ミュージック・アワー～恋するウサギちゃん♡～

2話 【港のトランペット】

今日は日曜日。

朝6時半、

吹奏楽部でトランペットを担当している私は

お父さんの車に乗って

近所の港に向かった。

目的はもちろん

トランペットの練習。

私はこの時間が好き。

誰もいない港で

思いっきり音を出すと

一週間分のモヤモヤが

どっかに行ってしまって

明日からまた一週間頑張ろう。

そう思えるから。


私はおっきく息を吸い込んで音を出す。

吹奏楽経験者のお父さんは

アウトドアチェアに腰掛けて

時々目を細めて呟くの。

「アオイも綺麗な音を出せるようになったな。」

って。

お父さん曰く、

静かな波の音と

私が奏でるトランペットの音色は

相性が抜群らしい。

私にはよくわからないけど、

そう言ってくれると嬉しいな。


どこまでも広がる大海原の上に浮かぶ

夏の朝日は

どの季節のものよりも

エネルギッシュな気がして

いつもよりも

おっきくて綺麗な音を出せる気がした。

暑いのは苦手。


でも夏はキライにはなれないの。