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灯に行く迷い手と誘い手
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ここは「人間が存在しない」場所。
代わりに妖怪という者達が人の目を逃れるために住んでいる。
一昔の人間が住んでいそうな、まるで「京の都」にも似た風景がひたすら広がり旅館や温泉、呉服屋や家屋など他にも沢山の和風の建物が立ち並び、
そしてそこら中に置かれた仄かに灯る街灯が淡い夕陽色の光を周りに飛ばす度にその場所がまるで人間の居て良い場所ではないかのように感じさせる。
そこに人ではないが人の形をした者達が住み合い跋扈する。
そこに青白い花柄の着物を着つけた長髪の1人の女性が走る。
女性「ハッ・・・・・ハッ・・・・・・・」
妖怪達が行き交う中をかき分け、一直線に走る途中、誰かにぶつかる。
ドンッ!!
?「わっ」
女性「いっ・・!」
ぶつかった者同士後ろに飛ぶ。
女性が尻餅をつき痛がっている間に相手が立ち上がり、こちらに手を差し伸べる。
?「大丈夫?」
相手は少し軟派な着付けをした神主のような格好をした男性。
その顔は服装とは相反して真面目そうでありながら朗らかな顔をした短髪の好青年。
女性「大丈夫です・・・すみません」
差し伸べられた手を取り、起き上がる。
男性「どうしたんだい、そんな何かから逃げるように走って」
そういいながら着物についた汚れを落とす
女性「別にそういう訳では・・・・・いや、ごめんなさい、実はそうなんです・・・」
女性も汚れを叩いて落とす。
男性「ん?どういうこと?」
女性の改変した発言に少し疑問を抱く男性。
女性「私この場所に気づいていたら居て・・・それでここの雰囲気が段々怖くなってきて・・・」
女性は少し震えがちに言う。
男性「成程。ここに来たものに良くあることだね。今まで見てきたもの感じてきたものが「向こう」とは大違いなんだから。
しかし君の様子を見るようだと自らここに来たようではないね。」
男性は淡々と女性にこの場所が女性が元いた場所とは違うことを告げる。
女性「どういうことですか?・・・」
ポカンとした顔で疑問を抱く女性
男性「要は君は誰かに誘われてきた。その誰かはわからないけども・・・恐らく向こうも君を探してるだろうね」
女性「誘った・・・?この私を?」
男性「そう、しかし強制的に飛ばされたってことは、誘われたというより無理矢理連れ込まれた感じだね」
そう説明すると、男性は後ろを振り向き
男性「まあ君がここにはじめて来たってことは、これから君には行かなきゃならないところがある。付いてきて」
笑いながらそういい、歩き出す。
女性「・・・?・・・はい・・・」
少し不安にも思うが悪い人ではなさそうなのでついていく女性
・・・・・・・・
男性「ついたよ、ここ」
男性が歩みを止めた先には大きな建物。一見銭湯のようにも見えたが窓の隙間から見える中がやけに薄暗い。
女性「ここは?・・・」
女性が問う
男性「まいいからさ、入って。不安だったら僕も一緒に行ってあげるから」
そういいながら女性に入るよう促す。
女性「・・・」
男性の後ろ着き、巨大な布掛けでカーテンのように塞がれた入口に入る。
入った先はやはりかなり暗い。女性は不安になり、男性の袖を無意識に掴む。
?「なに?だれかきたのか?」
奥の方から低い男性の声が聞こえる。
女性「ッ!」
女性は急に聞こえてきた声に少し驚く。
男性「うん、誰かにここに連れてこられたらしいんだけど」
?「そう・・・で、その娘をここへ何しに?」
2人は知り合いのようだが、向こうの顔は暗闇の向こうで全く見えず、女性はまだ恐怖感を拭えずにいた。
男性「この子怖がってるみたいだし、明かりくらいつけてやったら?僕も暗くて君がどこにいるかわかんないや」
?「ふっ・・・お前が他人を気遣うなぞ珍しい。なんかあったか?」
というと部屋の奥から段々といくつもの灯篭の灯りがついていき、部屋全体に光が行き渡る。
男性「いいや別に。まあ、身元もわからないんじゃそこらで野たれ死ぬだけだし、身の安全が取れるまで君の処で預かってくれない?」
女性がポカンとした顔でいると謎の相手の姿が見えてくる。
自分たちの目の前で雛壇の様な場所に座っている。古痩けた白い着物を着ているというか羽織っていて伸びきった髪もボサボサの浮浪者のような見た目。とてもこの大きい建物の家主とは思えない程ぼろぼろな見た目だが、顔はかなり若そうだ。
古痩けた男「ん~~~~・・・・・まあいいだろう。その代わりお前も顔出せよ。で、そういうことでこのまま貴女に行くところがなければここに居てもらうけど、いい?」
古痩けた男は優しい声で女性に語りかけ、初めて来た者はこの場で暫く過ごさないといけないと告げる。
女性「え・・・と・・・・・行くところがないなら・・・はい、いいです・・・」
男性「そういうことで、じゃ」
そう言ってこの場から立ち去ろうとすると
女性「あの・・・!」
女性が去ろうとする男性を呼び止める。
男性「ん?」
女性「名前を教えてください・・・」
男性「名前・・・そうね、僕は窮奇(きゅうき)。君は?」
女性「私は・・・伊代(いよ)です・・・」
窮奇「そう・・・いい名前だよ。じゃあ、君がここにいる限り僕、また来るから」
そういって窮奇は軽い会釈して立ち去っていく。
それを見て、伊代は深々頭を下げて見送る。
古痩けた男「・・・・・じゃ、俺からも自己紹介しとこうか、俺は陰陽師の宥梅季(なだめき)。君には、今からここで誘い手が見つかるまで過ごしてもらう」
伊代「陰陽師・・・?ということは人・・・?」
宥梅季「元ね、今はここの連中の仲間入り。ここの街灯の光に晒されると嫌でも物怪に成り変わる。君の種族がなんなのか後で調べるとして、もしも人間だったらこの街の街灯に長いこと当て続けることはしたくないしね」
そう告げると、宥梅季は立ち上がり伊代に手招きする。
宥梅季「来て。君は見た限り、ここに来た衝撃かもともとかわからないが、自分の種族を把握していないみたいだ」
女性「え、あ・・・はぁ・・・」
宥梅季についていき、奥の部屋へと入ると針が数本置かれたテーブルがあり、そこに座るよう仕草をされた。
宥梅季「じゃ、いまから君の血を1滴だけ貰う。腕、出して」
伊代「え・・・?」
少し不安になる伊代
宥梅季「君の血を水に垂らして広がり方を見るんだ。煙のような広がり方をしたら人間、それ以外は妖怪だけど、妖怪にもそれぞれ反応が違う」
伊代「そうですか・・・やっぱり、痛みますか?」
宥梅季「いいやそんなに。毛を1本抜かれる程度の痛みよ」
伊代「・・・はぁ・・・」
恐る恐る手を出す。
宥梅季はゆっくりと腕に針を指し、針についた血を水瓶の中に漬ける。
宥梅季「・・・・・成程ね」
血は煙のように広がったものの、水の中に沈まず水面の上で煙の様になった血が磁石同士が反発するように浮く。
宥梅季「こりゃ珍しい。人間と妖怪の混合か。妖怪は・・・見た限り鴆(ちん) だな。だが少し人間が濃ゆい」
伊代「私が、人間と妖怪の・・・?」
宥梅季「そ。これじゃ外の街灯には当てられねえな。やっぱりここにいるべきだな」
伊代は少し俯くと同時に問う。
伊代「あの・・・もし私を探してる人に会えたら、私は帰れるんですか・・・?」
宥梅季「ん~~~、それはその人次第だな。もしかしたらただ話があるかもしれないし、もしかしたらここで君と過ごすつもりかもしれない」
伊代「そうですか・・・」
伊代はまた不安そうな顔をすると
宥梅季「まあ、その時はその時。自分で決めりゃいい。それまでは、俺の所でゆっくり心を落ち着かせながら過ごしな」
伊代「はい・・・」
宥梅季「少し話が長くなったな・・・すっかり日が落ちてしまった。どうだ?空腹感はあるか?」
伊代「あ、はい・・・」
宥梅季「そうか、じゃあ別の部屋で一緒に飯にするか」
そういい宥梅季は立ち上がる。
伊代「はい・・・」
宥梅季「あ、そういや寝られる部屋も一つしかないから寝るのも一緒だぞ」
伊代「えっ」
宥梅季「他の部屋は他のやつらが使ってるからな」
伊代「え~~・・・何するつもりです?」
宥梅季「何もしねえよ!・・・・・
あんた結構そういうところあんだな・・・」
宥梅季は微かに笑いながら部屋に入り、伊代も共に微笑みながら着いていく・・・
代わりに妖怪という者達が人の目を逃れるために住んでいる。
一昔の人間が住んでいそうな、まるで「京の都」にも似た風景がひたすら広がり旅館や温泉、呉服屋や家屋など他にも沢山の和風の建物が立ち並び、
そしてそこら中に置かれた仄かに灯る街灯が淡い夕陽色の光を周りに飛ばす度にその場所がまるで人間の居て良い場所ではないかのように感じさせる。
そこに人ではないが人の形をした者達が住み合い跋扈する。
そこに青白い花柄の着物を着つけた長髪の1人の女性が走る。
女性「ハッ・・・・・ハッ・・・・・・・」
妖怪達が行き交う中をかき分け、一直線に走る途中、誰かにぶつかる。
ドンッ!!
?「わっ」
女性「いっ・・!」
ぶつかった者同士後ろに飛ぶ。
女性が尻餅をつき痛がっている間に相手が立ち上がり、こちらに手を差し伸べる。
?「大丈夫?」
相手は少し軟派な着付けをした神主のような格好をした男性。
その顔は服装とは相反して真面目そうでありながら朗らかな顔をした短髪の好青年。
女性「大丈夫です・・・すみません」
差し伸べられた手を取り、起き上がる。
男性「どうしたんだい、そんな何かから逃げるように走って」
そういいながら着物についた汚れを落とす
女性「別にそういう訳では・・・・・いや、ごめんなさい、実はそうなんです・・・」
女性も汚れを叩いて落とす。
男性「ん?どういうこと?」
女性の改変した発言に少し疑問を抱く男性。
女性「私この場所に気づいていたら居て・・・それでここの雰囲気が段々怖くなってきて・・・」
女性は少し震えがちに言う。
男性「成程。ここに来たものに良くあることだね。今まで見てきたもの感じてきたものが「向こう」とは大違いなんだから。
しかし君の様子を見るようだと自らここに来たようではないね。」
男性は淡々と女性にこの場所が女性が元いた場所とは違うことを告げる。
女性「どういうことですか?・・・」
ポカンとした顔で疑問を抱く女性
男性「要は君は誰かに誘われてきた。その誰かはわからないけども・・・恐らく向こうも君を探してるだろうね」
女性「誘った・・・?この私を?」
男性「そう、しかし強制的に飛ばされたってことは、誘われたというより無理矢理連れ込まれた感じだね」
そう説明すると、男性は後ろを振り向き
男性「まあ君がここにはじめて来たってことは、これから君には行かなきゃならないところがある。付いてきて」
笑いながらそういい、歩き出す。
女性「・・・?・・・はい・・・」
少し不安にも思うが悪い人ではなさそうなのでついていく女性
・・・・・・・・
男性「ついたよ、ここ」
男性が歩みを止めた先には大きな建物。一見銭湯のようにも見えたが窓の隙間から見える中がやけに薄暗い。
女性「ここは?・・・」
女性が問う
男性「まいいからさ、入って。不安だったら僕も一緒に行ってあげるから」
そういいながら女性に入るよう促す。
女性「・・・」
男性の後ろ着き、巨大な布掛けでカーテンのように塞がれた入口に入る。
入った先はやはりかなり暗い。女性は不安になり、男性の袖を無意識に掴む。
?「なに?だれかきたのか?」
奥の方から低い男性の声が聞こえる。
女性「ッ!」
女性は急に聞こえてきた声に少し驚く。
男性「うん、誰かにここに連れてこられたらしいんだけど」
?「そう・・・で、その娘をここへ何しに?」
2人は知り合いのようだが、向こうの顔は暗闇の向こうで全く見えず、女性はまだ恐怖感を拭えずにいた。
男性「この子怖がってるみたいだし、明かりくらいつけてやったら?僕も暗くて君がどこにいるかわかんないや」
?「ふっ・・・お前が他人を気遣うなぞ珍しい。なんかあったか?」
というと部屋の奥から段々といくつもの灯篭の灯りがついていき、部屋全体に光が行き渡る。
男性「いいや別に。まあ、身元もわからないんじゃそこらで野たれ死ぬだけだし、身の安全が取れるまで君の処で預かってくれない?」
女性がポカンとした顔でいると謎の相手の姿が見えてくる。
自分たちの目の前で雛壇の様な場所に座っている。古痩けた白い着物を着ているというか羽織っていて伸びきった髪もボサボサの浮浪者のような見た目。とてもこの大きい建物の家主とは思えない程ぼろぼろな見た目だが、顔はかなり若そうだ。
古痩けた男「ん~~~~・・・・・まあいいだろう。その代わりお前も顔出せよ。で、そういうことでこのまま貴女に行くところがなければここに居てもらうけど、いい?」
古痩けた男は優しい声で女性に語りかけ、初めて来た者はこの場で暫く過ごさないといけないと告げる。
女性「え・・・と・・・・・行くところがないなら・・・はい、いいです・・・」
男性「そういうことで、じゃ」
そう言ってこの場から立ち去ろうとすると
女性「あの・・・!」
女性が去ろうとする男性を呼び止める。
男性「ん?」
女性「名前を教えてください・・・」
男性「名前・・・そうね、僕は窮奇(きゅうき)。君は?」
女性「私は・・・伊代(いよ)です・・・」
窮奇「そう・・・いい名前だよ。じゃあ、君がここにいる限り僕、また来るから」
そういって窮奇は軽い会釈して立ち去っていく。
それを見て、伊代は深々頭を下げて見送る。
古痩けた男「・・・・・じゃ、俺からも自己紹介しとこうか、俺は陰陽師の宥梅季(なだめき)。君には、今からここで誘い手が見つかるまで過ごしてもらう」
伊代「陰陽師・・・?ということは人・・・?」
宥梅季「元ね、今はここの連中の仲間入り。ここの街灯の光に晒されると嫌でも物怪に成り変わる。君の種族がなんなのか後で調べるとして、もしも人間だったらこの街の街灯に長いこと当て続けることはしたくないしね」
そう告げると、宥梅季は立ち上がり伊代に手招きする。
宥梅季「来て。君は見た限り、ここに来た衝撃かもともとかわからないが、自分の種族を把握していないみたいだ」
女性「え、あ・・・はぁ・・・」
宥梅季についていき、奥の部屋へと入ると針が数本置かれたテーブルがあり、そこに座るよう仕草をされた。
宥梅季「じゃ、いまから君の血を1滴だけ貰う。腕、出して」
伊代「え・・・?」
少し不安になる伊代
宥梅季「君の血を水に垂らして広がり方を見るんだ。煙のような広がり方をしたら人間、それ以外は妖怪だけど、妖怪にもそれぞれ反応が違う」
伊代「そうですか・・・やっぱり、痛みますか?」
宥梅季「いいやそんなに。毛を1本抜かれる程度の痛みよ」
伊代「・・・はぁ・・・」
恐る恐る手を出す。
宥梅季はゆっくりと腕に針を指し、針についた血を水瓶の中に漬ける。
宥梅季「・・・・・成程ね」
血は煙のように広がったものの、水の中に沈まず水面の上で煙の様になった血が磁石同士が反発するように浮く。
宥梅季「こりゃ珍しい。人間と妖怪の混合か。妖怪は・・・見た限り鴆(ちん) だな。だが少し人間が濃ゆい」
伊代「私が、人間と妖怪の・・・?」
宥梅季「そ。これじゃ外の街灯には当てられねえな。やっぱりここにいるべきだな」
伊代は少し俯くと同時に問う。
伊代「あの・・・もし私を探してる人に会えたら、私は帰れるんですか・・・?」
宥梅季「ん~~~、それはその人次第だな。もしかしたらただ話があるかもしれないし、もしかしたらここで君と過ごすつもりかもしれない」
伊代「そうですか・・・」
伊代はまた不安そうな顔をすると
宥梅季「まあ、その時はその時。自分で決めりゃいい。それまでは、俺の所でゆっくり心を落ち着かせながら過ごしな」
伊代「はい・・・」
宥梅季「少し話が長くなったな・・・すっかり日が落ちてしまった。どうだ?空腹感はあるか?」
伊代「あ、はい・・・」
宥梅季「そうか、じゃあ別の部屋で一緒に飯にするか」
そういい宥梅季は立ち上がる。
伊代「はい・・・」
宥梅季「あ、そういや寝られる部屋も一つしかないから寝るのも一緒だぞ」
伊代「えっ」
宥梅季「他の部屋は他のやつらが使ってるからな」
伊代「え~~・・・何するつもりです?」
宥梅季「何もしねえよ!・・・・・
あんた結構そういうところあんだな・・・」
宥梅季は微かに笑いながら部屋に入り、伊代も共に微笑みながら着いていく・・・
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