98 / 244
第4章 1年の締めくくりと次のステップ ~青い1日と温かな雪~
54時間目 幸福の鐘
しおりを挟む
「敦志、ニヤニヤしすぎ。抑えて」
「えっ、マジで?」
「ニヤニヤしてるよー! 良かったねー! 森山さんと付き合えて! でも付き合ってからが本番だからね! いいなぁー! 俺も彼女作ろっかなー!」
裕太、遼太郎に指摘され、初めてニヤニヤしている事に気が付く。
だってさ、嬉しいじゃん。
もう俺、リア充だぜ?
しかも初彼女が中学の時から仲が良かった森山だぜ?
あんな可愛い子を俺は中学のあの日のように彼女の笑顔を暗い顔にさせてはいけないと思う。
もう、2度と、森山に嫌な思いをして涙を流してほしくないから。
なんて、脳内ではカッコいいセリフが言えるが、絶対口では言えない。
ダサっ。
クリスマスが過ぎると、一気に世間は正月の準備をする。
俺達も例には漏れず、後4日で元日が訪れるため、俺達はバイトに勤しんでいた。
ちなみに、今はバイトの終わりで久しぶりにプチライブをしようと3人で歩いて帰っている。
「それにしても、もう今年も終わりかぁ……。いろいろあったね」
白い息を吐きながら、黄昏る裕太はもうそれだけで絵になるのだから、本当に凄いと思う。
「もう来年には別のクラスになるかも知れないのかー! でも、頑張ろ!」
「あ」
「どうした?」」
「そういや敦志、テストあるね」
「まった勉強会するのかよ……」
「ここで赤点なんてとったらシャレにならないよ!」
「俺、赤点は取らないので」
「あ、それ絶対取るやつだね。って、事で正月明けたら勉強会しようか」
「だってさ、俺も頑張るから」
「あんなスパルタは嫌だぁぁぁ!」
俺は二人から少し距離を取る。
お前らの勉強量じゃ俺死ぬって。
「……森山さん呼んだら敦志死ぬ気で頑張るかな?」
「いいねいいね! 森山さんの学力アップにも繋がるし!」
裕太と遼太郎がなにやら話していたが、俺は詳細は聞き取れなかった。
だけど、なにかヤバイ事を企んでいる、それだけは分かった。
_______
翌日。
俺はバイトに励んでいた。
久しぶりの肉体労働に戸惑いながらも、体が覚えていたのでスムーズにこなせている。
「高橋君、最近小春ちゃんとうまくいってるの?」
「ゴッフッ……! ゲッホゲホ……! な、なに言ってんすか!」
飲んでいた水を俺は吹き出し、机にぶちまける始末。
くっそ……。神谷さんめ……。
このクリスマスの一件はこの人がほとんど把握していた。
ちなみに、森山が俺の事を好きな事をはじめに知っていたらしい。
雑巾を持ってきて、机を拭きながら、
「うまくいってるかどうかは分からないです。俺はそういう経験は無かったので。でも、精一杯自分の出来る限りで森山に笑顔をもっとあげれたらいいなとは思っています」
「あらあらあら~。カッコいい事言うじゃないの~。睡蓮君が聞いたら『くせェセリフ言ってンじゃねェぞ』とか言いそうだけど」
「クサいセリフって思ってるんすか」
「ありゃ、バレたか」
テヘッと可愛くおちゃける神谷さん。
あんまり可愛くない。
神谷さんは冷静な見た目だからあんまり可愛いキャラは良くないな。
「あ、そういや神谷さん」
「なにかしら?」
「彼氏さんいるんsー……」
「ちわーす……。マジでだりィ……」
「黒沢さん、ちわっす!」
「睡蓮君、お疲れさま。さて、休憩は終わりよ! 頑張りましょう」
「ういっす!」
大晦日、正月まであと3日。
さって、頑張るか。
「えっ、マジで?」
「ニヤニヤしてるよー! 良かったねー! 森山さんと付き合えて! でも付き合ってからが本番だからね! いいなぁー! 俺も彼女作ろっかなー!」
裕太、遼太郎に指摘され、初めてニヤニヤしている事に気が付く。
だってさ、嬉しいじゃん。
もう俺、リア充だぜ?
しかも初彼女が中学の時から仲が良かった森山だぜ?
あんな可愛い子を俺は中学のあの日のように彼女の笑顔を暗い顔にさせてはいけないと思う。
もう、2度と、森山に嫌な思いをして涙を流してほしくないから。
なんて、脳内ではカッコいいセリフが言えるが、絶対口では言えない。
ダサっ。
クリスマスが過ぎると、一気に世間は正月の準備をする。
俺達も例には漏れず、後4日で元日が訪れるため、俺達はバイトに勤しんでいた。
ちなみに、今はバイトの終わりで久しぶりにプチライブをしようと3人で歩いて帰っている。
「それにしても、もう今年も終わりかぁ……。いろいろあったね」
白い息を吐きながら、黄昏る裕太はもうそれだけで絵になるのだから、本当に凄いと思う。
「もう来年には別のクラスになるかも知れないのかー! でも、頑張ろ!」
「あ」
「どうした?」」
「そういや敦志、テストあるね」
「まった勉強会するのかよ……」
「ここで赤点なんてとったらシャレにならないよ!」
「俺、赤点は取らないので」
「あ、それ絶対取るやつだね。って、事で正月明けたら勉強会しようか」
「だってさ、俺も頑張るから」
「あんなスパルタは嫌だぁぁぁ!」
俺は二人から少し距離を取る。
お前らの勉強量じゃ俺死ぬって。
「……森山さん呼んだら敦志死ぬ気で頑張るかな?」
「いいねいいね! 森山さんの学力アップにも繋がるし!」
裕太と遼太郎がなにやら話していたが、俺は詳細は聞き取れなかった。
だけど、なにかヤバイ事を企んでいる、それだけは分かった。
_______
翌日。
俺はバイトに励んでいた。
久しぶりの肉体労働に戸惑いながらも、体が覚えていたのでスムーズにこなせている。
「高橋君、最近小春ちゃんとうまくいってるの?」
「ゴッフッ……! ゲッホゲホ……! な、なに言ってんすか!」
飲んでいた水を俺は吹き出し、机にぶちまける始末。
くっそ……。神谷さんめ……。
このクリスマスの一件はこの人がほとんど把握していた。
ちなみに、森山が俺の事を好きな事をはじめに知っていたらしい。
雑巾を持ってきて、机を拭きながら、
「うまくいってるかどうかは分からないです。俺はそういう経験は無かったので。でも、精一杯自分の出来る限りで森山に笑顔をもっとあげれたらいいなとは思っています」
「あらあらあら~。カッコいい事言うじゃないの~。睡蓮君が聞いたら『くせェセリフ言ってンじゃねェぞ』とか言いそうだけど」
「クサいセリフって思ってるんすか」
「ありゃ、バレたか」
テヘッと可愛くおちゃける神谷さん。
あんまり可愛くない。
神谷さんは冷静な見た目だからあんまり可愛いキャラは良くないな。
「あ、そういや神谷さん」
「なにかしら?」
「彼氏さんいるんsー……」
「ちわーす……。マジでだりィ……」
「黒沢さん、ちわっす!」
「睡蓮君、お疲れさま。さて、休憩は終わりよ! 頑張りましょう」
「ういっす!」
大晦日、正月まであと3日。
さって、頑張るか。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
姉らぶるっ!!
藍染惣右介兵衛
青春
俺には二人の容姿端麗な姉がいる。
自慢そうに聞こえただろうか?
それは少しばかり誤解だ。
この二人の姉、どちらも重大な欠陥があるのだ……
次女の青山花穂は高校二年で生徒会長。
外見上はすべて完璧に見える花穂姉ちゃん……
「花穂姉ちゃん! 下着でウロウロするのやめろよなっ!」
「んじゃ、裸ならいいってことねっ!」
▼物語概要
【恋愛感情欠落、解離性健忘というトラウマを抱えながら、姉やヒロインに囲まれて成長していく話です】
47万字以上の大長編になります。(2020年11月現在)
【※不健全ラブコメの注意事項】
この作品は通常のラブコメより下品下劣この上なく、ドン引き、ドシモ、変態、マニアック、陰謀と陰毛渦巻くご都合主義のオンパレードです。
それをウリにして、ギャグなどをミックスした作品です。一話(1部分)1800~3000字と短く、四コマ漫画感覚で手軽に読めます。
全編47万字前後となります。読みごたえも初期より増し、ガッツリ読みたい方にもお勧めです。
また、執筆・原作・草案者が男性と女性両方なので、主人公が男にもかかわらず、男性目線からややずれている部分があります。
【元々、小説家になろうで連載していたものを大幅改訂して連載します】
【なろう版から一部、ストーリー展開と主要キャラの名前が変更になりました】
【2017年4月、本幕が完結しました】
序幕・本幕であらかたの謎が解け、メインヒロインが確定します。
【2018年1月、真幕を開始しました】
ここから読み始めると盛大なネタバレになります(汗)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる