親友がリア充でモテまくりです。非リアの俺には気持ちが分からない

かがみもち

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第7章 光ある文化祭 ─優しさと後悔の罪─

98・5時間目 努力イコール結果ではないことはもう

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 あれから、僕はかなりの時間、ギターを弾いているが、少しずつ、集中力も欠けてきた気がする。

 ちょうど、集中がきれかけている今に、僕は自分が果たして、焦りすぎて突っ走っていないか、心のなかで確認する。

 これは、中学二年生の頃からやろうとしていたことだったけど、二年目も結局、傷つけてしまった人がいて、三年目は受験勉強でそれどころじゃなかったので、結局、今になってしまった。

 だが、大切でいつかは出来るようにしておかなければいけないことなので、素直に出来るようになっていてありがたい。

「……とりあえず、合わせる?」

 ボーイッシュなクラスメイトが、僕らを見渡してそう言った。

 皆、ちょうど合わせ練習をする頃だと思っていたので、それぞれ頷き合う。

 学年一位の友人が、ベースで低音のリズムを刻み、それにいつも下校している友人が、ドラムで響きのいいリズムをとる。

 僕は、その途中からリズムを挿入し、一度、音が止んだあと、ボーイッシュなクラスメイトから男子とは違う優しい低さの声が歌となって音をだす。

 サビ突入する直前、僕らは盛り上げるように音をかき鳴らす。

 一瞬の間のあと、すべての音が爆発。

 先程まで優しかった彼女の声が、ヤンチャな音に早変わり。

 聴く者に、優しさとかっこよさ、ふたつの刺激を与える最高の声だ。

 ギターを弾きながら、思うことがある。

 一人ではだせない皆でだすこの音は、紛れもなく、僕らが作り出した音なんだと。

 文化祭まで二週間、僕らは頑張らないと。

 努力イコール結果ではないけど、努力をすることで自信がつくことを学んだから。

 ──

 ストンと郵便受けになにかが入った音がしたから、ちょうど暇だった私はそれを取ることにした。

 なにかしら?

 ギィと錆びた音をたてて開くと、そこには高橋君の学校の文化祭を告知するチラシが入っていた。

 その他にもあまり取っていなかったのもあって、ピザのチラシやリサイクルショップのチラシなんかも入っていた。

 ペラペラと一枚一枚確認してから、まじまじと文化祭のチラシを見ると、なにやら一年生はライブ、二年生は演劇、三年生は露店をするらしい。

 懐かしいわね。私もやったわ。橙太とうたに焼きそばを作ったことがあるのだけど、それを美味しそうに食べてくれた笑顔が可愛かったわ。あぁ、思い出したらなんだか焼きそば食べたくなっちゃったわ。今夜は焼きそばかしら。

「今年も楽しみだわ」

 おっと、つい口からでちゃった。

 あと二週間。

 去年はライブだったわね。私の知ってる曲だったし、すごく盛り上がったわ。

 あと、小春こはるちゃんや舞花まいかちゃんも誘おうかしら。

 黒沢くろさわ君に近況とか聞いちゃおうっと。

 私は、久しぶりに笑顔でスマホを開いたのだった。
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