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ホントの始まり
得美土
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剣城は得美士を刀を交えていた。
「お前は、あの鬼に操られていないみたいだな。なぜ、ヤツの味方をする?? 」
得美士は剣城の布津御魂剣を弾き返すと、こう答えた。
「力のあるお前には分からない。奪われる側の人間の気持ちは、奪うことの出来るお前には。」
「俺は力が無いから故郷を焼かれた。俺を救ったのは……いや救ったふりをした僧侶どもは守銭奴の集まりだった。」
「だが、アニキは違った。アニキは俺に奪うための力をくれた。アニキがいれば全てを取り返せる。」
剣城はキレた。
「奪う、奪うってヨォォ。お前は自分で何かを作り出したことがあるか?? 居場所がないなら作れば良いだろ?? なぜ他人から施しを受けることを待っている?? 」
得美士はそのまま鍔迫り合いに持ってくる。
「ああ、そんなこといくらでも出来たさ。お前のように力が有れば、他に分け与えられるほどの力が有れば。」
「だが、この世は奪うことでしか何かを得られない?? 違うか?? 俺が間違っているのか?? 両親は殺され、みなしごになった俺は……どうすれば良かった?? 俺には与えられるものなど何もない。何も無いんだ。」
「だから俺は手に入れる。全てを。取り返すんだ!! 」
彼の刀が赤黒く光る。
「来たぞ兄者!! 俺の剣にも。」
得美士の刀が、布津御魂剣の呪いを吸い込み始めた。
剣城は慌てて、得美士を振り払う。
「ほう……コレがお前の力か……存分に利用させてもらうぞ。」
彼は刀で罰印を描くと、それを飛ばしてきた。
---黒刀・罰---
剣城は布津御魂剣の斬撃を置き、彼の攻撃を止める。
得美士は刀を自分の左掌に突き刺し、叫んだ。
「血牙!! 俺に力を!! 」
---嘔心瀝血---
彼の目に赤黒い復讐心が宿る。
"先程とは比べ物にならない敏捷力だ。"
「ハハハハハ、見たか?? コレが俺の力だ。いくら鬼狩りの坂田家であろうと、俺は止められまい。」
剣城は目で追えるだけの斬撃を布津御魂剣で受け止める。
彼の身体を、得美士の血牙が徐々に削り始めていた。
「ハハハぁーお前の血肉も全部俺の物だ。この力は俺が使うにふさわしいぃ。」
目が慣れ始めた剣城が、得美士の血牙を弾き返した。
「フッ三流はどうあがいても三流だな。」
今度は得美士がキレた。
「なん…だとぉおおおおお。」
「鬼狩り!! 坂田剣城。参る。」
彼は、血牙の斬撃とそれがナゾった後まで完璧に理解した。
そしてそれらを一つ一つ丁寧に自分のエモノで処理していく。
「クソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥ。」
剣城は怒りで得美士の攻撃が大振りになっていることを察知し、刀を思いっきり振り上げる。
「あ“あ“あ"あ"あ"あ"あ"あ"。」
彼の両腕が血牙ごと吹き飛んだ。
「おい、返せよ俺の両腕!! 俺には、もう何も無いっていうのに、お前らは、まだ俺から何かを奪うっていうのか?? 」
剣城がゆっくりこちらにやって来る。
「おい、待てよ。おい、俺をどうする気だ?? 人殺しぃ。極東の沈着袋めが。へへへ、人の命を奪っておいてろくな死に方しねえぜ。地獄に堕ちろ。」
得美士の視界が宙に舞う。
「許せ……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ここは?? 」
---ヨォ哀れな人間さんよ---
「誰だお前は?? 」
---ん?名前なんてねえよ---
---んで?? お前は俺に何をくれるんだ?? 腕、返して欲しいんだろ?? なら代償を払えよ---
「代償?? なんのことだ?? 俺にはもう何も無いぞ。母親がつけてくれた名前以外は……」
---ん? 名前?? 良いなそれ。俺にくれ。契約成立だな---
彼の胸から何かが引き摺り出される。彼はアイデンティティを一つ失った気がした。
剣城は背後から強烈な鬼の気配を感じて振り返る。
"鬼に刺さったヤツの刀が……"
血牙は酒呑童子の身体を全て吸収すると、得美士の元へと戻っていく。
彼の体の傷はみるみる回復し、しまいには首がキッチリ繋がりって元通りになった。
「俺とこの刀の名は得美士。アニキの無念を晴らさせてもらうぞ。」
「お前は、あの鬼に操られていないみたいだな。なぜ、ヤツの味方をする?? 」
得美士は剣城の布津御魂剣を弾き返すと、こう答えた。
「力のあるお前には分からない。奪われる側の人間の気持ちは、奪うことの出来るお前には。」
「俺は力が無いから故郷を焼かれた。俺を救ったのは……いや救ったふりをした僧侶どもは守銭奴の集まりだった。」
「だが、アニキは違った。アニキは俺に奪うための力をくれた。アニキがいれば全てを取り返せる。」
剣城はキレた。
「奪う、奪うってヨォォ。お前は自分で何かを作り出したことがあるか?? 居場所がないなら作れば良いだろ?? なぜ他人から施しを受けることを待っている?? 」
得美士はそのまま鍔迫り合いに持ってくる。
「ああ、そんなこといくらでも出来たさ。お前のように力が有れば、他に分け与えられるほどの力が有れば。」
「だが、この世は奪うことでしか何かを得られない?? 違うか?? 俺が間違っているのか?? 両親は殺され、みなしごになった俺は……どうすれば良かった?? 俺には与えられるものなど何もない。何も無いんだ。」
「だから俺は手に入れる。全てを。取り返すんだ!! 」
彼の刀が赤黒く光る。
「来たぞ兄者!! 俺の剣にも。」
得美士の刀が、布津御魂剣の呪いを吸い込み始めた。
剣城は慌てて、得美士を振り払う。
「ほう……コレがお前の力か……存分に利用させてもらうぞ。」
彼は刀で罰印を描くと、それを飛ばしてきた。
---黒刀・罰---
剣城は布津御魂剣の斬撃を置き、彼の攻撃を止める。
得美士は刀を自分の左掌に突き刺し、叫んだ。
「血牙!! 俺に力を!! 」
---嘔心瀝血---
彼の目に赤黒い復讐心が宿る。
"先程とは比べ物にならない敏捷力だ。"
「ハハハハハ、見たか?? コレが俺の力だ。いくら鬼狩りの坂田家であろうと、俺は止められまい。」
剣城は目で追えるだけの斬撃を布津御魂剣で受け止める。
彼の身体を、得美士の血牙が徐々に削り始めていた。
「ハハハぁーお前の血肉も全部俺の物だ。この力は俺が使うにふさわしいぃ。」
目が慣れ始めた剣城が、得美士の血牙を弾き返した。
「フッ三流はどうあがいても三流だな。」
今度は得美士がキレた。
「なん…だとぉおおおおお。」
「鬼狩り!! 坂田剣城。参る。」
彼は、血牙の斬撃とそれがナゾった後まで完璧に理解した。
そしてそれらを一つ一つ丁寧に自分のエモノで処理していく。
「クソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥクソゥ。」
剣城は怒りで得美士の攻撃が大振りになっていることを察知し、刀を思いっきり振り上げる。
「あ“あ“あ"あ"あ"あ"あ"あ"。」
彼の両腕が血牙ごと吹き飛んだ。
「おい、返せよ俺の両腕!! 俺には、もう何も無いっていうのに、お前らは、まだ俺から何かを奪うっていうのか?? 」
剣城がゆっくりこちらにやって来る。
「おい、待てよ。おい、俺をどうする気だ?? 人殺しぃ。極東の沈着袋めが。へへへ、人の命を奪っておいてろくな死に方しねえぜ。地獄に堕ちろ。」
得美士の視界が宙に舞う。
「許せ……」
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「ここは?? 」
---ヨォ哀れな人間さんよ---
「誰だお前は?? 」
---ん?名前なんてねえよ---
---んで?? お前は俺に何をくれるんだ?? 腕、返して欲しいんだろ?? なら代償を払えよ---
「代償?? なんのことだ?? 俺にはもう何も無いぞ。母親がつけてくれた名前以外は……」
---ん? 名前?? 良いなそれ。俺にくれ。契約成立だな---
彼の胸から何かが引き摺り出される。彼はアイデンティティを一つ失った気がした。
剣城は背後から強烈な鬼の気配を感じて振り返る。
"鬼に刺さったヤツの刀が……"
血牙は酒呑童子の身体を全て吸収すると、得美士の元へと戻っていく。
彼の体の傷はみるみる回復し、しまいには首がキッチリ繋がりって元通りになった。
「俺とこの刀の名は得美士。アニキの無念を晴らさせてもらうぞ。」
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