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第82話 無我夢中
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アルドはイーリスを救出するために雷神の槍を手に持ちその能力の“迅雷”を使い、移動速度を上昇させた。目にもとまらぬスピードで接近するも邪霊がツタを編んで壁を作りアルドの進行方向を妨害する。
「くっ……」
「食事の邪魔をするなんて無粋なやつだな。お前は見たところマナを持ってないみたいだな。オレ様の食事にすら値しない。ならば、ここで殺しても構わないってことだな!」
邪霊の枝の先端が矢のように飛んでアルドに向かっていく。アルドはかわすも、その回避行動のせいでイーリスとまた距離が離れてしまう。
「これでは近づけない……だが」
邪霊の枝の部分をアルドが見る。枝の先端が飛ばされてその部分が枯れている。球数に制限があるのであれば、回避し続けていればいずれ隙が生まれる。だが、そんなアルドの希望は打ち砕かれることになる。
「んっ……! ああぁああ!」
「イーリス!」
イーリスのマナが邪霊に吸われていく。そして、邪霊はそのマナを栄養にして自身の枝の先端部分を再生させた。
「この小娘はかなりの量のマナを持っている。だから、無尽蔵にオレ様の矢を撃てるぜ?」
「よくもイーリスを……」
このままではイーリスのマナが吸われ続けてしまう。一刻も早く娘を助けたい気持ちが先行してアルドは焦りで冷や汗をかいてしまう。
アルドがイーリスの救出に手間取っている一方で、クララとミラもまた苦戦を強いられていた。
「このツタが邪魔!」
マナを多く持つ2人を捕まえようとツタが伸びて来る。2人はそれを回避するために必死で合成魔法を撃つための準備を整えることができない。
「ミラ! 私がこのツタをなんとかする。だから、ミラは早く合成魔法を」
「しかし、それでは……」
クララがおとりになり、魔法の早撃ちが得意なミラが素早く合成魔法を撃つ。理にかなっている戦術ではあるが、それではクララが危険にさらされてしまう。ミラとしても二つ返事で賛成できるようなものではない。
「それしか方法がないんだよ! わかってよ!」
クララの鬼気迫る表情にミラはうなずかざるを得なかった。クララも覚悟を決めての提案である。しかし、先ほど隙を作ろうとしたイーリスが真っ先に捕まったのも事実である。
「わかった。クララ。ツタには気を付けるんだ」
「うん」
クララがおとりになるために前方に出た。一方でミラは後ろに下がり、合成魔法に集中しようとする。
「来い! 私が相手だ!」
クララが拳を鳴らしてツタに向かっていく。数本あるツタがクララへと向かっていく。クララとミラとでターゲットが分散していたものが、クララに一気に集中した。
「よし……!」
ツタのターゲットが自分に移ったことを確認したクララは回避に集中する。マナを魔法のためではなくて、身体能力向上に使う。体を動かすことが好きなクララにとっては、魔法を撃つことよりもこちらの方が向いていると自分でも思っている。だから、こんなツタに後れを取るはずがない。
「クララが作ってくれたチャンスを無駄にしない」
ミラは周囲の安全を確認した後に合成魔法を撃つ準備を始めた。早撃ちが得意なミラもまだ合成魔法を素早く撃つことには慣れていない。それでも、このパーティメンバーの中で最も合成魔法を使いこなせるのは彼女である。ミラは合成魔法に集中した。
「オレは……!」
みんなががんばっている中。1人だけ離れたところで見ているルーファウス。信仰が低い前衛タイプなのに敵から攻撃を受けるのを恐れている彼は、この場において役立てることを自分で見出すことができなかった。邪霊もマナの量がそこまで多くないルーファウスを狙う必要もなかった。特に敵対行動しなければ相手にするまでもない。それが邪霊がルーファウスに下した評価。
「舐めやがって……」
邪霊が自分に全く攻撃しないことにルーファウスのプライドは傷つけられた。要は自分はいてもいなくても一緒。誰かの役に立ちたくて、強くなりたくて、やっとの思いで手に入れた強力な戦力である盾。それも自分には使いこなすことができなかった。ただただ、劣等感しか感じることができずに唇を血がにじむくらい噛みしめた。
だが、そんな遠くから俯瞰視点で見ているルーファウスだからこそ見えたものがあった。
「ミラさん! 危ない!」
「え?」
その脅威に気づいたルーファウスは素早くミラに声掛けをした。しかし、ミラは反応したけれど、急に危ないとだけ言われてもミラの視点からでは何の脅威かわからない。
ミラの背後からツタが伸びていた。そのツタはちぎれているが、確実にうねうねと動いていてミラを捕らえようとしていた。
植物型の邪霊の特徴として、生命力の高さが挙げられる。それは体の一部を切り離してもそう簡単には倒れない厄介さもあるが、ボスクラスの邪霊ともなると切り離した体が別の個体となって動きだすこともある。この邪霊はあらかじめ、切り離しておいたツタを忍ばせておいて、いざという時のための奇襲に用いようとしていたのだ。
「くそ!」
気づいたらルーファウスは走り出していた。戦闘を見ていたルーファウスにはわかる。あのツタはマナを吸う特徴がある。ミラがあの切り離されたツタに捕まってマナを吸われたら終わる。マナを吸われれば魔法が使えなくなってしまう。
「間に合えぇえ!」
ルーファウスはミラの背後に向かって無我夢中の全力ダッシュをする。そして、ミラとツタの間に割り込んでツタの拘束をその身に受けたのだ。
「うぐっ……」
「ルーファウス!」
背後の騒ぎにようやくミラが気づいた。状況から自分をかばったことを察した。
「な、なんだと! クソ! こんなマナの少ない小僧を捕まえてしまうなんて!」
邪霊も焦りだした。切り離しておいたツタは切り札として用意しておいたもの。それが不発に終わったことは邪霊としても都合が悪い。そして、その焦りは邪霊の動き全体を鈍らせた。
「見えた! 疾風一閃!」
アルドは邪霊が見せた隙をついて、イーリス救出までのルートを構築した。ツタで編んだ壁は自然物で強度の仕上がりにムラがある。その強度が弱い部分を的確に攻撃してツタを切り裂いて道を作った。
「しまった!」
イーリスへと続く道を阻んでいた壁は壊れた。そこからのアルドの行動は早かった。素早くイーリスをとらえていたツタを斬り、彼女を抱きかかえてすぐさま抱きかかえる。
「お父さん!」
「イーリス。無事か? 体調は悪くないか?」
「ちょっとクラっとするけど……大丈夫。まだ戦える」
「そうか。今からちょっとだけ速く動くけど、耐えられそうか?」
「うん」
「よし、しっかり捕まっているんだぞ。迅雷!」
アルドはすぐにイーリスを連れて邪霊から離れた。またツタによる拘束を受けないためにミラたちの方向へと戻ったのだ。
「イーリスちゃん! 良かった」
クララが救助されたイーリスを見て安心した。こうなってしまえば、もう気を遣うものはなにもない。ミラが強力な合成魔法を放とうとする。
「これで決める! トゥインクルレッド!」
ミラが放った輝く精霊の炎。それが樹の邪霊を焼き尽くそうとする。
「あ、あつい! ば、バカな! こ、このオレ様が……! こんな奴らに負ける! う、うぎゃあああ!」
邪霊は悲痛な叫びをあげて、ミラの炎によって燃やされてしまった。邪霊本体が消滅したことにより、ルーファウスを拘束していたツタも効力を失い、枯れてボロボロになってしまった。
ボスを倒したことでダンジョンは消滅していく。これはみんなが勝った証拠であった。
「ありがとう。ルーファウス。あそこでキミがアタシをかばってくれなかったら、もっと苦戦を強いられていたかもしれない」
「え? オ、オレが……?」
予想外にミラに礼を言われてルーファウスは照れてしまう。
「で、でもオレは……あ、あ、うわあああ」
「どうした? ルーファウス君?」
アルドがルーファウスにかけよる。ルーファウスはガタガタと震えていた。
「こ、怖かった。邪霊の攻撃なんて受けるもんじゃない……」
今頃になって恐怖に支配されるルーファウスだった。
「くっ……」
「食事の邪魔をするなんて無粋なやつだな。お前は見たところマナを持ってないみたいだな。オレ様の食事にすら値しない。ならば、ここで殺しても構わないってことだな!」
邪霊の枝の先端が矢のように飛んでアルドに向かっていく。アルドはかわすも、その回避行動のせいでイーリスとまた距離が離れてしまう。
「これでは近づけない……だが」
邪霊の枝の部分をアルドが見る。枝の先端が飛ばされてその部分が枯れている。球数に制限があるのであれば、回避し続けていればいずれ隙が生まれる。だが、そんなアルドの希望は打ち砕かれることになる。
「んっ……! ああぁああ!」
「イーリス!」
イーリスのマナが邪霊に吸われていく。そして、邪霊はそのマナを栄養にして自身の枝の先端部分を再生させた。
「この小娘はかなりの量のマナを持っている。だから、無尽蔵にオレ様の矢を撃てるぜ?」
「よくもイーリスを……」
このままではイーリスのマナが吸われ続けてしまう。一刻も早く娘を助けたい気持ちが先行してアルドは焦りで冷や汗をかいてしまう。
アルドがイーリスの救出に手間取っている一方で、クララとミラもまた苦戦を強いられていた。
「このツタが邪魔!」
マナを多く持つ2人を捕まえようとツタが伸びて来る。2人はそれを回避するために必死で合成魔法を撃つための準備を整えることができない。
「ミラ! 私がこのツタをなんとかする。だから、ミラは早く合成魔法を」
「しかし、それでは……」
クララがおとりになり、魔法の早撃ちが得意なミラが素早く合成魔法を撃つ。理にかなっている戦術ではあるが、それではクララが危険にさらされてしまう。ミラとしても二つ返事で賛成できるようなものではない。
「それしか方法がないんだよ! わかってよ!」
クララの鬼気迫る表情にミラはうなずかざるを得なかった。クララも覚悟を決めての提案である。しかし、先ほど隙を作ろうとしたイーリスが真っ先に捕まったのも事実である。
「わかった。クララ。ツタには気を付けるんだ」
「うん」
クララがおとりになるために前方に出た。一方でミラは後ろに下がり、合成魔法に集中しようとする。
「来い! 私が相手だ!」
クララが拳を鳴らしてツタに向かっていく。数本あるツタがクララへと向かっていく。クララとミラとでターゲットが分散していたものが、クララに一気に集中した。
「よし……!」
ツタのターゲットが自分に移ったことを確認したクララは回避に集中する。マナを魔法のためではなくて、身体能力向上に使う。体を動かすことが好きなクララにとっては、魔法を撃つことよりもこちらの方が向いていると自分でも思っている。だから、こんなツタに後れを取るはずがない。
「クララが作ってくれたチャンスを無駄にしない」
ミラは周囲の安全を確認した後に合成魔法を撃つ準備を始めた。早撃ちが得意なミラもまだ合成魔法を素早く撃つことには慣れていない。それでも、このパーティメンバーの中で最も合成魔法を使いこなせるのは彼女である。ミラは合成魔法に集中した。
「オレは……!」
みんなががんばっている中。1人だけ離れたところで見ているルーファウス。信仰が低い前衛タイプなのに敵から攻撃を受けるのを恐れている彼は、この場において役立てることを自分で見出すことができなかった。邪霊もマナの量がそこまで多くないルーファウスを狙う必要もなかった。特に敵対行動しなければ相手にするまでもない。それが邪霊がルーファウスに下した評価。
「舐めやがって……」
邪霊が自分に全く攻撃しないことにルーファウスのプライドは傷つけられた。要は自分はいてもいなくても一緒。誰かの役に立ちたくて、強くなりたくて、やっとの思いで手に入れた強力な戦力である盾。それも自分には使いこなすことができなかった。ただただ、劣等感しか感じることができずに唇を血がにじむくらい噛みしめた。
だが、そんな遠くから俯瞰視点で見ているルーファウスだからこそ見えたものがあった。
「ミラさん! 危ない!」
「え?」
その脅威に気づいたルーファウスは素早くミラに声掛けをした。しかし、ミラは反応したけれど、急に危ないとだけ言われてもミラの視点からでは何の脅威かわからない。
ミラの背後からツタが伸びていた。そのツタはちぎれているが、確実にうねうねと動いていてミラを捕らえようとしていた。
植物型の邪霊の特徴として、生命力の高さが挙げられる。それは体の一部を切り離してもそう簡単には倒れない厄介さもあるが、ボスクラスの邪霊ともなると切り離した体が別の個体となって動きだすこともある。この邪霊はあらかじめ、切り離しておいたツタを忍ばせておいて、いざという時のための奇襲に用いようとしていたのだ。
「くそ!」
気づいたらルーファウスは走り出していた。戦闘を見ていたルーファウスにはわかる。あのツタはマナを吸う特徴がある。ミラがあの切り離されたツタに捕まってマナを吸われたら終わる。マナを吸われれば魔法が使えなくなってしまう。
「間に合えぇえ!」
ルーファウスはミラの背後に向かって無我夢中の全力ダッシュをする。そして、ミラとツタの間に割り込んでツタの拘束をその身に受けたのだ。
「うぐっ……」
「ルーファウス!」
背後の騒ぎにようやくミラが気づいた。状況から自分をかばったことを察した。
「な、なんだと! クソ! こんなマナの少ない小僧を捕まえてしまうなんて!」
邪霊も焦りだした。切り離しておいたツタは切り札として用意しておいたもの。それが不発に終わったことは邪霊としても都合が悪い。そして、その焦りは邪霊の動き全体を鈍らせた。
「見えた! 疾風一閃!」
アルドは邪霊が見せた隙をついて、イーリス救出までのルートを構築した。ツタで編んだ壁は自然物で強度の仕上がりにムラがある。その強度が弱い部分を的確に攻撃してツタを切り裂いて道を作った。
「しまった!」
イーリスへと続く道を阻んでいた壁は壊れた。そこからのアルドの行動は早かった。素早くイーリスをとらえていたツタを斬り、彼女を抱きかかえてすぐさま抱きかかえる。
「お父さん!」
「イーリス。無事か? 体調は悪くないか?」
「ちょっとクラっとするけど……大丈夫。まだ戦える」
「そうか。今からちょっとだけ速く動くけど、耐えられそうか?」
「うん」
「よし、しっかり捕まっているんだぞ。迅雷!」
アルドはすぐにイーリスを連れて邪霊から離れた。またツタによる拘束を受けないためにミラたちの方向へと戻ったのだ。
「イーリスちゃん! 良かった」
クララが救助されたイーリスを見て安心した。こうなってしまえば、もう気を遣うものはなにもない。ミラが強力な合成魔法を放とうとする。
「これで決める! トゥインクルレッド!」
ミラが放った輝く精霊の炎。それが樹の邪霊を焼き尽くそうとする。
「あ、あつい! ば、バカな! こ、このオレ様が……! こんな奴らに負ける! う、うぎゃあああ!」
邪霊は悲痛な叫びをあげて、ミラの炎によって燃やされてしまった。邪霊本体が消滅したことにより、ルーファウスを拘束していたツタも効力を失い、枯れてボロボロになってしまった。
ボスを倒したことでダンジョンは消滅していく。これはみんなが勝った証拠であった。
「ありがとう。ルーファウス。あそこでキミがアタシをかばってくれなかったら、もっと苦戦を強いられていたかもしれない」
「え? オ、オレが……?」
予想外にミラに礼を言われてルーファウスは照れてしまう。
「で、でもオレは……あ、あ、うわあああ」
「どうした? ルーファウス君?」
アルドがルーファウスにかけよる。ルーファウスはガタガタと震えていた。
「こ、怖かった。邪霊の攻撃なんて受けるもんじゃない……」
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