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2 自己紹介は波乱の幕開け!?
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目的の居酒屋へたどり着いた俺達は、B太に促されるまま各々席へと腰を下ろした。
「よいしょっと…。とりあえず飲み物頼んじゃいますか!!皆何飲む?」
B太の提案で、皆が次々と飲み物を注文していく。
俺も未だに頭が混乱していたが、かろうじて自分のお酒を頼むことができた。
「そんじゃあ、自己紹介いきますか!!俺はB太、大学生でーす!!趣味は…ドライブかな?」
(嘘こけ…お前の趣味はゲームだろ。)
とは、口に出さないようにした。
「ほら、次お前の番だぞ。」
「あ、ああ。えっと…夏雄です。B太と同じ大学に通ってる。趣味は…あー、勉強?」
「…おいおい、合コンの自己紹介で勉強が趣味ですって…。合コン下手かよ!!」
…どうやら、俺の発言は少し場違いだったらしい。
B太のフォローのおかげで、なんとか笑い話になった。
「勉強って…ダサ。」
美夏がほくそ笑みながら、小声で馬鹿にしてくる。
(こいつ…後で覚えとけよ…。)
その後、全員の自己紹介が終わり、いよいよ合コンが始まろうとしていた。
「「乾杯っ!!」」
グラス同士がぶつかり、カチンと小気味良い音を立てる。
色々と気を紛らす為に、酒を勢いよく飲み込む。
「おー、夏雄くん飲むねー。お酒強いのー?」
突然向かいに座っていた女の子に話しかけられる。
「え?ああ、まあ…それなりかな?」
「へー、いいね。私お酒強い人、好き。」
普段見ない女の子の上目遣いに、思わずドキッとしてしまう。
女慣れしていない俺にとって、この状況はあまりに刺激的だ。
自分でも知らぬ間に口角がうっすらと上がっていく。
その瞬間、背筋がゾクッとした。
ハッとなって美夏の方を見ると、そこには鬼のように顔をしかめた美夏がいた。
明らかに俺を軽蔑している表情だ。
確かに、女にデレデレしている家族を見るのはある意味で苦行だろう。
俺は水を飲んで平静を取り戻すことにした。
「はーい注目!!そろそろ目玉イベントの王様ゲーム始めまーす!!」
B太が割り箸入りのコップを掲げ、皆に呼びかける。
(王様ゲーム…確か、割り箸の当たりを引いた人が、誰かに何かしらの命令を出来るっていうやつだな。)
命令という単語を意識したせいか、年甲斐もなく胸が高鳴ってしまう。
しかし、もし仮にだ。
俺が王様になって、命令先の番号が妹だったらどうする。
ちょっとした罰ゲームならともかく、キスなんかをしてしまったが最後、俺はお縄につくことになるだろう。
それは嫌だ、けど女の子とキスできるチャンスをみすみす逃すのは惜しい。
どうしよう、そう考えているうちに王様ゲームが始まる。
慌てて適当に割り箸を掴む。
「「王様だーれだ??」」
「よいしょっと…。とりあえず飲み物頼んじゃいますか!!皆何飲む?」
B太の提案で、皆が次々と飲み物を注文していく。
俺も未だに頭が混乱していたが、かろうじて自分のお酒を頼むことができた。
「そんじゃあ、自己紹介いきますか!!俺はB太、大学生でーす!!趣味は…ドライブかな?」
(嘘こけ…お前の趣味はゲームだろ。)
とは、口に出さないようにした。
「ほら、次お前の番だぞ。」
「あ、ああ。えっと…夏雄です。B太と同じ大学に通ってる。趣味は…あー、勉強?」
「…おいおい、合コンの自己紹介で勉強が趣味ですって…。合コン下手かよ!!」
…どうやら、俺の発言は少し場違いだったらしい。
B太のフォローのおかげで、なんとか笑い話になった。
「勉強って…ダサ。」
美夏がほくそ笑みながら、小声で馬鹿にしてくる。
(こいつ…後で覚えとけよ…。)
その後、全員の自己紹介が終わり、いよいよ合コンが始まろうとしていた。
「「乾杯っ!!」」
グラス同士がぶつかり、カチンと小気味良い音を立てる。
色々と気を紛らす為に、酒を勢いよく飲み込む。
「おー、夏雄くん飲むねー。お酒強いのー?」
突然向かいに座っていた女の子に話しかけられる。
「え?ああ、まあ…それなりかな?」
「へー、いいね。私お酒強い人、好き。」
普段見ない女の子の上目遣いに、思わずドキッとしてしまう。
女慣れしていない俺にとって、この状況はあまりに刺激的だ。
自分でも知らぬ間に口角がうっすらと上がっていく。
その瞬間、背筋がゾクッとした。
ハッとなって美夏の方を見ると、そこには鬼のように顔をしかめた美夏がいた。
明らかに俺を軽蔑している表情だ。
確かに、女にデレデレしている家族を見るのはある意味で苦行だろう。
俺は水を飲んで平静を取り戻すことにした。
「はーい注目!!そろそろ目玉イベントの王様ゲーム始めまーす!!」
B太が割り箸入りのコップを掲げ、皆に呼びかける。
(王様ゲーム…確か、割り箸の当たりを引いた人が、誰かに何かしらの命令を出来るっていうやつだな。)
命令という単語を意識したせいか、年甲斐もなく胸が高鳴ってしまう。
しかし、もし仮にだ。
俺が王様になって、命令先の番号が妹だったらどうする。
ちょっとした罰ゲームならともかく、キスなんかをしてしまったが最後、俺はお縄につくことになるだろう。
それは嫌だ、けど女の子とキスできるチャンスをみすみす逃すのは惜しい。
どうしよう、そう考えているうちに王様ゲームが始まる。
慌てて適当に割り箸を掴む。
「「王様だーれだ??」」
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