親友がリア充でモテまくりです。非リアの俺には気持ちが分からない

かがみもち

文字の大きさ
上 下
57 / 244
第3章 選択の文化祭とすれ違う思惑 ~友のために、自分のために~

35・5時間目 念願の購入

しおりを挟む
出会いって凄いなと僕は思った。
最近、恋愛小説を読んでいる。
内容は、小学校の時の初恋の人に高校生になって出会ったという内容だ。
お互いの成長にドキマギしながら惹かれ合う・・・そんな素敵な内容だ。
まぁ、今の親友に起こっている出来事はその内容と似ていると思っている。
中学以来出会っていなくて、そして2日前に出会った。
お互い色々と成長していて、文化祭に会おうと約束を交わして。
・・・いくらなんでも早すぎじゃない?
目の前には、敦志の友達(仮)である森山さんが居る。
しかも、彼女のお父さんの手伝いをしに来たと言う。
なんていい子だろうなと僕は思う。
「た、高橋君・・・。 そのギターにするんだね」
「お、おう。 なんかカッコいいなって思ってな」
「そ、そうなんだ。 わ、私もかっのいいとおもふ・・・」
2回も噛んでしまった森山さんは、赤い顔をしながら俯いた。
敦志はどうフォローしたら良いのかとワタワタしている。
僕はあんまり戸惑うんじゃないよと心の中で呟きながら、クルリと三石の方を向いた。
「おっ、サマになってるね! 三石っぽいや」
「でしょでしょー! 全部セットで2万円だよ! 安いね!」
そういいながら、適当にドラムを叩く三石は、凄く楽しそうにしている。
「山内は紺色のベースなんだね。 クールでいいね!」
「そうかな? 僕はとりあえず一番性能がいいのはどれですかって黒沢さんに聞いたからね。 それでこれが初心者にはオススメって言われたからこれにしたんだ」
「あっ、敦志はあの赤いギターだね! そういや、前にMISHIHANAで皆でご飯食べたときに、
三島さんがちょこっとだけだけど楽器を出来るって言ってたから」
「へぇ~、そうなんだ。 いざとなれば教えてもらうのもありだね」
「そうだねっ、それにしても・・・黒沢さん、何ニヤニヤしているんですか?」
レジの横で足を組んでニヤニヤしながら敦志を見ている黒沢さん。
理由は概ね検討がつくが・・・。
「ん? あァ、高橋青春してるなァって思ってよ。 いいなァ、俺も彼女出来ねェかなァ」
「黒沢センパイ?! どういう勘違いしてるンすか?! 付き合ってませんよ!?」
「ンア? じゃあどういう関係・・・。 あ、アレな関係か。 お前ら、もしかしてアダ・・・」
「ハイハイハイ!!! それ以上は言わないでくださいね! 違いますから!」
「黒沢さんも脳内お花畑なんだね・・・」
「いやいや、お前らも人の事言えねぇからな? こないだだって似たような事言ってたし、やったろ?」
確かに僕らは敦志に恋愛成就のパフェを食べさせたし、色々とかなり言わせた。
でも、『ベットイン早すぎだろ』って言ってたあの言葉は僕は忘れたとは言わせない。
アレの腹いせだ。
「・・・ま、まぁ、恋愛もほどほどにな。 お前ら、早く買わねェと練習出来ないぜ?」
黒沢さんはお先にと言って、スタスタと店内をでていこうとする。
「あっ、ちょ、待ってくださいよ! んじゃ、このギターとアンプください!」
敦志が早々に支払いを開始する。
「あいよ! チューナーとピックとケースとストラップはオマケで付けておくからな! んじゃ、2万6000円」
「これでお願いします」
そういって敦志は諭吉3枚をだして、野口4枚とケースに入ったギターを担いで、
「んじゃ、黒沢センパイと話しておく」
と言って、出ていった。
その際に、森山さんが、
「た、高橋君。 そ・・・の、また、来てね」
と上目遣いで言い、敦志はおうと言って、頭を掻きながら出ていった。
照れてる照れてる。
「あっ、じゃあ、俺もお支払い出来ますか~?」
「おう、このドラムは折り畳み式だからすぐに持って帰れるぞ! その代わりちょっと重いけど、根性で頑張れ!」
テキパキと折り畳んでいく訓正さん。
「ありがとうございます! お金出しときますね」
「あっ、私がしておくよ・・・。 3万円からでいいかな?」
「うん! ありがと。 俺達絶対成功させるから見ててね! 敦志も山内も頑張るから!」
『敦志』と聞いて顔が赤くなった森山さんだが、その分嬉しさが込み上げて来たのだろう。
「う、うん! 楽しみにしてるね!」
笑顔を咲かせて言った。
「おーし、これで運べるぞ! 組み立てるのはこれの逆だからな!」
「ありがとうございます」
三石は、袋に詰められたドラムセットを抱えて店内を飛び出した。
「えっと、お願いします」
「兄ちゃん、ベースか。 似合うね」
「は、はい! ありがとうございます」
「アンプとストラップはオマケしておくからな」
「んじゃ、代金ちょうど三万円で!」
「どうぞ」
僕は三万円を渡す。
「君達は、きっと最高のバンドを結成するだろうね。 私も是非とも観に行きたいが、娘に託すよ。 是非、頑張ってくれ」
「はい。 ありがとうございます。 頑張ります」
「それじゃあ、また何かあったら来てくれよ」
「分かりました。 では」
ペコリと頭を下げて、僕は出ていった。
店内から出ると、涼しい風が僕の肌を打った。
「ごめん、待たせましたね。 行きましょうか?」
「なんで敬語なんだァ?」
「いや、黒沢さん、先輩ですから」
「いやいや、黒沢さんはギターパイセンだろ?」
「ギターパイセンか・・・。 悪くねェな」
「ですよね! これからよろしくお願いしますよ! パイセン!」
三石や敦志が楽しそうに言う。
僕も楽しもう。
「これからよろしくお願いします。 パイセン!」
「おっ、親しげになってくれたじゃねェか! 山内! ベースマスターにしてやるよ」
「なんすか?! 俺もしてくださいよ! ギターマスターに!」
「俺もしてください! ドラムマスターに!」
「んじゃ、俺についてこい!」
「「イエッサー!! パイセン!!」」
「い、イエッサー?」
なんだろう、このノリと少し思ったが、別にいいと思った。
僕は楽しもう。
これから、楽しいことがいっぱい起こるぞ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

Bグループの少年

櫻井春輝
青春
 クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?

四条雪乃は結ばれたい。〜深窓令嬢な学園で一番の美少女生徒会長様は、不良な彼に恋してる。〜

八木崎(やぎさき)
青春
「どうしようもないくらいに、私は貴方に惹かれているんですよ?」 「こんなにも私は貴方の事を愛しているのですから。貴方もきっと、私の事を愛してくれるのでしょう?」 「だからこそ、私は貴方と結ばれるべきなんです」 「貴方にとっても、そして私にとっても、お互いが傍にいてこそ、意味のある人生になりますもの」 「……なら、私がこうして行動するのは、当然の事なんですよね」 「だって、貴方を愛しているのですから」  四条雪乃は大企業のご令嬢であり、学園の生徒会長を務める才色兼備の美少女である。  華麗なる美貌と、卓越した才能を持ち、学園中の生徒達から尊敬され、また憧れの人物でもある。  一方、彼女と同じクラスの山田次郎は、彼女とは正反対の存在であり、不良生徒として周囲から浮いた存在である。  彼は学園の象徴とも言える四条雪乃の事を苦手としており、自分が不良だという自己認識と彼女の高嶺の花な存在感によって、彼女とは距離を置くようにしていた。  しかし、ある事件を切っ掛けに彼と彼女は関わりを深める様になっていく。  だが、彼女が見せる積極性、価値観の違いに次郎は呆れ、困り、怒り、そして苦悩する事になる。 「ねぇ、次郎さん。私は貴方の事、大好きですわ」 「そうか。四条、俺はお前の事が嫌いだよ」  一方的な感情を向けてくる雪乃に対して、次郎は拒絶をしたくても彼女は絶対に諦め様とはしない。  彼女の深過ぎる愛情に困惑しながら、彼は今日も身の振り方に苦悩するのであった。

処理中です...