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第2章【交わる二人の歯車】

15罪 告白④

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「まさか、こんなことになるとは……」

 宴の会場。卯ノ国の城の地下には驚くことに、凄く広い空間が広がっていた。地下室というのは広すぎる空間。地上の城のような和って感じではなく、地下のここは洋風だ。
 大理石のようなタイルがびっしりと敷かれた床、天井には煌びやかなシャンデリア。テーブルは立食ができるくらいの高さで、その上には様々な料理やデザートがお皿に盛りつけられていた。イメージで言うと夜会、みたいな感じだろうか。
 そして、私たちはゑツ姫様たちが用意してくれたドレスとタキシードを身に着けていた。こんな華やかなパーティーなんて初めてで、私は落ち着かずあちこちをキョロキョロと見渡していた。どこもかしこもドレスを着た人たちでいっぱいだ。
 おそらく、この城の関係者の人達しかいないんだろうけど、むしろ今までどこにこの人数の人が居たんだろうとも思う。

「さすがに緊張するわね……」
「うん。私もなんか、落ち着かないよ」

 苦笑を浮かべながら肩をすくめる静だけど、私には凄い堂々としていて緊張しているようにはまったく見えなかった。むしろ、凄く似合ってて、この雰囲気を楽しんでいるようにも見えた。

「静はマーメイドドレスなんだね。凄い似合ってる」

 ザクロ色とでもいうのだろうか? 静の着ているドレスは果物のザクロのような色味をしていた。そして体のラインがよくわかるようなマーメイドの形をしたドレスは、静の豊満な胸を強調していて、そのスタイルの良さがよくわかる感じだった。
 女の私から見ても凄く綺麗で、妖艶で、色っぽかった。ちょっとだけ……羨ましい。

「雪ちゃんはバブルドレスなのね。凄い可愛いわよ」
「あ、ありがとう……」

 色は私の好きな緑系……アンティークグリーンとかいう色らしい。だけど、静と違って私のバブルドレスはひざ丈くらいの長さで、前より後ろの方が布が長くなっている形だ。そして泡のようにスカート部分がふんわりと膨らんでいて、個人的にはこういうデザインの服は好きだったから嬉しいんだけど、静と比べると子供っぽいような気がして、少しだけしょんぼりした気持ちになった。
 それでも、褒めてもらえるのは嬉しくて、少しだけ気落ちした気持ちを隠しながら照れくさそうに笑顔を静に返した。
 確かに、静と比べたら私の胸はそんなに大きくないもんね……そりゃ、小さくはないけどさ!
 自分の胸をじっと見て、私は小さくため息を吐いた。ヴェル君が大きめ胸……というか巨乳の方が好きだったらどうしよう……

「雪ちゃんも静ちゃんも、似合ってるね。可愛いよ」
「あ、ヴェル君……ありがとう。ヴェル君のタキシード姿も、その……かっこいいよ」

 照れくさそうにカッコいいと感想を告げれば、ヴェル君も恥ずかしそうに笑ってくれた。そして、私の手をぎゅっと掴むと――
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