの具としては最強だと認めるけどな。
俺からの大根への愛は果たして、王たる器を満たしているのか
1度ゆっくり考える必要があるな。
いちおう、大根の国とかあるらしいしな。。
是非、1度おいでくださいとか言われているが遠慮したい。
なぜか行かなくても、だいたい察しがつくわ。。。
しかし、この洞窟思ったより広いな?
パンナ、まだか?
『マスター。もう奥までついております。そこからもうしばらく
お進み頂ければ、わらわの元まですぐかと』
そうか。で、敵は?
『敵は真祖のようです。この敵は前回の者よりはずっと下位の
個体のようですが、前回は女神様が即座に消し去ってしまわれ
本来の強さをまったく発揮せず、でした』
そうだな。
『マスターだけでしたら話しは簡単ですが、2人の女どもも
生還するのをお望みでしたら、レムリトもお呼びくださいませ』
そうか。わかった。接敵する前に呼んでおこう。
姿を現して2人を守ってやってくれるか?
『委細は承知しました』
「エリス、リタ、次の角を曲がれば敵がいる。おまえたちには
残念かもしれんが吸血鬼だそうだ」
「それは厳しいわね。でも、吸血鬼なら洞窟へ入った時点で
気づかれているわ」
「戻れないなら進むしかないねー」
「2人はなるべく離れて自分の身を守ってくれ。最初にそこそこの
魔法をいきなり当てておくから」
「わかったわ。なら私は灯りを大きく維持しておくわ」
「助かる!アタシとエリスの回復は任せて!」
「人間の娘よ。わらわはアデラール様に仕える大精霊じゃ。こたびは
マスターのご指示ゆえ、そなたらを守護してやるが、ゆめ、油断は
禁物じゃ」
「もう一体、従者を出すから少し待ってくれ」
「いえ、マスター。あの者でしたら、もうすぐ着きますゆえ
着いたらすぐに我らに加勢するでしょう」
「そうか。わかった。余り夜まで時間もないから、このまま行くぞ
日が沈む前に決着をつけたい」
「わかったわ」
「はいよー」
吸血鬼も先刻、承知した上で待ち構えているはずだ。
まずは俺が飛び出して、派手なのをぶつけて、あぶりだしてやるか。
「よーし!アデラールに『神のご加護があらんことを!慈悲の女神に請う!
ブレス!!』」
リタのブレスの魔法を受けて、身体が光に包まれる。
なるほど、こういう魔法もあるのか。
これなら、リーナでも使えるな。
それに暗闇でも、邪悪な魔を発する者のオーラが視覚化されるようだ。
見える。よし、ここからいきなり2つコンボでぶつける!
『彼方より来たりて収束せよ!かりそめの生命に戒めを与えん
さすれば、光によりて、拘束せん!摂理を違える者どもに神罰を
与えん!不死者専用拘束魔法!ホーリーブラスト!!』
周囲の空間が『ぼう』っと淡く光はじめると、闇の中でこちらを
見つめる陰に向かって収束する。
敵を捕らえて弾けると、無数の光の束が吸血鬼の身体を焼きながら
拘束しはじめた。
『ぐおおお、貴様らなにも、、、ぐお!焼ける!、、、
神聖属性か!おのれ!貴様はどこぞの司祭だ!こんな高位の
浄化を受けたのは久しぶりだが、こんなのでは俺は
殺せないぞ!』
「おー!すごいなー。それ神聖属性の高位魔法じゃないか!
って効いてないのー」
「光が敵を捕らえてるうちに、もう1発大きいのいく!」
「私も一応、火炎の矢を打てるだけ!」
『47柱の炎の精霊に命ず!集い来りて敵を焼き払え!
ファイアアロー!!』
『シュバッドドドドドドドド』
『ぐっ、、ぐおお、ぐ、ククク!効かぬわ!そうらお返しするぞ』
『血は血によって酒杯を満たす!生ある者、その魂までも血で
染め抜いて、我が真なる主に供える手向けと成す!』
『フハハハハ!俺をそこらの死肉どもと一緒にしたのが貴様らの
運の尽きだ。一滴残らず絞りつくしてくれるわ!
吸血魔法奥義!エナジードレイン!!』
「きゃああああ!?ちょっとー!」
「くっ!!障壁がわれ、、、る、、、」
「マスター、予想外でした。あまり持ちそうにありませぬ
申し訳ありません。それに、あの者も敵の結界のに阻まれ
立往生しておるようです」
「任せろ。わざわざ時間を掛けて魔力を練ったんだ
調子に乗ってる吸血コウモリに思い知らせてやるさ」
だが、全力を出すとまた山主に怒られるな。
魔力をセーブして、ギリギリのところでぶっ放す。
いいかげん暗いところも飽きた!
『99柱の炎の精霊に命ず!彼方より此方に収束せよ
炎よりも紅き刃となりて、仇なす者をその身で包め!!
プロミネンス!!』
『ぐおおおおお!おにょれ!きしゃままままあああ
こ、こここ、このくらくくく』
「しぶといな。さすが吸血鬼!じゃもういっちょ!
追加注文入ります!お持ち帰りですか?今すぐ
お召し上がりですかー?」
『今すぐお召し上がりですね!だったら無詠唱で骨まで滅せ!
プロミネンス!お代は結構です!!』
『ぐああ!まさか、まま、ま、人間ごときにいいい』
人間ごときに何?
吸血鬼の身体が紅蓮の炎に包まれ、激しく焼け続ける
人型の灰となって、やがて崩れ落ちた。
エリスとリタも傷は負ってるが大丈夫なようだ。
思ったのだが、やはり一人で戦うのは無理だ。
エリスとリタが居なければ倒せたかは分からない。
もっと詠唱を高速化できないか?
とにかく、これで依頼を完遂できた。
新たな一歩としては上々だと思う。
しかし、これ報酬どうなるんだ。
*****
作者です!
表現に乏しい私はバトルを書くのが苦手です。
あと数話、冒険するお話しを書かせてください。
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