親友がリア充でモテまくりです。非リアの俺には気持ちが分からない

かがみもち

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第8章 〝幸せ〟の選択 ─さよならの決意─

106・5時間目 明日の予定

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「ふぁー! 今日も疲れたなー!」

 放課後、俺たち三人と祐麻は、共に帰宅をしていた。

 遼太郎がたった今、盛大にあくびとのびをしながら、そんなことを言ったので、俺はそれに同調する。いや、まじで疲れた。

「そうだな。それにしても、明日は三連休だな。なんか予定はあるか?」

 明日から三連休が始まる。俺は特に予定はなかったから、とりあえず、なんとなく聞いてみたのだが、祐麻以外は予定は特にないらしい。

 ちなみに、祐麻はどんな予定があるか聞いてみたところ、

「実は、友人たちとライブに行くんですよ。僕が好きなバンドのライブに行ったり、ご飯食べに行ったりカラオケ行ったりします」

 友人たちとどうやらライブに行くらしかった。いいな、俺も行きてぇ。あんまり音楽聴かねぇけど。

「あー、確か文化祭のときに言っていたBLUE ENCOUNTってバンドだっけ?」

「ええ。そうですね。すごく元気をもらえる曲が多いのでぜひ調べてみて聴いてみてください」

「あっ、俺知ってるよ! アニメの主題歌にもなってる曲あるよね!」

 遼太郎が思い出したように言った。それに祐麻は自然な笑顔で、

「ええ。色々なアニメの主題歌になってますね。これとかですね」

 そう言って、そのバンドの公式サイトを見せてきた。俺が知っているアニメもかなりあった。

 もしかしたら、気がついていなかっただけで聴いたことのある曲があったのかもな。

「んー、この三連休なにしよう」

 遼太郎がそう呟いたと同時に俺はあることが思い浮かんだ。

「そうだな、なぁ、この三日間、夜景観に行かねぇ?」

「「「夜景」」」

「ですか?」
 
「かい?」

「って?」

 三人の疑問の声が重なったところで、俺は詳しく説明した。

 三日ほど前に見た冬になる前に観に行きたい絶景スポットを紹介していたテレビ番組で、夜景のことが取り上げられていたのだ。

 それをふと、思い出して、俺は皆に伝えてみた。

 ひと通り、説明したあと、裕太が、

「いいね、じゃあ、それぞれ違う場所に行こうか」

「おお、そうだな。その辺り、調べてみるか」

「夜景いいな! 高いところの方がいいんじゃないか?」

「山とかどうですか?」

 祐麻の発言に三人同時に驚いた。

「や、山? 富士山か?」

「……普通に少し電車で行けば近くに小さい山ありますよ。クラスの女子がそこで夜景見ようって誘ってきましたので覚えてました」

「へぇ、そんなところがあったんだな。ちなみに、その誘いはのったのか?」

「僕のことはいいじゃないですか」

 なんかジト目で見られたんだけど。祐麻急に怖い顔するときあるからな。地雷踏まないように気を付けよう。

「まぁ、今のは俺が悪かった。山、登るけどいいか?」

「全然! バイト最近行ってないからちょうど体力戻せるからよかった!」

「じゃあ、そうするか」

「あ、僕今日電車なんで。では」

「じゃあな!」

「ばいばーい!」

「またね!」

 祐麻と別れてから、俺たちは明日からのことを話し合った。

 そうして、翌日の夜。

 俺と小春は駅で二人を待っていた。
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