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最終決戦
反抗
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「僕の名前はねえ。割田優って言うんだ。」
彼女はそう自己紹介を終えると、空間から机と椅子を作り出し、俺に席をすすめた。
「ささ、立ち話もなんだ。積もる話もあるし、お茶でもどうかな? 」
彼女は慎二郎の子供である俺にも、好意的に接してくれている。
だが、俺がここへ来たのは、彼女と茶を飲むためではない。
「御宅はいい、ささっと始めるぞクソ野郎。」
俺はカリバーンの剣先を彼女へと向けた。
「チェッ、つくづくつまんねえやつだね君は。」
「一服盛ってやろうと思ったんだけど。」
「へー神様ってのは、下々の人間にもそういうせけえ手を使うってのか。」
「怖いのか? 俺に負けるのが? 」
彼女が俺を睨む。
「そもそも君は人間じゃないだろ。」
「じゃなきゃ、こんなところに招いたりしていないし。」
「そうだ。蝙がここに君を招いていなければ、そもそもここにくることすら出来なかったのに。」
俺はそれを鼻で笑った。
「カーミラも、元々招く、つもりなんて無かったんだな。」
彼女はうそぶいた。
「僕は『ドミニクを生き返られせあげる。』とは言ったけど、『転界に招く。』とは一度も言ってないよ。」
「嘘に嘘を重ねる。品性の欠けた野郎だ。」
その言葉で、彼女は一瞬、「ぶるッ」と身体を震わせて、苦笑いする。
「君は母親を生き返らせに、そのためにここに来たんじゃあ無いのかい? 」
どうやら彼女は本気でそう思っていたらしい。
「そんなこと出来るはずがないだろう。」
「ならなぜ君はここまで来たんだ? 」
「くるべくしたからの来た。」
「お前を倒してどうとか、世界がどうなろうとか、正直、どうでも良い。」
彼女は額に冷や汗を書いている。
「ならなぜお前はここに来たんだ!!おかしい、おかしいすぎる。そうだお前は神になるためにここへ来たんだ。」
「ハムサがそうだったように。」
「違うな。」
俺は吐き捨てるようにそう言った。
「王だとか神だとか俺には似合わない。んなもん、カーミラにでもやるぜ。」
「俺は沢山の人間に託された。頼まれた。だから今ここにいる。」
彼女は俺を嘲笑する。
「救うものを持たないものなど、意志のないものなど___」
「俺は世界を救いに来たんじゃねえよ。」
「世界を壊しに来た。」
「『誰かのために?』か。」
「俺にそういうのは向いてないんだわ。」
「とりあえず、オヤジの剣は返してもらうぜ。」
彼女はカイナに一振りの剣を収めると、ソレで十字を切った。
「どっちにしろ君たち一族には使えないさ。僕がそう設定したからね。」
「問題ない。上官からの頼み事だ。」
彼女は草薙剣を振り下ろす。
---トマホーク---
剣から三つの円錐状の飛翔体が俺めがけて飛んでくる。
---時空壊---
世界が加速する。
俺はその世界の中で、その飛翔体をサイドステップで避ける。
それらのうちの二つは効力を失って爆発し、残り一つが俺を追ってきた。
思った通りだ。
ホーミング性能も備えている。
あの微妙な速度は、コントロール性能を上げるためのそれだった。
俺はカリバーンの力を使い、空を飛ぶと、宮殿の屋根を破壊した。
飛翔体は俺を追ってくる。
どこまでも。
俺は意識を加速させ、どこまででも逃げた。
しかし、ソレは俺の背後をガッチリ捉えている。
俺は重力を操作し、地上に急降下する。
"まだだ。"
まだ早い。
"まだだ。"
俺の後頭部が、地面に接触するまで後十秒。
"いまだ。"
俺は重心を垂直に移動させると、割田の方に急転換させた。
コントロール性能を失わせた飛翔体が、地面に激突し、爆発四散する。
---MTHEL---
草薙剣の剣先から眩いエネルギー体が放たれる。
俺は目視でソレを確認すると、旋回し、避ける。
クラウソラスのような攻撃が、宮殿を抉った。
大理石が崩れ去る。
そこにはもう、花畑など存在しなかった。
煮えたぎるマグマ、活動を続け、今にも爆発せんとする火山。
そして、俺が今踏んでいるのは、かろうじて冷え固まっている溶岩だ。
____背後で感じる冷たい殺気。
半ばカンでその攻撃を避ける。
身体を限界までそらし、彼女の光る剣を見た。
「これはね、ファトンソードっていうの。平等世界の公安のみが所持を許されている剣。」
俺の見たその草薙剣の眩い光は、クラウソラスのそれとも、凛月のソレとも違った。
俺は彼女の攻撃を、ギリギリのところで避ける。
恐らく彼女は身体強化も行なっている。
その動きの速さは、時空壊を発動させて、聖剣たちの力でブーストをかけてなお、やっと追いつける速度だ。
燠見も発動させているが、まるで動きが見えない。
大上段で俺はマグマの中にはたき落とされる。
落ちた先は
月面だった。
月に新しいクレーターを作ると、そこへ割田が落ちてくる。
回転し、背を向けて走る。
彼女は垂直移動すると、コンマ一秒で俺に追いついた。
俺の背後を覆うように彼女が飛びかかる。
俺は体勢を崩し、空中でうつ伏せになると身体を捻り、回転させ、飛びかかる彼女の顔を見る。
そして、下から彼女を蹴り上げた。
回転し、着地に成功すると、アウラの力で、そのまま割田まで急接近した。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
渾身の突き攻撃。
ジゲンキリとカリバーンを重ね合わせる。
徐々に俺を纏う空気が、摩擦で燃え始める。
---God Slayer---
熱波は広がり、やがて巨大な翼を広げる不死鳥となった。
---ディメンション・リフト---
彼女は、そう言ったような気がした。
リフト?
昇降機?
なぜ?
ディメンションは確か次元のことで……
俺は薄れゆく意識の中で、月面に仁王立ちする彼女をじっと見ていた。
彼女はそう自己紹介を終えると、空間から机と椅子を作り出し、俺に席をすすめた。
「ささ、立ち話もなんだ。積もる話もあるし、お茶でもどうかな? 」
彼女は慎二郎の子供である俺にも、好意的に接してくれている。
だが、俺がここへ来たのは、彼女と茶を飲むためではない。
「御宅はいい、ささっと始めるぞクソ野郎。」
俺はカリバーンの剣先を彼女へと向けた。
「チェッ、つくづくつまんねえやつだね君は。」
「一服盛ってやろうと思ったんだけど。」
「へー神様ってのは、下々の人間にもそういうせけえ手を使うってのか。」
「怖いのか? 俺に負けるのが? 」
彼女が俺を睨む。
「そもそも君は人間じゃないだろ。」
「じゃなきゃ、こんなところに招いたりしていないし。」
「そうだ。蝙がここに君を招いていなければ、そもそもここにくることすら出来なかったのに。」
俺はそれを鼻で笑った。
「カーミラも、元々招く、つもりなんて無かったんだな。」
彼女はうそぶいた。
「僕は『ドミニクを生き返られせあげる。』とは言ったけど、『転界に招く。』とは一度も言ってないよ。」
「嘘に嘘を重ねる。品性の欠けた野郎だ。」
その言葉で、彼女は一瞬、「ぶるッ」と身体を震わせて、苦笑いする。
「君は母親を生き返らせに、そのためにここに来たんじゃあ無いのかい? 」
どうやら彼女は本気でそう思っていたらしい。
「そんなこと出来るはずがないだろう。」
「ならなぜ君はここまで来たんだ? 」
「くるべくしたからの来た。」
「お前を倒してどうとか、世界がどうなろうとか、正直、どうでも良い。」
彼女は額に冷や汗を書いている。
「ならなぜお前はここに来たんだ!!おかしい、おかしいすぎる。そうだお前は神になるためにここへ来たんだ。」
「ハムサがそうだったように。」
「違うな。」
俺は吐き捨てるようにそう言った。
「王だとか神だとか俺には似合わない。んなもん、カーミラにでもやるぜ。」
「俺は沢山の人間に託された。頼まれた。だから今ここにいる。」
彼女は俺を嘲笑する。
「救うものを持たないものなど、意志のないものなど___」
「俺は世界を救いに来たんじゃねえよ。」
「世界を壊しに来た。」
「『誰かのために?』か。」
「俺にそういうのは向いてないんだわ。」
「とりあえず、オヤジの剣は返してもらうぜ。」
彼女はカイナに一振りの剣を収めると、ソレで十字を切った。
「どっちにしろ君たち一族には使えないさ。僕がそう設定したからね。」
「問題ない。上官からの頼み事だ。」
彼女は草薙剣を振り下ろす。
---トマホーク---
剣から三つの円錐状の飛翔体が俺めがけて飛んでくる。
---時空壊---
世界が加速する。
俺はその世界の中で、その飛翔体をサイドステップで避ける。
それらのうちの二つは効力を失って爆発し、残り一つが俺を追ってきた。
思った通りだ。
ホーミング性能も備えている。
あの微妙な速度は、コントロール性能を上げるためのそれだった。
俺はカリバーンの力を使い、空を飛ぶと、宮殿の屋根を破壊した。
飛翔体は俺を追ってくる。
どこまでも。
俺は意識を加速させ、どこまででも逃げた。
しかし、ソレは俺の背後をガッチリ捉えている。
俺は重力を操作し、地上に急降下する。
"まだだ。"
まだ早い。
"まだだ。"
俺の後頭部が、地面に接触するまで後十秒。
"いまだ。"
俺は重心を垂直に移動させると、割田の方に急転換させた。
コントロール性能を失わせた飛翔体が、地面に激突し、爆発四散する。
---MTHEL---
草薙剣の剣先から眩いエネルギー体が放たれる。
俺は目視でソレを確認すると、旋回し、避ける。
クラウソラスのような攻撃が、宮殿を抉った。
大理石が崩れ去る。
そこにはもう、花畑など存在しなかった。
煮えたぎるマグマ、活動を続け、今にも爆発せんとする火山。
そして、俺が今踏んでいるのは、かろうじて冷え固まっている溶岩だ。
____背後で感じる冷たい殺気。
半ばカンでその攻撃を避ける。
身体を限界までそらし、彼女の光る剣を見た。
「これはね、ファトンソードっていうの。平等世界の公安のみが所持を許されている剣。」
俺の見たその草薙剣の眩い光は、クラウソラスのそれとも、凛月のソレとも違った。
俺は彼女の攻撃を、ギリギリのところで避ける。
恐らく彼女は身体強化も行なっている。
その動きの速さは、時空壊を発動させて、聖剣たちの力でブーストをかけてなお、やっと追いつける速度だ。
燠見も発動させているが、まるで動きが見えない。
大上段で俺はマグマの中にはたき落とされる。
落ちた先は
月面だった。
月に新しいクレーターを作ると、そこへ割田が落ちてくる。
回転し、背を向けて走る。
彼女は垂直移動すると、コンマ一秒で俺に追いついた。
俺の背後を覆うように彼女が飛びかかる。
俺は体勢を崩し、空中でうつ伏せになると身体を捻り、回転させ、飛びかかる彼女の顔を見る。
そして、下から彼女を蹴り上げた。
回転し、着地に成功すると、アウラの力で、そのまま割田まで急接近した。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
渾身の突き攻撃。
ジゲンキリとカリバーンを重ね合わせる。
徐々に俺を纏う空気が、摩擦で燃え始める。
---God Slayer---
熱波は広がり、やがて巨大な翼を広げる不死鳥となった。
---ディメンション・リフト---
彼女は、そう言ったような気がした。
リフト?
昇降機?
なぜ?
ディメンションは確か次元のことで……
俺は薄れゆく意識の中で、月面に仁王立ちする彼女をじっと見ていた。
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