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第8章【苦い祈り】
68罪 触れられる距離①
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「雪ちゃん……かわいい」
「――――――っ」
ヴェル君の言葉で、私は簡単に火がついてしまう。簡単に心臓がおかしくなってしまう。
ねえ、本当に大好きで大好きで仕方なくて、こんなに甘い態度を取られてしまったら……私はどうしようもないよ。
「ほら……横になれる?」
そう言って、ヴェル君は私を布団の上に立たせてくれた。
だけど、まだ彼の両手は私の腰のあたりにある。離したら倒れてしまいそうな私を心配して、たぶん支えてくれているんだと思う。思うんだけど……期待、してしまったもいいかな? と考えてしまう。
「……ヴェル、君」
「……雪ちゃん?」
いつも以上に大きく感じるヴェル君を見上げ、熱い吐息交じりに彼の名前を呼んだ。
きっと、ここから一歩先に進んでしまったら止まれなくなってしまう。
こんな心地の良い夢のような出来事……ううん、これは夢じゃなくて現実なんだ。大好きだったヴェル君が私を……見てくれている。
足の裏に広がる柔らかい布団の感触。それがより、現実だと言わしめているような気がした。
「ヴェル君、私……ヴェル君の事が、好き」
「――――っ」
告げてしまった私の気持ち。私の想い。だって、あんなに甘い表情を浮かべられて、あんなに甘い態度を取られて、心に秘め続ける事なんて出来ない。
私の言葉を耳にしたヴェル君が息を呑んだのが分かった気がした。
「俺も……俺も、雪ちゃんが好きだよ」
そう言って、私の腰に添えていたはずの両手で私をギュッと力強く抱きしめた。
涙が溢れそうになるくらい、嬉しかった。大好きなヴェル君に、私の気持ちがきちんと伝わった。それだけじゃなくて、大好きなヴェル君が私の気持ちにこたえてくれた……それが凄く嬉しかった。
そんなはず、ないと思っていたから。
なんでそう思っていたのかは分からない。だけど、頑なにヴェル君は私を好きにならない。ヴェル君が好きになるのは別の人。私は……誰からも好かれない。白卯からしか好かれない。
――――そう、思っていた。だからこそ、ヴェル君の答えが凄く意外で、驚いた。驚いたけど、嬉しかった。
「雪ちゃん……キス、してもいい?」
聞かなくても、全然許可したのに優しく聞いてくれるヴェル君が凄く優しい。
甘い声が私の耳から脳を犯すように響き、広がっていく。ヴェル君の事しか考えられなくなる。
「――――――っ」
ヴェル君の言葉で、私は簡単に火がついてしまう。簡単に心臓がおかしくなってしまう。
ねえ、本当に大好きで大好きで仕方なくて、こんなに甘い態度を取られてしまったら……私はどうしようもないよ。
「ほら……横になれる?」
そう言って、ヴェル君は私を布団の上に立たせてくれた。
だけど、まだ彼の両手は私の腰のあたりにある。離したら倒れてしまいそうな私を心配して、たぶん支えてくれているんだと思う。思うんだけど……期待、してしまったもいいかな? と考えてしまう。
「……ヴェル、君」
「……雪ちゃん?」
いつも以上に大きく感じるヴェル君を見上げ、熱い吐息交じりに彼の名前を呼んだ。
きっと、ここから一歩先に進んでしまったら止まれなくなってしまう。
こんな心地の良い夢のような出来事……ううん、これは夢じゃなくて現実なんだ。大好きだったヴェル君が私を……見てくれている。
足の裏に広がる柔らかい布団の感触。それがより、現実だと言わしめているような気がした。
「ヴェル君、私……ヴェル君の事が、好き」
「――――っ」
告げてしまった私の気持ち。私の想い。だって、あんなに甘い表情を浮かべられて、あんなに甘い態度を取られて、心に秘め続ける事なんて出来ない。
私の言葉を耳にしたヴェル君が息を呑んだのが分かった気がした。
「俺も……俺も、雪ちゃんが好きだよ」
そう言って、私の腰に添えていたはずの両手で私をギュッと力強く抱きしめた。
涙が溢れそうになるくらい、嬉しかった。大好きなヴェル君に、私の気持ちがきちんと伝わった。それだけじゃなくて、大好きなヴェル君が私の気持ちにこたえてくれた……それが凄く嬉しかった。
そんなはず、ないと思っていたから。
なんでそう思っていたのかは分からない。だけど、頑なにヴェル君は私を好きにならない。ヴェル君が好きになるのは別の人。私は……誰からも好かれない。白卯からしか好かれない。
――――そう、思っていた。だからこそ、ヴェル君の答えが凄く意外で、驚いた。驚いたけど、嬉しかった。
「雪ちゃん……キス、してもいい?」
聞かなくても、全然許可したのに優しく聞いてくれるヴェル君が凄く優しい。
甘い声が私の耳から脳を犯すように響き、広がっていく。ヴェル君の事しか考えられなくなる。
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