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第6章 二人の愛と少年の嘆き
88時間目 痛みと傷跡
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中学の頃、俺は、男子よりも女子との関わりが多かった。
理由は単純、可愛いから。
まるで俺のことを愛くるしいペットのように扱う女子たち。
俺は、それが普通だと思っていたし、これが俺の魅力なんだとも感じていた。
しかし、それを快く思わない人も必ず、存在する。
自分以外が幸せなやつを見ると、それをぶっ壊したいと言うやつが存在する。
それが、あいつ──葉瀬智城というやつだ。
葉瀬は、自己中なくせに人気があった。
それは、外国人のような顔立ちや、抜群の運動神経、荒い言動のなかの優しさが関係していた。
俺はこいつがクラスメイトであることに気にも留めていなかったが、ある日から、こいつに敵意を持つようになった。
※※※
「やっぱ、一番可愛いヤツったら仲野だよなぁ。俺、コクってこようかな」
俺が、中学の頃の友人と話をしている時、葉瀬は、まるでブラックホールのようにクラスメイトを己を中心として集めていた。
「あー、でも、仲野って三石のこと好きなんだろ?」
俺は別に好意とかこの時から気にする人間じゃなかった。
だから、へぇそうなんだくらいに話し半分で聞いていた。
しかし、
「マジかー……。智城君ショックだわ」
「フラれたな。ドンマイ」
「うるせーわ! フラれてねぇだろ!」
そこで笑いが起きるのは、どうでもいいことだった。
しかし、
「三石、ちょっといいか?」
放課後、葉瀬にそんなことを言われた時、俺は少しヒヤッとした。
「なに?」
「お前よ、女子の友達多いよな?」
「うん。そうだけど」
そこまで笑顔だった葉瀬は、
「コビ売ってんじゃねぇぞ」
怒りの形相でそんなことを口にした。
「え……」
「顔が可愛いといいご身分だよな。それだけで女が寄ってくるんだからよ」
俺は、こいつがなにを言っているのか、分からなかった。
「いや、ちがっ──」
「ぅく、ねぇだろ!」
「ガッ……!」
なぐ……られた?
右頬がジンジンと痛む。
唇が切れたのか、口のなかから血の味がした。
「なっ……!」
俺は、胸ぐらを掴まれ、身動きがとれなくなる。
俺の体が宙に浮いた。
「いいか、この学校の女は俺のモンだ。俺はな、モテたいんだよ。だから、関わるな。分かったか」
その言葉を言ったのと同時に葉瀬は、俺の地面に叩きつけた。
「いって……」
すぐにでも、殴りにいこうとしたが、あいつはもうすでにどこにいるのか分からない。
この日を境に俺の青春はくだけ散ることになる。
──
「三石君、おはよー!」
「……おはよ」
いつも仲良くしてくれる子が話しかけても、素っ気なく返した。
「三石君、今日カラオケ行くんだけどさ、どう?」
「あー、ごめん。俺塾があってさ。また誘ってよ」
「うん……」
遊びに誘われても、俺はそれを断った。
「よぉ、三石。お前ひでぇやつだな。暇人のくせによ」
お前のせいだろ。
お前のせいで俺の人生がめちゃくちゃになったんだろ。
あれから、葉瀬は度々忠告を言いにくるようになった。
そして、ある日、俺は我慢できずに。
「葉瀬ぇぇぇ!」
「ゴフッ!」
あいつが一人の帰っているところを、俺は殴った。
あいつの顔を、体を。
心を壊すように拳を振るった。
それが、俺が葉瀬に付けた傷。
そして、俺自身に付いた他人を傷つけたことに対する傷跡。
この日を境に、葉瀬のいやがらせは無くなったように思われた。
しかし、ここからが本番だった。
理由は単純、可愛いから。
まるで俺のことを愛くるしいペットのように扱う女子たち。
俺は、それが普通だと思っていたし、これが俺の魅力なんだとも感じていた。
しかし、それを快く思わない人も必ず、存在する。
自分以外が幸せなやつを見ると、それをぶっ壊したいと言うやつが存在する。
それが、あいつ──葉瀬智城というやつだ。
葉瀬は、自己中なくせに人気があった。
それは、外国人のような顔立ちや、抜群の運動神経、荒い言動のなかの優しさが関係していた。
俺はこいつがクラスメイトであることに気にも留めていなかったが、ある日から、こいつに敵意を持つようになった。
※※※
「やっぱ、一番可愛いヤツったら仲野だよなぁ。俺、コクってこようかな」
俺が、中学の頃の友人と話をしている時、葉瀬は、まるでブラックホールのようにクラスメイトを己を中心として集めていた。
「あー、でも、仲野って三石のこと好きなんだろ?」
俺は別に好意とかこの時から気にする人間じゃなかった。
だから、へぇそうなんだくらいに話し半分で聞いていた。
しかし、
「マジかー……。智城君ショックだわ」
「フラれたな。ドンマイ」
「うるせーわ! フラれてねぇだろ!」
そこで笑いが起きるのは、どうでもいいことだった。
しかし、
「三石、ちょっといいか?」
放課後、葉瀬にそんなことを言われた時、俺は少しヒヤッとした。
「なに?」
「お前よ、女子の友達多いよな?」
「うん。そうだけど」
そこまで笑顔だった葉瀬は、
「コビ売ってんじゃねぇぞ」
怒りの形相でそんなことを口にした。
「え……」
「顔が可愛いといいご身分だよな。それだけで女が寄ってくるんだからよ」
俺は、こいつがなにを言っているのか、分からなかった。
「いや、ちがっ──」
「ぅく、ねぇだろ!」
「ガッ……!」
なぐ……られた?
右頬がジンジンと痛む。
唇が切れたのか、口のなかから血の味がした。
「なっ……!」
俺は、胸ぐらを掴まれ、身動きがとれなくなる。
俺の体が宙に浮いた。
「いいか、この学校の女は俺のモンだ。俺はな、モテたいんだよ。だから、関わるな。分かったか」
その言葉を言ったのと同時に葉瀬は、俺の地面に叩きつけた。
「いって……」
すぐにでも、殴りにいこうとしたが、あいつはもうすでにどこにいるのか分からない。
この日を境に俺の青春はくだけ散ることになる。
──
「三石君、おはよー!」
「……おはよ」
いつも仲良くしてくれる子が話しかけても、素っ気なく返した。
「三石君、今日カラオケ行くんだけどさ、どう?」
「あー、ごめん。俺塾があってさ。また誘ってよ」
「うん……」
遊びに誘われても、俺はそれを断った。
「よぉ、三石。お前ひでぇやつだな。暇人のくせによ」
お前のせいだろ。
お前のせいで俺の人生がめちゃくちゃになったんだろ。
あれから、葉瀬は度々忠告を言いにくるようになった。
そして、ある日、俺は我慢できずに。
「葉瀬ぇぇぇ!」
「ゴフッ!」
あいつが一人の帰っているところを、俺は殴った。
あいつの顔を、体を。
心を壊すように拳を振るった。
それが、俺が葉瀬に付けた傷。
そして、俺自身に付いた他人を傷つけたことに対する傷跡。
この日を境に、葉瀬のいやがらせは無くなったように思われた。
しかし、ここからが本番だった。
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