21 / 80
第2章「スーパードクター現る!」
閑話「エリルとリタの事情」
しおりを挟む
/////////////////////////////////
※2020/05/28 書き直し
/////////////////////////////////
「はぁぁ。ろくな依頼がないわね…」
「そうですね。あの人…戻ってきてくれませんかね…」
「アデラール…?」
「ええ、噂は聞いてるでしょう」
「あれって、本当かな」
「でも、まるっきりウソなら、ここまで大きく噂は、広まったりしないものですよ」
「ふーん」
リタさんはあの噂を、信じていないようですが…
私が言った通り、真実でないなら、ここまでは広まったりしませんよ。
「ねー!この『謳う月のカミラ』ってまだあるじゃん」
「こんなSランクなんて、貼るだけ意味は無いと思いますね」
「まあねー! 倒せるわけないよ。報酬は金貨4000枚! すごいねー」
「ライカンスロープ2人で金貨300枚なら、うちのギルドでも倒せるかもしれませんね」
「だいたい、カミラっての吸血鬼の真祖だよ。ほぼ、不死身で魔法も剣も、ほとんど効かなくて、それで4000枚じゃ骨折り損よねー」
どうせ、わたしたちには関係ありません。
わたしも昔は、"いずれはドラゴンを倒す"、などと思ってたいましたけど…
もし竜族を一体でも倒せれば、カイユテの一等地に屋敷が建ちますね。
それがいつの間にか、そこそこの冒険の成果で満足しては、毎日ここでお酒を飲んで、だらだら過ごしてしまって。
いつからこうなってしまったの…?
リタさんも、イオスさんも、中堅以上の実力があるのに…ついでにあのカルロさんも。
それならもっと、張りのある生き方も出来るのに…
…もう遅すぎる。
知らないうちにわたしたちは、ずいぶん評判を落としてしまった。
今更、まっとうな道なんて…
これならイオスさんたちについて行って、領主の依頼を一緒にやればよかったでしょうか。
でもそれだと、アデラールさんと出会いそうで…
またカルロさんと揉めそうだし…
だから、リタさんとここに残りましたが。
あの人が居なくなって、順風満帆だった生活は崩壊しました。
いつからこうなる未来だったのだろう。
「リタさん?」
「…うぅん…むにゃ…むにゃ…」
「…眠ってしまいましたか」
毎日こんな感じ…
はぁ…
学院に戻って研究でもしましょうかね?
ただ、その前に、アデラールさんが何を得たのか…興味があります。
魔導師とは知識を追求するもの。
あなたが得た物を、わたしが得ることもあるんですよ。
覚えておくべきです。
アデラールさん?
*****
エリルの口調を、ですます調に修正中です。
2020/05/28 加筆修正
*****
※2020/05/28 書き直し
/////////////////////////////////
「はぁぁ。ろくな依頼がないわね…」
「そうですね。あの人…戻ってきてくれませんかね…」
「アデラール…?」
「ええ、噂は聞いてるでしょう」
「あれって、本当かな」
「でも、まるっきりウソなら、ここまで大きく噂は、広まったりしないものですよ」
「ふーん」
リタさんはあの噂を、信じていないようですが…
私が言った通り、真実でないなら、ここまでは広まったりしませんよ。
「ねー!この『謳う月のカミラ』ってまだあるじゃん」
「こんなSランクなんて、貼るだけ意味は無いと思いますね」
「まあねー! 倒せるわけないよ。報酬は金貨4000枚! すごいねー」
「ライカンスロープ2人で金貨300枚なら、うちのギルドでも倒せるかもしれませんね」
「だいたい、カミラっての吸血鬼の真祖だよ。ほぼ、不死身で魔法も剣も、ほとんど効かなくて、それで4000枚じゃ骨折り損よねー」
どうせ、わたしたちには関係ありません。
わたしも昔は、"いずれはドラゴンを倒す"、などと思ってたいましたけど…
もし竜族を一体でも倒せれば、カイユテの一等地に屋敷が建ちますね。
それがいつの間にか、そこそこの冒険の成果で満足しては、毎日ここでお酒を飲んで、だらだら過ごしてしまって。
いつからこうなってしまったの…?
リタさんも、イオスさんも、中堅以上の実力があるのに…ついでにあのカルロさんも。
それならもっと、張りのある生き方も出来るのに…
…もう遅すぎる。
知らないうちにわたしたちは、ずいぶん評判を落としてしまった。
今更、まっとうな道なんて…
これならイオスさんたちについて行って、領主の依頼を一緒にやればよかったでしょうか。
でもそれだと、アデラールさんと出会いそうで…
またカルロさんと揉めそうだし…
だから、リタさんとここに残りましたが。
あの人が居なくなって、順風満帆だった生活は崩壊しました。
いつからこうなる未来だったのだろう。
「リタさん?」
「…うぅん…むにゃ…むにゃ…」
「…眠ってしまいましたか」
毎日こんな感じ…
はぁ…
学院に戻って研究でもしましょうかね?
ただ、その前に、アデラールさんが何を得たのか…興味があります。
魔導師とは知識を追求するもの。
あなたが得た物を、わたしが得ることもあるんですよ。
覚えておくべきです。
アデラールさん?
*****
エリルの口調を、ですます調に修正中です。
2020/05/28 加筆修正
*****
0
お気に入りに追加
1,300
あなたにおすすめの小説
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる