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第6章【守護者二人の過去】
42罪 命の輝き①
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「また君は…………君達、は……僕達を置いていくんだね」
「燿……」
か細く紡がれる燿の言葉に、耀は彼の肩にソッと手を添えた。
優しく置いているだけの手。なのに、その手はわずかに強張っているようにも、震えているようにも、燿はとれた。
「今も昔も、私達は置いて行かれる身です。それは……彼女達の運命がそうだと、燿も分かっていた事でしょう?」
「頭で分かってはいても、気持ちが付いて行くわけないでしょ」
肩に置かれた耀の手に、優しくわずかに触れるように燿は重ねるように手を伸ばした。指先だけが耀の手に触れる。
彼らの前には、深い緑色の輝くオーブと、か細く光る淡い紫色のオーブがあった。
彼ら魔人や冥界人は、人が死したあとに肉体から抜け落ちた魂のことをオーブと呼んでいた。
「それにしても、神国王様がゑレ妃ちゃんの魂を保管していたとは思わなかったよ」
「ええ、それは私もです」
燿と耀はゑレ妃とハルナの魂から視線を離すと、その傍に佇む見慣れた人物――神国王様と呼ばれた彼――へと視線を向けた。
ホワイトブロンドのストレートヘアは歩くたびに床を撫でまわすくらい長かった。整った美しい顔と、キラキラと光りそうな長いまつげ。
「神国王様だなんて……寂しいことを言わないでもらえますか?」
しょぼん……という言葉が似合いそうなくらい、寂しそうな表情を浮かべて肩をすくめていた。
そんな神国王の姿を見て、燿と耀は顔を見合わせると、ふっと笑った。ああ、変わらないな……と小さく漏れてしまう。
「前みたいに“聖月”と呼んではくれないのですか?」
「あの時とは違うんですよ、神国王様」
理解してください、と告げる耀の言葉により一層悲し気な顔をする神国王と呼ばれた聖月。
彼らは前神国王を倒すべく立ち上がった革命軍の一員だった。なぜ魔国の者である燿と耀が革命軍に入り神国のために紛争していたか……はまた別の話だが、全く無関係ではなかったのだ。
「……せめて、私達だけの時くらいは……ね?」
「――仕方ありませんね」
大きくため息をついて、まるで見せつけるように肩を落とす耀。
聖月は嬉しさから目を見開き、燿は驚きから目を見開いてお互いに耀を見つめた。
「それで、ゑレ妃ちゃんの魂を保管していた理由だけど……」
「どういうことなんでしょうか? 聖月さん」
「普通だったら保管ののち、輪廻転生への手順を踏むはずだよね?」
質問攻め、とはこういうことを言うのか――――と、聖月は少なからず思った。
「燿……」
か細く紡がれる燿の言葉に、耀は彼の肩にソッと手を添えた。
優しく置いているだけの手。なのに、その手はわずかに強張っているようにも、震えているようにも、燿はとれた。
「今も昔も、私達は置いて行かれる身です。それは……彼女達の運命がそうだと、燿も分かっていた事でしょう?」
「頭で分かってはいても、気持ちが付いて行くわけないでしょ」
肩に置かれた耀の手に、優しくわずかに触れるように燿は重ねるように手を伸ばした。指先だけが耀の手に触れる。
彼らの前には、深い緑色の輝くオーブと、か細く光る淡い紫色のオーブがあった。
彼ら魔人や冥界人は、人が死したあとに肉体から抜け落ちた魂のことをオーブと呼んでいた。
「それにしても、神国王様がゑレ妃ちゃんの魂を保管していたとは思わなかったよ」
「ええ、それは私もです」
燿と耀はゑレ妃とハルナの魂から視線を離すと、その傍に佇む見慣れた人物――神国王様と呼ばれた彼――へと視線を向けた。
ホワイトブロンドのストレートヘアは歩くたびに床を撫でまわすくらい長かった。整った美しい顔と、キラキラと光りそうな長いまつげ。
「神国王様だなんて……寂しいことを言わないでもらえますか?」
しょぼん……という言葉が似合いそうなくらい、寂しそうな表情を浮かべて肩をすくめていた。
そんな神国王の姿を見て、燿と耀は顔を見合わせると、ふっと笑った。ああ、変わらないな……と小さく漏れてしまう。
「前みたいに“聖月”と呼んではくれないのですか?」
「あの時とは違うんですよ、神国王様」
理解してください、と告げる耀の言葉により一層悲し気な顔をする神国王と呼ばれた聖月。
彼らは前神国王を倒すべく立ち上がった革命軍の一員だった。なぜ魔国の者である燿と耀が革命軍に入り神国のために紛争していたか……はまた別の話だが、全く無関係ではなかったのだ。
「……せめて、私達だけの時くらいは……ね?」
「――仕方ありませんね」
大きくため息をついて、まるで見せつけるように肩を落とす耀。
聖月は嬉しさから目を見開き、燿は驚きから目を見開いてお互いに耀を見つめた。
「それで、ゑレ妃ちゃんの魂を保管していた理由だけど……」
「どういうことなんでしょうか? 聖月さん」
「普通だったら保管ののち、輪廻転生への手順を踏むはずだよね?」
質問攻め、とはこういうことを言うのか――――と、聖月は少なからず思った。
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