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第2章 夏休みと青春 ~バイト尽くしの常夏!職は違えど楽しさは同じ!~
26・5時間目 複雑な気分
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僕は、まさかあの少女に出会うなんて思っていなかった。
親友が自分を心配してくれていてそれを知った今は、とても気分が良い。
走りながら僕は思う。
この友情を彼女には壊させないと。
ー数十分前ー
「いやぁ・・・ 何する?」
僕は敦志ん家のソファに座り、まだ残っているプリッツを食べながら、呟いた。
お菓子を食べ、会話を楽しみ、トランプをして三石の罰ゲームに楽しみ(僕だけだけど)、それから映画を観てその間に少し寝てしまった。
映画の内容は・・・忘れた。
それでもまだ21時なのだ。
時間はゆっくり進む。
「そうだな。 あ、俺コンビニでアイス買ってくる。 欲しいものあったら言ってくれよ」
アイスか、僕はそう呟き、大好きなアイスを連想した。
「俺はスーパーカップー! 敦志よろしくー!」
ピューンと三石が2階に凄い速さで降りていった。
マジかー。
三石、僕らに買わす気だな。
「ハァ・・・ 山内、一緒に行くか」
敦志がため息混じりにそういった。
「うん。 僕もアイスを買おうっと」
僕は小銭をポケットに入れて敦志の部屋を出た。
敦志は冷蔵庫を勝手に漁っていた三石にチョップをかまして、三石はその抗議をいれる。
人の家の冷蔵庫を勝手に漁るって・・・。
ちょっとヤバイな。
僕は苦笑いをした。
この光景がやけに楽しい。
三石が痛いと抗議の声を上げ、敦志はそれを無視して、僕はついていくんだけど、関係無いことに、夏の夜道は結構涼しかった。
「三石アイツ、人の家の冷蔵庫を勝手に漁るとかどんな神経してんだよ・・・」
敦志がそうぼやく。
またため息を混じらせて。
僕は、その意見には同感なので、
「まぁ、人の家の冷蔵庫を勝手に漁るのはよくないね」
と言ってクスクスと笑った。
そして、敦志の家からすぐ近くと言っていたコンビニに着いた。
実際距離はもっとあるんでしょと思っていたが、全然だった。
店内に入るとレジにいたお姉さんが敦志に声をかけた。
敦志も返事をする。
聞くところ、彼女は敦志のバイト先の先輩のようだ。
「あら? 後ろの子はお友達? イケメンさんねぇ・・・。 いいわねぇ・・・ 企業にモテそうだわ・・・」
神谷さんと呼ばれる女性が僕を見てそういった。
僕は敬意を表して挨拶をする。
「あはは・・・。 初めまして。 高橋君の友達です。 山内裕太って言います」
しかし、企業にモテそうか。
僕は心のなかでガッツポーズを取った。
誰にも気づかれずに。
そして、彼女に握手を求めた。
『社会人の一歩はコミュニケーションだ』
と、なにかの番組で言っていた気がする。
握手に神谷さんは応じてくれた。
彼女の顔に笑顔が咲いた。
敦志と神谷さんの会話を聞いているとどうやら、神谷さんはなかなか仕事上手な人なんだと僕は思った。
今度会ったら仕事の秘訣を聞いてみようと思った。
敦志と神谷さんの会話も落ち着き、そろそろアイスコーナーに向かおうとして、後ろ、ドアの方向に向いたときだった。
僕の顔色が変わったのと、店内に開閉音が響き渡ったのは同時だった。
なんで、ここに居るんだ。
と思う疑う心。
いや、偶々だよなと思う心。
Tシャツに短パン、以下にも夏を満喫している女子がそこにいた。
顔は普通に整っていて可愛いと思う。
けれど、僕にはなにか嫌気が差す。
宮浦加奈。
通称・カナ
僕の幼馴染み。
ドクンドクン・・・ズキン。
痛い。
心臓が痛い。
「あ! 裕太くーん! 奇遇ぅー! こんな所で会うなんてー!」
甲高い媚びるようなしゃべり方。
僕は無視するわけにもいかず、やっとの思いで言葉を発した。
「あ、ああ、カナ・・・。 ひ、久し振り」
カナは久し振りという言葉が気に入らなかったのか、それとも僕が敦志と居るのが気に入らなかったのか解らないけど、
「どうしたのー? 暗いよー! あ、この目付き悪いのが裕太君に何かしたの?」
いや、後者だった。
僕は怒りを少し覚えた。
『目付きの悪い』か。
敦志は普通の人と比べれば、目付きが鋭い。
だが、僕にとっては羨ましい。
信念と勇気を灯していると思っているから。
だが、ここで怒りを出すことは出来ない。
だから、
「してないよ、あのさ」
『友達を悪くは言わないで』と言おうとした僕の言葉は、カナの甲高い声に掻き消された。
「ひっどーい。 いつも裕太君に絡んでくるもんね。 カナ腹が立つぅ」
ドクンドクン・・・ズキンズキン。
痛い。
僕はさすがに我慢が出来なかった。
だが、それを押さえようとする最後の理性が僕の口を開けさせた。
「あのさ、カナ」
『僕の親友を傷つけることは言わないで、僕にとっての大切な親友だから』と言おうとした言葉はさっきから出てくる痛みによって別の物に変化された。
これは、ただの怒りじゃない。
他人を傷つける。
それは、してはいけないこと。
分かっている。
知っている。
それでどうなったか。
でも、僕はさすがにもう我慢が出来なかった。
親友を傷つけられて、普段なら、普通の人なら、やめてよと冗談を交えて真剣な表情を送れば分かってくれた。
だけど、彼女は違った。
僕は封印していた言葉の錠を開けた。
怒りが、言葉を変えた。
「カナ。 いい加減にしてくれる?」
その瞬間、敦志からはビクッとしたような気配が、カナは顔を固まらせていた。
「敦志は別に僕になにかしたわけじゃないし、確かに目付きが少し悪いけどそれがどうしたの? 別にいいじゃないか。 この際だから言っておくけど、僕はカナのその媚びたしゃべり方が嫌いだ。 そして、敦志の事を今後一切悪く言わないでくれ。 いくら君が幼馴染みとは言え、親友を悪くいうことは僕が許さない」
僕は封印していた怒りを、親友への感謝を、傷つける言葉を全て発した。
自分でも長々と喋ったことに少し驚く。
「分かった?」
と、追い討ちをかける。
カナは悔しそうに歯軋りをしながら背中を見せて帰っていった。
僕は遠回しにこういったのだ。
『もう二度と僕と親友には近づくな』と。
数秒の沈黙が流れて、僕の怒りは落ち着いていた。
「・・・っと、ごめんなさい、敦志、アイス買って帰ろうか、三石が待ってる」
僕は普段の口調で言った。
僕はアイスコーナーに行き、ピノを買った。
敦志もきっと三石用なのだろう。
自身のアイスともうひとつ買っていた。
コンビニを出てから少し沈黙があった。
それを破ったのは敦志だった。
「なぁ、山内。 お前もしかして、あのカナって子にあとをつけられているのか?」
僕はそうかもしれないと言いかけた。
カナは確かにストーカー気質がある。
僕が中学生の頃、付き合っていた子とは険悪だったし、彼女は3年生になってからはしつこく志望校を聞いてきた。
でも、やはり幼馴染みだ。
信じたい。
もし、そうだったとしてもカナは僕が対処できるはずだ。
親友をヘタに私情に巻き込みたくない。
「いや、違う・・・よ。 カナとは聞こえたかもしれないけど小学校から一緒にいる幼馴染みでね。 普通に可愛いし、スタイルもいいんだけど、かなり重たいところがあってね・・・」
そう語りながら、僕は顔に影を作っているんだろう。
「あのさ・・・」
敦志が呟く。
僕は敦志の方を見る。
「俺に、俺たちに、相談してくれよな・・・。 なにか力になるからさ・・・。 親友が、傷つくところを黙って見てるわけには行かねぇからさ」
僕は泣きそうになった。
親友が、本当の心の底から信じてくれる友達がいなかった僕は、初めてこんな気持ちになった。
僕はその気持ちを悟られないためにうつむいた。
そして、顔をあげ、敦志の方を見てから笑って言った。
「ありがとう、それは頼りになる」
全然優等生っぽくないその言葉は僕の心に灯りが灯った。
「さあ、走ろ! 三石が待ってるよ!」
僕は思った。
ー
「ハァハァハァ・・・ ひ、久し振りに走ると疲れるね」
タッタッタと音が聞こえる。
「お前な・・・急に俺の事引っ張って途中で置いていくって、どういう考えしてんだよ」
「あははっ・・・ ごめん、ごめん」
僕は本当に笑顔になりながら、敦志の家に入ったのだった。
親友が自分を心配してくれていてそれを知った今は、とても気分が良い。
走りながら僕は思う。
この友情を彼女には壊させないと。
ー数十分前ー
「いやぁ・・・ 何する?」
僕は敦志ん家のソファに座り、まだ残っているプリッツを食べながら、呟いた。
お菓子を食べ、会話を楽しみ、トランプをして三石の罰ゲームに楽しみ(僕だけだけど)、それから映画を観てその間に少し寝てしまった。
映画の内容は・・・忘れた。
それでもまだ21時なのだ。
時間はゆっくり進む。
「そうだな。 あ、俺コンビニでアイス買ってくる。 欲しいものあったら言ってくれよ」
アイスか、僕はそう呟き、大好きなアイスを連想した。
「俺はスーパーカップー! 敦志よろしくー!」
ピューンと三石が2階に凄い速さで降りていった。
マジかー。
三石、僕らに買わす気だな。
「ハァ・・・ 山内、一緒に行くか」
敦志がため息混じりにそういった。
「うん。 僕もアイスを買おうっと」
僕は小銭をポケットに入れて敦志の部屋を出た。
敦志は冷蔵庫を勝手に漁っていた三石にチョップをかまして、三石はその抗議をいれる。
人の家の冷蔵庫を勝手に漁るって・・・。
ちょっとヤバイな。
僕は苦笑いをした。
この光景がやけに楽しい。
三石が痛いと抗議の声を上げ、敦志はそれを無視して、僕はついていくんだけど、関係無いことに、夏の夜道は結構涼しかった。
「三石アイツ、人の家の冷蔵庫を勝手に漁るとかどんな神経してんだよ・・・」
敦志がそうぼやく。
またため息を混じらせて。
僕は、その意見には同感なので、
「まぁ、人の家の冷蔵庫を勝手に漁るのはよくないね」
と言ってクスクスと笑った。
そして、敦志の家からすぐ近くと言っていたコンビニに着いた。
実際距離はもっとあるんでしょと思っていたが、全然だった。
店内に入るとレジにいたお姉さんが敦志に声をかけた。
敦志も返事をする。
聞くところ、彼女は敦志のバイト先の先輩のようだ。
「あら? 後ろの子はお友達? イケメンさんねぇ・・・。 いいわねぇ・・・ 企業にモテそうだわ・・・」
神谷さんと呼ばれる女性が僕を見てそういった。
僕は敬意を表して挨拶をする。
「あはは・・・。 初めまして。 高橋君の友達です。 山内裕太って言います」
しかし、企業にモテそうか。
僕は心のなかでガッツポーズを取った。
誰にも気づかれずに。
そして、彼女に握手を求めた。
『社会人の一歩はコミュニケーションだ』
と、なにかの番組で言っていた気がする。
握手に神谷さんは応じてくれた。
彼女の顔に笑顔が咲いた。
敦志と神谷さんの会話を聞いているとどうやら、神谷さんはなかなか仕事上手な人なんだと僕は思った。
今度会ったら仕事の秘訣を聞いてみようと思った。
敦志と神谷さんの会話も落ち着き、そろそろアイスコーナーに向かおうとして、後ろ、ドアの方向に向いたときだった。
僕の顔色が変わったのと、店内に開閉音が響き渡ったのは同時だった。
なんで、ここに居るんだ。
と思う疑う心。
いや、偶々だよなと思う心。
Tシャツに短パン、以下にも夏を満喫している女子がそこにいた。
顔は普通に整っていて可愛いと思う。
けれど、僕にはなにか嫌気が差す。
宮浦加奈。
通称・カナ
僕の幼馴染み。
ドクンドクン・・・ズキン。
痛い。
心臓が痛い。
「あ! 裕太くーん! 奇遇ぅー! こんな所で会うなんてー!」
甲高い媚びるようなしゃべり方。
僕は無視するわけにもいかず、やっとの思いで言葉を発した。
「あ、ああ、カナ・・・。 ひ、久し振り」
カナは久し振りという言葉が気に入らなかったのか、それとも僕が敦志と居るのが気に入らなかったのか解らないけど、
「どうしたのー? 暗いよー! あ、この目付き悪いのが裕太君に何かしたの?」
いや、後者だった。
僕は怒りを少し覚えた。
『目付きの悪い』か。
敦志は普通の人と比べれば、目付きが鋭い。
だが、僕にとっては羨ましい。
信念と勇気を灯していると思っているから。
だが、ここで怒りを出すことは出来ない。
だから、
「してないよ、あのさ」
『友達を悪くは言わないで』と言おうとした僕の言葉は、カナの甲高い声に掻き消された。
「ひっどーい。 いつも裕太君に絡んでくるもんね。 カナ腹が立つぅ」
ドクンドクン・・・ズキンズキン。
痛い。
僕はさすがに我慢が出来なかった。
だが、それを押さえようとする最後の理性が僕の口を開けさせた。
「あのさ、カナ」
『僕の親友を傷つけることは言わないで、僕にとっての大切な親友だから』と言おうとした言葉はさっきから出てくる痛みによって別の物に変化された。
これは、ただの怒りじゃない。
他人を傷つける。
それは、してはいけないこと。
分かっている。
知っている。
それでどうなったか。
でも、僕はさすがにもう我慢が出来なかった。
親友を傷つけられて、普段なら、普通の人なら、やめてよと冗談を交えて真剣な表情を送れば分かってくれた。
だけど、彼女は違った。
僕は封印していた言葉の錠を開けた。
怒りが、言葉を変えた。
「カナ。 いい加減にしてくれる?」
その瞬間、敦志からはビクッとしたような気配が、カナは顔を固まらせていた。
「敦志は別に僕になにかしたわけじゃないし、確かに目付きが少し悪いけどそれがどうしたの? 別にいいじゃないか。 この際だから言っておくけど、僕はカナのその媚びたしゃべり方が嫌いだ。 そして、敦志の事を今後一切悪く言わないでくれ。 いくら君が幼馴染みとは言え、親友を悪くいうことは僕が許さない」
僕は封印していた怒りを、親友への感謝を、傷つける言葉を全て発した。
自分でも長々と喋ったことに少し驚く。
「分かった?」
と、追い討ちをかける。
カナは悔しそうに歯軋りをしながら背中を見せて帰っていった。
僕は遠回しにこういったのだ。
『もう二度と僕と親友には近づくな』と。
数秒の沈黙が流れて、僕の怒りは落ち着いていた。
「・・・っと、ごめんなさい、敦志、アイス買って帰ろうか、三石が待ってる」
僕は普段の口調で言った。
僕はアイスコーナーに行き、ピノを買った。
敦志もきっと三石用なのだろう。
自身のアイスともうひとつ買っていた。
コンビニを出てから少し沈黙があった。
それを破ったのは敦志だった。
「なぁ、山内。 お前もしかして、あのカナって子にあとをつけられているのか?」
僕はそうかもしれないと言いかけた。
カナは確かにストーカー気質がある。
僕が中学生の頃、付き合っていた子とは険悪だったし、彼女は3年生になってからはしつこく志望校を聞いてきた。
でも、やはり幼馴染みだ。
信じたい。
もし、そうだったとしてもカナは僕が対処できるはずだ。
親友をヘタに私情に巻き込みたくない。
「いや、違う・・・よ。 カナとは聞こえたかもしれないけど小学校から一緒にいる幼馴染みでね。 普通に可愛いし、スタイルもいいんだけど、かなり重たいところがあってね・・・」
そう語りながら、僕は顔に影を作っているんだろう。
「あのさ・・・」
敦志が呟く。
僕は敦志の方を見る。
「俺に、俺たちに、相談してくれよな・・・。 なにか力になるからさ・・・。 親友が、傷つくところを黙って見てるわけには行かねぇからさ」
僕は泣きそうになった。
親友が、本当の心の底から信じてくれる友達がいなかった僕は、初めてこんな気持ちになった。
僕はその気持ちを悟られないためにうつむいた。
そして、顔をあげ、敦志の方を見てから笑って言った。
「ありがとう、それは頼りになる」
全然優等生っぽくないその言葉は僕の心に灯りが灯った。
「さあ、走ろ! 三石が待ってるよ!」
僕は思った。
ー
「ハァハァハァ・・・ ひ、久し振りに走ると疲れるね」
タッタッタと音が聞こえる。
「お前な・・・急に俺の事引っ張って途中で置いていくって、どういう考えしてんだよ」
「あははっ・・・ ごめん、ごめん」
僕は本当に笑顔になりながら、敦志の家に入ったのだった。
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