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第42話 圧倒的な実力
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アルドたちはヴァンたちとは違ったルートで凪の谷を目指すことにした。幸いにも凪の谷へ向かうルートは複数ある。その最速の道をヴァンたちに取られてしまったものの、アルドたちが進んだ道は地形がそんなに険しくない。むしろ、体が出来上がっていないイーリスに丁度いいくらいだ。
「邪霊たちあんまりでないね」
イーリスが不服そうに唇を尖らせる。
「このルートはそんなに険しくないからな。その分、多くのディガーたちが既に踏み荒らした後というわけか」
ミラが冷静に状況を分析する。やはり、手慣れたディガーでも最短ルートよりかは道が安定している方を選ぶのがかしこいやり方と言える。
しかし、ここは邪霊がはびこっているダンジョン。その数は多くて、神出鬼没である。特に開けたダンジョンの場合、上空に目をやれば……
「カァアアー!」
カラスの姿をした邪霊が上空を飛んでいる。そして、イーリスに向かって急降下で突進を仕掛けて来る。
「イーリス! 下がって」
アルドがイーリスをかばった前に出る。イーリスは頼もしいアルドの背中を見て、うっとりとしてしまう。
「カァアー!」
カラスがアルドに攻撃を仕掛ける。そのカギヅメでアルドの頭をわしづかみにしようとするが、アルドは槍を横方向にスイングさせて、カラスのカギヅメによる攻撃を振り払った。
「カァアアー!」
「ウィンド!」
イーリスが緑の魔法、風を発生させるウィンドを唱えた。魔法使いのワンドにより威力が底上げされたウィンドの威力はすさまじいものが……なかった。普通にカラスの邪霊はその攻撃を体に受けても、ちょっと吹き飛ばされるだけで生きている。
「え?」
「カァアアー!」
混乱するイーリス。ウィンドはそこまで強い魔法ではないが、イーリスの信仰とワンドの能力を併せれば倒せてもおかしくない。それなのに、カラスはほとんどダメージを受けていない。
「あ、ごめん。イーリスちゃん。伝え忘れていた。ここは凪の谷の近く。風の魔法の威力は下がっちゃうの。だから凪の谷って呼ばれているんだ」
この世界は精霊や邪霊の影響を受けている。この凪の谷は、精霊、邪霊どちらの影響かは定かではないが、風の魔法が弱まるような地形となっているのだ。周囲の地形などの状況に応じて、魔法の威力が変わることは別に珍しいことではないのだ。
「え、えっと……どうしよう。私、まだ赤の魔法を使いこなせていないのに」
イーリスは火の魔法を使おうとして、土の魔法のロックショットを出すくらいには、赤の魔法のコントロールがまだできていない。
「イーリスちゃん。緑の魔法には風以外にももう1つ。植物の力があったでしょ」
「う、うん。クララさん。やってみる……」
イーリスは意識を集中させる。そして、魔法を放つ。
「リーフスター!」
イーリスが魔法を唱えると、木の葉がカラスの邪霊に向かって放たれた。その木の葉は刃のように鋭くて、カラスの邪霊の体を切り刻んでいく。
「カ、カァア!?」
カラスはダメージを追って地面へと落下した。その隙をアルドが突く――文字通りに!
「雷突!」
雷を纏った雷神の槍でカラスを突いた。アルド自身は魔法が使えないものの、こうして武器の力でそれに近い属性を使うことが可能だ。その一撃でカラスの邪霊は黒い石片へと姿を変えた。
イーリスとアルドのコンビネーションにより、カラスの邪霊を撃退することに成功した。
「うーん……初めて使う魔法だから、ワンドで威力が上がっているのかどうかわかり辛いなあ」
イーリスはまだワンドの凄さに実感がわかないでいる。事実、威力が底上げされてはいるのだが、いかんせん、元の威力が低い基本魔法だから伸び率もそこまで高くない。やはり、ワンドは大きな威力の魔法を放つ際に効力をより発揮するのだ。
「僕の方は、割と使いやすいかもしれない。突くだけじゃなくて、振り払うスイング。それで、敵をけん制できるし」
一方でアルドは雷神の槍の便利さを痛感していた。やはり、剣と比べてリーチが長い分、できることの幅が広がったのだ。その分、攻撃の隙もできやすいが、その辺は他の仲間がカバーしてくれるのであまり気にならない様子である。
「おめでとう、イーリスちゃん、アルドさん」
クララがパチパチと手を叩いた。新しい武器を手に入れた2人の戦闘。それを見守っていたのだ。
「まあ、今のうちに武器に慣れておくのも必要だからな。アタシとクララはあえて手を出さないでいた」
こうして、武器に少し慣れたアルドとイーリスは先に進んだ。
◇
「ガァアアアア!」
道なりに進んでいくとアルドとクララが聞き覚えのある方向が聞こえてきた。丁度ヴァンたちのルートと合流する地点。凪の谷が目の前に現れたところにいた邪霊。それがブルーワイバーンだった。
「あ、あれは……! ボスか?」
アルドとクララはかつてブルーワイバーンと戦ったことがある。それはボスとしてだ。狭い洞窟内での戦闘。飛行能力を持つブルーワイバーンが真価を発揮できない状態での戦闘だったが、今回は違う。思う存分"高さ”を利用できる状況だ。その好調なブルーワイバーンと交戦していたのがヴァンだった。
ブルーワイバーンは火球をヴァンに向かって飛ばす。しかし、ヴァンはより大きい火球を魔法で出してブルーワイバーンの火球を取り消すどころか攻撃を命中させた。
「ガァアア!」
「フラムヴェルジュ!」
ヴァンの手に炎の刃が出現した。ヴァンはその炎の刃をブルーワイバーンに向かって投げた。ブルーワイバーンの喉元に炎の刃が突き刺さり、そこで奴は絶命した。
ブルーワイバーンが倒れたがダンジョンは解放されていない。ブルーワイバーンはこのダンジョンのボスではない。単なる巻き込まれただけの邪霊にすぎないのだ。
「クララ、ブルーワイバーンがボスじゃないとすると……」
「もっと強いボスが控えているってことだね」
そんな2人の会話を聞いていたヴァンは鼻で笑う。
「はん。ブルーワイバーン程度をボスとして認識していたのか? 確かにボスでもおかしくない強さではあるが、俺にとっては雑魚にすぎない。むしろ、こいつがボスでなくて良かったとすら思っている。あまりにも手応えがなさすぎるからな」
かつては、アルドとクララが2人がかりで倒したボスもヴァンは1人で倒してしまった。それも無傷で。
あの頃と比べてアルドの武器も充実していて、クララも精霊のマナを分け与えられてパワーアップはしている。しかし、それでも、アルドとクララは単独で無傷でブルーワイバーンを倒せる自信がなかった。
それほどまでにこのヴァンは強い。その様子を見せつけられてしまった。
「俺の強さがわかっただろ? ブルーワイバーン程度でてこずりそうって思ったら、怪我しない内に帰った方がいいんじゃないか? 俺は親切心で言ってやっているんだぜ?」
親切心と口に出して言っているものの、声色は明らかにアルドたちを小バカにしている感じだった。
しかし、アルドは引くつもりはなかった。
「確かに僕1人では単独でブルーワイバーンは倒せなかったかもしれない。でも、僕には、仲間がいる。彼女たちと協力すればブルーワイバーン程度は無傷で倒せたよ」
「ふーん。女子供の力を借りなきゃ、一人前に戦うこともできないのか。まあ、俺はそれでいいと思うぜ。みんながみんな俺みたいに強くなれるわけじゃないからな」
フッと嘲笑い、ヴァンは剣士風の青年と共に凪の谷に足を踏み入れていった。
「どうする? アルドさん。多分、あいつらの方が先にボスがいるところまで辿り着くよ」
「基本的にボスはパーティ単位で狩るのが主流だ。報酬で揉める可能性があるから複数のパーティが合流して戦うケースは少ない。当然、先にボスがいるところに辿り着いた方に先に挑戦権がある。アタシは、もうこれでこのダンジョンはクリアされたも同然だと思ってるけど」
クララとミラはもう諦めムードに入っていた。
「まあ、最後までなにが起こるかわからない。一応は僕たちもボスがいるところを目指そう」
「邪霊たちあんまりでないね」
イーリスが不服そうに唇を尖らせる。
「このルートはそんなに険しくないからな。その分、多くのディガーたちが既に踏み荒らした後というわけか」
ミラが冷静に状況を分析する。やはり、手慣れたディガーでも最短ルートよりかは道が安定している方を選ぶのがかしこいやり方と言える。
しかし、ここは邪霊がはびこっているダンジョン。その数は多くて、神出鬼没である。特に開けたダンジョンの場合、上空に目をやれば……
「カァアアー!」
カラスの姿をした邪霊が上空を飛んでいる。そして、イーリスに向かって急降下で突進を仕掛けて来る。
「イーリス! 下がって」
アルドがイーリスをかばった前に出る。イーリスは頼もしいアルドの背中を見て、うっとりとしてしまう。
「カァアー!」
カラスがアルドに攻撃を仕掛ける。そのカギヅメでアルドの頭をわしづかみにしようとするが、アルドは槍を横方向にスイングさせて、カラスのカギヅメによる攻撃を振り払った。
「カァアアー!」
「ウィンド!」
イーリスが緑の魔法、風を発生させるウィンドを唱えた。魔法使いのワンドにより威力が底上げされたウィンドの威力はすさまじいものが……なかった。普通にカラスの邪霊はその攻撃を体に受けても、ちょっと吹き飛ばされるだけで生きている。
「え?」
「カァアアー!」
混乱するイーリス。ウィンドはそこまで強い魔法ではないが、イーリスの信仰とワンドの能力を併せれば倒せてもおかしくない。それなのに、カラスはほとんどダメージを受けていない。
「あ、ごめん。イーリスちゃん。伝え忘れていた。ここは凪の谷の近く。風の魔法の威力は下がっちゃうの。だから凪の谷って呼ばれているんだ」
この世界は精霊や邪霊の影響を受けている。この凪の谷は、精霊、邪霊どちらの影響かは定かではないが、風の魔法が弱まるような地形となっているのだ。周囲の地形などの状況に応じて、魔法の威力が変わることは別に珍しいことではないのだ。
「え、えっと……どうしよう。私、まだ赤の魔法を使いこなせていないのに」
イーリスは火の魔法を使おうとして、土の魔法のロックショットを出すくらいには、赤の魔法のコントロールがまだできていない。
「イーリスちゃん。緑の魔法には風以外にももう1つ。植物の力があったでしょ」
「う、うん。クララさん。やってみる……」
イーリスは意識を集中させる。そして、魔法を放つ。
「リーフスター!」
イーリスが魔法を唱えると、木の葉がカラスの邪霊に向かって放たれた。その木の葉は刃のように鋭くて、カラスの邪霊の体を切り刻んでいく。
「カ、カァア!?」
カラスはダメージを追って地面へと落下した。その隙をアルドが突く――文字通りに!
「雷突!」
雷を纏った雷神の槍でカラスを突いた。アルド自身は魔法が使えないものの、こうして武器の力でそれに近い属性を使うことが可能だ。その一撃でカラスの邪霊は黒い石片へと姿を変えた。
イーリスとアルドのコンビネーションにより、カラスの邪霊を撃退することに成功した。
「うーん……初めて使う魔法だから、ワンドで威力が上がっているのかどうかわかり辛いなあ」
イーリスはまだワンドの凄さに実感がわかないでいる。事実、威力が底上げされてはいるのだが、いかんせん、元の威力が低い基本魔法だから伸び率もそこまで高くない。やはり、ワンドは大きな威力の魔法を放つ際に効力をより発揮するのだ。
「僕の方は、割と使いやすいかもしれない。突くだけじゃなくて、振り払うスイング。それで、敵をけん制できるし」
一方でアルドは雷神の槍の便利さを痛感していた。やはり、剣と比べてリーチが長い分、できることの幅が広がったのだ。その分、攻撃の隙もできやすいが、その辺は他の仲間がカバーしてくれるのであまり気にならない様子である。
「おめでとう、イーリスちゃん、アルドさん」
クララがパチパチと手を叩いた。新しい武器を手に入れた2人の戦闘。それを見守っていたのだ。
「まあ、今のうちに武器に慣れておくのも必要だからな。アタシとクララはあえて手を出さないでいた」
こうして、武器に少し慣れたアルドとイーリスは先に進んだ。
◇
「ガァアアアア!」
道なりに進んでいくとアルドとクララが聞き覚えのある方向が聞こえてきた。丁度ヴァンたちのルートと合流する地点。凪の谷が目の前に現れたところにいた邪霊。それがブルーワイバーンだった。
「あ、あれは……! ボスか?」
アルドとクララはかつてブルーワイバーンと戦ったことがある。それはボスとしてだ。狭い洞窟内での戦闘。飛行能力を持つブルーワイバーンが真価を発揮できない状態での戦闘だったが、今回は違う。思う存分"高さ”を利用できる状況だ。その好調なブルーワイバーンと交戦していたのがヴァンだった。
ブルーワイバーンは火球をヴァンに向かって飛ばす。しかし、ヴァンはより大きい火球を魔法で出してブルーワイバーンの火球を取り消すどころか攻撃を命中させた。
「ガァアア!」
「フラムヴェルジュ!」
ヴァンの手に炎の刃が出現した。ヴァンはその炎の刃をブルーワイバーンに向かって投げた。ブルーワイバーンの喉元に炎の刃が突き刺さり、そこで奴は絶命した。
ブルーワイバーンが倒れたがダンジョンは解放されていない。ブルーワイバーンはこのダンジョンのボスではない。単なる巻き込まれただけの邪霊にすぎないのだ。
「クララ、ブルーワイバーンがボスじゃないとすると……」
「もっと強いボスが控えているってことだね」
そんな2人の会話を聞いていたヴァンは鼻で笑う。
「はん。ブルーワイバーン程度をボスとして認識していたのか? 確かにボスでもおかしくない強さではあるが、俺にとっては雑魚にすぎない。むしろ、こいつがボスでなくて良かったとすら思っている。あまりにも手応えがなさすぎるからな」
かつては、アルドとクララが2人がかりで倒したボスもヴァンは1人で倒してしまった。それも無傷で。
あの頃と比べてアルドの武器も充実していて、クララも精霊のマナを分け与えられてパワーアップはしている。しかし、それでも、アルドとクララは単独で無傷でブルーワイバーンを倒せる自信がなかった。
それほどまでにこのヴァンは強い。その様子を見せつけられてしまった。
「俺の強さがわかっただろ? ブルーワイバーン程度でてこずりそうって思ったら、怪我しない内に帰った方がいいんじゃないか? 俺は親切心で言ってやっているんだぜ?」
親切心と口に出して言っているものの、声色は明らかにアルドたちを小バカにしている感じだった。
しかし、アルドは引くつもりはなかった。
「確かに僕1人では単独でブルーワイバーンは倒せなかったかもしれない。でも、僕には、仲間がいる。彼女たちと協力すればブルーワイバーン程度は無傷で倒せたよ」
「ふーん。女子供の力を借りなきゃ、一人前に戦うこともできないのか。まあ、俺はそれでいいと思うぜ。みんながみんな俺みたいに強くなれるわけじゃないからな」
フッと嘲笑い、ヴァンは剣士風の青年と共に凪の谷に足を踏み入れていった。
「どうする? アルドさん。多分、あいつらの方が先にボスがいるところまで辿り着くよ」
「基本的にボスはパーティ単位で狩るのが主流だ。報酬で揉める可能性があるから複数のパーティが合流して戦うケースは少ない。当然、先にボスがいるところに辿り着いた方に先に挑戦権がある。アタシは、もうこれでこのダンジョンはクリアされたも同然だと思ってるけど」
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