34 / 61
五月です。指輪争奪戦の始まりです。
33話:帰って来た男
しおりを挟む
ティリーは医療棟を歩き回り、病室をひとつずつ開け放って行く。意識のある患者や見舞の生徒はティリーの姿にぎょっとしていたが、彼女は気にしない。その内、気付いたが、どうやら奥に行くほど重傷者の病室になっているようだ。
(この部屋にもいない)
足はどんどん奥へ進んで行く。
病室のドアを開ければ眠っている者も多く、包帯の量も増えていた。しかしまだツィロもタイロンもいない。焦燥を落ち着けるように、ティリーは深く息を吐く。もっとも、それにほとんど効果はなかったのだが。
途中で医療棟の男性スタッフとすれ違い、声をかけられた。
緊急ですか。怪我をしているのですか。濡れていては風邪を引きます――など、そのスタッフはひと通りの心配をしてくれた。ティリーが答えずにいると、身体的に問題はないと判断したのか、今度は衛生観念がどうと注意の言葉を投げてくる。やや早口で感情の乗った言葉。今のティリーには鬱陶しく、耳触りだった。
彼女は片手でスタッフの白衣の胸元を掴む。
「ぐっ」
「今日、運ばれてきた男子生徒。巨漢とヒゲヅラ。どの部屋?」
「な、何……?」
「どこ?」
「っ、うっ!」
掴んだ白衣を上に吊り上げれば、彼は苦しげな声を上げた。そして腕を動かして奥を指差す。
「この、三つ先の……」
「わかった」
ティリーが手を離せば、スタッフは咳込みながら首元をさすった。苦しげで、自分を見つめる目には怯えの感情が滲んでいる。
「ありがとう……あと、ごめん」
ほんの少しだが頭が冷えた。ティリーはそれだけ言い残し、彼が告げた病室のほうへ進んで行く。
横開きのドアを開ければ、ベッドが四つ並んでいる。血と土で汚れた騎士科の白い制服が壁にかけられていた。ぐっしょりと濡れているようで、その下には水溜まりができている。
四つあるベッドの内のひとつに包帯まみれのツィロがいて、隣のベッドに、同じく包帯でぐるぐる巻きにされたタイロンがいた。わざと足音を立てて近付く。飛び起きてくれればと微かな期待があった。
(起きない……)
巨漢のタイロンには病室のベッドは狭そうだ。ただでさえ大きな顔だったのに、怪我のせいで腫れてさらに膨らんでいる。見えている場所でさえそうなのだ。包帯を巻かれた――つまりより深い傷を負った部分は、なおのこと酷いのだろう。
隣のベッドに近付く。
ツィロの意識もなかった。かろうじて上下する胸に安堵する。だが状態を確かめようと掛けてあった布団をはがし、眉を寄せた。
(腕……折れてる)
治療されているため度合いは不明だが、固定された左腕が骨折を物語っている。なんにしても完治するまで――これまでと同じレベルで戦えるようになるには、長い時間がかかるだろう。
バクバクと心臓が早鐘を打つ。将来、自分が女男爵となり『赤狼騎士団』を率いる時、三馬鹿は共に前線で戦うのだと、ずっと思っていた。それが当たり前で、今はそのための修行期間なのだと。なんの疑いもなく、そんな将来を思い描いていた。
何が悪かったのか、わからない。何をどう間違えたせいで、ツィロとタイロンが意識不明の重傷を負っているのか。苛立ちが募る。敵への怒りもあるが、どちらかといえば、自分自身への苛立ちのほうが大きい。
ティリーは小さく唸った。
獣のような唸り声――は、ふと止まる。
病室のドアをジッと見つめていると、やがて足音が聞こえて来た。だんだんと近付いてくる足音はドアの前で止まる。そして少しの間ののちにドアが開いた。
そこに立つ人物を視界に捉えたティリーは目を見開く。
「トム……」
「よう、酷い有様だな」
フェッツナー男爵領に行っていたはずの彼が、そこにいた。
普段は気分によって髪型を変えているトムだが、今日は何もしていない。それどころかぐっしょりと水に濡れており、服も制服ではなく私服だ。
「人のこと言えないと思うけど。濡れ鼠四号」
「あ? 濡れ鼠? 仕方ねえだろ。この天候で男爵領から馬飛ばして帰って来て、そのまま学園まで来てんだぞ。それより……えらいことになったな」
「……ん」
ティリーが意識のないふたりに目を向けると、トムが病室の中に入って来た。濡れた足音を立てながら隣に近付いた彼は低い声で「ティリー」と彼女の名を呼ぶ。
「何?」
彼のほうを向くと――
「なに、してるの?」
トムは、深く頭を下げていた。
「指輪狩りでどう動くか、作戦を立てたのは俺だ。今回のことの責任は俺にある」
「作戦通りに動けば絶対成功するってことでもないでしょう? それにトムはここにいなかったんだし、状況はわからないわけで」
「それは言い訳にはならないだろ。現場にいないから策がハマりませんでしたって、どこの馬鹿軍師の言い訳だよ」
「とりあえず、頭上げなよ。話しにくい」
「だが……」
「それに殴りにくいから」
「……余計に怖くなった。顔上げんの」
と、言いながら顔を上げたトムは、引きつった笑みを浮かべている。無理に表情を作ったのだろう。彼にしては珍しく取り繕えていない。後悔に苛まれた顔だ。
「殴んねえの?」
「今はまだ」
「……責任感じてる身としては、感情のまま一発殴ってもらったほうが楽になれんだけどな……」
「わたしは何も言ってないよ。なのに勝手に責任感じて殴れって?」
「俺は――」
眉を寄せる彼が何を言うのか、ティリーは黙って聞くことにした。
普段、飄々として、冷静で、仲間内の中では一番大人の落ち着きのある青年だ。十代になったばかりの頃までは、同じように馬鹿騒ぎをしていたが、いつの間にかひとりで大人になってしまった。彼に任せておけばどうにかなる。そんな風に頼ってばかりだった。
(こういう顔、久しぶりに見たかもしれない)
トムは深く息を吐いて、静かに「見誤った」とこぼす。
「甘く見てたんだ。帝国学園っつっても、所詮はたかが騎士見習い。貴族の坊ちゃんたちを相手にするのは、俺たちなら楽勝だってな……圧倒的な力がある。あとは状況を見つつ、勢いで押せば問題なく行ける……そう判断した」
「判断したのはトムかもしれないけど、決定したのはわたしだよ。わたしだし、ツィロだし、タイロンだし、チャールズだ。みんながそれでいいと思って行動していた。そうでしょう?」
「責任の分散がしたいわけじゃねえ……」
「なるほど。じゃあ歯を食いしばって」
「あ?」
言うが早いかティリーの拳がトムの横っ面を打ち抜いた。さほど力を込めたつもりはなかったが、トムはふらつきながら壁に手をつき身体を支えた。
「なあ……歯を食いしばる時間、あったか?」
「殴ってくれって言ってたし、心構えはできていたんでしょう? まあ、殴りはしたけど、やっぱりトムに責任はないよね。あるとしたら、わたし。違う?」
「っ、何を――」
「とりあえず、これからのことを考えないといけない。どこでどう暴れるか、報復相手は誰なのか。その辺、しっかり決めないとね」
腹の奥の感情の火は消えていない。だが、自分と同じようなことをウジウジ悩んでいるトムを一発殴り、少しだけスッキリした。気持ちが前向きになり――敵への報復を決行しようという考えに至れたのだ。これも一歩前進である。
大きな音を出したのに、ツィロとタイロンは目を覚まさない。意識は深いところに沈んでいるのだろう。
全員に油断があったことは否めない。だったらもう油断しなければいい話だ。今はまだはっきりしない敵の全容が明確になった時、その喉元に食らいつく。その瞬間のために今は牙を研ぐ時だ。
「報復や復讐は自分でやるほうがスッキリするんだよ」
だから早く目を覚ませと、ティリーは悪友ふたりの手を、左右それぞれの手でぎゅっと握った。
(この部屋にもいない)
足はどんどん奥へ進んで行く。
病室のドアを開ければ眠っている者も多く、包帯の量も増えていた。しかしまだツィロもタイロンもいない。焦燥を落ち着けるように、ティリーは深く息を吐く。もっとも、それにほとんど効果はなかったのだが。
途中で医療棟の男性スタッフとすれ違い、声をかけられた。
緊急ですか。怪我をしているのですか。濡れていては風邪を引きます――など、そのスタッフはひと通りの心配をしてくれた。ティリーが答えずにいると、身体的に問題はないと判断したのか、今度は衛生観念がどうと注意の言葉を投げてくる。やや早口で感情の乗った言葉。今のティリーには鬱陶しく、耳触りだった。
彼女は片手でスタッフの白衣の胸元を掴む。
「ぐっ」
「今日、運ばれてきた男子生徒。巨漢とヒゲヅラ。どの部屋?」
「な、何……?」
「どこ?」
「っ、うっ!」
掴んだ白衣を上に吊り上げれば、彼は苦しげな声を上げた。そして腕を動かして奥を指差す。
「この、三つ先の……」
「わかった」
ティリーが手を離せば、スタッフは咳込みながら首元をさすった。苦しげで、自分を見つめる目には怯えの感情が滲んでいる。
「ありがとう……あと、ごめん」
ほんの少しだが頭が冷えた。ティリーはそれだけ言い残し、彼が告げた病室のほうへ進んで行く。
横開きのドアを開ければ、ベッドが四つ並んでいる。血と土で汚れた騎士科の白い制服が壁にかけられていた。ぐっしょりと濡れているようで、その下には水溜まりができている。
四つあるベッドの内のひとつに包帯まみれのツィロがいて、隣のベッドに、同じく包帯でぐるぐる巻きにされたタイロンがいた。わざと足音を立てて近付く。飛び起きてくれればと微かな期待があった。
(起きない……)
巨漢のタイロンには病室のベッドは狭そうだ。ただでさえ大きな顔だったのに、怪我のせいで腫れてさらに膨らんでいる。見えている場所でさえそうなのだ。包帯を巻かれた――つまりより深い傷を負った部分は、なおのこと酷いのだろう。
隣のベッドに近付く。
ツィロの意識もなかった。かろうじて上下する胸に安堵する。だが状態を確かめようと掛けてあった布団をはがし、眉を寄せた。
(腕……折れてる)
治療されているため度合いは不明だが、固定された左腕が骨折を物語っている。なんにしても完治するまで――これまでと同じレベルで戦えるようになるには、長い時間がかかるだろう。
バクバクと心臓が早鐘を打つ。将来、自分が女男爵となり『赤狼騎士団』を率いる時、三馬鹿は共に前線で戦うのだと、ずっと思っていた。それが当たり前で、今はそのための修行期間なのだと。なんの疑いもなく、そんな将来を思い描いていた。
何が悪かったのか、わからない。何をどう間違えたせいで、ツィロとタイロンが意識不明の重傷を負っているのか。苛立ちが募る。敵への怒りもあるが、どちらかといえば、自分自身への苛立ちのほうが大きい。
ティリーは小さく唸った。
獣のような唸り声――は、ふと止まる。
病室のドアをジッと見つめていると、やがて足音が聞こえて来た。だんだんと近付いてくる足音はドアの前で止まる。そして少しの間ののちにドアが開いた。
そこに立つ人物を視界に捉えたティリーは目を見開く。
「トム……」
「よう、酷い有様だな」
フェッツナー男爵領に行っていたはずの彼が、そこにいた。
普段は気分によって髪型を変えているトムだが、今日は何もしていない。それどころかぐっしょりと水に濡れており、服も制服ではなく私服だ。
「人のこと言えないと思うけど。濡れ鼠四号」
「あ? 濡れ鼠? 仕方ねえだろ。この天候で男爵領から馬飛ばして帰って来て、そのまま学園まで来てんだぞ。それより……えらいことになったな」
「……ん」
ティリーが意識のないふたりに目を向けると、トムが病室の中に入って来た。濡れた足音を立てながら隣に近付いた彼は低い声で「ティリー」と彼女の名を呼ぶ。
「何?」
彼のほうを向くと――
「なに、してるの?」
トムは、深く頭を下げていた。
「指輪狩りでどう動くか、作戦を立てたのは俺だ。今回のことの責任は俺にある」
「作戦通りに動けば絶対成功するってことでもないでしょう? それにトムはここにいなかったんだし、状況はわからないわけで」
「それは言い訳にはならないだろ。現場にいないから策がハマりませんでしたって、どこの馬鹿軍師の言い訳だよ」
「とりあえず、頭上げなよ。話しにくい」
「だが……」
「それに殴りにくいから」
「……余計に怖くなった。顔上げんの」
と、言いながら顔を上げたトムは、引きつった笑みを浮かべている。無理に表情を作ったのだろう。彼にしては珍しく取り繕えていない。後悔に苛まれた顔だ。
「殴んねえの?」
「今はまだ」
「……責任感じてる身としては、感情のまま一発殴ってもらったほうが楽になれんだけどな……」
「わたしは何も言ってないよ。なのに勝手に責任感じて殴れって?」
「俺は――」
眉を寄せる彼が何を言うのか、ティリーは黙って聞くことにした。
普段、飄々として、冷静で、仲間内の中では一番大人の落ち着きのある青年だ。十代になったばかりの頃までは、同じように馬鹿騒ぎをしていたが、いつの間にかひとりで大人になってしまった。彼に任せておけばどうにかなる。そんな風に頼ってばかりだった。
(こういう顔、久しぶりに見たかもしれない)
トムは深く息を吐いて、静かに「見誤った」とこぼす。
「甘く見てたんだ。帝国学園っつっても、所詮はたかが騎士見習い。貴族の坊ちゃんたちを相手にするのは、俺たちなら楽勝だってな……圧倒的な力がある。あとは状況を見つつ、勢いで押せば問題なく行ける……そう判断した」
「判断したのはトムかもしれないけど、決定したのはわたしだよ。わたしだし、ツィロだし、タイロンだし、チャールズだ。みんながそれでいいと思って行動していた。そうでしょう?」
「責任の分散がしたいわけじゃねえ……」
「なるほど。じゃあ歯を食いしばって」
「あ?」
言うが早いかティリーの拳がトムの横っ面を打ち抜いた。さほど力を込めたつもりはなかったが、トムはふらつきながら壁に手をつき身体を支えた。
「なあ……歯を食いしばる時間、あったか?」
「殴ってくれって言ってたし、心構えはできていたんでしょう? まあ、殴りはしたけど、やっぱりトムに責任はないよね。あるとしたら、わたし。違う?」
「っ、何を――」
「とりあえず、これからのことを考えないといけない。どこでどう暴れるか、報復相手は誰なのか。その辺、しっかり決めないとね」
腹の奥の感情の火は消えていない。だが、自分と同じようなことをウジウジ悩んでいるトムを一発殴り、少しだけスッキリした。気持ちが前向きになり――敵への報復を決行しようという考えに至れたのだ。これも一歩前進である。
大きな音を出したのに、ツィロとタイロンは目を覚まさない。意識は深いところに沈んでいるのだろう。
全員に油断があったことは否めない。だったらもう油断しなければいい話だ。今はまだはっきりしない敵の全容が明確になった時、その喉元に食らいつく。その瞬間のために今は牙を研ぐ時だ。
「報復や復讐は自分でやるほうがスッキリするんだよ」
だから早く目を覚ませと、ティリーは悪友ふたりの手を、左右それぞれの手でぎゅっと握った。
28
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
加護を疑われ婚約破棄された後、帝国皇子の契約妃になって隣国を豊かに立て直しました
黎
ファンタジー
幼い頃、神獣ヴァレンの加護を期待され、ロザリアは王家に買い取られて王子の婚約者となった。しかし、侍女を取り上げられ、将来の王妃だからと都合よく仕事を押し付けられ、一方で、公爵令嬢があたかも王子の婚約者であるかのように振る舞う。そんな風に冷遇されながらも、ロザリアはヴァレンと共にたくましく生き続けてきた。
そんな中、王子がロザリアに「君との婚約では神獣の加護を感じたことがない。公爵令嬢が加護を持つと判明したし、彼女と結婚する」と婚約破棄をつきつける。
家も職も金も失ったロザリアは、偶然出会った帝国皇子ラウレンツに雇われることになる。元皇妃の暴政で荒廃した帝国を立て直そうとする彼の契約妃となったロザリアは、ヴァレンの力と自身の知恵と経験を駆使し、帝国を豊かに復興させていき、帝国とラウレンツの心に希望を灯す存在となっていく。
*短編に続きをとのお声をたくさんいただき、始めることになりました。引き続きよろしくお願いします。

俺だけ皆の能力が見えているのか!?特別な魔法の眼を持つ俺は、その力で魔法もスキルも効率よく覚えていき、周りよりもどんどん強くなる!!
クマクマG
ファンタジー
勝手に才能無しの烙印を押されたシェイド・シュヴァイスであったが、落ち込むのも束の間、彼はあることに気が付いた。『俺が見えているのって、人の能力なのか?』
自分の特別な能力に気が付いたシェイドは、どうやれば魔法を覚えやすいのか、どんな練習をすればスキルを覚えやすいのか、彼だけには魔法とスキルの経験値が見えていた。そのため、彼は効率よく魔法もスキルも覚えていき、どんどん周りよりも強くなっていく。
最初は才能無しということで見下されていたシェイドは、そういう奴らを実力で黙らせていく。魔法が大好きなシェイドは魔法を極めんとするも、様々な困難が彼に立ちはだかる。時には挫け、時には悲しみに暮れながらも周囲の助けもあり、魔法を極める道を進んで行く。これはそんなシェイド・シュヴァイスの物語である。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる