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第61話 地下室
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ミラとクララは少年を連れて、部屋の外に出た。外には見張りに立っているアルドがいて、部屋から出た三人を見る。
「もういいのか……って、誰だ? その子は?」
「この子も誘拐されていたみたいなの。運よく途中で逃げ出せたけれど、ダンジョンと化した屋敷から出ることができなくて隠れていたみたい」
少年はクララの後ろに隠れてしまっている。さっきまでは部屋の中に邪霊の気配はなかったけれど、今は違う。いつ邪霊に襲われてもおかしくない状況にビクビクしている。
「確かにここにいる邪霊は子供にとっては脅威だな。一旦、その子を家に帰そう。攫われた他の子たちも心配だけれど、連れていくわけにもいかないだろう」
少年はアルドに向かって身を乗り出す。
「な、ぼ、僕は平気だ!」
「平気って言ったって、足が震えているぞ。無理しなくても大丈夫。後は僕たちに任せてくれ」
「アルドさん。この子はアタシたちを誘拐犯のところまで連れていってくれるみたいなんだ」
「なんだって? それは本当か?」
少年がコクリと頷く。その足は震えているもののアルドを真っすぐと見据えている。
「僕は助けたい友達がいるんだ!」
少年の真剣な眼差しを見ていると、アルドも断ることができなかった。いっぱしの男には勇気を出して立ち向かわなければならない時がある。アルドは少年の気持ちを汲むことにした。
「わかった。キミのことは僕が全力で守る。だから案内してくれ」
「うん!」
少年が大きく頷いた。
アルドを先頭にその後ろをクララと少年。ミラが最後尾を務めることで屋敷を進んでいく。
途中で邪霊が現れて、ミラとクララが魔法で蹴散らす。
「エレキウェーブ!」
「ウィンド!」
弱い邪霊だったので初級の魔法でなんとか対処することができた。その鮮やかな魔法に少年が目を輝かせる。
「す、すげえ! お姉ちゃんたち、魔法使えるんだ!」
「まあね。ふふん」
クララが鼻高々に胸を張る。
「すごいな。僕も魔法使えるかな」
「魔法が扱えるようになるにはそれなりの練習が必要だ」
イーリスのようにすぐに魔法を習得してしまう例が稀なだけで、普通は実戦に耐えられるほどの魔法を使えるようになるには遅い場合だと年単位の時間が必要な場合もある。
「そうなんだ……なんかめんどくさそう」
少年の魔法への憧れは面倒。その一言で片づけられてしまった。
少年が案内した先にあるのは一つの赤い木製の扉。きっちりと密閉されているというわけではなくて、その下にはわすかながらに隙間がある。
「この扉の先に入っていったんだ」
「なるほど。みんな下がってて」
アルドが扉のドアノブに手をかける。ガチャガチャとノブを回すも扉には鍵がかかっていて開かない。
「ダメだ。鍵がかかっている」
「え……そうなの? それじゃあこの先には行けないの?」
少年が残念そうにつぶやく。アルドもどうしようかと頭を悩ませていた。
「ここは僕がこの疾風の刃で……」
「ストップ! アルドさん。そんな扉を無理矢理壊して、この先に誰かいたらどうするの?」
クララが冷静につっこむ。確かに、この扉のすぐ近くに誘拐された子供がいれば、その子を巻き込むことになる。扉の先が見えない以上は無茶なことはできない。
「しかし、それじゃあ、どうするんだ」
「ここは私に任せて! アイビーテンタクルス!」
クララは緑の植物属性の魔法を唱えた。ツタが触手上に伸びる。ツタは丁度扉の隙間を通れるくらいに細くてその中をスルスルと入っていく。
「多分、この辺に……あった」
カチっと音がした。それから数秒後に、扉が開いた。扉を開けたのはツタの触手だった。触手を器用に動かしたクララは扉の内側にあるツマミを回して開錠したのだ。その後触手でドアノブを回してドアを開けた。
「お姉ちゃんすごい!」
「へへ、まあね。もしかしたら、内側からなら錠を操作できるツマミがあるかなって思ったら予想通りだった」
「助かったよ。クララ」
結局、扉の付近には誰もいなくてアルドが扉を壊して進むという方法を取っても特に問題はなかった……が、それは結果論だし、この方が幾分かスマートである。
クララが触手魔法を解除して、少年の方に近づく。
「それじゃあ、屋敷の外に出よっか」
「う、うん……」
クララと少年が手を繋ぐ。
「アルドさん。ミラ。私はこの子を屋敷の外まで送っていくよ」
「ああ、その方がいいだろう。ミラ、僕たちは先に行こうか」
「そうだな。こうしている間にも子供たちがどんな目に遭わされているのかわからない。クララ、その子を送り届けたら、ここに戻ってくるんだぞ」
「うん」
クララと少年と別れた後に、アルドとミラはクララが開けた扉の奥へと進む。すぐ近くには地下へと進む階段があり、石の段が重苦しい雰囲気を放っている。その石畳を一歩一歩下がっていく。音を立てないように慎重に歩いていく。
「イーリスちゃん。無事だといいな」
「うん。でも、あの子の話だとこの先にイーリスがいるはずだ。もう少し、もう少しだけ耐えてくれ……イーリス」
イーリスが無事であることを祈りつつ、アルドとミラは階段を降りていく。なにか妙に鼻につく臭いがしてくる。その臭いは終点が近づくほどに、鮮明になり、それが鉄のような臭いだと気づいた時にはアルドに嫌な予感がした。
「これは……もしかして血のにおいか?」
血も鉄も似た臭いがする。アルドの一言にミラもハッとしてしまう。
「……急ごう」
ミラに促されてアルドは速足になる。警戒されないように音を立てないように、でもできるだけ早く。そうして階段を降りた先にある光景。それは地下牢だった。
「なんだ。この地下牢は……」
鉄格子の奥を見る。そこには、壁にそなえつけられたX字架に開いた状態の手枷、足枷が設置されている。その周囲には、三角木馬や古びた鞭が床に乱雑に置かれていて、この屋敷の主人の趣味を疑うようなものばかりが置かれている。
「この屋敷の主人は拷問が趣味なのか?」
「……僕にはあまり共感できない趣味だな」
「私も同感だ」
地下牢の石の壁には赤黒い染みがべったりとついている。この地下に充満している血なまぐさい臭いの出どころは正にここなのだ。
この血がいつ付着したものなのかはわからない。でも、この屋敷が廃墟になってからそれなりの日が経っている。密室に近い状態だったとはいえ、それでもここまで臭いが籠っているのは以上とも言える。
「嫌なものを見たな……イーリスを探そう」
「ああ」
アルドとミラは更に奥へと進んでいく。そうしたら、コツコツと何か靴音が聞こえてくる。
「しっ……」
アルドとミラは丁字路の分かれ道にそっと身を隠した。恐る恐る靴音がする方を見ると、そこにいたのは女だった。
「――! アイツだ! アイツが子供たちを攫った張本人だ」
「でも、見たところ人間みたいだ。人型の邪霊もいるけれど、あんまりそういう感じはしないな」
「うん。それはアタシも同じことを想っていた。なんというか、人型の邪霊って見た目は同じだけれど、どこか異質な感じがする。でも、アレは正真正銘の人間……?」
女の口角が上がる。ニタァと目を見開いて笑った女。その口から霊魂が出て来て、その霊魂はやがて黒っぽい紫色のローブを被った骸骨の姿へと変えた。その骸骨は大鎌を手にしていて、それをブンブンと振り回している。風切り音と共に、骸骨が鼻唄をうたう。
「そこにいる~侵入者~。出てこ~い。お前たちも~私の偉大なる~生贄にしてやる~」
「気づかれているようだな」
「どうする? アルドさん」
「逃げる選択肢はない。僕たちはアイツをぶっ倒してイーリスを……子供たちを救うためにここにきたんだ」
「ああ、行こう!」
「もういいのか……って、誰だ? その子は?」
「この子も誘拐されていたみたいなの。運よく途中で逃げ出せたけれど、ダンジョンと化した屋敷から出ることができなくて隠れていたみたい」
少年はクララの後ろに隠れてしまっている。さっきまでは部屋の中に邪霊の気配はなかったけれど、今は違う。いつ邪霊に襲われてもおかしくない状況にビクビクしている。
「確かにここにいる邪霊は子供にとっては脅威だな。一旦、その子を家に帰そう。攫われた他の子たちも心配だけれど、連れていくわけにもいかないだろう」
少年はアルドに向かって身を乗り出す。
「な、ぼ、僕は平気だ!」
「平気って言ったって、足が震えているぞ。無理しなくても大丈夫。後は僕たちに任せてくれ」
「アルドさん。この子はアタシたちを誘拐犯のところまで連れていってくれるみたいなんだ」
「なんだって? それは本当か?」
少年がコクリと頷く。その足は震えているもののアルドを真っすぐと見据えている。
「僕は助けたい友達がいるんだ!」
少年の真剣な眼差しを見ていると、アルドも断ることができなかった。いっぱしの男には勇気を出して立ち向かわなければならない時がある。アルドは少年の気持ちを汲むことにした。
「わかった。キミのことは僕が全力で守る。だから案内してくれ」
「うん!」
少年が大きく頷いた。
アルドを先頭にその後ろをクララと少年。ミラが最後尾を務めることで屋敷を進んでいく。
途中で邪霊が現れて、ミラとクララが魔法で蹴散らす。
「エレキウェーブ!」
「ウィンド!」
弱い邪霊だったので初級の魔法でなんとか対処することができた。その鮮やかな魔法に少年が目を輝かせる。
「す、すげえ! お姉ちゃんたち、魔法使えるんだ!」
「まあね。ふふん」
クララが鼻高々に胸を張る。
「すごいな。僕も魔法使えるかな」
「魔法が扱えるようになるにはそれなりの練習が必要だ」
イーリスのようにすぐに魔法を習得してしまう例が稀なだけで、普通は実戦に耐えられるほどの魔法を使えるようになるには遅い場合だと年単位の時間が必要な場合もある。
「そうなんだ……なんかめんどくさそう」
少年の魔法への憧れは面倒。その一言で片づけられてしまった。
少年が案内した先にあるのは一つの赤い木製の扉。きっちりと密閉されているというわけではなくて、その下にはわすかながらに隙間がある。
「この扉の先に入っていったんだ」
「なるほど。みんな下がってて」
アルドが扉のドアノブに手をかける。ガチャガチャとノブを回すも扉には鍵がかかっていて開かない。
「ダメだ。鍵がかかっている」
「え……そうなの? それじゃあこの先には行けないの?」
少年が残念そうにつぶやく。アルドもどうしようかと頭を悩ませていた。
「ここは僕がこの疾風の刃で……」
「ストップ! アルドさん。そんな扉を無理矢理壊して、この先に誰かいたらどうするの?」
クララが冷静につっこむ。確かに、この扉のすぐ近くに誘拐された子供がいれば、その子を巻き込むことになる。扉の先が見えない以上は無茶なことはできない。
「しかし、それじゃあ、どうするんだ」
「ここは私に任せて! アイビーテンタクルス!」
クララは緑の植物属性の魔法を唱えた。ツタが触手上に伸びる。ツタは丁度扉の隙間を通れるくらいに細くてその中をスルスルと入っていく。
「多分、この辺に……あった」
カチっと音がした。それから数秒後に、扉が開いた。扉を開けたのはツタの触手だった。触手を器用に動かしたクララは扉の内側にあるツマミを回して開錠したのだ。その後触手でドアノブを回してドアを開けた。
「お姉ちゃんすごい!」
「へへ、まあね。もしかしたら、内側からなら錠を操作できるツマミがあるかなって思ったら予想通りだった」
「助かったよ。クララ」
結局、扉の付近には誰もいなくてアルドが扉を壊して進むという方法を取っても特に問題はなかった……が、それは結果論だし、この方が幾分かスマートである。
クララが触手魔法を解除して、少年の方に近づく。
「それじゃあ、屋敷の外に出よっか」
「う、うん……」
クララと少年が手を繋ぐ。
「アルドさん。ミラ。私はこの子を屋敷の外まで送っていくよ」
「ああ、その方がいいだろう。ミラ、僕たちは先に行こうか」
「そうだな。こうしている間にも子供たちがどんな目に遭わされているのかわからない。クララ、その子を送り届けたら、ここに戻ってくるんだぞ」
「うん」
クララと少年と別れた後に、アルドとミラはクララが開けた扉の奥へと進む。すぐ近くには地下へと進む階段があり、石の段が重苦しい雰囲気を放っている。その石畳を一歩一歩下がっていく。音を立てないように慎重に歩いていく。
「イーリスちゃん。無事だといいな」
「うん。でも、あの子の話だとこの先にイーリスがいるはずだ。もう少し、もう少しだけ耐えてくれ……イーリス」
イーリスが無事であることを祈りつつ、アルドとミラは階段を降りていく。なにか妙に鼻につく臭いがしてくる。その臭いは終点が近づくほどに、鮮明になり、それが鉄のような臭いだと気づいた時にはアルドに嫌な予感がした。
「これは……もしかして血のにおいか?」
血も鉄も似た臭いがする。アルドの一言にミラもハッとしてしまう。
「……急ごう」
ミラに促されてアルドは速足になる。警戒されないように音を立てないように、でもできるだけ早く。そうして階段を降りた先にある光景。それは地下牢だった。
「なんだ。この地下牢は……」
鉄格子の奥を見る。そこには、壁にそなえつけられたX字架に開いた状態の手枷、足枷が設置されている。その周囲には、三角木馬や古びた鞭が床に乱雑に置かれていて、この屋敷の主人の趣味を疑うようなものばかりが置かれている。
「この屋敷の主人は拷問が趣味なのか?」
「……僕にはあまり共感できない趣味だな」
「私も同感だ」
地下牢の石の壁には赤黒い染みがべったりとついている。この地下に充満している血なまぐさい臭いの出どころは正にここなのだ。
この血がいつ付着したものなのかはわからない。でも、この屋敷が廃墟になってからそれなりの日が経っている。密室に近い状態だったとはいえ、それでもここまで臭いが籠っているのは以上とも言える。
「嫌なものを見たな……イーリスを探そう」
「ああ」
アルドとミラは更に奥へと進んでいく。そうしたら、コツコツと何か靴音が聞こえてくる。
「しっ……」
アルドとミラは丁字路の分かれ道にそっと身を隠した。恐る恐る靴音がする方を見ると、そこにいたのは女だった。
「――! アイツだ! アイツが子供たちを攫った張本人だ」
「でも、見たところ人間みたいだ。人型の邪霊もいるけれど、あんまりそういう感じはしないな」
「うん。それはアタシも同じことを想っていた。なんというか、人型の邪霊って見た目は同じだけれど、どこか異質な感じがする。でも、アレは正真正銘の人間……?」
女の口角が上がる。ニタァと目を見開いて笑った女。その口から霊魂が出て来て、その霊魂はやがて黒っぽい紫色のローブを被った骸骨の姿へと変えた。その骸骨は大鎌を手にしていて、それをブンブンと振り回している。風切り音と共に、骸骨が鼻唄をうたう。
「そこにいる~侵入者~。出てこ~い。お前たちも~私の偉大なる~生贄にしてやる~」
「気づかれているようだな」
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