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第二章 海を越えた冒険
第15話 ファンキーなジジイ
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「リオン様ー。リオン様ー」
ギルドの職員が俺を呼んでいる。モンスターの専門家様とやらの準備が整ったのだろうか。
「んじゃ、俺は行ってくるぞアベル」
「はい。いってらっしゃい」
俺は、ギルドの職員と合流し、促されるまま奥の部屋に連れていかれた。応接室。そこにいたのは、白いひげを生やし、グラサンをつけた爺さんだった。
「フウウウ!! キミがリオンくんかね!! フウウウ!! 中々のいい男ではないか! どうだ? わしの孫娘の婿にならんかね?」
なんだこいつ。今日日、孫娘の結婚相手を勝手に決めるようなジジイがいるのかよ。結婚相手くらい自分で決めさせてやれ。
「では、わたくしはこれで失礼します」
俺を案内したギルドの職員は一礼して、この場を去って行った。このファンキーな爺さんと2人きりになるのは正直言って気が滅入る。
「まあまあ、座ってくれたまえ。お茶飲むかい?」
「いいえ。遠慮しておきます」
さっき散々コーヒーを飲んだばかりだ。これ以上水分はいらん。むしろ飯をくれ。飯を。
「キミの腕輪に記された戦闘記録からモンスターのデータを回収した。それは理解しているかな?」
「ええ」
「その結果、とんでもない事実が発覚した」
とんでもない事実? なんだそれは……俺は生唾をごくりと飲み込んだ。この応接室という空間に緊張が走る。ジジイはためにためて、口を開く。
「なんと、新種のモンスターはうちの死んだ婆さんにそっくりなことが判明した!」
「知らんわ!」
なんだこのジジイは。そんなどうでもいいことを言うために無駄な時間を使ったのかよ。
「んまあ。色々と戦闘データをとろうとしたんだけどね。キミがあのモンスターを瞬殺してしまったせいで、なーんにも戦闘データが取れんかったん。っていうか、キミが強すぎて、敵の攻撃力がどれだけやばいのか。防御力がどれだけ硬いのかっていうのがわからんちんなのだ」
「はあ……」
そんなこと言われても困る。命がけの戦闘で手加減しろって言うのは無茶な話だ。
「1度くらい攻撃受けてよー。そしたら、攻撃力のデータが取れたのにー。キミのせいで、あの女性型モンスターが触手を操る魔法を使うってことくらいしかわからなかったよ。キミはヒーラーなんでしょ? なら、傷を治せるなら攻撃受けても問題ないじゃない」
「会議室に座っている人間の発想ですね。現場の冒険者たちがどれだけ痛みに耐えているのか。あなたにはわからないでしょうね」
「ん? わかるよ。だって、ワシは元冒険者だったんだから」
「なんだと……」
このファンキーなジジイが元冒険者だと。とてもじゃないけどそうは見えない。
「わしの家系は代々冒険者の家系でな。わしの孫娘も冒険者として活躍しているんじゃよ。Cランク冒険者だぞ。どうだ? 凄いだろ?」
はあ。Cランクか。世間一般的にはCランクまでいければ一流っていう風潮はある。更に上のBランク、Aランクまで到達できるのは本当に一握りの人間。でも、俺は元々Bランクの冒険者だ。Cランクが特に凄いとは思わない。
「まあ、元々、Bランクだったキミには凄く感じないかもしれないな」
「俺のことを知ってるのか?」
「ん? ああ。知ってるとも。優れた回復術士にのみ与えられる称号、プリーストを手に入れたBランクのヒーラー。リオン。そして、その妹のBランクのタンク。レナ。世界中の情報を収集しているギルドの上部の人間には常識レベルの話だ」
俺は自分のことを知らない人間の元に行きたかったからこの異国の地に来た。だが、世間とは残酷なもので……俺が功績は異国のこの地まで広まっていた。アレサも俺のことを知っていたし、このジジイも……
「ヒーラーの身でありながら、バッファーも兼任するリオン。タンクの身でありながら、アタッカーもできるレナ。この2人は並の4人5人パーティより断然強くて、仕事も正確で丁寧で早かった。正に天は二物を与えたということだな。フウウウ!!」
「その話はいいでしょ。ツレを待たせているんです。新種登録の手続きがあるんだったら、早くしてくれますか?」
俺は苛立ってきた。人には触れて欲しくない過去があるのに、このジジイは土足で俺の心を踏みにじる。俺は誰かの傷を癒したくてヒーラーになった。でも、俺が回復すればするほど、レナの心は……
「ん? ああ、そうだったな。じゃあ、この用紙に必要事項を書いてちょ」
ジジイは俺に用紙を渡して来た。最初からそうしろ。と心の中で悪態をつき、俺はその用紙を受け取る。
用紙には、色々な項目を書く欄があった。遭遇したモンスターの名前、時間帯、場所、状況、その他生態がわかる情報を書きこめと。
俺はまず最初にモンスターの名前を書いた。本来なら発見者が名付けるものだが、俺はあのモンスターの名前を知っている。やつは自分でガイノフォビアと名乗っていた。だから、俺はそのまま用紙に【ガイノフォビア】と記入した。
「ぬわ!」
その瞬間ジジイが奇声を発した。なんだこのジジイ。いい加減うざいな。殴りたい気分だ。
「キミ……どうして、そのモンスターにガイノフォビアと名付けた」
「ガイノフォビア本人が名乗っていたそうです。ガイノフォビアに最初に遭遇した村人の証言です」
なんだこのジジイ。急に眼の色を変えやがって。こんな調子で用紙を書くのを妨害され続けたら、いつまでたっても終わらんぞ。
「キミは……モノフォビアというモンスターを知っているかね?」
「モノフォビア? 聞いたことないですね」
モノフォビア……孤独恐怖症を現す単語だ。ガイノフォビアと同様、恐怖症を名に冠するモンスターか?
「こちらも新種のモンスターだ。恐怖症の名を冠するモンスターが次々に現れているのは、偶然だと思うかい?」
「偶然……にしては出来すぎてますね。でも、俺には関係ないことです。モンスターの専門家なら勝手に研究してください」
「フハハハハ!! キミは冷たいのう! だが、そのクールさがいい! 気に入った! うちの孫娘のパートナーになる権利をやろう!」
「またその話ですか」
パートナー……つまり、結婚しろってことか。
「いいや。これは私からの依頼だ。うちの孫娘マリアンヌは、モノフォビアというモンスターを追っている。復讐のためにな」
ジジイの顔色が変わった。先程までのふざけた雰囲気からは想像できないほどシリアスな表情だ。
「マリアンヌの両親。つまり、わしの息子夫婦はな……モノフォビアというモンスターに殺されたんだ」
俺はその言葉を聞いて「ハッ」とした。なんとなくこのジジイが言おうとしていることはわかった。
「マリアンヌ自身もモノフォビアとの戦闘で傷を負ってしまった。まだ嫁入り前の体なのに、顔に一生消えない古傷を負わされてしまった」
新しい傷なら並のヒーラーなら十分回復できる。だが、つけられてから時間が経った傷は回復が難しいのだ。
「お孫さんの傷……俺なら治せるかもしれません」
「ハッハッハ! 確かにプリーストと呼ばれたほどの実力があるキミなら、治せるだろうな! フウウウ!! でも、マリアンヌがそれを望んでいないのだよ。わしだって、プリーストクラスの知り合いはいる。長いこと冒険者をやっているからな。でも、マリアンヌは治療を拒否した。なぜだかわかるかね?」
そんなこと言われても全く想像できない。女の子なら顔の傷を治したいと思うのが自然だと思うのに。
「マリアンヌはこの傷を復讐を忘れないための戒めにしているのだよ。いつか、自身の手でモノフォビアを倒す日まで傷は消さない。そういう誓いを立てているのだ。全く健気な子だねえ」
「言いたいことがわかりました。俺にお孫さんの復讐を手伝えと言うのですね」
「そう半分正解。フウウウ!! やるねえ! もう半分の正解は……わしの復讐も手伝えということだ。わしだって、息子夫婦を殺されて頭に来ている」
ジジイは真剣な表情でこちらを見つめてきた。
「キミはフォビアと名の付いたモンスターを倒した。つまり、モノフォビアにも対抗しうる力も持っている。どうだ。ギルドからの正式依頼。Cランク冒険者マリアンヌと共同して、モノフォビアを討伐しろ。受けてみるかい?」
なるほど。このジジイはランクに囚われずに、俺がガイノフォビアを倒した実績を買っているんだ。中々柔軟なジジイじゃないか。
「一応、俺にも相棒はいるんでね。そいつに相談してから決めてもいいか?」
「フウウウ!! 乗り気でおじさん嬉しいね。気に入った。孫娘の婿にしてやろう!」
だから、なんなんだこのジジイは……
ギルドの職員が俺を呼んでいる。モンスターの専門家様とやらの準備が整ったのだろうか。
「んじゃ、俺は行ってくるぞアベル」
「はい。いってらっしゃい」
俺は、ギルドの職員と合流し、促されるまま奥の部屋に連れていかれた。応接室。そこにいたのは、白いひげを生やし、グラサンをつけた爺さんだった。
「フウウウ!! キミがリオンくんかね!! フウウウ!! 中々のいい男ではないか! どうだ? わしの孫娘の婿にならんかね?」
なんだこいつ。今日日、孫娘の結婚相手を勝手に決めるようなジジイがいるのかよ。結婚相手くらい自分で決めさせてやれ。
「では、わたくしはこれで失礼します」
俺を案内したギルドの職員は一礼して、この場を去って行った。このファンキーな爺さんと2人きりになるのは正直言って気が滅入る。
「まあまあ、座ってくれたまえ。お茶飲むかい?」
「いいえ。遠慮しておきます」
さっき散々コーヒーを飲んだばかりだ。これ以上水分はいらん。むしろ飯をくれ。飯を。
「キミの腕輪に記された戦闘記録からモンスターのデータを回収した。それは理解しているかな?」
「ええ」
「その結果、とんでもない事実が発覚した」
とんでもない事実? なんだそれは……俺は生唾をごくりと飲み込んだ。この応接室という空間に緊張が走る。ジジイはためにためて、口を開く。
「なんと、新種のモンスターはうちの死んだ婆さんにそっくりなことが判明した!」
「知らんわ!」
なんだこのジジイは。そんなどうでもいいことを言うために無駄な時間を使ったのかよ。
「んまあ。色々と戦闘データをとろうとしたんだけどね。キミがあのモンスターを瞬殺してしまったせいで、なーんにも戦闘データが取れんかったん。っていうか、キミが強すぎて、敵の攻撃力がどれだけやばいのか。防御力がどれだけ硬いのかっていうのがわからんちんなのだ」
「はあ……」
そんなこと言われても困る。命がけの戦闘で手加減しろって言うのは無茶な話だ。
「1度くらい攻撃受けてよー。そしたら、攻撃力のデータが取れたのにー。キミのせいで、あの女性型モンスターが触手を操る魔法を使うってことくらいしかわからなかったよ。キミはヒーラーなんでしょ? なら、傷を治せるなら攻撃受けても問題ないじゃない」
「会議室に座っている人間の発想ですね。現場の冒険者たちがどれだけ痛みに耐えているのか。あなたにはわからないでしょうね」
「ん? わかるよ。だって、ワシは元冒険者だったんだから」
「なんだと……」
このファンキーなジジイが元冒険者だと。とてもじゃないけどそうは見えない。
「わしの家系は代々冒険者の家系でな。わしの孫娘も冒険者として活躍しているんじゃよ。Cランク冒険者だぞ。どうだ? 凄いだろ?」
はあ。Cランクか。世間一般的にはCランクまでいければ一流っていう風潮はある。更に上のBランク、Aランクまで到達できるのは本当に一握りの人間。でも、俺は元々Bランクの冒険者だ。Cランクが特に凄いとは思わない。
「まあ、元々、Bランクだったキミには凄く感じないかもしれないな」
「俺のことを知ってるのか?」
「ん? ああ。知ってるとも。優れた回復術士にのみ与えられる称号、プリーストを手に入れたBランクのヒーラー。リオン。そして、その妹のBランクのタンク。レナ。世界中の情報を収集しているギルドの上部の人間には常識レベルの話だ」
俺は自分のことを知らない人間の元に行きたかったからこの異国の地に来た。だが、世間とは残酷なもので……俺が功績は異国のこの地まで広まっていた。アレサも俺のことを知っていたし、このジジイも……
「ヒーラーの身でありながら、バッファーも兼任するリオン。タンクの身でありながら、アタッカーもできるレナ。この2人は並の4人5人パーティより断然強くて、仕事も正確で丁寧で早かった。正に天は二物を与えたということだな。フウウウ!!」
「その話はいいでしょ。ツレを待たせているんです。新種登録の手続きがあるんだったら、早くしてくれますか?」
俺は苛立ってきた。人には触れて欲しくない過去があるのに、このジジイは土足で俺の心を踏みにじる。俺は誰かの傷を癒したくてヒーラーになった。でも、俺が回復すればするほど、レナの心は……
「ん? ああ、そうだったな。じゃあ、この用紙に必要事項を書いてちょ」
ジジイは俺に用紙を渡して来た。最初からそうしろ。と心の中で悪態をつき、俺はその用紙を受け取る。
用紙には、色々な項目を書く欄があった。遭遇したモンスターの名前、時間帯、場所、状況、その他生態がわかる情報を書きこめと。
俺はまず最初にモンスターの名前を書いた。本来なら発見者が名付けるものだが、俺はあのモンスターの名前を知っている。やつは自分でガイノフォビアと名乗っていた。だから、俺はそのまま用紙に【ガイノフォビア】と記入した。
「ぬわ!」
その瞬間ジジイが奇声を発した。なんだこのジジイ。いい加減うざいな。殴りたい気分だ。
「キミ……どうして、そのモンスターにガイノフォビアと名付けた」
「ガイノフォビア本人が名乗っていたそうです。ガイノフォビアに最初に遭遇した村人の証言です」
なんだこのジジイ。急に眼の色を変えやがって。こんな調子で用紙を書くのを妨害され続けたら、いつまでたっても終わらんぞ。
「キミは……モノフォビアというモンスターを知っているかね?」
「モノフォビア? 聞いたことないですね」
モノフォビア……孤独恐怖症を現す単語だ。ガイノフォビアと同様、恐怖症を名に冠するモンスターか?
「こちらも新種のモンスターだ。恐怖症の名を冠するモンスターが次々に現れているのは、偶然だと思うかい?」
「偶然……にしては出来すぎてますね。でも、俺には関係ないことです。モンスターの専門家なら勝手に研究してください」
「フハハハハ!! キミは冷たいのう! だが、そのクールさがいい! 気に入った! うちの孫娘のパートナーになる権利をやろう!」
「またその話ですか」
パートナー……つまり、結婚しろってことか。
「いいや。これは私からの依頼だ。うちの孫娘マリアンヌは、モノフォビアというモンスターを追っている。復讐のためにな」
ジジイの顔色が変わった。先程までのふざけた雰囲気からは想像できないほどシリアスな表情だ。
「マリアンヌの両親。つまり、わしの息子夫婦はな……モノフォビアというモンスターに殺されたんだ」
俺はその言葉を聞いて「ハッ」とした。なんとなくこのジジイが言おうとしていることはわかった。
「マリアンヌ自身もモノフォビアとの戦闘で傷を負ってしまった。まだ嫁入り前の体なのに、顔に一生消えない古傷を負わされてしまった」
新しい傷なら並のヒーラーなら十分回復できる。だが、つけられてから時間が経った傷は回復が難しいのだ。
「お孫さんの傷……俺なら治せるかもしれません」
「ハッハッハ! 確かにプリーストと呼ばれたほどの実力があるキミなら、治せるだろうな! フウウウ!! でも、マリアンヌがそれを望んでいないのだよ。わしだって、プリーストクラスの知り合いはいる。長いこと冒険者をやっているからな。でも、マリアンヌは治療を拒否した。なぜだかわかるかね?」
そんなこと言われても全く想像できない。女の子なら顔の傷を治したいと思うのが自然だと思うのに。
「マリアンヌはこの傷を復讐を忘れないための戒めにしているのだよ。いつか、自身の手でモノフォビアを倒す日まで傷は消さない。そういう誓いを立てているのだ。全く健気な子だねえ」
「言いたいことがわかりました。俺にお孫さんの復讐を手伝えと言うのですね」
「そう半分正解。フウウウ!! やるねえ! もう半分の正解は……わしの復讐も手伝えということだ。わしだって、息子夫婦を殺されて頭に来ている」
ジジイは真剣な表情でこちらを見つめてきた。
「キミはフォビアと名の付いたモンスターを倒した。つまり、モノフォビアにも対抗しうる力も持っている。どうだ。ギルドからの正式依頼。Cランク冒険者マリアンヌと共同して、モノフォビアを討伐しろ。受けてみるかい?」
なるほど。このジジイはランクに囚われずに、俺がガイノフォビアを倒した実績を買っているんだ。中々柔軟なジジイじゃないか。
「一応、俺にも相棒はいるんでね。そいつに相談してから決めてもいいか?」
「フウウウ!! 乗り気でおじさん嬉しいね。気に入った。孫娘の婿にしてやろう!」
だから、なんなんだこのジジイは……
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