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第2章 夏休みと青春 ~バイト尽くしの常夏!職は違えど楽しさは同じ!~
21・5時間目 パーティーの楽しさ
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僕は、このパーティーに少し不満を抱えている。
ただ、勘違いしてほしくないのは、別にこのパーティーが楽しくないわけではない。
きっと、急に人が集まってきたのでかなりビックリしただけであろうと僕は、思っている。
考えてみよう。
僕と敦志と三石しか来ないと思っていたMISHIHANAに5人も人が集まってきた。
そりゃ、驚く。
誰だって予定と違うことが起きれば驚く。
僕は、こう見えて人が密集しているところが少し苦手だ。
僕がモテまくりすぎて、人が寄ってくる。
それは、人間の生存本能では、人が寄ってくる=殺される可能性が増えるということを本能で感じ取っていたからかもしれない。
だが、食べ物は美味しい。
「お肉、すごく美味しい」
薔薇さんが、箸を持っている手を止めるほどこの肉は柔らかくジューシーで、とても甘い。
肉なのに、甘味がある。
「おかわりいる人いるの~?」
と、白咲さんがおかわりを促す。
それに乗るように僕は、ご飯と肉の盛り合わせを貰う。
ほどよく焼かれたピーマンや、玉ねぎ。
それに負けないほどの肉。
そして、味の秘訣ともなるタレがかかっている。
少し食べてお腹が落ち着いたはずのに、また食材を求めて小腹が空いてきた。
「ぐうぅぅー」
僕のお腹がなった。
皆に聞こえるほどに。
僕はぽうと顔を赤くする。
「オウオウ、山内ィー! もっと食えェー!」
と、黒沢さんが僕に食べるように促し、肉を山盛りに持ってくる。
「ちょっと、大丈夫ですから」
「腹鳴ったろォー? まだ食える食える。 食え食えェェェー!」
ここは断る理由がないと判断したので、
「じゃ、ありがたく受けとります。 ありがとうございます」
「食っとけよ! 俺見てぇに痩せ細っちまうぞ!」
「睡蓮はガリガリなのー! たくさん食べて筋トレもしているはずなのに全然太らないのー!」
「睡蓮は、しょうがないよ。 未熟児で生まれたんだから。 だから、そのせいで目の色素が欠損しちゃっているからね。 なんだかかわいそうだよ」
未熟児かと僕は呟く。
そう言えば、知り合いに未熟児の子がいた気がする。
「そういや、薔薇さん」
と、敦志が薔薇さんに話しかける。
「Tシャツのサイズあってますか? ダボダボですよ」
「・・・」
突然、薔薇さんは俯いた。
わずかに見えている顔は赤面しているように見える。
黒沢さんがニヤニヤと笑っていた。
「実は、桃花はな、Tシャツ見栄はっtー」
突然、ドアがバタンと開いた。
なんだなんだと皆ドアの方を見る。
そこには、グレーの光沢のあるロングコートを身にまとった長身のウルフカットをしたお兄さんがたっていた。
ただ、勘違いしてほしくないのは、別にこのパーティーが楽しくないわけではない。
きっと、急に人が集まってきたのでかなりビックリしただけであろうと僕は、思っている。
考えてみよう。
僕と敦志と三石しか来ないと思っていたMISHIHANAに5人も人が集まってきた。
そりゃ、驚く。
誰だって予定と違うことが起きれば驚く。
僕は、こう見えて人が密集しているところが少し苦手だ。
僕がモテまくりすぎて、人が寄ってくる。
それは、人間の生存本能では、人が寄ってくる=殺される可能性が増えるということを本能で感じ取っていたからかもしれない。
だが、食べ物は美味しい。
「お肉、すごく美味しい」
薔薇さんが、箸を持っている手を止めるほどこの肉は柔らかくジューシーで、とても甘い。
肉なのに、甘味がある。
「おかわりいる人いるの~?」
と、白咲さんがおかわりを促す。
それに乗るように僕は、ご飯と肉の盛り合わせを貰う。
ほどよく焼かれたピーマンや、玉ねぎ。
それに負けないほどの肉。
そして、味の秘訣ともなるタレがかかっている。
少し食べてお腹が落ち着いたはずのに、また食材を求めて小腹が空いてきた。
「ぐうぅぅー」
僕のお腹がなった。
皆に聞こえるほどに。
僕はぽうと顔を赤くする。
「オウオウ、山内ィー! もっと食えェー!」
と、黒沢さんが僕に食べるように促し、肉を山盛りに持ってくる。
「ちょっと、大丈夫ですから」
「腹鳴ったろォー? まだ食える食える。 食え食えェェェー!」
ここは断る理由がないと判断したので、
「じゃ、ありがたく受けとります。 ありがとうございます」
「食っとけよ! 俺見てぇに痩せ細っちまうぞ!」
「睡蓮はガリガリなのー! たくさん食べて筋トレもしているはずなのに全然太らないのー!」
「睡蓮は、しょうがないよ。 未熟児で生まれたんだから。 だから、そのせいで目の色素が欠損しちゃっているからね。 なんだかかわいそうだよ」
未熟児かと僕は呟く。
そう言えば、知り合いに未熟児の子がいた気がする。
「そういや、薔薇さん」
と、敦志が薔薇さんに話しかける。
「Tシャツのサイズあってますか? ダボダボですよ」
「・・・」
突然、薔薇さんは俯いた。
わずかに見えている顔は赤面しているように見える。
黒沢さんがニヤニヤと笑っていた。
「実は、桃花はな、Tシャツ見栄はっtー」
突然、ドアがバタンと開いた。
なんだなんだと皆ドアの方を見る。
そこには、グレーの光沢のあるロングコートを身にまとった長身のウルフカットをしたお兄さんがたっていた。
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