7 / 35
6話 【保健室の匂い】
しおりを挟む
「本当サイテー! だから小野田は嫌われるんだよ!」
ベッドで横になる私の隣で
リカが怒りながら呟いた。
ゴメンね。
私のために。
「リカ。 ありがとう。」
「いいのいいの! それより大丈夫?」
「うん。 お昼になったら戻るよ。」
せっかくお母さんがお弁当作ってくれてるしね。
「じゃあ数学のノートは後で見せてあげるからゆっくり休んでね。」
「……サンキュー。」
薬品とか消毒液の匂いかな?
なんか保健室って独特の匂いがする。
私はグラウンドから聞こえてくる
金属バットがボールに当たる音と
わいわい騒ぐ声を聞きながら
うとうとした。
~~~
お弁当の時間。
教室に戻ると
少し様子がおかしいことに気付いた。
ぐちゃぐちゃになった机と椅子を元の位置に戻す男子数名。
窓際に立つ小野田は鼻にティッシュを詰めてた。
「どうしたの?」
リカに尋ねた。
「ケンタだよ。 水野ケンタがさ、小野田に殴りかかったの! もうね、凄かったんだから!」
えっ
あのケンタが?
何があったの?
「でもまぁ私はスッキリしたなぁ。」
「スッキリ……?」
「だってケンタ、アオイが馬鹿にされたことを怒って殴ったんだよ。」
えっ?
なんで?
「ケンタは?」
お礼言わないと。
「ケンタは多分"いつものとこ"じゃないかな?」
"いつものとこ"とは"屋上のプール"のことだ。
ケンタはお昼になるといつもプールサイドでご飯を食べるの。
ケンタは友達たくさんいるのに変わってるなぁっていつも思ってた。
とにかくお礼を言おう。
私はお弁当を持って
屋上のプールに向かった。
ベッドで横になる私の隣で
リカが怒りながら呟いた。
ゴメンね。
私のために。
「リカ。 ありがとう。」
「いいのいいの! それより大丈夫?」
「うん。 お昼になったら戻るよ。」
せっかくお母さんがお弁当作ってくれてるしね。
「じゃあ数学のノートは後で見せてあげるからゆっくり休んでね。」
「……サンキュー。」
薬品とか消毒液の匂いかな?
なんか保健室って独特の匂いがする。
私はグラウンドから聞こえてくる
金属バットがボールに当たる音と
わいわい騒ぐ声を聞きながら
うとうとした。
~~~
お弁当の時間。
教室に戻ると
少し様子がおかしいことに気付いた。
ぐちゃぐちゃになった机と椅子を元の位置に戻す男子数名。
窓際に立つ小野田は鼻にティッシュを詰めてた。
「どうしたの?」
リカに尋ねた。
「ケンタだよ。 水野ケンタがさ、小野田に殴りかかったの! もうね、凄かったんだから!」
えっ
あのケンタが?
何があったの?
「でもまぁ私はスッキリしたなぁ。」
「スッキリ……?」
「だってケンタ、アオイが馬鹿にされたことを怒って殴ったんだよ。」
えっ?
なんで?
「ケンタは?」
お礼言わないと。
「ケンタは多分"いつものとこ"じゃないかな?」
"いつものとこ"とは"屋上のプール"のことだ。
ケンタはお昼になるといつもプールサイドでご飯を食べるの。
ケンタは友達たくさんいるのに変わってるなぁっていつも思ってた。
とにかくお礼を言おう。
私はお弁当を持って
屋上のプールに向かった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
大人な軍人の許嫁に、抱き上げられています
真風月花
恋愛
大正浪漫の恋物語。婚約者に子ども扱いされてしまうわたしは、大人びた格好で彼との逢引きに出かけました。今日こそは、手を繋ぐのだと固い決意を胸に。
コカク
素笛ゆたか
ライト文芸
近未来ノスタルジックもの。
前編・中編・後編で完結します。
『向こう』側と『こちら』側の少年二人が出会うことで、何かが変わる。
未来的だけどどこか懐かしい、そんなお話です。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる