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第6章【守護者二人の過去】
44罪 二人が狙われる理由②
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「ハルナさんの最後の生は、かつて兄弟だったゑレ妃さんと共に生きて欲しいと思ったんです」
二人して悲しい運命に飲まれてしまった。だからこそ、次の人生は『二人』で『一緒』に『幸せになってほしい』という切なる願いを、聖月は口にした。
「だけど、七つの大罪という前世を持っていたら、ハルナさんもゑレ妃さんもまた何かの怨恨に巻き込まれてしまう可能性はありませんか?」
「僕もそう思うよ。だから二人には悪いけど、このままここで安全に保管してあげていた方がいいんじゃないかな」
きらきらと輝くゑレ妃の魂と、ゆらゆらと淡く照らすハルナの魂を見つめながら、耀と燿が告げた。
彼らの思いも、それもまた一つの道だろう。
「それは出来ません」
けれど、聖月のはっきりとした言葉が、それを否定した。
「なんで⁉ それくらい、魂の管理権限で何とでもなるんじゃないの?」
食って掛かるように声を荒げる燿に、耀は止めようと持ち上げた右手をスッと下した。
燿の気持ちも痛いほどよくわかるからだ。
「魂は現世に惹かれます。こうして保管管理をし続ける事は出来ますが、いつか限界を迎え……飛び出していってしまいます」
「つまり、保管し続けるにも限度がある……ってこと?」
「はい。それならば、いっそのこと……」
聖月は自らの両手を見つめてから、その手をギュッと握りしめた。
ホワイトブロンドの髪の奥に見える瞳が一瞬だけ揺らいだように見えた。
「二人の魂から前世の記憶と七つの大罪としての力を分離させて、封印してしまうのが良いのではないかと……私は考えています」
「ハルナさんとゑレ妃さんの前世の記憶と――」
「――七つの大罪としての力を分離させて、封印する?」
聖月の発言を、そのままオウム返しするように耀と燿は口にした。
同じ言葉をまんま繰り返してみても、いまいちピンとこない。それらは魂に刻み込まれた歴史のようなものだ。それらを分離させるだなんて、彼らには理解できなかった。
「記憶と力をリンクさせて、それらを何か他の物へと抽出すれば可能なはずです。魂とは、言ってしまえば彼女達が今まで辿ってきた人生そのものです。その人生を歩む前のまっさらな状態に戻してしまえばよいのです」
言っている意味は確かに分かる。前世の記憶というものは、彼女達が人生を歩んできたからこそできた物だ。七つの大罪の能力も、結局は生まれ落とされた後に気付き、生み出し、使えるようになったものだ。
もともと魂そのものに書き込まれていた情報ではない。後天的に得てきたものだ。それをゼロに戻すだけだ。そう聖月は説明したのだ。言葉にするのは簡単でも、それを理解するのは難しい。
二人して悲しい運命に飲まれてしまった。だからこそ、次の人生は『二人』で『一緒』に『幸せになってほしい』という切なる願いを、聖月は口にした。
「だけど、七つの大罪という前世を持っていたら、ハルナさんもゑレ妃さんもまた何かの怨恨に巻き込まれてしまう可能性はありませんか?」
「僕もそう思うよ。だから二人には悪いけど、このままここで安全に保管してあげていた方がいいんじゃないかな」
きらきらと輝くゑレ妃の魂と、ゆらゆらと淡く照らすハルナの魂を見つめながら、耀と燿が告げた。
彼らの思いも、それもまた一つの道だろう。
「それは出来ません」
けれど、聖月のはっきりとした言葉が、それを否定した。
「なんで⁉ それくらい、魂の管理権限で何とでもなるんじゃないの?」
食って掛かるように声を荒げる燿に、耀は止めようと持ち上げた右手をスッと下した。
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「魂は現世に惹かれます。こうして保管管理をし続ける事は出来ますが、いつか限界を迎え……飛び出していってしまいます」
「つまり、保管し続けるにも限度がある……ってこと?」
「はい。それならば、いっそのこと……」
聖月は自らの両手を見つめてから、その手をギュッと握りしめた。
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「二人の魂から前世の記憶と七つの大罪としての力を分離させて、封印してしまうのが良いのではないかと……私は考えています」
「ハルナさんとゑレ妃さんの前世の記憶と――」
「――七つの大罪としての力を分離させて、封印する?」
聖月の発言を、そのままオウム返しするように耀と燿は口にした。
同じ言葉をまんま繰り返してみても、いまいちピンとこない。それらは魂に刻み込まれた歴史のようなものだ。それらを分離させるだなんて、彼らには理解できなかった。
「記憶と力をリンクさせて、それらを何か他の物へと抽出すれば可能なはずです。魂とは、言ってしまえば彼女達が今まで辿ってきた人生そのものです。その人生を歩む前のまっさらな状態に戻してしまえばよいのです」
言っている意味は確かに分かる。前世の記憶というものは、彼女達が人生を歩んできたからこそできた物だ。七つの大罪の能力も、結局は生まれ落とされた後に気付き、生み出し、使えるようになったものだ。
もともと魂そのものに書き込まれていた情報ではない。後天的に得てきたものだ。それをゼロに戻すだけだ。そう聖月は説明したのだ。言葉にするのは簡単でも、それを理解するのは難しい。
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