37 / 283
第2章【交わる二人の歯車】
10罪 知りえなかった裏切り② ❤︎
しおりを挟む
「ね……私を選んでよ。雪ちゃんなんかより、私の方が魅力的でしょう?」
「う……あっ……だ、だめっ」
「ね、私の方がいいって言ってちょうだい、ヴェルくん。私の方が魅力的で、素敵で、そして……こうやって気持ちよくしてあげられるわ」
ね、私の方がいいでしょう? と笑いながら、静は何度も何度も腰を持ち上げ──勢いよく落とした。
ばちゅんばちゅんと音を立て、快感を増していくその行為にヴェルの思考は少しずつ鈍くなっていった。
(イヤ……だ。雪……ちゃんっ‼)
そう心では思うのに、体は思い通りにならない。頭は少しずつ朦朧としていき、拒絶したい気持ちよりも体の快感の方が勝っていった。
腰はゆっくりと快感をむさぼる様に揺れ動き、静の膣を刺激していく。
「あっ……あ、ん……」
その動きに、静はヴェルが少しずつ自分に堕ち始めていると理解した。心は無理でも、体は堕とせると。にやりと笑みを浮かべると甘い声をあげ。
「イきたいんでしょう? なら……私を選びなさい」
そういって、体をグラインドさせるように動かした。刺激される体勢が変わり、生まれる快感も変わった。その気持ちよさに、頭がおかしくなりそうだった。
「う……くっ」
(……そんなに雪ちゃんが良いって言うの?)
けれど、どんなに刺激をして気持ちよくさせてもヴェルは静を選ぶとは言わなかった。頑なに、愛している雪を思い、その心を静に上げようとはしなかった。体はどんなに奪われても、心だけは……そういう強い意志を感じさせた。
(だったら……)
だからといって、それで引き下がるほど静は甘くなかった。雪とは親友だし、大切に思ってはいる。だけど、静はなんでも一番じゃなくては嫌だった。雪よりも自分を一番に思ってほしかった。真も、ヴェルも、一番に愛し、一番に優先するのは自分でないと我慢がならなかった。
「私を選んでくれないというのなら、このこと、雪ちゃんに話すわ。ヴェルくんに寝込みを襲われた……って嘘をついてね」
「なっ⁉」
「ヴェルくんが違うと言っても、雪ちゃんはヴェルくんと私のどちらを信じるかしら?」
静の言葉に、ヴェルは口ごもった。言えば信じてもらえるかもしれない。だけど、同郷で年来の付き合いの静と雪。信憑性を帯びてしまうのはどちらか。
ヴェルはサァァっと血の気が引く感覚を覚えた。
「それに……私、ヴェルくんが私を選んでくれないのなら、行方をくらますつもりでもあるわ。神国に行ってもいいわね……それで今後のあなた達の行動を向こうに伝えるの。言い手土産になりそうよね」
「……か、勝手にすれば──」
「私が居なくなって、そして裏切ったと知ったら……雪ちゃんは酷く傷つくかもしれないわね。ヴェルくんに襲われたから裏切ったと聞かされたら、雪ちゃんはヴェルくんのこと嫌いになっちゃうかもしれないわよね」
「──くっ」
「ね……今、どうすべきか、ヴェルくんには理解できるんじゃなくて?」
ヴェルの耳元に顔を近づけ、吐息交じりに呟いた。その瞬間、静は激しく下半身を振った。ヴェルのペニスを強く強く激しく刺激していく。
強く激しい快感に、ヴェルの思考はどんどん鈍くなっていく。イきたくてイきたくて、思考がおかしくなりそうだった。
正常な時のヴェルだったら、きっと気付いただろう。今ここで防音魔法を解き大きな声で助けを呼べば問題なかったと。けれど、この時、もうすでにそれを思いつけるほど頭に余裕はなくなっていた。
「……わか、った……あんたの言う通りに、する」
「……ふふっ。いい子ね……」
雪を傷つけることが、ヴェルは一番嫌だった。静が裏切ったとなれば、きっと彼女の心はボロボロになるだろう。もしかしたら、ふさぎ込んでしまうかもしれない。
そうなるのだったら、嫌でも耐えて、静の望むとおりにするのがいいのかもしれないと思った。
「ほら……イきたいんでしょう? 好きに動いていいわよ」
そう言われ、ヴェルは下唇を噛んだ。好きに動いて気持ちよくさせたい相手は別にいる。こういう関係になりたかった相手は別にいる。
(……雪、ちゃん……ごめん……)
「う……あっ……だ、だめっ」
「ね、私の方がいいって言ってちょうだい、ヴェルくん。私の方が魅力的で、素敵で、そして……こうやって気持ちよくしてあげられるわ」
ね、私の方がいいでしょう? と笑いながら、静は何度も何度も腰を持ち上げ──勢いよく落とした。
ばちゅんばちゅんと音を立て、快感を増していくその行為にヴェルの思考は少しずつ鈍くなっていった。
(イヤ……だ。雪……ちゃんっ‼)
そう心では思うのに、体は思い通りにならない。頭は少しずつ朦朧としていき、拒絶したい気持ちよりも体の快感の方が勝っていった。
腰はゆっくりと快感をむさぼる様に揺れ動き、静の膣を刺激していく。
「あっ……あ、ん……」
その動きに、静はヴェルが少しずつ自分に堕ち始めていると理解した。心は無理でも、体は堕とせると。にやりと笑みを浮かべると甘い声をあげ。
「イきたいんでしょう? なら……私を選びなさい」
そういって、体をグラインドさせるように動かした。刺激される体勢が変わり、生まれる快感も変わった。その気持ちよさに、頭がおかしくなりそうだった。
「う……くっ」
(……そんなに雪ちゃんが良いって言うの?)
けれど、どんなに刺激をして気持ちよくさせてもヴェルは静を選ぶとは言わなかった。頑なに、愛している雪を思い、その心を静に上げようとはしなかった。体はどんなに奪われても、心だけは……そういう強い意志を感じさせた。
(だったら……)
だからといって、それで引き下がるほど静は甘くなかった。雪とは親友だし、大切に思ってはいる。だけど、静はなんでも一番じゃなくては嫌だった。雪よりも自分を一番に思ってほしかった。真も、ヴェルも、一番に愛し、一番に優先するのは自分でないと我慢がならなかった。
「私を選んでくれないというのなら、このこと、雪ちゃんに話すわ。ヴェルくんに寝込みを襲われた……って嘘をついてね」
「なっ⁉」
「ヴェルくんが違うと言っても、雪ちゃんはヴェルくんと私のどちらを信じるかしら?」
静の言葉に、ヴェルは口ごもった。言えば信じてもらえるかもしれない。だけど、同郷で年来の付き合いの静と雪。信憑性を帯びてしまうのはどちらか。
ヴェルはサァァっと血の気が引く感覚を覚えた。
「それに……私、ヴェルくんが私を選んでくれないのなら、行方をくらますつもりでもあるわ。神国に行ってもいいわね……それで今後のあなた達の行動を向こうに伝えるの。言い手土産になりそうよね」
「……か、勝手にすれば──」
「私が居なくなって、そして裏切ったと知ったら……雪ちゃんは酷く傷つくかもしれないわね。ヴェルくんに襲われたから裏切ったと聞かされたら、雪ちゃんはヴェルくんのこと嫌いになっちゃうかもしれないわよね」
「──くっ」
「ね……今、どうすべきか、ヴェルくんには理解できるんじゃなくて?」
ヴェルの耳元に顔を近づけ、吐息交じりに呟いた。その瞬間、静は激しく下半身を振った。ヴェルのペニスを強く強く激しく刺激していく。
強く激しい快感に、ヴェルの思考はどんどん鈍くなっていく。イきたくてイきたくて、思考がおかしくなりそうだった。
正常な時のヴェルだったら、きっと気付いただろう。今ここで防音魔法を解き大きな声で助けを呼べば問題なかったと。けれど、この時、もうすでにそれを思いつけるほど頭に余裕はなくなっていた。
「……わか、った……あんたの言う通りに、する」
「……ふふっ。いい子ね……」
雪を傷つけることが、ヴェルは一番嫌だった。静が裏切ったとなれば、きっと彼女の心はボロボロになるだろう。もしかしたら、ふさぎ込んでしまうかもしれない。
そうなるのだったら、嫌でも耐えて、静の望むとおりにするのがいいのかもしれないと思った。
「ほら……イきたいんでしょう? 好きに動いていいわよ」
そう言われ、ヴェルは下唇を噛んだ。好きに動いて気持ちよくさせたい相手は別にいる。こういう関係になりたかった相手は別にいる。
(……雪、ちゃん……ごめん……)
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫
梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。
それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。
飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!?
※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。
★他サイトからの転載てす★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる