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第2章【交わる二人の歯車】
15罪 告白⑥
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「私はこれにするわ。真兄さんは?」
「俺はこれでいいかな」
「雪ちゃんはまだ悩んでいるの? 先、戻ってるわよ?」
「あ、うん。まだちょっと悩みそうだから、先戻ってていいよ」
静と真兄が選んだ飲み物を見て、私は内心なるほどと思った。悩んで悩んで選べなかったら、最終手段として静と同じものを飲もうかな。
まだ選ぶのに時間が掛かりそうなのは分かり切っていたから、私はそんな事を内心思いながら、真兄と静に先に戻るように促した。決まった二人をずっと突き合わせるわけにはいかないし。
「ヴェル君も、先戻ってていいよ?」
「じゃあ……そうするよ? 早く戻ってきなよ」
そんなに多くないにしても、それなりに宴の会場に人はいる。なるべくなら見知った人たちと一緒に居たほうが安心するだろうからと気を使ってくれるヴェル君に、私はにっこりと微笑んで頷きかえした。
大丈夫、そんなにずっと悩むつもりはないから。むしろ、悩み続けてたら分からないことがバレちゃいそうだし。
「んー……やっぱり分からないから、静と同じのを飲もうかな……」
結局、一人でグラスを眺めていても分かるわけもなくて、私は静と同じグラスを手に取ると、みんなのいる場所へ戻った。
「雪ちゃん、おかえり」
「結局、静と同じのにしちゃった……」
近寄ってきた私に即気づいてくれたのは、やっぱり静だった。私はえへへ、と笑みを浮かべると選んだグラスを軽く掲げて苦笑を浮かべた。悩んだときは静と同じものを選べば間違いはない……というのは、昔からの兆候だった。そう考えると、静に頼りっぱなしだなとも思うんだけど、仕方ないよね。同じ方が安心するんだもん。
「雪ちゃんならそうするんじゃないかとは思ってたわよ」
「アハハ……静にはバレバレだねぇ」
「何年来の付き合いだと思ってるのよ」
「そーでしたー」
顔を見合わせてアハハと笑い合い、それぞれ持ち寄ったグラスを軽く上に掲げるとみんなで一斉に「カンパーイ」と声を上げた。カチーンとグラス同士を軽く合わせると、そのままグラスの中の飲み物を口に少しだけふくみ飲み込んだ。
「俺はこれでいいかな」
「雪ちゃんはまだ悩んでいるの? 先、戻ってるわよ?」
「あ、うん。まだちょっと悩みそうだから、先戻ってていいよ」
静と真兄が選んだ飲み物を見て、私は内心なるほどと思った。悩んで悩んで選べなかったら、最終手段として静と同じものを飲もうかな。
まだ選ぶのに時間が掛かりそうなのは分かり切っていたから、私はそんな事を内心思いながら、真兄と静に先に戻るように促した。決まった二人をずっと突き合わせるわけにはいかないし。
「ヴェル君も、先戻ってていいよ?」
「じゃあ……そうするよ? 早く戻ってきなよ」
そんなに多くないにしても、それなりに宴の会場に人はいる。なるべくなら見知った人たちと一緒に居たほうが安心するだろうからと気を使ってくれるヴェル君に、私はにっこりと微笑んで頷きかえした。
大丈夫、そんなにずっと悩むつもりはないから。むしろ、悩み続けてたら分からないことがバレちゃいそうだし。
「んー……やっぱり分からないから、静と同じのを飲もうかな……」
結局、一人でグラスを眺めていても分かるわけもなくて、私は静と同じグラスを手に取ると、みんなのいる場所へ戻った。
「雪ちゃん、おかえり」
「結局、静と同じのにしちゃった……」
近寄ってきた私に即気づいてくれたのは、やっぱり静だった。私はえへへ、と笑みを浮かべると選んだグラスを軽く掲げて苦笑を浮かべた。悩んだときは静と同じものを選べば間違いはない……というのは、昔からの兆候だった。そう考えると、静に頼りっぱなしだなとも思うんだけど、仕方ないよね。同じ方が安心するんだもん。
「雪ちゃんならそうするんじゃないかとは思ってたわよ」
「アハハ……静にはバレバレだねぇ」
「何年来の付き合いだと思ってるのよ」
「そーでしたー」
顔を見合わせてアハハと笑い合い、それぞれ持ち寄ったグラスを軽く上に掲げるとみんなで一斉に「カンパーイ」と声を上げた。カチーンとグラス同士を軽く合わせると、そのままグラスの中の飲み物を口に少しだけふくみ飲み込んだ。
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