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第3章 選択の文化祭とすれ違う思惑 ~友のために、自分のために~
39・3時間目 親友が居ない1日①
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裕太が居ない日は、クラスにも影響を及ぼしていた。
「おはよう、高橋、三石! あれっ? 裕太は? お前ら普段一緒に居るだろ?」
普段全く俺に話して来ないチャラいクラスメイトが話しかけてきた。
「あー・・・。 裕太なんかシンドイみたいでさ。 それで休んでいるんだよ」
「マジ? やべぇじゃん。 アイツ。 なんか色々と仕事あるみたいだし。 明後日だぜ?」
「本人は今日中に治すって言ってたけど」
あれから、俺達が教室に入ってから、3人のグループLINEに『絶対今日中には治すから』とメッセージが入っていた。
「ふーん。 ま、お大事にって伝えといてくれ」
そう言うと、彼は自身の席に戻って、数人の友達たちと駄弁っていた。
はじめて会話したかもな。
俺達のクラスでは、グループ意識が強いのか、一度そのグループに入っていれば今のところは、ほとんどそのグループで関わっている事が多い。
このクラスには俗に『ボッチ』と言われる人物が一人も居ない。
三石はさっきから、というかいつも通りに、俺の机に手を乗せて、ニコニコと微笑んでいる。
クラスメイトが来るまでは、演奏の改善点を言い合っていた。
遼太郎は、サビ前の演奏で、少しテンポが速くなりすぎている気がした。
だから、俺はそれを指摘して、遼太郎は俺の改善点であるコードチェンジを指摘した。
薔薇さんが作った原曲を何度も何度も聴き、1曲目のバラード風の曲は何とか完成体に近づいてきている。
2曲目であるメタルの曲は、ギター&ベースが最大限に引き出される。
コードチェンジが非常に難しく、テンポも速いため、指が追い付かない事がここ1週間前には多々あった。
それでも、最近はようやく追い付くようになって、この2日でどれだけ良くなるかが問題だ。
3曲目は、俺達が作った歌だ。
ゆっくりと少し暗めの曲調から始まり、サビにいくにつれ、だんだんと明るくなっていく。
まさに中学の頃、パッとしなかった俺が、高校に入って友達、親友の大切さを改めて知り、親友たちと共に歩んでいく・・・。
まさに、今の俺にピッタリな曲だった。
いつもありがとうを伝えるために。
親友がリア充でモテまくりで、こんな非リアな俺には気持ちが分からないと伝えるために。
そして、アンコールはー。
「きりーつ! 気を付けー!」
俺はハッとなって、慌てて立った。
普段は裕太が言うのと、授業に集中しているので、気付くが今日は全然集中出来なかったのが、俺を起立を遅らせた。
もう授業終わるのかよ。
「礼!」
『ありがとうございましたー』
気付けば、もう昼食の時間だった。
「いやー。 敦志今日は全然集中して無かったね。 どうしたの?」
「あ、いや、なんか、すっげーライブの事考えてた。 今までの練習の事考えてた」
「あー。 なんか分かる。 文化祭が楽しみすぎて勉強に集中出来ないよね! それにしても今日はもう帰れるね! ご飯食べたら山内の家に行く?」
「そうだな。 なんか買っていった方がいいかもな」
「んー・・・。 アイスとか?」
「ダルいんなら冷やしたダメだろ・・・。 夏風邪だったらどうすんだ」
「んじゃ、栄養ドリンクとか」
「それは買いにいくけど」
「ま、メシ食ってからで考えたらいいんじゃねぇ?」
「だな!」
おっ、今日の給食は唐揚げ定食か・・・。
南にも食わせてやりたいな。
「んじゃ、食べたらいこう!」
「そだな」
俺達は即座に食券を買い、席を作った。
裕太、待っててくれよ。
「おはよう、高橋、三石! あれっ? 裕太は? お前ら普段一緒に居るだろ?」
普段全く俺に話して来ないチャラいクラスメイトが話しかけてきた。
「あー・・・。 裕太なんかシンドイみたいでさ。 それで休んでいるんだよ」
「マジ? やべぇじゃん。 アイツ。 なんか色々と仕事あるみたいだし。 明後日だぜ?」
「本人は今日中に治すって言ってたけど」
あれから、俺達が教室に入ってから、3人のグループLINEに『絶対今日中には治すから』とメッセージが入っていた。
「ふーん。 ま、お大事にって伝えといてくれ」
そう言うと、彼は自身の席に戻って、数人の友達たちと駄弁っていた。
はじめて会話したかもな。
俺達のクラスでは、グループ意識が強いのか、一度そのグループに入っていれば今のところは、ほとんどそのグループで関わっている事が多い。
このクラスには俗に『ボッチ』と言われる人物が一人も居ない。
三石はさっきから、というかいつも通りに、俺の机に手を乗せて、ニコニコと微笑んでいる。
クラスメイトが来るまでは、演奏の改善点を言い合っていた。
遼太郎は、サビ前の演奏で、少しテンポが速くなりすぎている気がした。
だから、俺はそれを指摘して、遼太郎は俺の改善点であるコードチェンジを指摘した。
薔薇さんが作った原曲を何度も何度も聴き、1曲目のバラード風の曲は何とか完成体に近づいてきている。
2曲目であるメタルの曲は、ギター&ベースが最大限に引き出される。
コードチェンジが非常に難しく、テンポも速いため、指が追い付かない事がここ1週間前には多々あった。
それでも、最近はようやく追い付くようになって、この2日でどれだけ良くなるかが問題だ。
3曲目は、俺達が作った歌だ。
ゆっくりと少し暗めの曲調から始まり、サビにいくにつれ、だんだんと明るくなっていく。
まさに中学の頃、パッとしなかった俺が、高校に入って友達、親友の大切さを改めて知り、親友たちと共に歩んでいく・・・。
まさに、今の俺にピッタリな曲だった。
いつもありがとうを伝えるために。
親友がリア充でモテまくりで、こんな非リアな俺には気持ちが分からないと伝えるために。
そして、アンコールはー。
「きりーつ! 気を付けー!」
俺はハッとなって、慌てて立った。
普段は裕太が言うのと、授業に集中しているので、気付くが今日は全然集中出来なかったのが、俺を起立を遅らせた。
もう授業終わるのかよ。
「礼!」
『ありがとうございましたー』
気付けば、もう昼食の時間だった。
「いやー。 敦志今日は全然集中して無かったね。 どうしたの?」
「あ、いや、なんか、すっげーライブの事考えてた。 今までの練習の事考えてた」
「あー。 なんか分かる。 文化祭が楽しみすぎて勉強に集中出来ないよね! それにしても今日はもう帰れるね! ご飯食べたら山内の家に行く?」
「そうだな。 なんか買っていった方がいいかもな」
「んー・・・。 アイスとか?」
「ダルいんなら冷やしたダメだろ・・・。 夏風邪だったらどうすんだ」
「んじゃ、栄養ドリンクとか」
「それは買いにいくけど」
「ま、メシ食ってからで考えたらいいんじゃねぇ?」
「だな!」
おっ、今日の給食は唐揚げ定食か・・・。
南にも食わせてやりたいな。
「んじゃ、食べたらいこう!」
「そだな」
俺達は即座に食券を買い、席を作った。
裕太、待っててくれよ。
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