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第0章「夢のつづき」
第3話「縁が結んだ転機①」(2021.07.02 改)
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「やあ、ティリア久しぶりだね」
ティリアとは過去何度もいろいろ相談を聞いてもらった仲だ。
単純に1番カワイイのと胸が大きいからという理由だけで、彼女に口実をつけては相談に乗ってもらっていたが、これでメガネっこなら完璧だ。
なんてことは露ほどにも思っていない。
耳の先が少し尖った、半妖精(ハーフエルフ)で、薄い翡翠のような髪色に、燃えるような深紅の瞳が印象的な、どちらかと言えば可愛らしい、俺的美人ランキング第2位くらいの女の子だ。因みに年齢は知らない。
「あ、アデラールさん、本当にお久しぶりですね! どうですか? 調子は?」
ティリアはにっこり微笑んで久しぶりに見る男の姿を確認した。
彼女もアデラールと彼のパーティのことはギルドの職員なのだから当然、よく知っている、だからこそこのときの彼女は彼の身体になにか傷がないかとか、不自然なところがないかとか、じっくり観察している風だった。
”調子は?”という言葉はおそらく、社交辞令ではなく本当に心配して口から出た言葉なのだろう。いつもこんな調子だから、彼女は大勢の人間から慕われている。
「ふうむ…調子が良かった時なんて、もうずいぶん昔だよ。」
「そうなんですね…頑張ってくださいなんて簡単に言えないけど頑張って欲しいです! 身体は平気ですか? 無理はしないでくださいね!!」
ティリアはどことなく遠慮がちに微笑み視線を逸らした。
”頑張って”などと、それが難しい環境にいることをわかってて言ってる分だけうしろめたい気持ちになったからだ。
それでも言わずにはいられなかった複雑な気持ちを感じていた。
「それでアデラールさん。本日は何の御用ですか、ご相談でも?」
「うん、ティリアにちょっと、相談というか挨拶かな。」
そう言ったアデラールの表情に薄っすらと影が掛かる。
「相談…ですか? うん…お話しだけなら何でもお聞きしますよ!」
アデラールの表情が少し寂し気に曇るのを彼女は見逃さなかった。
なんとなく重大な話を聞かされるかもしれない、そう思って言葉が詰まりそうになる。
「うん、まあ知ってると思うけど、冒険者はじめて4年も経つが一向に芽が出ないし、はっきり言ってしまうと俺には向いてないと思うんだ」
向いてなかっただけでなく、運にも見放されて、この町で得たものは『苦痛』と『屈辱』そして『失望』だった。
一つだけ良かったことと言えるのが、このティリアとの出会いだった。彼女の存在がアデラールを支える一つの大きな柱だったことは言うまでもない。
「ええ! そんなことはないと思いますが…」
ティリアははじめ慰める言葉を口にしようとする。でも言葉に詰まり歯切れの悪い答え方をする。どう答えればいいのか答えに窮し、思わず俯いてしまう。
アデラールは挨拶のつもりで話をしたのが、かえって彼女を困らせているようで悪い気がして申し訳なく思った。
(既に答えは出ているんだよ……君が気に病むことなど何一つ無いんだよ)
俯いた彼女の様子を見て、アデラールは心の中でだけティリアに言葉を掛けた。
「そんなことあると思うよ。パーティメンバーともうまくいってないし潮時だよ。」
「え、ええ。それはなんとなく把握してますが、やっぱり無理そうですか?」
ティリアにしても分かった上で聞いている。
諦めて欲しく無いという想いが励ましたい気持ちから来るものでも、そうさせることがアデラールには苦痛を伴う事も十分に承知している。
ただ、そうだとしてもティリアには、他に言うべき言葉が見つからなかったのだ。
「無理とかいうレベルの問題じゃない。そんなのを遥かに超越して無理だとおもう。俺自身が役立たずなのは本当のことだから、あいつらの言い分や態度もある程度は理解できるよ。」
そのある程度を大幅に超えているから困る。
今までずっと彼らをのさばらせてきた自分にも非があるとアデラールは思っているが、今更それを気付いたところで相手の意識を変えれるとは到底思えない。
長い間の蓄積が今日の結果を招いているのだ。それを一朝一夕でどうにかするのは困難なことだ。
しかしながらイオスたちにしても性根が腐りすぎている。
「……」
ティリアはもう何も言えなくなってしまったのか?
それなのに俺の口からは堰を切ったように、つぎつぎと言葉があふれ出てくる、頭ではわかっているんだ、彼女にぶつけるように言うのは間違っている。
でも、俺はその想いを止めることができなかった。
或いは彼女なら黙って聞いてくれるから、敢えて止めなかったのかもしれない。
「もう、いっそのこと、田舎に帰って大根でも作ろうと思うんだよ」
「だ、大根ですか…ご実家は大根農家なんですか?」
ティリアもなにを言うべきかわからないようだ。
とりとめのない会話に無意味な答え、だけど、俺は彼女と会話してるのが楽しいといつも思っていた。
内容なんてなんでもいい、どうでもいい。
「大根好き?」
「ええ、まぁ、普通くらいには好きかな? と思いますけど……」
ここへきて俺の会話スキルでは、この窮地をくつがえすことができないとわかった。
大根の話でここからどうやって広げるつもりだ?
「じゃあ、一緒に俺の田舎へ帰ろうよ! 今なら3号さんの座が空いてるし」
大根といえば俺の田舎じゃ若い子に大人気だ。
それはこのカイユテでも変わらないはずだ。大根すなわちナンパの常套句である。
俺はこのトークで向かいのトメさんを…
いや…この話は今は関係ないな。
「え、3号さんて何ですか? それに私は奴隷としてこのギルドに売却されたので、年季が明けるまでここを離れることはできないんです」
ティリアから意外な事実が明かされる。
普段の彼女はとても”そういう”風にはみえない。
アデラールじゃなくても彼女に好意をもつ人物は多いだろう。
それだけに意外だったが、それは彼女に好意を持つ皆がそう思うかもしれない。
"彼女の良い部分にしか目が行ってなかったんだ"、見たい物しか見ようとしなかった自分に、アデラールは少しばかり自己嫌悪をしていた。
「え…? 因みに売られた金額って聞いてもいい?」
不躾に聞いて良い内容ではないのは分かっている。
だがそれでも聞かずにはいられなかった。
「金貨100枚くらいだそうです…」
自身の命と自由の値段なのに『くらい』というのは、おかしな物言いだ。
しかし、ここまで高額だと誤差を『くらい』とも言いたくなる。
言葉尻がしぼんで聞こえたのが言葉に込められたティリアの想いな気がして、アデラールもぎゅっと胸が詰まる想いがした。
「そうか…それならいいや!」
アデラールとしては明るく振舞って空気を変えようとしたが、ティリアからは侮蔑が入り混じった、何とも微妙な笑顔で返されてしまった。
全財産銀貨2枚ちょっとの俺ではどうにもならないな。
爪に火を点す想いで貯めた銀貨2枚だが、これでは旅費を切り詰めてようやく田舎に辿り着ける程度だ。
馬屋の厩舎が贅沢に思えるくらいのつらい旅になると思う。
それもこれもイオスたちに搾取され続けて、金を貯めるゆとりが無かったからだ。
本当にいつ見ても可愛いな…
ハーフエルフだからかもしれないが、顔の造形が人間離れしていて、それでいて人間みたく出るところは出ている。
彼女みたいな容姿のハーフエルフは大勢いるが、俺は断然、彼女が一番だと思う。
金があったら本当に身請けしたんだが、銀貨2枚ではどうしようもない。
「あの…冒険者の引退はもう、決めてしまわれたのですか?」
ティリアはどうにか引き留めようとするが同時にそれをしてしまっていいかわからない。
そんな風に思っているのか、戸惑っているような、自信がないような調子で話をしている。
アデラールが冒険者を引退する理由がもっと別の形ならば、彼女も持ち前の明るさを発揮して、もっと別の言葉を彼に贈ったはずだ。
「うん、このまま、ずるずる続けても何かが大きく変わるって気もしないから、ケンカ別れして田舎を飛び出してきたけど、みんなに謝ってやり直そうと思ってる」
若気の至りと言えばそれまでだけど、田舎を飛び出して都会に出れば、何かしら可能性を掴めると思っていたところはあるよ。何の根拠も無いのにな。
イオスたちのようにダンジョンを攻略して富と名声を得ようだとか、凶悪な魔物を討伐して立身出世を目指すとか、英雄になりたいだとか。
そういうのじゃない。
単純に目の前のつまらない現実が受け入れられず、そこから逃げ出してカイユテに出てきただけだ。
確固たる想いもなしに、覚悟さえも持たずに、あの頃の俺はなんて甘い人間だったんだ。
そういう意味ではイオスたちのほうが、まだまともなのかもしれない。
アデラールの決意の言葉を聞いて、ティリアの胸中には複雑な想いが交錯していた。
そんなティリアの顔を、これがもう最後だからと目に焼き付けようと、アデラールはティリア以上に複雑な想いを抱えながら見つめていた。
その時、ふと、4年前にも似たようなことがあったなと、懐かしい人物の顔を思い浮かべていた。
ティリアとは過去何度もいろいろ相談を聞いてもらった仲だ。
単純に1番カワイイのと胸が大きいからという理由だけで、彼女に口実をつけては相談に乗ってもらっていたが、これでメガネっこなら完璧だ。
なんてことは露ほどにも思っていない。
耳の先が少し尖った、半妖精(ハーフエルフ)で、薄い翡翠のような髪色に、燃えるような深紅の瞳が印象的な、どちらかと言えば可愛らしい、俺的美人ランキング第2位くらいの女の子だ。因みに年齢は知らない。
「あ、アデラールさん、本当にお久しぶりですね! どうですか? 調子は?」
ティリアはにっこり微笑んで久しぶりに見る男の姿を確認した。
彼女もアデラールと彼のパーティのことはギルドの職員なのだから当然、よく知っている、だからこそこのときの彼女は彼の身体になにか傷がないかとか、不自然なところがないかとか、じっくり観察している風だった。
”調子は?”という言葉はおそらく、社交辞令ではなく本当に心配して口から出た言葉なのだろう。いつもこんな調子だから、彼女は大勢の人間から慕われている。
「ふうむ…調子が良かった時なんて、もうずいぶん昔だよ。」
「そうなんですね…頑張ってくださいなんて簡単に言えないけど頑張って欲しいです! 身体は平気ですか? 無理はしないでくださいね!!」
ティリアはどことなく遠慮がちに微笑み視線を逸らした。
”頑張って”などと、それが難しい環境にいることをわかってて言ってる分だけうしろめたい気持ちになったからだ。
それでも言わずにはいられなかった複雑な気持ちを感じていた。
「それでアデラールさん。本日は何の御用ですか、ご相談でも?」
「うん、ティリアにちょっと、相談というか挨拶かな。」
そう言ったアデラールの表情に薄っすらと影が掛かる。
「相談…ですか? うん…お話しだけなら何でもお聞きしますよ!」
アデラールの表情が少し寂し気に曇るのを彼女は見逃さなかった。
なんとなく重大な話を聞かされるかもしれない、そう思って言葉が詰まりそうになる。
「うん、まあ知ってると思うけど、冒険者はじめて4年も経つが一向に芽が出ないし、はっきり言ってしまうと俺には向いてないと思うんだ」
向いてなかっただけでなく、運にも見放されて、この町で得たものは『苦痛』と『屈辱』そして『失望』だった。
一つだけ良かったことと言えるのが、このティリアとの出会いだった。彼女の存在がアデラールを支える一つの大きな柱だったことは言うまでもない。
「ええ! そんなことはないと思いますが…」
ティリアははじめ慰める言葉を口にしようとする。でも言葉に詰まり歯切れの悪い答え方をする。どう答えればいいのか答えに窮し、思わず俯いてしまう。
アデラールは挨拶のつもりで話をしたのが、かえって彼女を困らせているようで悪い気がして申し訳なく思った。
(既に答えは出ているんだよ……君が気に病むことなど何一つ無いんだよ)
俯いた彼女の様子を見て、アデラールは心の中でだけティリアに言葉を掛けた。
「そんなことあると思うよ。パーティメンバーともうまくいってないし潮時だよ。」
「え、ええ。それはなんとなく把握してますが、やっぱり無理そうですか?」
ティリアにしても分かった上で聞いている。
諦めて欲しく無いという想いが励ましたい気持ちから来るものでも、そうさせることがアデラールには苦痛を伴う事も十分に承知している。
ただ、そうだとしてもティリアには、他に言うべき言葉が見つからなかったのだ。
「無理とかいうレベルの問題じゃない。そんなのを遥かに超越して無理だとおもう。俺自身が役立たずなのは本当のことだから、あいつらの言い分や態度もある程度は理解できるよ。」
そのある程度を大幅に超えているから困る。
今までずっと彼らをのさばらせてきた自分にも非があるとアデラールは思っているが、今更それを気付いたところで相手の意識を変えれるとは到底思えない。
長い間の蓄積が今日の結果を招いているのだ。それを一朝一夕でどうにかするのは困難なことだ。
しかしながらイオスたちにしても性根が腐りすぎている。
「……」
ティリアはもう何も言えなくなってしまったのか?
それなのに俺の口からは堰を切ったように、つぎつぎと言葉があふれ出てくる、頭ではわかっているんだ、彼女にぶつけるように言うのは間違っている。
でも、俺はその想いを止めることができなかった。
或いは彼女なら黙って聞いてくれるから、敢えて止めなかったのかもしれない。
「もう、いっそのこと、田舎に帰って大根でも作ろうと思うんだよ」
「だ、大根ですか…ご実家は大根農家なんですか?」
ティリアもなにを言うべきかわからないようだ。
とりとめのない会話に無意味な答え、だけど、俺は彼女と会話してるのが楽しいといつも思っていた。
内容なんてなんでもいい、どうでもいい。
「大根好き?」
「ええ、まぁ、普通くらいには好きかな? と思いますけど……」
ここへきて俺の会話スキルでは、この窮地をくつがえすことができないとわかった。
大根の話でここからどうやって広げるつもりだ?
「じゃあ、一緒に俺の田舎へ帰ろうよ! 今なら3号さんの座が空いてるし」
大根といえば俺の田舎じゃ若い子に大人気だ。
それはこのカイユテでも変わらないはずだ。大根すなわちナンパの常套句である。
俺はこのトークで向かいのトメさんを…
いや…この話は今は関係ないな。
「え、3号さんて何ですか? それに私は奴隷としてこのギルドに売却されたので、年季が明けるまでここを離れることはできないんです」
ティリアから意外な事実が明かされる。
普段の彼女はとても”そういう”風にはみえない。
アデラールじゃなくても彼女に好意をもつ人物は多いだろう。
それだけに意外だったが、それは彼女に好意を持つ皆がそう思うかもしれない。
"彼女の良い部分にしか目が行ってなかったんだ"、見たい物しか見ようとしなかった自分に、アデラールは少しばかり自己嫌悪をしていた。
「え…? 因みに売られた金額って聞いてもいい?」
不躾に聞いて良い内容ではないのは分かっている。
だがそれでも聞かずにはいられなかった。
「金貨100枚くらいだそうです…」
自身の命と自由の値段なのに『くらい』というのは、おかしな物言いだ。
しかし、ここまで高額だと誤差を『くらい』とも言いたくなる。
言葉尻がしぼんで聞こえたのが言葉に込められたティリアの想いな気がして、アデラールもぎゅっと胸が詰まる想いがした。
「そうか…それならいいや!」
アデラールとしては明るく振舞って空気を変えようとしたが、ティリアからは侮蔑が入り混じった、何とも微妙な笑顔で返されてしまった。
全財産銀貨2枚ちょっとの俺ではどうにもならないな。
爪に火を点す想いで貯めた銀貨2枚だが、これでは旅費を切り詰めてようやく田舎に辿り着ける程度だ。
馬屋の厩舎が贅沢に思えるくらいのつらい旅になると思う。
それもこれもイオスたちに搾取され続けて、金を貯めるゆとりが無かったからだ。
本当にいつ見ても可愛いな…
ハーフエルフだからかもしれないが、顔の造形が人間離れしていて、それでいて人間みたく出るところは出ている。
彼女みたいな容姿のハーフエルフは大勢いるが、俺は断然、彼女が一番だと思う。
金があったら本当に身請けしたんだが、銀貨2枚ではどうしようもない。
「あの…冒険者の引退はもう、決めてしまわれたのですか?」
ティリアはどうにか引き留めようとするが同時にそれをしてしまっていいかわからない。
そんな風に思っているのか、戸惑っているような、自信がないような調子で話をしている。
アデラールが冒険者を引退する理由がもっと別の形ならば、彼女も持ち前の明るさを発揮して、もっと別の言葉を彼に贈ったはずだ。
「うん、このまま、ずるずる続けても何かが大きく変わるって気もしないから、ケンカ別れして田舎を飛び出してきたけど、みんなに謝ってやり直そうと思ってる」
若気の至りと言えばそれまでだけど、田舎を飛び出して都会に出れば、何かしら可能性を掴めると思っていたところはあるよ。何の根拠も無いのにな。
イオスたちのようにダンジョンを攻略して富と名声を得ようだとか、凶悪な魔物を討伐して立身出世を目指すとか、英雄になりたいだとか。
そういうのじゃない。
単純に目の前のつまらない現実が受け入れられず、そこから逃げ出してカイユテに出てきただけだ。
確固たる想いもなしに、覚悟さえも持たずに、あの頃の俺はなんて甘い人間だったんだ。
そういう意味ではイオスたちのほうが、まだまともなのかもしれない。
アデラールの決意の言葉を聞いて、ティリアの胸中には複雑な想いが交錯していた。
そんなティリアの顔を、これがもう最後だからと目に焼き付けようと、アデラールはティリア以上に複雑な想いを抱えながら見つめていた。
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