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第28話 男の娘だらけのナイトプール
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仁志はコンビニバイトをしていて、時計を見ながらそわそわと落ち着かない様子であった。
シフト終わりの時間が待ち遠しくて、いつもよりも時間の進み方が遅いような気がする。
そして、時計の針がカチっと動いて仁志のバイト終わりの時間がやってきた。
「店長。そろそろ仕事あがりますね」
「お、もうそんな時間か。お疲れ様」
「お疲れ様です」
仁志は素早く着替えて自転車を走らせて一旦家に帰り手荷物を取る。そのままの勢いで集合場所まで向かった。
近くの長時間利用可能の駐輪場に自転車を止めてバス停を目指した。
時刻は夕方。夏だからまだ日が出ているが、そこそこ遅い時間帯。
バス停には既に数人の人間がいた。その中には見たことがある人もいる。せりなとこまり。共に仁志に接客をしたことがあるキャストである。
2人共既に女装していてもう準備万端と言った感じだった。そして、その隣にはさなえもいた。
「さなえちゃん!」
仁志はさなえに声をかける。さなえは仁志に気づいて、すぐに手を振った。
「風見君。こっちこっち」
仁志はさなえの隣に立つ。さなえは仁志の隣をキープすると言わんばかりに寄り添うように立つ。
「あー、距離近い2人共ー。もう、ラブラブじゃん」
こまりが仁志とさなえをからかう。さなえは顔を赤くしてしまう。
「もう、こまりさん。そういうのはやめてください」
「ふーん。まあ、がんばってね」
こまりは意味深な笑いを浮かべていた。その後、せりなと共に仁志とさなえから少し距離を取った。
「今日は楽しみだね」
「ああ。そうだな。さなえちゃんがどんな水着を着てくるのか……」
「風見君の楽しみはそれしかないの?」
さなえは少し膨れつつも、そこまで悪い気はしなかった。
「今日はいっぱい水着のお兄さんたちがいるけど、他の人に目移りしたらだめだからね」
「わかってるよ」
しかし、そうは言っても仁志も健康な男子なわけである。せりなやこまりを始めとした他のキャストも美人であるために、さなえだけを見ているのはかなりの精神力を要求されてしまう。
そんな会話をしているとバスが到着した。キャストとその付き添いたちが次々にバスに乗っていく。
「わたしたちも乗ろう?」
「ああ」
仁志とさなえはバスに乗り、隣の席に座った。さなえが窓側の席で仁志が通路側の席である。
仁志は隣にいるさなえを眺めながら、緊張をしていた。今日こそはさなえと一線を超えたい。そういう想いで来ている。
「あーあ。風見君の女装姿をキャストのみんなに見せたかったな」
「おいおい。さなえちゃん! なんてことを言うんだ」
キャストの中には見知った顔もいる。知り合いに女装姿を見られるのは流石に気まずい。
希子には既に見られてしまってはいるが、あの時は暗闇だったし多分正体に気づかれてないkら仁志の中ではノーカンである。
「ひとみちゃんはかわいかったからね。あのかわいさはみんなに共有してあげないと」
「やめろよ。そういうことするの」
「冗談だよ。でも、風見君だって良い素材だってことをみんなにも知って欲しいのに」
仁志はこれまで容姿を褒められてきた経験はなかった。決してルックスが悪いというわけではないが、手放しで褒めるほど美形かと言われるとそれもちがう。
しかし、そんな仁志でも女装メイクをすれば大化けする。
世の女性がいかにしてメイクの力で容姿を底上げしているのか。仁志はそれを自分の顔で実感してしまったのだ。
「そろそろ着くみたいだね」
窓の外の景色を見ながらさなえが言う。バクバクと仁志の心臓が高鳴る。
仁志もナイトプールに行く経験は初めてであり、こんな時間帯から泳ぐことに対しての罪悪感というものを覚えてしまう。
ナイトプールはどちらかと言うと大人の遊びというイメージある。
なのに、高校生なのにこんなことをしても良いのだろうか。そういう気持ちもないわけではなかった。
でも、今日は貸し切りで使えるということで周囲の目を気にすることなく遊べる。
たまには、こういうハメを外すのも良いのかもしれない。これも社会勉強だと心の中で言い訳をしていた。
バスを降りた仁志たちは施設の中に入る。代表者が受付を済ませてから、更に施設の奥へと進む。
更衣室は当然のように男女に別れていた。そして、さなえたちは当然のように女性用の更衣室へと向かって行った。
「それじゃあ、風見君。また後でね」
「あ、ああ……」
今回は本物の女性は誰1人としていない。だから、着替えは男性と男の娘で分けられるのは自然なことだった。
仁志は女装してない男性たちと一緒に更衣室へ入り着替えることにした。
着替えている最中に少し残念な気持ちがこみあげてくる。
さなえと一緒に更衣室で着替えるということを想像していた。同性なんだからある意味で当たり前ではあるが。
しかし、実際は更衣室を分けられてそうしたスケベ心が封じられてしまった。
ある意味、この集まりの男性陣は男の娘に対して欲情する人間の集まりであるから、仕方がないのではある。仁志も当然その中の1人なのだから。
仁志は水着を着てプールサイドへと向かった。
「うわあ……すげえ」
仁志の目の前の光景は圧巻の一言だった。美しくライトアップされたプールは幻想的な雰囲気が漂っている。
水もライトに揺れてキラキラとしてキレイだし、プールもかなり大きい。流れるプールやウォータースライダーなんかもあり、施設が充実してかなり遊べそうである。
プールサイドからは街の夜景も見ることができて、恋人と一緒に来たらロマンチックな雰囲気になることは間違いない。
「お待たせ。風見君」
仁志がプールに気を取られていると背後から声が聞こえた。さなえの声である。仁志が振り返ると、さっきまでの美しい光景が霞むほどの絶景がそこにはあった。
「ど、どうかな……?」
さなえの水着姿。仁志は当然のように見惚れてしまった。
ピンク色のビキニを着ているさなえ。かわいらしいピンク色の水着はさなえにぴったりと会っていた。
パッドが入っているから胸も多少は膨らんでいて、胸の膨らみよりも気になるのは股間の方である。
そこには女性にはない膨らみがあり、さなえが男性であることを示していた。
「ちょ、ちょっと! どこ見ているの!?」
さなえは近くにプールから水をすくって、それを仁志の顔にめがけてかけた。
「う、うわ……!」
「だめ! 少しくらいなら見るのは良いけど、じろじろ見るのはだめ!」
やはり、さなえとしても見られて恥ずかしい部分というものはある。仁志はさなえの股間をじろじろ見てしまったことを反省する。
「わ、悪かったよ」
「もう!」
そんな若者2人のやりとりを、せりなとこまりが見ていた。
「ふふ、青春だねえ。さなえちゃんもウブでかわいい」
せりなが微笑ましそうに目を細めていた。
「せりなさん。ちょっとそのセリフから加齢臭がしますよ」
こまりがちょっと辛辣な指摘を入れる。しかし、せりなはそれに怒ることなく微笑む。
「まあ、わたしも2人に比べたら一回りくらい年齢が違うからねえ。つい保護者目線で見てしまうのはしょうがないよ」
「そういうもんですかねえ」
「こまりちゃんも後数年もすればわかるよ」
「うへえ。なんかいやですね」
大学生のこまりも高校生の2人に近い年齢ではあるが、それでも年上である。いずれ今のせりなの年齢に追い付いてしまう日が来るのである。
「ねえ、風見君。プールに入ろうよ」
さなえが仁志の手首をつかんでそっと引っ張る。仁志はそれに連れられてプールの中に入った。
「あー水が気持ちいい。このまま流れに沿って行こう!」
「さなえちゃん元気だね」
「ふふ、そうかな?」
元気いっぱいのさなえは意味深に笑う。仁志だけでなく、さなえもこの日を楽しみにしていたのである。
2人の楽しいナイトプール体験はまだ始まったばかりである。
シフト終わりの時間が待ち遠しくて、いつもよりも時間の進み方が遅いような気がする。
そして、時計の針がカチっと動いて仁志のバイト終わりの時間がやってきた。
「店長。そろそろ仕事あがりますね」
「お、もうそんな時間か。お疲れ様」
「お疲れ様です」
仁志は素早く着替えて自転車を走らせて一旦家に帰り手荷物を取る。そのままの勢いで集合場所まで向かった。
近くの長時間利用可能の駐輪場に自転車を止めてバス停を目指した。
時刻は夕方。夏だからまだ日が出ているが、そこそこ遅い時間帯。
バス停には既に数人の人間がいた。その中には見たことがある人もいる。せりなとこまり。共に仁志に接客をしたことがあるキャストである。
2人共既に女装していてもう準備万端と言った感じだった。そして、その隣にはさなえもいた。
「さなえちゃん!」
仁志はさなえに声をかける。さなえは仁志に気づいて、すぐに手を振った。
「風見君。こっちこっち」
仁志はさなえの隣に立つ。さなえは仁志の隣をキープすると言わんばかりに寄り添うように立つ。
「あー、距離近い2人共ー。もう、ラブラブじゃん」
こまりが仁志とさなえをからかう。さなえは顔を赤くしてしまう。
「もう、こまりさん。そういうのはやめてください」
「ふーん。まあ、がんばってね」
こまりは意味深な笑いを浮かべていた。その後、せりなと共に仁志とさなえから少し距離を取った。
「今日は楽しみだね」
「ああ。そうだな。さなえちゃんがどんな水着を着てくるのか……」
「風見君の楽しみはそれしかないの?」
さなえは少し膨れつつも、そこまで悪い気はしなかった。
「今日はいっぱい水着のお兄さんたちがいるけど、他の人に目移りしたらだめだからね」
「わかってるよ」
しかし、そうは言っても仁志も健康な男子なわけである。せりなやこまりを始めとした他のキャストも美人であるために、さなえだけを見ているのはかなりの精神力を要求されてしまう。
そんな会話をしているとバスが到着した。キャストとその付き添いたちが次々にバスに乗っていく。
「わたしたちも乗ろう?」
「ああ」
仁志とさなえはバスに乗り、隣の席に座った。さなえが窓側の席で仁志が通路側の席である。
仁志は隣にいるさなえを眺めながら、緊張をしていた。今日こそはさなえと一線を超えたい。そういう想いで来ている。
「あーあ。風見君の女装姿をキャストのみんなに見せたかったな」
「おいおい。さなえちゃん! なんてことを言うんだ」
キャストの中には見知った顔もいる。知り合いに女装姿を見られるのは流石に気まずい。
希子には既に見られてしまってはいるが、あの時は暗闇だったし多分正体に気づかれてないkら仁志の中ではノーカンである。
「ひとみちゃんはかわいかったからね。あのかわいさはみんなに共有してあげないと」
「やめろよ。そういうことするの」
「冗談だよ。でも、風見君だって良い素材だってことをみんなにも知って欲しいのに」
仁志はこれまで容姿を褒められてきた経験はなかった。決してルックスが悪いというわけではないが、手放しで褒めるほど美形かと言われるとそれもちがう。
しかし、そんな仁志でも女装メイクをすれば大化けする。
世の女性がいかにしてメイクの力で容姿を底上げしているのか。仁志はそれを自分の顔で実感してしまったのだ。
「そろそろ着くみたいだね」
窓の外の景色を見ながらさなえが言う。バクバクと仁志の心臓が高鳴る。
仁志もナイトプールに行く経験は初めてであり、こんな時間帯から泳ぐことに対しての罪悪感というものを覚えてしまう。
ナイトプールはどちらかと言うと大人の遊びというイメージある。
なのに、高校生なのにこんなことをしても良いのだろうか。そういう気持ちもないわけではなかった。
でも、今日は貸し切りで使えるということで周囲の目を気にすることなく遊べる。
たまには、こういうハメを外すのも良いのかもしれない。これも社会勉強だと心の中で言い訳をしていた。
バスを降りた仁志たちは施設の中に入る。代表者が受付を済ませてから、更に施設の奥へと進む。
更衣室は当然のように男女に別れていた。そして、さなえたちは当然のように女性用の更衣室へと向かって行った。
「それじゃあ、風見君。また後でね」
「あ、ああ……」
今回は本物の女性は誰1人としていない。だから、着替えは男性と男の娘で分けられるのは自然なことだった。
仁志は女装してない男性たちと一緒に更衣室へ入り着替えることにした。
着替えている最中に少し残念な気持ちがこみあげてくる。
さなえと一緒に更衣室で着替えるということを想像していた。同性なんだからある意味で当たり前ではあるが。
しかし、実際は更衣室を分けられてそうしたスケベ心が封じられてしまった。
ある意味、この集まりの男性陣は男の娘に対して欲情する人間の集まりであるから、仕方がないのではある。仁志も当然その中の1人なのだから。
仁志は水着を着てプールサイドへと向かった。
「うわあ……すげえ」
仁志の目の前の光景は圧巻の一言だった。美しくライトアップされたプールは幻想的な雰囲気が漂っている。
水もライトに揺れてキラキラとしてキレイだし、プールもかなり大きい。流れるプールやウォータースライダーなんかもあり、施設が充実してかなり遊べそうである。
プールサイドからは街の夜景も見ることができて、恋人と一緒に来たらロマンチックな雰囲気になることは間違いない。
「お待たせ。風見君」
仁志がプールに気を取られていると背後から声が聞こえた。さなえの声である。仁志が振り返ると、さっきまでの美しい光景が霞むほどの絶景がそこにはあった。
「ど、どうかな……?」
さなえの水着姿。仁志は当然のように見惚れてしまった。
ピンク色のビキニを着ているさなえ。かわいらしいピンク色の水着はさなえにぴったりと会っていた。
パッドが入っているから胸も多少は膨らんでいて、胸の膨らみよりも気になるのは股間の方である。
そこには女性にはない膨らみがあり、さなえが男性であることを示していた。
「ちょ、ちょっと! どこ見ているの!?」
さなえは近くにプールから水をすくって、それを仁志の顔にめがけてかけた。
「う、うわ……!」
「だめ! 少しくらいなら見るのは良いけど、じろじろ見るのはだめ!」
やはり、さなえとしても見られて恥ずかしい部分というものはある。仁志はさなえの股間をじろじろ見てしまったことを反省する。
「わ、悪かったよ」
「もう!」
そんな若者2人のやりとりを、せりなとこまりが見ていた。
「ふふ、青春だねえ。さなえちゃんもウブでかわいい」
せりなが微笑ましそうに目を細めていた。
「せりなさん。ちょっとそのセリフから加齢臭がしますよ」
こまりがちょっと辛辣な指摘を入れる。しかし、せりなはそれに怒ることなく微笑む。
「まあ、わたしも2人に比べたら一回りくらい年齢が違うからねえ。つい保護者目線で見てしまうのはしょうがないよ」
「そういうもんですかねえ」
「こまりちゃんも後数年もすればわかるよ」
「うへえ。なんかいやですね」
大学生のこまりも高校生の2人に近い年齢ではあるが、それでも年上である。いずれ今のせりなの年齢に追い付いてしまう日が来るのである。
「ねえ、風見君。プールに入ろうよ」
さなえが仁志の手首をつかんでそっと引っ張る。仁志はそれに連れられてプールの中に入った。
「あー水が気持ちいい。このまま流れに沿って行こう!」
「さなえちゃん元気だね」
「ふふ、そうかな?」
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