133 / 244
【次章に繋がる物語】恋のその先へ
君を感じて
しおりを挟む
朝、スマホのアラームの音で目を覚ます。
昔から好きなバンドのデビュー曲。
俺と杏を繋ぎ合わせた糸のひとつ。
横にあるベッドを見ると、杏がすうすうと小さな寝息を立てて寝ている。
春なのに寒いのは俺が服を着ていないから。
自身の欲と彼女への想いを昨夜また、ぶつけた。
疲れてるよな。
落ちていた赤色のTシャツを身に付けて、彼女の頭をわしゃわしゃと撫でた後、立ち上がり、隣の部屋の洗面所に向かう。
キュッと金属音が鳴り、水がチョロチョロとでる。
これ以上、この蛇口から水が勢いよくでる事はない。
相変わらず、山崎に貰った物は基本的に使い物にならない。
だけど、アイツは誰よりも俺達の事を考えてくれる。
祝ってくれた。
俺達がこうして一緒に居られるのも、アイツのおかげ。
MISHIHANAをやっていけているのも、アイツのおかげ。
俺は幸せを手に入れた。
「恋愛」という甘い蜜を。
だけど、時間は中学3年生の時から動いていない。
俺は、俺達は手に入れなければいけない。
恋愛のその先。
恋の光のある終着点へ。
パシャッ。
冷たい水が、俺の顔を濡らした。
朝日を照らされた俺は、男の顔をしていた。
昔から好きなバンドのデビュー曲。
俺と杏を繋ぎ合わせた糸のひとつ。
横にあるベッドを見ると、杏がすうすうと小さな寝息を立てて寝ている。
春なのに寒いのは俺が服を着ていないから。
自身の欲と彼女への想いを昨夜また、ぶつけた。
疲れてるよな。
落ちていた赤色のTシャツを身に付けて、彼女の頭をわしゃわしゃと撫でた後、立ち上がり、隣の部屋の洗面所に向かう。
キュッと金属音が鳴り、水がチョロチョロとでる。
これ以上、この蛇口から水が勢いよくでる事はない。
相変わらず、山崎に貰った物は基本的に使い物にならない。
だけど、アイツは誰よりも俺達の事を考えてくれる。
祝ってくれた。
俺達がこうして一緒に居られるのも、アイツのおかげ。
MISHIHANAをやっていけているのも、アイツのおかげ。
俺は幸せを手に入れた。
「恋愛」という甘い蜜を。
だけど、時間は中学3年生の時から動いていない。
俺は、俺達は手に入れなければいけない。
恋愛のその先。
恋の光のある終着点へ。
パシャッ。
冷たい水が、俺の顔を濡らした。
朝日を照らされた俺は、男の顔をしていた。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ONE WEEK LOVE ~純情のっぽと変人天使の恋~
mizuno sei
青春
永野祐輝は高校3年生。プロバスケットの選手を目指して高校に入学したが、入学早々傷害事件を起こし、バスケット部への入部を拒否されてしまった。
目標を失った彼は、しばらく荒れた生活をし、学校中の生徒たちから不良で怖いというイメージを持たれてしまう。
鬱々とした日々を送っていた彼に転機が訪れたのは、偶然不良に絡まれていた男子生徒を助けたことがきっかけだった。その男子生徒、吉田龍之介はちょっと変わってはいたが、優れた才能を持つ演劇部の生徒だった。生活を変えたいと思っていた祐輝は、吉田の熱心な勧誘もあって演劇部に入部することを決めた。
それから2年後、いよいよ高校最後の年を迎えた祐輝は、始業式の前日、偶然に一人の女子生徒と出会った。彼女を一目見て恋に落ちた祐輝は、次の日からその少女を探し、告白しようと動き出す。
一方、その女子生徒、木崎真由もまた、心に傷とコンプレックスを抱えた少女だった。
不良の烙印を押された不器用で心優しい少年と、コンプレックスを抱えた少女の恋にゆくへは・・・。
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる