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第3章 選択の文化祭とすれ違う思惑 ~友のために、自分のために~
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出会いって凄いなと僕は思った。
最近、恋愛小説を読んでいる。
内容は、小学校の時の初恋の人に高校生になって出会ったという内容だ。
お互いの成長にドキマギしながら惹かれ合う・・・そんな素敵な内容だ。
まぁ、今の親友に起こっている出来事はその内容と似ていると思っている。
中学以来出会っていなくて、そして2日前に出会った。
お互い色々と成長していて、文化祭に会おうと約束を交わして。
・・・いくらなんでも早すぎじゃない?
目の前には、敦志の友達(仮)である森山さんが居る。
しかも、彼女のお父さんの手伝いをしに来たと言う。
なんていい子だろうなと僕は思う。
「た、高橋君・・・。 そのギターにするんだね」
「お、おう。 なんかカッコいいなって思ってな」
「そ、そうなんだ。 わ、私もかっのいいとおもふ・・・」
2回も噛んでしまった森山さんは、赤い顔をしながら俯いた。
敦志はどうフォローしたら良いのかとワタワタしている。
僕はあんまり戸惑うんじゃないよと心の中で呟きながら、クルリと三石の方を向いた。
「おっ、サマになってるね! 三石っぽいや」
「でしょでしょー! 全部セットで2万円だよ! 安いね!」
そういいながら、適当にドラムを叩く三石は、凄く楽しそうにしている。
「山内は紺色のベースなんだね。 クールでいいね!」
「そうかな? 僕はとりあえず一番性能がいいのはどれですかって黒沢さんに聞いたからね。 それでこれが初心者にはオススメって言われたからこれにしたんだ」
「あっ、敦志はあの赤いギターだね! そういや、前にMISHIHANAで皆でご飯食べたときに、
三島さんがちょこっとだけだけど楽器を出来るって言ってたから」
「へぇ~、そうなんだ。 いざとなれば教えてもらうのもありだね」
「そうだねっ、それにしても・・・黒沢さん、何ニヤニヤしているんですか?」
レジの横で足を組んでニヤニヤしながら敦志を見ている黒沢さん。
理由は概ね検討がつくが・・・。
「ん? あァ、高橋青春してるなァって思ってよ。 いいなァ、俺も彼女出来ねェかなァ」
「黒沢センパイ?! どういう勘違いしてるンすか?! 付き合ってませんよ!?」
「ンア? じゃあどういう関係・・・。 あ、アレな関係か。 お前ら、もしかしてアダ・・・」
「ハイハイハイ!!! それ以上は言わないでくださいね! 違いますから!」
「黒沢さんも脳内お花畑なんだね・・・」
「いやいや、お前らも人の事言えねぇからな? こないだだって似たような事言ってたし、やったろ?」
確かに僕らは敦志に恋愛成就のパフェを食べさせたし、色々とかなり言わせた。
でも、『ベットイン早すぎだろ』って言ってたあの言葉は僕は忘れたとは言わせない。
アレの腹いせだ。
「・・・ま、まぁ、恋愛もほどほどにな。 お前ら、早く買わねェと練習出来ないぜ?」
黒沢さんはお先にと言って、スタスタと店内をでていこうとする。
「あっ、ちょ、待ってくださいよ! んじゃ、このギターとアンプください!」
敦志が早々に支払いを開始する。
「あいよ! チューナーとピックとケースとストラップはオマケで付けておくからな! んじゃ、2万6000円」
「これでお願いします」
そういって敦志は諭吉3枚をだして、野口4枚とケースに入ったギターを担いで、
「んじゃ、黒沢センパイと話しておく」
と言って、出ていった。
その際に、森山さんが、
「た、高橋君。 そ・・・の、また、来てね」
と上目遣いで言い、敦志はおうと言って、頭を掻きながら出ていった。
照れてる照れてる。
「あっ、じゃあ、俺もお支払い出来ますか~?」
「おう、このドラムは折り畳み式だからすぐに持って帰れるぞ! その代わりちょっと重いけど、根性で頑張れ!」
テキパキと折り畳んでいく訓正さん。
「ありがとうございます! お金出しときますね」
「あっ、私がしておくよ・・・。 3万円からでいいかな?」
「うん! ありがと。 俺達絶対成功させるから見ててね! 敦志も山内も頑張るから!」
『敦志』と聞いて顔が赤くなった森山さんだが、その分嬉しさが込み上げて来たのだろう。
「う、うん! 楽しみにしてるね!」
笑顔を咲かせて言った。
「おーし、これで運べるぞ! 組み立てるのはこれの逆だからな!」
「ありがとうございます」
三石は、袋に詰められたドラムセットを抱えて店内を飛び出した。
「えっと、お願いします」
「兄ちゃん、ベースか。 似合うね」
「は、はい! ありがとうございます」
「アンプとストラップはオマケしておくからな」
「んじゃ、代金ちょうど三万円で!」
「どうぞ」
僕は三万円を渡す。
「君達は、きっと最高のバンドを結成するだろうね。 私も是非とも観に行きたいが、娘に託すよ。 是非、頑張ってくれ」
「はい。 ありがとうございます。 頑張ります」
「それじゃあ、また何かあったら来てくれよ」
「分かりました。 では」
ペコリと頭を下げて、僕は出ていった。
店内から出ると、涼しい風が僕の肌を打った。
「ごめん、待たせましたね。 行きましょうか?」
「なんで敬語なんだァ?」
「いや、黒沢さん、先輩ですから」
「いやいや、黒沢さんはギターパイセンだろ?」
「ギターパイセンか・・・。 悪くねェな」
「ですよね! これからよろしくお願いしますよ! パイセン!」
三石や敦志が楽しそうに言う。
僕も楽しもう。
「これからよろしくお願いします。 パイセン!」
「おっ、親しげになってくれたじゃねェか! 山内! ベースマスターにしてやるよ」
「なんすか?! 俺もしてくださいよ! ギターマスターに!」
「俺もしてください! ドラムマスターに!」
「んじゃ、俺についてこい!」
「「イエッサー!! パイセン!!」」
「い、イエッサー?」
なんだろう、このノリと少し思ったが、別にいいと思った。
僕は楽しもう。
これから、楽しいことがいっぱい起こるぞ。
最近、恋愛小説を読んでいる。
内容は、小学校の時の初恋の人に高校生になって出会ったという内容だ。
お互いの成長にドキマギしながら惹かれ合う・・・そんな素敵な内容だ。
まぁ、今の親友に起こっている出来事はその内容と似ていると思っている。
中学以来出会っていなくて、そして2日前に出会った。
お互い色々と成長していて、文化祭に会おうと約束を交わして。
・・・いくらなんでも早すぎじゃない?
目の前には、敦志の友達(仮)である森山さんが居る。
しかも、彼女のお父さんの手伝いをしに来たと言う。
なんていい子だろうなと僕は思う。
「た、高橋君・・・。 そのギターにするんだね」
「お、おう。 なんかカッコいいなって思ってな」
「そ、そうなんだ。 わ、私もかっのいいとおもふ・・・」
2回も噛んでしまった森山さんは、赤い顔をしながら俯いた。
敦志はどうフォローしたら良いのかとワタワタしている。
僕はあんまり戸惑うんじゃないよと心の中で呟きながら、クルリと三石の方を向いた。
「おっ、サマになってるね! 三石っぽいや」
「でしょでしょー! 全部セットで2万円だよ! 安いね!」
そういいながら、適当にドラムを叩く三石は、凄く楽しそうにしている。
「山内は紺色のベースなんだね。 クールでいいね!」
「そうかな? 僕はとりあえず一番性能がいいのはどれですかって黒沢さんに聞いたからね。 それでこれが初心者にはオススメって言われたからこれにしたんだ」
「あっ、敦志はあの赤いギターだね! そういや、前にMISHIHANAで皆でご飯食べたときに、
三島さんがちょこっとだけだけど楽器を出来るって言ってたから」
「へぇ~、そうなんだ。 いざとなれば教えてもらうのもありだね」
「そうだねっ、それにしても・・・黒沢さん、何ニヤニヤしているんですか?」
レジの横で足を組んでニヤニヤしながら敦志を見ている黒沢さん。
理由は概ね検討がつくが・・・。
「ん? あァ、高橋青春してるなァって思ってよ。 いいなァ、俺も彼女出来ねェかなァ」
「黒沢センパイ?! どういう勘違いしてるンすか?! 付き合ってませんよ!?」
「ンア? じゃあどういう関係・・・。 あ、アレな関係か。 お前ら、もしかしてアダ・・・」
「ハイハイハイ!!! それ以上は言わないでくださいね! 違いますから!」
「黒沢さんも脳内お花畑なんだね・・・」
「いやいや、お前らも人の事言えねぇからな? こないだだって似たような事言ってたし、やったろ?」
確かに僕らは敦志に恋愛成就のパフェを食べさせたし、色々とかなり言わせた。
でも、『ベットイン早すぎだろ』って言ってたあの言葉は僕は忘れたとは言わせない。
アレの腹いせだ。
「・・・ま、まぁ、恋愛もほどほどにな。 お前ら、早く買わねェと練習出来ないぜ?」
黒沢さんはお先にと言って、スタスタと店内をでていこうとする。
「あっ、ちょ、待ってくださいよ! んじゃ、このギターとアンプください!」
敦志が早々に支払いを開始する。
「あいよ! チューナーとピックとケースとストラップはオマケで付けておくからな! んじゃ、2万6000円」
「これでお願いします」
そういって敦志は諭吉3枚をだして、野口4枚とケースに入ったギターを担いで、
「んじゃ、黒沢センパイと話しておく」
と言って、出ていった。
その際に、森山さんが、
「た、高橋君。 そ・・・の、また、来てね」
と上目遣いで言い、敦志はおうと言って、頭を掻きながら出ていった。
照れてる照れてる。
「あっ、じゃあ、俺もお支払い出来ますか~?」
「おう、このドラムは折り畳み式だからすぐに持って帰れるぞ! その代わりちょっと重いけど、根性で頑張れ!」
テキパキと折り畳んでいく訓正さん。
「ありがとうございます! お金出しときますね」
「あっ、私がしておくよ・・・。 3万円からでいいかな?」
「うん! ありがと。 俺達絶対成功させるから見ててね! 敦志も山内も頑張るから!」
『敦志』と聞いて顔が赤くなった森山さんだが、その分嬉しさが込み上げて来たのだろう。
「う、うん! 楽しみにしてるね!」
笑顔を咲かせて言った。
「おーし、これで運べるぞ! 組み立てるのはこれの逆だからな!」
「ありがとうございます」
三石は、袋に詰められたドラムセットを抱えて店内を飛び出した。
「えっと、お願いします」
「兄ちゃん、ベースか。 似合うね」
「は、はい! ありがとうございます」
「アンプとストラップはオマケしておくからな」
「んじゃ、代金ちょうど三万円で!」
「どうぞ」
僕は三万円を渡す。
「君達は、きっと最高のバンドを結成するだろうね。 私も是非とも観に行きたいが、娘に託すよ。 是非、頑張ってくれ」
「はい。 ありがとうございます。 頑張ります」
「それじゃあ、また何かあったら来てくれよ」
「分かりました。 では」
ペコリと頭を下げて、僕は出ていった。
店内から出ると、涼しい風が僕の肌を打った。
「ごめん、待たせましたね。 行きましょうか?」
「なんで敬語なんだァ?」
「いや、黒沢さん、先輩ですから」
「いやいや、黒沢さんはギターパイセンだろ?」
「ギターパイセンか・・・。 悪くねェな」
「ですよね! これからよろしくお願いしますよ! パイセン!」
三石や敦志が楽しそうに言う。
僕も楽しもう。
「これからよろしくお願いします。 パイセン!」
「おっ、親しげになってくれたじゃねェか! 山内! ベースマスターにしてやるよ」
「なんすか?! 俺もしてくださいよ! ギターマスターに!」
「俺もしてください! ドラムマスターに!」
「んじゃ、俺についてこい!」
「「イエッサー!! パイセン!!」」
「い、イエッサー?」
なんだろう、このノリと少し思ったが、別にいいと思った。
僕は楽しもう。
これから、楽しいことがいっぱい起こるぞ。
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