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第2章【交わる二人の歯車】
15罪 告白①
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「無事、記憶を取り戻せたようでなによりだ」
あのあと、白卯に連れられて私たちはゐ榛様とゑツ姫様の元へとやってきた。
無事に帰宅した私たちを見て、凄く安心したような笑顔を浮かべていた二人を見て、凄く心配をかけていたんだなという事をひしひしと感じる。
「あの、ゐ榛様、ゑツ姫様……その、ごめんなさい‼」
そんな安堵の表情を浮かべていた二人に、私は勢いよく土下座をした。謝らないわけにはいかないし、快く石碑へ向かう事を送り出してくれたゐ榛様とゑツ姫様の気持ちを考えると土下座では足りない気がしなくもない。
「どういうことでしょうか?」
「あの……石碑が、真っ二つに割れてしまいました……」
土下座したまま顔を上げず、私はゑツ姫様の問いかけに正直に答えた。もちろん、不可抗力ではあるとは思う。割ろうと思って割ったわけじゃないし。
「それを気にされているのですか?」
けれど、問いかけるゑツ姫様の声は明るく、くすくすと笑っていた。そんな反応をされる理由が分からなくて、私は疑問で頭の中がいっぱいになったが、顔を上げる勇気はなかった。だって、声は怒っていなくても、もしかしたら顔がもの凄く怒っているかもしれないじゃないか。
「顔を上げてください、雪さん」
「……はい」
そう言われて顔を上げないわけにはいかなくて、私はゆっくりと顔を上げた。土下座した時の体制のまま、畳に両手をついた状態で。
視線を上げ、ゐ榛様とゑツ姫様を見やると、声色のまま本当に怒ってはいないようだった。だから余計に、なんで? と思った。
「あの石碑にはあなた方の前世の記憶というものが封印されていたのでしょう?」
正確にいえば、前世の記憶と私たちの魔力だが、魔力に関してはお二人には話していなかった。だから私は無言のまま、ゑツ姫様の問いかけを肯定するように頷いた。そうしたらゑツ姫様はにっこりと微笑み、ゐ榛様を見た。私もそれにつられるようにゐ榛様を見やる。
あのあと、白卯に連れられて私たちはゐ榛様とゑツ姫様の元へとやってきた。
無事に帰宅した私たちを見て、凄く安心したような笑顔を浮かべていた二人を見て、凄く心配をかけていたんだなという事をひしひしと感じる。
「あの、ゐ榛様、ゑツ姫様……その、ごめんなさい‼」
そんな安堵の表情を浮かべていた二人に、私は勢いよく土下座をした。謝らないわけにはいかないし、快く石碑へ向かう事を送り出してくれたゐ榛様とゑツ姫様の気持ちを考えると土下座では足りない気がしなくもない。
「どういうことでしょうか?」
「あの……石碑が、真っ二つに割れてしまいました……」
土下座したまま顔を上げず、私はゑツ姫様の問いかけに正直に答えた。もちろん、不可抗力ではあるとは思う。割ろうと思って割ったわけじゃないし。
「それを気にされているのですか?」
けれど、問いかけるゑツ姫様の声は明るく、くすくすと笑っていた。そんな反応をされる理由が分からなくて、私は疑問で頭の中がいっぱいになったが、顔を上げる勇気はなかった。だって、声は怒っていなくても、もしかしたら顔がもの凄く怒っているかもしれないじゃないか。
「顔を上げてください、雪さん」
「……はい」
そう言われて顔を上げないわけにはいかなくて、私はゆっくりと顔を上げた。土下座した時の体制のまま、畳に両手をついた状態で。
視線を上げ、ゐ榛様とゑツ姫様を見やると、声色のまま本当に怒ってはいないようだった。だから余計に、なんで? と思った。
「あの石碑にはあなた方の前世の記憶というものが封印されていたのでしょう?」
正確にいえば、前世の記憶と私たちの魔力だが、魔力に関してはお二人には話していなかった。だから私は無言のまま、ゑツ姫様の問いかけを肯定するように頷いた。そうしたらゑツ姫様はにっこりと微笑み、ゐ榛様を見た。私もそれにつられるようにゐ榛様を見やる。
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