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二章 婚約式

another:理解不能:Sideヴァネッサ

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 『竜の背』の中腹付近の崖にある、薄暗い洞窟の中。

 洞窟の奥側に座したアメリア=ローズハートが、焚き火の明かりを頼りにして一心不乱に手を動かしている。薪がパチパチ爆ぜる音、入口を塞ぐ飛竜たちの向こう側から聞こえる吹雪の音の中、彼女が絵を描いている単調な作業の音がもうずいぶんと長い間続いていた。

 ヴァネッサ=ジルは飛竜たちに近い場所で片膝を抱えて座りながら、同年代の令嬢を横目で眺める。騎士である以上、顔には出さないが内心は複雑だ。雪の中で目立つ真っ赤な髪の彼女が、いずれ北の英雄と仰がれる人物の伴侶となることを、未だに信じられない気持ちでいる。

 ここ四十年、北の辺境領で生まれ育った者の中に、オリオン=ホワイトディアに憧れていない者はいない。戦争の英雄、北の覇者であり守護者、唯一無二の存在で、生きる伝説と云っても過言ではない傑物だ。ヴァネッサも北の子供たちの寝物語となっている『英雄オリオンの物語』に憧れて、女性の身でありながら騎士になった。

 王国内での女性の身分は低い。女性だけの竜騎士団はもちろん、女性だけの騎士団を所有している貴族など、ホワイトディア辺境伯くらいのものだ。蛮族との戦いが続いたり、凶暴な獣がいることもあり、北では戦い方を学ぶ女性が少なくない。

 男たちが戦いに赴いた時、子供や老人、家族、家の財産を守るのは、若い女たちの役目だ。その話を聞いたよその領地の人間は逃げればいいと言うが、かつて北の辺境領は閉ざされた場所だった。ホワイトディア家を筆頭に、辺境領の貴族が私財をはたいて道路を整備したことで、今でこそ王都や他領へ続く安全な道があるが、昔はそうではない。逃げる場所などなかった。だから女性でも武器を取ったのだ。

 とはいえ、女性が竜騎士になるのは簡単なことではない。偏見や差別がまったくないとは言えないが、大きな理由はそこではなかった。ひとえに男と女の身体の造りの問題だ。筋肉がつきにくく、成長期を迎えれば出産のために脂肪を蓄えはじめる身体は、飛行と戦闘を同時に行わなければならない、体力や筋力が必須の竜騎士には向いていない。

 それでもヴァネッサは子供の頃からの夢を諦めず、血反吐を吐く厳しい訓練の末、辺境伯家に仕える竜騎士になった。そして去年、城塞都市バラリオスに派遣され、憧れていた英雄の元で働けると決まった時は、感動で涙を流したほどだ。

 英雄オリオン直々の訓練は厳しく、戦闘のあれこれはもちろん、竜騎士としての所作、心構えなど、一から十まで改めて鍛えてもらえた。それがどれほど光栄で恵まれたことか、バラリオスの竜騎士で感激していない者はいない。

 だからこそ余計に、北の有力貴族でもなく、名前も聞いたことがないような、たかだか男爵家の令嬢が、長年に渡り誰も隣に立たせなかった英雄の伴侶になることが、受け入れられない。

 聞くところによれば、長子相続の慣例を放棄されるほど問題のある令嬢だとか。実際、何を考えているのかよくわからないところや、自分以外の人間に興味がなさそうな態度を見る限り、上に立って政務を行うのには向いていなさそうで、家督相続ができなくても無理はないと思えてしまう。

(それなのに、御老公は……)

 ヴァネッサの猫を彷彿とさせる吊り上がった目には、アメリアの隣に腰を下ろし、彼女の手元を眺めているオリオンが映っていた。穏やかな表情を浮かべて、時折、感心そうに眉を上げたり、顎のヒゲを撫でたりしている。

 今だけではない。

 先ほどの食事の時もそうだった――。

 何度呼びかけても返事をせず、オリオンが呼びに行って肩を揺すってようやく、アメリアは焚き火を囲む輪に入ってきた。しかし彼女は食事をしている暇などないとばかりに、小さなパンをひとつ食べるだけで食事を終わらせたのだ。わざわざオリオンがスープを作ってくれたというのに、その皿には手をつけていない。

(せっかく御老公が作ってくださったのに……!)

 なんて無礼な令嬢なのだろう。それに、雪山で食事をおろそかにするなど言語道断だ。食べなければ体温が上がらない。荷物のように運ばれていただけでも体温は低下し、身体は緩やかな死へ向かっているのに、食事を拒否するなどヴァネッサには理解できなかった。何もわかっていないのだとしたら、そんなことも知らないで、竜の背に同行したいなどと言い出したのかと、苛立ちが募る。

 隣のエリックを見れば、相変わらず真面目くさった顔で、スープのじゃがいもを咀嚼していた。彼はなんとも思わないのだろうか。自分たちの主が小娘にコケにされているかのような姿に、怒りを覚えないのだろうか。

(あっ、そういえば……オリオン様が若い婚約者にのぼせてるって、不敬な話も出回っていたわね)

 年齢差を考えもせず、若い娘にゾッコン、なんでも貢いでしまうほど寵愛して、言うことはハイハイとすべて聞くほど尻に敷かれ、いいところを見せようと張り切り、見ていて恥ずかしくなるほど若い婚約者にのぼせている――そんな話が、バラリオス城で囁かれている。それなのにヴァネッサのように不敬だと憤る者は少数派で、英雄の遅れてきた恋を生温かい目で見ている者がほとんどだ。年かさの使用人に至っては喜んで見守り、あるいは後押し、手助けまでしようとしているのだから、さっぱりわけがわからない。

 結局アメリア=ローズハートはパンをひとつ食べ、白湯を一杯飲むだけで食事を終えた。オリオンは何も言わない。

 騎士たるもの、どんなに悲惨な戦場のど真ん中にいようとも、疲労しきった状況であろうとも、食事や睡眠が取れるようにしておかなければならない。日常で食べることも眠ることも訓練の一環だ、と。訓練中に、そう話していたオリオンの姿は、今どこにもない。

(本当に、若い婚約者の言いなりになっていらっしゃるの……!?)

 もやもやする。憧れの英雄が、若い女にデレデレしている姿を見たくない。それなのに気になってしまう。いっそのことエリックのように、まったく気にしないでいられたらいいのにと、思わずにいられない。

 そのあとも、アメリア=ローズハートは絵を描き続けた。オリオンは自分の食事と後片付け、明日の支度を終えると、彼女の傍へ寄って行って腰を下ろした。絵を描く邪魔にならないように腰より下に毛布を巻いてあげている。表情に出さないように気をつけていたが、目の当たりにした光景に、ヴァネッサは思わず眉を寄せてしまうのだった――。

 そして時間が経ち、アメリアは未だに絵を描いている。

 オリオンはその様子を見ていたが、不意に立ち上がり、火の番をするふたりの若い騎士のほうへ歩いてきた。洞窟の天井はさして高くないため、身体の大きな彼は腰を少し曲げている。

 ヴァネッサとエリックが立ち上がろうとするのを、オリオンが「ああ、そのままで良い」制した。

「そなたたちはもう休みなさい。火の番は私がしよう」
「いえ、火の番は私とヴァネッサで交互に行います。オリオン様とアメリア様こそ、ごゆっくりお休みください」

 エリックが淡々と返すと、オリオンがフッと笑って首を横に振る。

「彼女はまだ眠らぬ。私もまだ起きておくつもりだ。火の番に何人も必要なかろう。休める時に休んでおきなさい」
「では彼女に――」
「わかりました。では二時間ほど眠らせていただきます」
「エリック!」
「ヴァネッサは俺のあとに番をしてくれ。先がいいなら、それでも構わない」
「っ……あとでいいわ」

 ヴァネッサがエリックにそう言うと、オリオンは頷いて、焚き火の傍に腰を下ろした。彼女は納得できない気持ちのまま、エリックと洞窟の奥のほうへ進む。アメリアはといえば、距離が近付いたふたりに気付いていないようで、相変わらず手元に視線を落としたまま絵を描いていた。

 荷物から支給品の毛布などを出して寝支度をしていると、エリックが隣に来る。

「ちょっと近いわよ。並んで寝るつもり?」

 任務中は固まって眠るものだが、それにしては距離が近い。咎めるように睨めば、彼もまた、咎めるような目でヴァネッサを見ていた。

「……何よ?」
「今回の任務に選ばれた時、君も上官に言われたはずだ」

 外の吹雪が強くなっている。小声で交わされるふたりの会話は、離れて火の番をするオリオンや、集中して絵を描くアメリアには届かない。

「アメリア様の好きにさせるように、とは言われたわ。そのこと?」
「わかっているなら、余計なことを言おうとするな」
「余計なこと? 早く休んだほうがいいって言おうとしたことを言ってるなら、私は間違っているとは思わない。明日もあるのよ。吹雪の中、運ばれるだけでも体力を消耗するわ。食べて、眠らないといけないでしょう?」
「オリオン様がそれを考えていないと思うのか?」
「それは……」

 若い婚約者の言いなりになっていて、冷静な判断ができていないから……と、口にするわけにはいかない。ヴァネッサは同僚の竜騎士から目を逸らした。

「スープはまだ残っている。オリオン様は、アメリア様が眠る直前にでもお出しするつもりなのだろう。今の……気持ちが昂っていらっしゃる状態では、眠れない。それに加えて、慣れない環境だ。野宿の経験もない令嬢が、眠れと言われて、すぐに眠るのは不可能だろう」
「目をつぶっているだけでも身体は休まるわ」
「身体は休まっても、頭が休まらない。悶々と脳が働き続けるより、それなりに納得するまで描いてもらったほうがいいと判断されたのだ。アメリア様の欲がある程度まで満たされるのをお待ちになっているんだろう」
「そんなのわからないじゃない」
「君よりはわかる。アメリア様をこの地までお連れしたのは、俺だ」

 それもあって選ばれたのだと彼は言う。

 ヴァネッサは唇を噛む。同行する二名の騎士の選抜理由が、アメリアを基準に選ばれていると、改めて突き付けられたからだ。彼女の顔見知りの騎士と、彼女と同性で年齢が近い騎士。ふたりが数多いる騎士の中から選ばれ、ここにいる理由はそれだけだろう。オリオンと気心が知れたベテランの騎士も、山岳を飛ぶのが得意な騎士も、ふたりの他に何人もいる。

 そう思うからこそ、余計に歯痒い。尊敬する英雄のため、故郷のため、夢のために竜騎士になったのに、よくわからない男爵家の令嬢のために動いていることが、受け入れられないのだ。

(英雄の物語に出てくるような、異国の王女だったり、聖女様みたいな人なら、喜んで膝を着いたのに……男爵家の、貴族失格の烙印を押されたような人なんて……!)

 ヴァネッサの生まれた家は北の辺境領内にある、ホワイトディア家に連なる伯爵家だった。だからこそ、ローズハート家の爵位が気になってしまう。

「火にくべる薪だって限られているのよ。ただ絵を描くことだけのために、大きく燃え上がらせておくなんて、ありえないわ」
「おい」
「寝るわ。おやすみなさい」

 ヴァネッサはエリックに背を向けて横になった。彼はそれ以上何も言わない。少ししてエリックも身体を横たえたのが、物音でわかった。

 目をつぶり、次に目を開けたのは四時間後。火の番が回ってきてからのことだ。起きても気分は晴れていなかった。

 アメリアは眠っている。息をしているのか怪しいくらい静かで、身じろぎひとつしない。昨夜の様子を見ていたからか、手が止まっているほうが違和感がある。

 彼女から目を逸らして離れた。そして、焚き火の傍らにあった鍋の中を見れば、エリックの言っていた通り、残っていたスープが減っている。それだけのことが、癇に障って仕方なかった。

 しばらくするとオリオンとエリックが起きてくる。火の番は二時間交代で、ということだったが、ヴァネッサは一時間と少ししかしていない。気を遣われた。性別のせい、だろうか。それともエリックより実力が下だと思われているから、だろうか。不満と苛立ちの火が燻る中に、薪をくべられていくようだ。

「ふむ……予想よりも吹雪いておるか」
「この付近だけか否か、様子を見て参ります」
「ひとりでは危険だ。私も行こう」

 洞窟の外を見ながらオリオンとエリックが話している。ヴァネッサはハッとしてふたりの間に入って行く。

「あの! 行くなら私も……!」
「ヴァネッサにはアメリア嬢を頼みたい」
「え……」
「身支度もあろう。手伝ってやってほしい。よいな?」
「ハッ、お任せください」

 ヴァネッサは頭を下げた。

 オリオンとエリックは相棒のクィーンとゼニスをつれて洞窟の外に出た。残されたヴァネッサは相棒のイーグルの顔を撫で、アメリアへと目を向ける。入口を塞いでいた三匹の内、二匹がいなくなって、洞窟の温度がぐっと下がった。

(身支度の手伝いって……)

 アメリアはヴァネッサが手を出さずとも、勝手に起き、自分で身支度を行っている。上着を着こみ、毛布を畳み、沸いたお湯をカップに注いで洞窟の奥で腰を下ろした。そして熱い白湯に息を吹きかけながら飲み、また、スケッチブックを取り出す。

 そこからは完全に蚊帳の外だった。アメリアはヴァネッサに目を向けない。ただただ手を動かしている。自分がここに残っているのは、アメリアがここにいるからだ。それなのに彼女はヴァネッサなどいなくてもいいと言わんばかりの態度で――

 だから。

 ヴァネッサ=ジルはアメリアの名前を数度、強く呼び、驚いて顔を上げた彼女に、話をした。睡眠の重要性、食事の重要性、薪の貴重さ……昨晩目についた点を言って聞かせる。

「絵をお描きになるのは結構ですが、時と場所を選ぶべきだと諫言いたします。飛竜で吹雪の中を進むのは危険です。もしも気を失って落下でもしたら、オリオン様にまで危険が及びます。そうなった時、貴方に責任が取れますか?」

 アメリアは何も言わない。

「平時に絵を描かれるのは構いませんが、今はやめませんか? 何かあってからでは遅いのです」

 無機質なグリーンアイが、ヴァネッサを映している。

「お言葉ですが、御老公が貴方に甘いのをいいことに、自由にしすぎではないでしょうか? 今回の同行はもちろん、わがままが過ぎるかと。御老公は貴方の言うことを聞いてしまうのです。なので貴方自身に自重していただかねば、困ります」

 思っていたことをすべて吐き出した瞬間、妙な爽快感に襲われた。自分は正しいことを言っている。間違ってなんかいない。苦々しい気持ちがなくなり、ヴァネッサは笑みをこぼした。

 困ったと言ったのはヴァネッサだ。

 だが、困った顔をしていたのは、アメリアだった。彼女はわずかに目を伏せて、スケッチブックを閉じると、薄く唇を開く。

「……正論です」

 アメリアは毛布を身体に巻き、そのまま硬い岩壁に背を預けて目を閉じた。そんな彼女に背を向けて、ヴァネッサはイーグルの元へ向かうのだった。

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