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第2章 夏休みと青春 ~バイト尽くしの常夏!職は違えど楽しさは同じ!~
29時間目 成長と感動の夏
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現在時刻は22時。
かき氷をムシャムシャしていた三石も白咲さんもかなりペースが落ちてきている。
「やべぇな、全然減らないな・・・」
半分ほど全員で食べたとはいえ、まだまだあるよ!と言わんばかりにかき氷の山が目の前にある。
なにこれ、やべぇって、俺なんて見ただけで吐きそうになってるもん。
やべぇって。
やべぇを心のなかで連呼しながらため息をつく。
「ね、本当にこれはヤバイな。 白膠さんどれだけ作ってんのって、なるよ?」
山内も、俺と同じらしい。
よかった仲間がいた。
「ぬわぁ、なんとか半分か・・・。 これでやっと冷凍庫に収まる」
俺はちらりと右方向を見る。
山内の顔を見ているんじゃない。
その奥のばかでかい冷蔵庫を見ているんだ。
俺の家の冷蔵庫を一回り大きくした巨大な冷蔵庫がそこにはあった。
「白膠さん・・・ かき氷作りすぎだろ・・・」
「もうお腹いっぱいごちそうさまでしたー」
「いやいや、三石、僕ら敦志ん家出る前にアイス食べたよね? 覚えてる?」
「えー? あれじゃお腹が満たされないもんー」
「おい。 アイスは腹満たすために食べるんじゃねぇよ。 つーか、白咲さんの真似して語尾をあげるな」
「えー」
唇を尖らせながらいう三石。
そんな顔されても可愛く・・・いや、ごめんね。 くっそ可愛いじゃねぇか。
「皆、かき氷食べてくれてありがとうなのー!」
「どういたしまして」
「あはは・・・」
「こちらこそなのー!」
三石、あざといのやめろ。
お前がやっても、可愛・・・いいじゃねぇか。
「じゃ、そろそろ僕らはお暇します。 ありがとうございました。 お疲れさまですー」
山内が帰ろうと階段を降りようとしたところで、
「あ、お前らァー?」
黒沢センパイの声が聞こえた。
「なんすか?」
「これ」
それは、給料袋だった。
しかも3人分。
「えっ?」
「えっと、これは?」
「あン? 給料だ。アホ。 今日はお疲れさん。 もうすぐ夏休み終わるだろォ? ボーナスだ」
「いやいや、受け取れませんって! そんなの!」
「さっさと受け取りやがれ。 高嶋」
「高橋です! 受け取れま・・・」
そのときの黒沢センパイの目は、なにか優しかった。
口悪いし、目が怖いし、なんだか度胸ある先輩だなと思ってたけど。
やっぱりこの人は・・・。
俺を。
信頼してくれている。
「受けとります。 ありがとうございます」
俺は3人分の封筒を受け取り、黒沢家を後にした。
そして、俺の家にて、皆で、その封筒を開けた。
「うっお・・・。 マジかよ」
そこには対して生活に困っていない俺に向ける優しさだろうか。
センパイとしての威厳だろうか。
分からないけど諭吉1枚と手紙が入っていた。
三石も山内も、同様に手紙と諭吉1枚ずつ入っていた。
「なにこれ? 本当に臨時給料じゃん」
とはしゃぐ三石。
「まさか本当にくれるなんて・・・。 ありがとうございます」
「ああ、すげぇな」
俺は感動した。
心を打たれた。
「手紙は・・・『高橋へ。 改まって、バイトに入ってくれてありがとう。 お前を初めて見たときは不良に絡まれていたときだった。 俺は面倒くせェから始めは助けなかった。けど、やっぱり助けてしまった。 体が勝手に動いたんだ。 あのとき、お前を助けてよかったよ。 これからもバイトを頑張ってくれ。 ーバイトリーダー 黒沢睡蓮ー』」
「・・・っ!!」
「ありがとうございます」
俺は黒沢センパイに助けられた。
本当に、この人は・・・。
凄い人だ。
「じゃ、僕が次読むね・・・ 『山内君へ。 いつもありがとう。 僕はバイトを始めてこの二週間が一番楽しかったです。 君は優しくて、面白くて、強くて、カッコいい。 そんな素敵な後輩に出会えてよかったです。 これからもバイトをよろしくね。 僕はこの日常が幸せです。 薔薇桃花より』」
「薔薇さん・・・ 僕の事そんな風に思ってくれてたのか。 ありがたい・・・」
山内の頬に涙がこぼれる。
「うう、二人とも泣かないで・・・えっと、『拝啓三石君へ。 いつも接客をどうもありがとう。 私はこの人生のなかで楽しみを一つ覚えました。 それは、君と居ることです。 一緒に買い物をして、接客をして、忙しいときに皆で笑いあった。 あの日々が思い出です。 夏休みが終わってもバイトに来てください 白咲菫 敬具』」
「ありがとう・・・ございます」
皆で泣いた。
俺も、山内も、三石も、涙で顔がぐちゃぐちゃだ。
かっこわりぃ。
けど、他人に必要とされるって、こういうことか。
この日、俺達は1歩前へと進んだ。
夏が、夏休みがもうすぐ終わる。
かき氷をムシャムシャしていた三石も白咲さんもかなりペースが落ちてきている。
「やべぇな、全然減らないな・・・」
半分ほど全員で食べたとはいえ、まだまだあるよ!と言わんばかりにかき氷の山が目の前にある。
なにこれ、やべぇって、俺なんて見ただけで吐きそうになってるもん。
やべぇって。
やべぇを心のなかで連呼しながらため息をつく。
「ね、本当にこれはヤバイな。 白膠さんどれだけ作ってんのって、なるよ?」
山内も、俺と同じらしい。
よかった仲間がいた。
「ぬわぁ、なんとか半分か・・・。 これでやっと冷凍庫に収まる」
俺はちらりと右方向を見る。
山内の顔を見ているんじゃない。
その奥のばかでかい冷蔵庫を見ているんだ。
俺の家の冷蔵庫を一回り大きくした巨大な冷蔵庫がそこにはあった。
「白膠さん・・・ かき氷作りすぎだろ・・・」
「もうお腹いっぱいごちそうさまでしたー」
「いやいや、三石、僕ら敦志ん家出る前にアイス食べたよね? 覚えてる?」
「えー? あれじゃお腹が満たされないもんー」
「おい。 アイスは腹満たすために食べるんじゃねぇよ。 つーか、白咲さんの真似して語尾をあげるな」
「えー」
唇を尖らせながらいう三石。
そんな顔されても可愛く・・・いや、ごめんね。 くっそ可愛いじゃねぇか。
「皆、かき氷食べてくれてありがとうなのー!」
「どういたしまして」
「あはは・・・」
「こちらこそなのー!」
三石、あざといのやめろ。
お前がやっても、可愛・・・いいじゃねぇか。
「じゃ、そろそろ僕らはお暇します。 ありがとうございました。 お疲れさまですー」
山内が帰ろうと階段を降りようとしたところで、
「あ、お前らァー?」
黒沢センパイの声が聞こえた。
「なんすか?」
「これ」
それは、給料袋だった。
しかも3人分。
「えっ?」
「えっと、これは?」
「あン? 給料だ。アホ。 今日はお疲れさん。 もうすぐ夏休み終わるだろォ? ボーナスだ」
「いやいや、受け取れませんって! そんなの!」
「さっさと受け取りやがれ。 高嶋」
「高橋です! 受け取れま・・・」
そのときの黒沢センパイの目は、なにか優しかった。
口悪いし、目が怖いし、なんだか度胸ある先輩だなと思ってたけど。
やっぱりこの人は・・・。
俺を。
信頼してくれている。
「受けとります。 ありがとうございます」
俺は3人分の封筒を受け取り、黒沢家を後にした。
そして、俺の家にて、皆で、その封筒を開けた。
「うっお・・・。 マジかよ」
そこには対して生活に困っていない俺に向ける優しさだろうか。
センパイとしての威厳だろうか。
分からないけど諭吉1枚と手紙が入っていた。
三石も山内も、同様に手紙と諭吉1枚ずつ入っていた。
「なにこれ? 本当に臨時給料じゃん」
とはしゃぐ三石。
「まさか本当にくれるなんて・・・。 ありがとうございます」
「ああ、すげぇな」
俺は感動した。
心を打たれた。
「手紙は・・・『高橋へ。 改まって、バイトに入ってくれてありがとう。 お前を初めて見たときは不良に絡まれていたときだった。 俺は面倒くせェから始めは助けなかった。けど、やっぱり助けてしまった。 体が勝手に動いたんだ。 あのとき、お前を助けてよかったよ。 これからもバイトを頑張ってくれ。 ーバイトリーダー 黒沢睡蓮ー』」
「・・・っ!!」
「ありがとうございます」
俺は黒沢センパイに助けられた。
本当に、この人は・・・。
凄い人だ。
「じゃ、僕が次読むね・・・ 『山内君へ。 いつもありがとう。 僕はバイトを始めてこの二週間が一番楽しかったです。 君は優しくて、面白くて、強くて、カッコいい。 そんな素敵な後輩に出会えてよかったです。 これからもバイトをよろしくね。 僕はこの日常が幸せです。 薔薇桃花より』」
「薔薇さん・・・ 僕の事そんな風に思ってくれてたのか。 ありがたい・・・」
山内の頬に涙がこぼれる。
「うう、二人とも泣かないで・・・えっと、『拝啓三石君へ。 いつも接客をどうもありがとう。 私はこの人生のなかで楽しみを一つ覚えました。 それは、君と居ることです。 一緒に買い物をして、接客をして、忙しいときに皆で笑いあった。 あの日々が思い出です。 夏休みが終わってもバイトに来てください 白咲菫 敬具』」
「ありがとう・・・ございます」
皆で泣いた。
俺も、山内も、三石も、涙で顔がぐちゃぐちゃだ。
かっこわりぃ。
けど、他人に必要とされるって、こういうことか。
この日、俺達は1歩前へと進んだ。
夏が、夏休みがもうすぐ終わる。
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