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第7章 光ある文化祭 ─優しさと後悔の罪─
102・8時間目 囚われた過去は自己満の日々
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「未来を変えられるのは、『今』を全力であがいた人だけだよ」
ボーイッシュなクラスメイトの言葉によって、傷ついた心が、傷跡が、少しずつ、塞がっていった気がした。
ずっと、苦しい思いをしていたけど、過去ばかりに囚われてそうなるのは、ただの自己満足。
こう思い詰めて気が滅入るのは、誰も望んではいなかったはずだ。
高校入学の際、誓ったことを思い出す。
〝過去の後悔は忘れずに、心の片隅にとっておく、そして今の自分がその頃の自分よりどれだけ成長しているか。〟
僕は、果たして成長しているだろうか。
願っても変わらない過去を考え、自身の体調管理もしっかりと出来ない、中学から高校とただ環境が変わってダラダラと生きているだけではないか。
変わったと思えば、全く変わっていなくて、ただ環境に流される草舟人間。
……そうじゃないだろ。
一瞬でも、そう自分を否定的に考えたのは、過去の自分のせいだ。
きちんと後悔と向き合い、人との関わりかたを変えた結果──学年一位の友人やいつも下校する友人、そしてまだ少し怖いけれど女子とも話せている。
学校生活は中学校より高校の方が断然充実感があり、毎日が楽しいと思えたのは、中学の頃は若い数字を言った方が早いだろう。
現に、ここまで誰の輪も乱さず、誰も傷つけずに生きている。
それが一番変わったことだろ鷹乃祐麻。
《傷つけない・傷つかない》という人生のルールはまだ変わっていない。
アイツの痛みを、あの子の涙を、彼の怒りを思い出す。
アイツと自分はきっと同じ立ち位置だった。もしかしたら、自分もアイツのような立場になっていたかもしれない。
誰かの心の傷をえぐって、大事になるまで誰かを煽るかもしれない。
それでも、僕は、アイツを傷つけたことには変わりはない。
どれだけ相手が間違っていても、それに飲み込まれずに、時には逃げてしまえばいいんだ。正義は振りかざしすぎたら誰かを傷つける武器になるから。
あの子を傷つけてしまったのは、誰かのことを本気で好きになったことが無かったからだ。結局、僕は行き当たりばったりで誰かを好きになり、勢いのまま、付き合った。
その勢いのついた愛は、本当の愛と呼べなくて、その場しのぎの一時的な感情。
そして、ちゃんとした距離感を保つことだった。
お互い、利用し合ってでも付かず離れずといった関係であったなら、あの子を傷つけずに済んだから。
今は、ちゃんとした距離感を保てている。
彼は、もしかしたら、僕と話をしたかったのかもしれない。
でも、彼自身の恋人であるあの子が傷ついて、動揺してしまったのだろう。
そして、僕に怒りをぶつけた。
彼が怒ったのは、きっと、それからの態度だったんだ。
全てを諦めたような顔をして、青春を捨てた。
いつしか、どうでもいいが口癖となり、傷ついた心を守るように生きてきた。
でも、そんな時間はもう終わりだ。
これからは、今の自分の長所を継続しながら、前向きになっていく。
いつしか、誰とも仲良くできる日が来るのかもしれない。
いつしか、あの子よりも心の底から愛せる人がいるのかもしれない。
全ての可能性はゼロとは言い切れない。
だってそうだろう。
今までだって、これからだって──起こりうる全てのことから全く眼中になかったことまで──未来のことは誰にも分からないんだから。
ボーイッシュなクラスメイトの言葉によって、傷ついた心が、傷跡が、少しずつ、塞がっていった気がした。
ずっと、苦しい思いをしていたけど、過去ばかりに囚われてそうなるのは、ただの自己満足。
こう思い詰めて気が滅入るのは、誰も望んではいなかったはずだ。
高校入学の際、誓ったことを思い出す。
〝過去の後悔は忘れずに、心の片隅にとっておく、そして今の自分がその頃の自分よりどれだけ成長しているか。〟
僕は、果たして成長しているだろうか。
願っても変わらない過去を考え、自身の体調管理もしっかりと出来ない、中学から高校とただ環境が変わってダラダラと生きているだけではないか。
変わったと思えば、全く変わっていなくて、ただ環境に流される草舟人間。
……そうじゃないだろ。
一瞬でも、そう自分を否定的に考えたのは、過去の自分のせいだ。
きちんと後悔と向き合い、人との関わりかたを変えた結果──学年一位の友人やいつも下校する友人、そしてまだ少し怖いけれど女子とも話せている。
学校生活は中学校より高校の方が断然充実感があり、毎日が楽しいと思えたのは、中学の頃は若い数字を言った方が早いだろう。
現に、ここまで誰の輪も乱さず、誰も傷つけずに生きている。
それが一番変わったことだろ鷹乃祐麻。
《傷つけない・傷つかない》という人生のルールはまだ変わっていない。
アイツの痛みを、あの子の涙を、彼の怒りを思い出す。
アイツと自分はきっと同じ立ち位置だった。もしかしたら、自分もアイツのような立場になっていたかもしれない。
誰かの心の傷をえぐって、大事になるまで誰かを煽るかもしれない。
それでも、僕は、アイツを傷つけたことには変わりはない。
どれだけ相手が間違っていても、それに飲み込まれずに、時には逃げてしまえばいいんだ。正義は振りかざしすぎたら誰かを傷つける武器になるから。
あの子を傷つけてしまったのは、誰かのことを本気で好きになったことが無かったからだ。結局、僕は行き当たりばったりで誰かを好きになり、勢いのまま、付き合った。
その勢いのついた愛は、本当の愛と呼べなくて、その場しのぎの一時的な感情。
そして、ちゃんとした距離感を保つことだった。
お互い、利用し合ってでも付かず離れずといった関係であったなら、あの子を傷つけずに済んだから。
今は、ちゃんとした距離感を保てている。
彼は、もしかしたら、僕と話をしたかったのかもしれない。
でも、彼自身の恋人であるあの子が傷ついて、動揺してしまったのだろう。
そして、僕に怒りをぶつけた。
彼が怒ったのは、きっと、それからの態度だったんだ。
全てを諦めたような顔をして、青春を捨てた。
いつしか、どうでもいいが口癖となり、傷ついた心を守るように生きてきた。
でも、そんな時間はもう終わりだ。
これからは、今の自分の長所を継続しながら、前向きになっていく。
いつしか、誰とも仲良くできる日が来るのかもしれない。
いつしか、あの子よりも心の底から愛せる人がいるのかもしれない。
全ての可能性はゼロとは言い切れない。
だってそうだろう。
今までだって、これからだって──起こりうる全てのことから全く眼中になかったことまで──未来のことは誰にも分からないんだから。
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