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第8章【苦い祈り】

66罪 溢れ出る欲望 ❤︎‬②

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「……後ろ、向いて」
「また後ろからなの?」
「その方が出しやすいだろうから……ほら、早く」

 少しだけ、いやかなり不満そうな静だったが、ヴェルは気にせずに後ろを向くように指示を続けた。シてあげるのだから少しくらい自分のわがままを聞いてくれてもいいじゃないか、というのがヴェルの考えだった。

「……仕方ないわね。今日は後ろからの気分なのね、ヴェルくんは」

 肩を竦めながら告げる静に、ヴェルはほんの少しだけ眉をしかめた。

(別にそういうわけじゃないんだけど……)

 そう思いながらも、それで納得してくれるならそう思わせておくのもいいか、と自分に言い聞かせた。

「下着脱いで、それから足、開いて。掻きだしにくいから」

 そう指示をすれば、静は何も言わずにパンティを脱ぎ、両足を外側に動かした。先ほどまではよく見えなかった静の割れ目が今はしっかりと目視できる。

「ああっんっ」

 右手の中指だけを伸ばした状態で、ゆっくりと静の膣内に指を押し進めていく。静の愛液だけじゃなく、自身の精液で濡れていた膣内はぬるぬるとしていて、そして熱い。
 未だ出てきていない奥にある精液を掻きだそうと、ヴェルは中指をカギ状に曲げて膣内で動かした。
 ぐっちぐっちと卑猥な水音が響き渡る中、再び膣内に与えられた刺激で静の愛液がじわじわと溢れ出てきた。それと同時に、吐き出したヴェルの精液も掻きだされ始めた。

「あっあっあっあっ……んっ、ぁぁぁぁ……ぁっぁっぁっぁっぁ」

 そのうちヴェルの精液よりも静の愛液の量が増え、水音もより一層大きくなった。
 ぐじゅぐじゅ、じゅぼじゅぼと卑猥な音が繰り返される中、静の嬌声も徐々に大きく悩ましいものになっていった。

「……はい。ほら、これで全部掻きだされたんじゃないかな」

 そう言って、ヴェルは静の膣内への刺激をぴたりと止めた。ずるっと指を抜けば、ぱたた……と出てくるのは精液ではなくて静の愛液だけだった。
 もう十分なくらいに掻きだせたという事実を見せるように、静に自身の右手を見せた。びしょびしょに愛液で濡れたヴェルの右手を見て、静はにっこりと微笑むと。

「だけど、まだ足りないわ……ヴェルくんが頑張って掻きだそうとナカをぐちゃぐちゃにしたから……ムラムラしてきてしまったわ」

 そう言われた瞬間、やっぱりか……とヴェルは思った。態度には出さなかったが、心の中で大きく肩を落とした。
 そんな次の瞬間、ぐわん……と、急に空気が歪む感覚がした。

「きゃ⁉」
「なっ⁉」

 めまいのような感覚を覚えた二人は驚きの声を上げた。けれど、それはすぐに収まったことで、疑問に顔をしかめた。

「とりあえず、服を着よう」

 そういうと、即座にケア魔法をヴェルと静に掛けた。汗や精液、愛液で汚れた身体を一瞬にして綺麗にすると、即座に脱いでいた下着や服を身につけた。
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