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第4章 1年の締めくくりと次のステップ ~青い1日と温かな雪~
54時間目 幸福の鐘
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「敦志、ニヤニヤしすぎ。抑えて」
「えっ、マジで?」
「ニヤニヤしてるよー! 良かったねー! 森山さんと付き合えて! でも付き合ってからが本番だからね! いいなぁー! 俺も彼女作ろっかなー!」
裕太、遼太郎に指摘され、初めてニヤニヤしている事に気が付く。
だってさ、嬉しいじゃん。
もう俺、リア充だぜ?
しかも初彼女が中学の時から仲が良かった森山だぜ?
あんな可愛い子を俺は中学のあの日のように彼女の笑顔を暗い顔にさせてはいけないと思う。
もう、2度と、森山に嫌な思いをして涙を流してほしくないから。
なんて、脳内ではカッコいいセリフが言えるが、絶対口では言えない。
ダサっ。
クリスマスが過ぎると、一気に世間は正月の準備をする。
俺達も例には漏れず、後4日で元日が訪れるため、俺達はバイトに勤しんでいた。
ちなみに、今はバイトの終わりで久しぶりにプチライブをしようと3人で歩いて帰っている。
「それにしても、もう今年も終わりかぁ……。いろいろあったね」
白い息を吐きながら、黄昏る裕太はもうそれだけで絵になるのだから、本当に凄いと思う。
「もう来年には別のクラスになるかも知れないのかー! でも、頑張ろ!」
「あ」
「どうした?」」
「そういや敦志、テストあるね」
「まった勉強会するのかよ……」
「ここで赤点なんてとったらシャレにならないよ!」
「俺、赤点は取らないので」
「あ、それ絶対取るやつだね。って、事で正月明けたら勉強会しようか」
「だってさ、俺も頑張るから」
「あんなスパルタは嫌だぁぁぁ!」
俺は二人から少し距離を取る。
お前らの勉強量じゃ俺死ぬって。
「……森山さん呼んだら敦志死ぬ気で頑張るかな?」
「いいねいいね! 森山さんの学力アップにも繋がるし!」
裕太と遼太郎がなにやら話していたが、俺は詳細は聞き取れなかった。
だけど、なにかヤバイ事を企んでいる、それだけは分かった。
_______
翌日。
俺はバイトに励んでいた。
久しぶりの肉体労働に戸惑いながらも、体が覚えていたのでスムーズにこなせている。
「高橋君、最近小春ちゃんとうまくいってるの?」
「ゴッフッ……! ゲッホゲホ……! な、なに言ってんすか!」
飲んでいた水を俺は吹き出し、机にぶちまける始末。
くっそ……。神谷さんめ……。
このクリスマスの一件はこの人がほとんど把握していた。
ちなみに、森山が俺の事を好きな事をはじめに知っていたらしい。
雑巾を持ってきて、机を拭きながら、
「うまくいってるかどうかは分からないです。俺はそういう経験は無かったので。でも、精一杯自分の出来る限りで森山に笑顔をもっとあげれたらいいなとは思っています」
「あらあらあら~。カッコいい事言うじゃないの~。睡蓮君が聞いたら『くせェセリフ言ってンじゃねェぞ』とか言いそうだけど」
「クサいセリフって思ってるんすか」
「ありゃ、バレたか」
テヘッと可愛くおちゃける神谷さん。
あんまり可愛くない。
神谷さんは冷静な見た目だからあんまり可愛いキャラは良くないな。
「あ、そういや神谷さん」
「なにかしら?」
「彼氏さんいるんsー……」
「ちわーす……。マジでだりィ……」
「黒沢さん、ちわっす!」
「睡蓮君、お疲れさま。さて、休憩は終わりよ! 頑張りましょう」
「ういっす!」
大晦日、正月まであと3日。
さって、頑張るか。
「えっ、マジで?」
「ニヤニヤしてるよー! 良かったねー! 森山さんと付き合えて! でも付き合ってからが本番だからね! いいなぁー! 俺も彼女作ろっかなー!」
裕太、遼太郎に指摘され、初めてニヤニヤしている事に気が付く。
だってさ、嬉しいじゃん。
もう俺、リア充だぜ?
しかも初彼女が中学の時から仲が良かった森山だぜ?
あんな可愛い子を俺は中学のあの日のように彼女の笑顔を暗い顔にさせてはいけないと思う。
もう、2度と、森山に嫌な思いをして涙を流してほしくないから。
なんて、脳内ではカッコいいセリフが言えるが、絶対口では言えない。
ダサっ。
クリスマスが過ぎると、一気に世間は正月の準備をする。
俺達も例には漏れず、後4日で元日が訪れるため、俺達はバイトに勤しんでいた。
ちなみに、今はバイトの終わりで久しぶりにプチライブをしようと3人で歩いて帰っている。
「それにしても、もう今年も終わりかぁ……。いろいろあったね」
白い息を吐きながら、黄昏る裕太はもうそれだけで絵になるのだから、本当に凄いと思う。
「もう来年には別のクラスになるかも知れないのかー! でも、頑張ろ!」
「あ」
「どうした?」」
「そういや敦志、テストあるね」
「まった勉強会するのかよ……」
「ここで赤点なんてとったらシャレにならないよ!」
「俺、赤点は取らないので」
「あ、それ絶対取るやつだね。って、事で正月明けたら勉強会しようか」
「だってさ、俺も頑張るから」
「あんなスパルタは嫌だぁぁぁ!」
俺は二人から少し距離を取る。
お前らの勉強量じゃ俺死ぬって。
「……森山さん呼んだら敦志死ぬ気で頑張るかな?」
「いいねいいね! 森山さんの学力アップにも繋がるし!」
裕太と遼太郎がなにやら話していたが、俺は詳細は聞き取れなかった。
だけど、なにかヤバイ事を企んでいる、それだけは分かった。
_______
翌日。
俺はバイトに励んでいた。
久しぶりの肉体労働に戸惑いながらも、体が覚えていたのでスムーズにこなせている。
「高橋君、最近小春ちゃんとうまくいってるの?」
「ゴッフッ……! ゲッホゲホ……! な、なに言ってんすか!」
飲んでいた水を俺は吹き出し、机にぶちまける始末。
くっそ……。神谷さんめ……。
このクリスマスの一件はこの人がほとんど把握していた。
ちなみに、森山が俺の事を好きな事をはじめに知っていたらしい。
雑巾を持ってきて、机を拭きながら、
「うまくいってるかどうかは分からないです。俺はそういう経験は無かったので。でも、精一杯自分の出来る限りで森山に笑顔をもっとあげれたらいいなとは思っています」
「あらあらあら~。カッコいい事言うじゃないの~。睡蓮君が聞いたら『くせェセリフ言ってンじゃねェぞ』とか言いそうだけど」
「クサいセリフって思ってるんすか」
「ありゃ、バレたか」
テヘッと可愛くおちゃける神谷さん。
あんまり可愛くない。
神谷さんは冷静な見た目だからあんまり可愛いキャラは良くないな。
「あ、そういや神谷さん」
「なにかしら?」
「彼氏さんいるんsー……」
「ちわーす……。マジでだりィ……」
「黒沢さん、ちわっす!」
「睡蓮君、お疲れさま。さて、休憩は終わりよ! 頑張りましょう」
「ういっす!」
大晦日、正月まであと3日。
さって、頑張るか。
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