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第2章 夏休みと青春 ~バイト尽くしの常夏!職は違えど楽しさは同じ!~

19時間目 親友たちのバイト姿がカッコよすぎです。 無気力状態の俺はなかなかそう思われない

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ポケ~。
俺はポケーとしている。
「なかなか今日は鳴らないですね。 センパーイ?」
「アン? お、そうだなァ・・・。 きっとここにあのおばさんが来たせいだな。チッ! やってくれたな。 あの人」
ムカつくと呟きながら、首をグルグルと回している黒沢センパイ。
俺は、あの日から黒沢さんの事をセンパイと呼ぶようになった。
不良から助けてもらった時のあの顔とクレーマーおばさんから助けてもらった時のあの顔。
かなり無気力でいかにも毎日ダルいと思っているあの人が、まるで「俺は人を殺す」と言うかのように獣のような顔をしていた。
「いやぁ、今日は暇ですね」
「そうだな。 客全然来ねェしな」
「そういや、センパイ。 彼女とか居るんスカ?」
「あ? 居るわけねェだろ」
「え~そうなんすか? 髪長いのはともかく顔っていうか見た目は結構カッコイイのに」
「それ、お前が言うか?」
「でも、そんなこと言って、一緒に暮らしている女の子とか居るんじゃないすか?」
「女か・・・」
(一応、白咲と、舞花が居るンだよな。 でも、そういう関係じゃねェし。
どちらかというと面倒な関係だよな。
女じゃねェけど桃花とか白膠とか居るし)
「ああ、居るな。 恋人とかじゃねェが。暮らしてる女は」
「えっ?!」
俺は驚いた。
恋人じゃ無かったら・・・。
もしかして!
「それって、結構アレアダルトなやつですか?」
「ああ、アレ面倒クセェなやつだな」
「マジすか・・・」
「マジマジ」
俺は睡蓮さんの意外な一面を知れた。
それにしても、
「全然お客さん来ないっすね」
「ああ、来ねェな」
            ー
「いらっしゃいませー」
「今日は人が多いなぁ・・・」
僕がバイトを初めてから、こんなにも人が来たのは初めてかも知れない。
多分、ほとんどのお客さんは、僕や薔薇さん目当てだろう。
「キャー! カッコイイ! 握手してください! LINE教えてください!」
と、僕に声がかかる。
「すみません。 今バイト中ですので・・・」
「声イケメンー!」
そして、右では、
「可愛いー! ここの店員さんなんでこんなに顔面偏差値高いのー! LINE交換しよう!」
「あ、あの、い、いま、ば、バイト・・だから、ご、ごめんなさい。 無理ですぅー」
薔薇さんは、凄いスピードで、2階に上がった。
僕の方へ視線が走る。
僕は、逃げるようにレジに走る。
だが、女の子の山は僕を取り囲んだ。
「LINE交換してください!」「バイト終わってから時間ある?」「高校生だよね?どこの高校?」「大学はどこに行くの?」と言った質問の山が飛んできた。
「え、と、LINEはすみません。 交換出来ません。 ですけど、バイト終わってから少しなら。お食事行きましょうか? 高校はすみません、言えません」
「「「「やったー!」」」」
僕は、なんとかバイトに集中しようとした。
僕は、とにかくレジで居た。
今月の売上凄く上がるだろうな。
「あ、薔薇さん。 お疲れ様です」
「お、お疲れ様、山内君。 僕もーだめぇー」
「何があったんですk・・・」
そこには、レジ前に女の子がゾロゾロと並んでいた。
増えてる?!
「しょ、薔薇さん、レジやってください! 僕ひとりじゃさばききれないからー!」
「ごめん。 もう1歩も歩けない」
「ウソでしょー!」
この後、バイトが終わってから、女の子にもみくちゃにされた。
どうやって帰ったのかは、覚えていない。
ただ、敦志が途中でいた気がする。
         ー
「カランカラン♪」
「いらっしゃいませ~なのー!」
「あ、白咲さん、おはようございます」
「みーいしくーん!おはようなのー!」
「おっ、おはよう。三石君。 さて、今日も頑張ろ」
「あら、おはよう。三石君。 昨日はありがとうね!」
「おはようございます。三島さん、花園さん」
「あら? 今日はいつもと服が違うじゃない? デート?」
俺は顔を真っ赤にして、言う。
「違いますよ! この後、敦志たちと会うんです。 ですから、ちゃんとした格好を・・・」
「いいじゃない。 似合ってるわよ」
「ふぇ? ありがとうございます」
「でも、何かが足りないわね・・・」
「楓さん、コート買いに行くのよね? 今日」
「そうだね?」
「三石君のも買ってあげて?」
「べ、別にいいけど・・・」
「じゃ、今日の営業終わってから三石君と買いに行ってね。 私は菫ちゃんと掃除しておくから」
「ありがとうございます。 頑張るぞー!」
         ー
「三石君ー! 5番テーブルに豆菓子セットを持って行ってー!」
「はい、分かりましたー! 7番さん終わらせてから行きますー!」
こんなにも人が来るとは俺は思わなかった。
どうやら、かなり可愛い店員がいると噂されていた。
「ひゃー! 忙しいな。 こんなに忙しくなったのは開店ぶりかも」
「そうね。 もうすぐゴールデンタイムが終わるからそろそろかしら」
「さて、やっと休憩ね。 お客さんも減ってきたし。 今日は大繁盛ね」

「お、お疲れ様です」
「お疲れ様なのー」
「さて、三石君、ちょっと休憩したら行こうか」
「はいっ!」
俺は三島さんに着いていき、服屋に行くことになった。
どんな服を買おうかな。
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