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第5章 桜と君と青春と ~再会の友、再開の時~
72時間目 甘い時間
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「でねっ! 優香ちゃんとその日はスタバに行って、解散したの! 初スタバすっごく楽しかったなぁ」
目をキラキラと星のように輝かせて小春は話す。
ちょっ、ちかっ。
彼女が、身を乗り出す度にガタリと机が揺れる。
不器用ながらも、一生懸命作った炒飯があった皿も揺れる。
スタバなぁ。
行ったことねぇわ。
裕太ならあるんだろうな。
小春の話にでている優香ちゃんとやらは、裕太が言っていた元カノなんだよな。
「そっか、その、スタバ一緒に行こうな。まぁ、行きたくなったらいこう」
「うんっ! やっぱり敦志君の部屋って綺麗だよね」
「そうか? 裕太の方が俺よりずっと小綺麗だと思うけど」
まさか、自分の部屋に彼女を連れ込む日が来るなんてな。
おっと、この言い方はすごく語弊があるな。
順を追って説明していこう。
回想はじめ。
「俺の手料理が食べたい?!」
まさか、彼女に手料理を振る舞う日が来るなんてな。
「うん。その、敦志君の部屋で勉強会をするから、そのもしよかったら、手料理、食べさせてほしいなぁ……。えへへっ……」
そんな可愛い笑顔で言われたら、嫌と言えなくなる。
男は女の涙に弱く、笑顔にも弱い。
「お、う。裕太や遼太郎とか呼んだ方がいいかな?」
そういうと小春は頬を膨らませて、
「むー……。いくじなし……」
と呟いた。
え? なんで?
どこにそんな要素あったの?
というか、俺の家は基本夜まで親がいない。
兄弟もいねぇから、その、小春とふ、二人きりっていうのは、まずい気がする。
「とりあえず、明日、敦志君のお家、行くね」
「おう……」
その日の夜、俺は自室はもちろん、家全体を掃除した。
それを見た母さんは、
「敦志が家事をするなんて……! 隕石でも落下するのかしら……!」
なんて事を言っていた。
ぐすん。俺だってたまには掃除くらいするよ。
そうして、その翌日の昼頃、小春はやって来た。
インターホンの音に心臓がドクンと跳ねる。
なにも起きませんように。
頑張れ! 俺の理性!
俺は自身の理性を鼓舞しながら、平然を装い、ドアを開けると、そこには、白のロングスカートに桃色のブラウスをきた小春がいた。
久しぶりの彼女の春らしい格好に目が惹かれる。
「敦志、君……そのジロジロ見られると恥ずかしいな……」
「ご、ごめん! その、似合ってるからっ!」
やべぇわ!
予想以上に声裏返ったし!
たっか!
俺こんな高い声だしたの初めてだよ!
失態に悶々としながら、ある程度落ち着きを取り戻し、俺は自室に小春を招いた。
「その、汚いけどごめん! あと適当に座って!」
「う、うん。全然綺麗だよ。じゃあ……」
小春は俺のベッドの上に腰かけた。
あぁぁぁ!
ヤバイぃぃ!
理性はいつ崩壊してもおかしくないくらいだった。
なにこれ、彼女が俺のベッドの上に座っただけで更に可愛くなるのなんで!?
頭のなかはもう完全にパニック状態だった。
たぶん、脳内で【彼女 ベッドの上 どうする】みたいな感じでフルで検索していたのだろう。
それから、勉強会が始まったがもうオーバーヒート気味の俺はほとんど手付かずだった。
とりあえず形だけはやったものの、理解していない。
「そろそろ、飯にするか。俺の、て、手料理だったよな。その、なに食べたい?」
「敦志君が作るものなら何でも」
はい、キター!
何でもが一番困るんですよー!
母さんが、
『何でもいいじゃ、何をだしたらいいか分からない』と言っていたのが己に跳ね返ってくる。
だが、作らないわけにもいかない。
普段作っている炒飯を作るしかない。
「じゃあ、作ってくるな」
「うん。楽しみにしてるね」
ここで、なんで彼女を自室に置いているんだと突っ込みたくなるが、まぁ、いい。
炒飯はいつも通り、ご飯を炒めて、卵を絡める。
それから、ベーコンを投入し、炒飯の元みたいな香味ペーストを入れれば完成だ。
「わぁ! チャーハンだ! 美味しそう!」
自室に持っていくと第一声がそれだったのだから、嬉しくないわけがない。
「ど、どうぞ……」
「いただきます」
ひとくち、小春が炒飯を食べると、
「ん────!」
そう叫んだ。
「どうした? まずかった?」
口の中にあるものを飲み込んでから、
「久しぶりにこんなに美味しいチャーハン食べたかも」
そう言ってくれた。
「ありがとう」
俺は顔を真っ赤にして照れてしまう。
「敦志君、照れると可愛いね」
小春にからかわれた。
「ごちそうさまでした。美味しかった! ありがとう!」
最高の言葉だった。
食器を片付けるため、リビングにおりた時、ガッツポーズをした。
マジで嬉しかったからな。
「あ、そういえば昨日ね」
部屋に戻ると、小春がそう切り出した。
そして、話が結構続いて今に至る。
回想おわり。
「敦志君」
「うん?」
小春をちらりと見ると、少し顔を赤らめながら、こちらをチラチラとみている。
「その、手繋いでほしいな」
手を繋ぐ。
いつかはやることだ。
「お、おう……?」
なぜか、疑問符のようになってしまった言葉。
しかし、言葉とは反対に俺の体は正直だった。
小春がこちらに差し出す小さな左手に俺のごつい右手を少しずつ歩み寄せる。
そして、優しくその手に触れると、まず感じたのは小春の体温だった。
少し俺より冷たくてひんやりしている。
その次は肌の柔らかさだった。
俺のように固くなければ、柔らかすぎない。
癖になる触り心地だった。
「うれしい」
小春はそういって、笑う。
その笑顔も少し違和感を感じる。
この先はだめだと本能が告げている。
名残惜しいが俺は心春の手をゆっくりと離した。
「ありがとう」
「勉強、やろっか」
「お、おう」
再び、勉強をしたが、それは全く集中できなかったことは言うまでもない。
目をキラキラと星のように輝かせて小春は話す。
ちょっ、ちかっ。
彼女が、身を乗り出す度にガタリと机が揺れる。
不器用ながらも、一生懸命作った炒飯があった皿も揺れる。
スタバなぁ。
行ったことねぇわ。
裕太ならあるんだろうな。
小春の話にでている優香ちゃんとやらは、裕太が言っていた元カノなんだよな。
「そっか、その、スタバ一緒に行こうな。まぁ、行きたくなったらいこう」
「うんっ! やっぱり敦志君の部屋って綺麗だよね」
「そうか? 裕太の方が俺よりずっと小綺麗だと思うけど」
まさか、自分の部屋に彼女を連れ込む日が来るなんてな。
おっと、この言い方はすごく語弊があるな。
順を追って説明していこう。
回想はじめ。
「俺の手料理が食べたい?!」
まさか、彼女に手料理を振る舞う日が来るなんてな。
「うん。その、敦志君の部屋で勉強会をするから、そのもしよかったら、手料理、食べさせてほしいなぁ……。えへへっ……」
そんな可愛い笑顔で言われたら、嫌と言えなくなる。
男は女の涙に弱く、笑顔にも弱い。
「お、う。裕太や遼太郎とか呼んだ方がいいかな?」
そういうと小春は頬を膨らませて、
「むー……。いくじなし……」
と呟いた。
え? なんで?
どこにそんな要素あったの?
というか、俺の家は基本夜まで親がいない。
兄弟もいねぇから、その、小春とふ、二人きりっていうのは、まずい気がする。
「とりあえず、明日、敦志君のお家、行くね」
「おう……」
その日の夜、俺は自室はもちろん、家全体を掃除した。
それを見た母さんは、
「敦志が家事をするなんて……! 隕石でも落下するのかしら……!」
なんて事を言っていた。
ぐすん。俺だってたまには掃除くらいするよ。
そうして、その翌日の昼頃、小春はやって来た。
インターホンの音に心臓がドクンと跳ねる。
なにも起きませんように。
頑張れ! 俺の理性!
俺は自身の理性を鼓舞しながら、平然を装い、ドアを開けると、そこには、白のロングスカートに桃色のブラウスをきた小春がいた。
久しぶりの彼女の春らしい格好に目が惹かれる。
「敦志、君……そのジロジロ見られると恥ずかしいな……」
「ご、ごめん! その、似合ってるからっ!」
やべぇわ!
予想以上に声裏返ったし!
たっか!
俺こんな高い声だしたの初めてだよ!
失態に悶々としながら、ある程度落ち着きを取り戻し、俺は自室に小春を招いた。
「その、汚いけどごめん! あと適当に座って!」
「う、うん。全然綺麗だよ。じゃあ……」
小春は俺のベッドの上に腰かけた。
あぁぁぁ!
ヤバイぃぃ!
理性はいつ崩壊してもおかしくないくらいだった。
なにこれ、彼女が俺のベッドの上に座っただけで更に可愛くなるのなんで!?
頭のなかはもう完全にパニック状態だった。
たぶん、脳内で【彼女 ベッドの上 どうする】みたいな感じでフルで検索していたのだろう。
それから、勉強会が始まったがもうオーバーヒート気味の俺はほとんど手付かずだった。
とりあえず形だけはやったものの、理解していない。
「そろそろ、飯にするか。俺の、て、手料理だったよな。その、なに食べたい?」
「敦志君が作るものなら何でも」
はい、キター!
何でもが一番困るんですよー!
母さんが、
『何でもいいじゃ、何をだしたらいいか分からない』と言っていたのが己に跳ね返ってくる。
だが、作らないわけにもいかない。
普段作っている炒飯を作るしかない。
「じゃあ、作ってくるな」
「うん。楽しみにしてるね」
ここで、なんで彼女を自室に置いているんだと突っ込みたくなるが、まぁ、いい。
炒飯はいつも通り、ご飯を炒めて、卵を絡める。
それから、ベーコンを投入し、炒飯の元みたいな香味ペーストを入れれば完成だ。
「わぁ! チャーハンだ! 美味しそう!」
自室に持っていくと第一声がそれだったのだから、嬉しくないわけがない。
「ど、どうぞ……」
「いただきます」
ひとくち、小春が炒飯を食べると、
「ん────!」
そう叫んだ。
「どうした? まずかった?」
口の中にあるものを飲み込んでから、
「久しぶりにこんなに美味しいチャーハン食べたかも」
そう言ってくれた。
「ありがとう」
俺は顔を真っ赤にして照れてしまう。
「敦志君、照れると可愛いね」
小春にからかわれた。
「ごちそうさまでした。美味しかった! ありがとう!」
最高の言葉だった。
食器を片付けるため、リビングにおりた時、ガッツポーズをした。
マジで嬉しかったからな。
「あ、そういえば昨日ね」
部屋に戻ると、小春がそう切り出した。
そして、話が結構続いて今に至る。
回想おわり。
「敦志君」
「うん?」
小春をちらりと見ると、少し顔を赤らめながら、こちらをチラチラとみている。
「その、手繋いでほしいな」
手を繋ぐ。
いつかはやることだ。
「お、おう……?」
なぜか、疑問符のようになってしまった言葉。
しかし、言葉とは反対に俺の体は正直だった。
小春がこちらに差し出す小さな左手に俺のごつい右手を少しずつ歩み寄せる。
そして、優しくその手に触れると、まず感じたのは小春の体温だった。
少し俺より冷たくてひんやりしている。
その次は肌の柔らかさだった。
俺のように固くなければ、柔らかすぎない。
癖になる触り心地だった。
「うれしい」
小春はそういって、笑う。
その笑顔も少し違和感を感じる。
この先はだめだと本能が告げている。
名残惜しいが俺は心春の手をゆっくりと離した。
「ありがとう」
「勉強、やろっか」
「お、おう」
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