親友がリア充でモテまくりです。非リアの俺には気持ちが分からない

かがみもち

文字の大きさ
上 下
25 / 244
第2章 夏休みと青春 ~バイト尽くしの常夏!職は違えど楽しさは同じ!~

18・5時間目 偶然に次ぐ偶然

しおりを挟む
俺がクレーマーにオロオロしていた時、偶然に次ぐ偶然とはこの事だろうか。
山内も、なんとクレーマーに絡まれていた。
それは、俺がクレーマーに絡まれる30分前に遡る。
         ー
「いらっしゃいませー」
僕は、今日何度目かの開閉音をレジで聞き、お客さんを待っている。
僕に任された仕事はレジ打ち。
お客さんがレジに来ればバーコードを読み取り、合計金額を言い、そして、お代を受け取ってから商品を渡す。
これの繰り返しだ。
そして、暇が出来たら、僕は薔薇さんに話しかける。
「この本って、珍しいですね。 表紙がモノクロですよ!」
「あ、や、山内く、君。 お、お疲れさま。 そうなんだ。 実はこの本はあえて表紙をモノクロにしているんだよ。 内容が分かりやすくするためだって」
「そうなんですね。 世の中にはまだまだ知らない本がたくさんあるものですね。 倉庫整理頑張ってください」
「あ、ありがとう。 僕頑張るね」
僕は、コクリと頷き、レジに戻った。
店内は、2階建てのかなり広々とした空間。
1階は、主にゲームやトレーディングカードが売ってある。
大きなスペースに置かれた超人気ゲームから、ひと昔の懐かしのゲームまでありとあらゆるゲームが並んでいる。
トレーディングカードは若い世代に人気で6年間トップの位置を掴んでいるカードゲームのカードがビッチリとショーケースに収納されている。
そして、最新のデッキがでたと大きな表紙に書かれた物まである。
そして、先程行った2階には、小説や漫画、同人誌まで色々な種類、ジャンルの本がたくさん並んでいる。
僕は、本の多さにかなりビビってしまった。
同時に、本を沢山読めることを確信した。
そんな所で僕はバイトをしている。
なんて幸せなんだろう。
ここでバイト出来て良かった。
山崎さんに感謝しなきゃと思っていると、
「うっさいんじゃ! クソガキ! なめてんのか!」
と2階から罵声が響きわたった。
なんだなんだと1階にいるお客さんが不思議そうに2階を見ている。
僕は、2階に駆け寄った。
「オイ! 聞いてんのか?! コーヒー代とクリーニング代払え! この店の評価落として店潰すぞゴラ。 とっとと払えや!」
「と、と、当店での飲食は禁止とな、なってお、おります。 すみませんが、ウチでは、は、はらえま、せん」
「アア? なんやて? もーいいや。 この店潰す。 つーかさ、店長呼んでこいや」
と、かなり薔薇さんに対して暴言を吐いているヤンキーのお兄さんを、僕は許せなかった。
ここは、こうするしかない。
相手が暴力や圧力で迫ってくるのなら、国家権力と知識を使うしかない。
「あ、あの~。 ウチの店員がどうかしましたか? とりあえず、話を聞きます。 僕が店長の山内です」
「アア?」
「・・・ッ!」
ヤンキーお兄さんは僕の方に怒りをあらわにして振り向き、薔薇さんは小さかったが、驚いた声をだした。
「オウオウオウ、店長さんよぉ、この店員ダメダメじゃねぇか。 声ちいせぇし、ぶつかってくるしよ。 解雇した方がいいんじゃねぇか? そして、俺にコーヒーがかかってしまったからよぉ。 クリーニング代とコーヒー代弁償しろって話してたんだわ。 って、ことで店長さんカネ」
「お客様、誠に残念ですが、当店でのご飲食は禁止となっております。 万が一、このような事がありましても、責任は取れません。 そして、今あなたがやっている行為は脅迫です。 そして、コーヒー代及びクリーニング代を弁償しろとおっしゃってますが、それは間違いなく恐喝罪、または、強盗罪となりますが・・・。 まぁ、誰でも分かるように言えば、これは犯罪です。 防犯カメラがあるので警察につき出せば1発でアウトですよ」
僕は、あえて煽った。
たかが、ヤンキーの暴力等、プロのラグビー選手、ボクシング選手、柔道選手に鍛えぬかれた僕には知れているレベルだ。
「ざっけんな! お前! 殺すぞ! サツなんて慣れてんだよ! カネだせやゴラ!」
もの凄い剣幕でこちらに向かってくる。
これだから、と言いたい。
僕は、強い。
足にガッと蹴りを入れて、右腕を掴む。
そのまま、後はグルリと回した。
これは、かつて柔道では無く、相撲に使われている技だ。
一応今もそうだと思う。
天神真楊てんじんしんよう流。
一本背負い!
首からコンクリートにかなりのスピードで落下したので、ヤンキーお兄さんは失神したと思った。
だが、あまりのスピードで投げられたせいなのかまるで顔が白くなったように数十分後、バトル漫画を購入し、帰っていった。
「ありがとうございましたー」
ヤンキーお兄さんは去っていった。
「あ・・・。 あのッ! 山内君・・・」
「どうしました? 怪我はないですか?」
「おかげさまでないよ。 あ、ありがとう」
薔薇さんは、可愛い。
「そうですか。 また何かあったら教えてくださいね。 僕が潰しますから」
「そ、それはやめた方がいいよ・・・」
僕はふとあることに気づいた。
「あれ・・・? 薔薇さん、普通に喋れてます?」
「本当だ。 なんか睡蓮みたいで・・・。 それで普通に喋れているのかな?」
「なら、良かったです。 これからもよろしくお願いします! ありがとうございます!」
僕は、この力を人を守るために使う。
これからも。
         ー
「・・・って、事があってさ~! いやぁ、弱かったよ」
山内が、俺達に向かって、バイトの話をしていた。
この3日であったことを言い合う。
俺と三石が口を揃えて言った。
「「お前、いくらなんでも強すぎだろ!!」」
「? そうかい?」
ダメだ。
コイツ、自分の強さを自覚していない。
「そういや、三石はどうだったの?」
山内が三石に降った。
「あ~。 俺? 俺はねぇ・・・」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

斎藤先輩はSらしい

こみあ
青春
恋愛初心者マークの塔子(とうこ)が打算100%で始める、ぴゅあぴゅあ青春ラブコメディー。 友人二人には彼氏がいる。 季節は秋。 このまま行くと私はボッチだ。 そんな危機感に迫られて、打算100%で交際を申し込んだ『冴えない三年生』の斎藤先輩には、塔子の知らない「抜け駆け禁止」の協定があって…… 恋愛初心者マークの市川塔子(とうこ)と、図書室の常連『斎藤先輩』の、打算から始まるお付き合いは果たしてどんな恋に進展するのか? 注:舞台は近未来、広域ウィルス感染症が収束したあとのどこかの日本です。 83話で完結しました! 一話が短めなので軽く読めると思います〜 登場人物はこちらにまとめました: http://komiakomia.bloggeek.jp/archives/26325601.html

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

十の結晶が光るとき

濃霧
青春
県で唯一の女子高校野球部が誕生する。そこに集った十人の部員たち。初めはグラウンドも荒れ果てた状態、彼女たちはさまざまな苦難にどう立ち向かっていくのか・・・ [主な登場人物] 内藤監督 男子野球部監督から女子野球部監督に移った二十代の若い先生。優しそうな先生だが・・・ 塩野唯香(しおのゆいか) このチームのエース。打たせて取るピッチングに定評、しかし彼女にも弱点が・・・ 相馬陽(そうまよう) 中学では男子に混じって捕手としてスタメン入りするほど実力は確か、しかし男恐怖症であり・・・ 宝田鈴奈(ほうだすずな) 一塁手。本人は野球観戦が趣味と自称するが実はさらに凄い趣味を持っている・・・ 銀杏田心音(いちょうだここね) 二塁手。長身で中学ではエースだったが投げすぎによる故障で野手生活を送ることに・・・ 成井酸桃(なりいすもも) 三塁手。ムードメーカーで面倒見がいいが、中学のときは試合に殆ど出ていなかった・・・ 松本桂(まつもとけい) 遊撃手。チームのキャプテンとして皆を引っ張る。ただ、誰にも言えない過去があり・・・ 奥炭果歩(おくずみかほ) 外野手。唯一の野球未経験者。人見知りだが努力家で、成井のもと成長途中 水岡憐(みずおかれん) 外野手。部長として全体のまとめ役を務めている。監督ともつながりが・・・? 比石春飛(ひせきはるひ) 外野手。いつもはクールだが、実はクールを装っていた・・・? 角弗蘭(かどふらん) 外野手。負けず嫌いな性格だがサボり癖があり・・・?

処理中です...