親友がリア充でモテまくりです。非リアの俺には気持ちが分からない

かがみもち

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第2章 夏休みと青春 ~バイト尽くしの常夏!職は違えど楽しさは同じ!~

16時間目 夏休みの生活

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夏休み。
それは、学校が無く、家に何時でも寝る事が出来る至福の時間である。
俺は、だらしない白色のTシャツと水色の半ズボンを来て、ダラダラとポテトチップスを食べている。
一体、誰がこんな生活を予想していたのだろうか。
いざ、夏休みになるとやる気が全く湧かなくなるのだ。
親は仕事に行っており、家には俺一人だ。
ジュースを飲もうと冷蔵庫からファンタを取り出した時、スマホが鳴った。
「ん・・・? 誰だ?」
それは、山内からの電話だった。
「もしもし」
「あっ、でた! 敦志ー! 元気~? 俺だよ俺! 三石だよ! 今、山内と一緒にゲームで遊んでいるんだけど、敦志も来ない?」
なんで事前に誘わなかったんだよと言いたかった。
だが、今誘ってくれたのでよしとする。
「おー! 行く行く。 丁度家の用事が済んで暇になった所だからな」
「じゃ、俺の家に来てな~!」
「おーい」
プツリと電話が切れる。
「んじゃ、着替えて行きますか。 あ、その前に・・・」
家の用事である朝と昼ごはんの洗い物と洗濯物を取り入れるのをやらなければいけない。
せっせと、スポンジを擦って、まな板や食器等を丁寧に油残りがないように洗い、洗濯物を取り込み、畳んで置いておいた。
これで、出掛けていても怒られずに済む。
スマホと財布やモバイルバッテリーが入ったカバンを持って、自転車で三石の家に行くのであった。
          ー
ピンポーン、ピンポーン。
高い電子音が住宅地の静寂を破る。
「おっはよー。 待っててー」
と、インターホン越しに喋る三石。
「よう」
と山内。
「おはよーさん」
と俺は言う。
数分後、三石と、山内が降りてきた。
玄関のドアが開いた。
「おっはよー! さぁ、入って入って!」
「おじゃまします」
「おじゃまされまーす!」
「オイッ!山内の家じゃねぇだろ!」
「ウハハハッ!」
三石が笑いに笑った。
フフフと微笑む山内。
少し引きぎみの俺。
「よしっ、ゲームしよう!」
ズカズカと部屋へ進む俺。
止められるかなと思ったものの、全然そうでもなかった。
なにしよっかな。
「喰らえ! 斬撃ストラッシュ!」
三石がそう宣言するとテレビの中のキャラが電気を帯びた剣を華麗にふり下ろし、俺のキャラを攻撃した。
キャラは上空に吹き飛ばされ、場外へと飛んでいった。
「あ~! 負けたかー!」
「ふふん。 強いだろ」
「くっ・・・。 山内、はい。 フルボッコにしてやってくれ」
「了解。 敦志の無念は僕が晴らしてやる」
山内と三石って本当にゲーム好きだよな。
今俺達は、アニメやゲームのキャラクターが全員参戦して戦いあうゲームをやっている。
昔から、ゲームより運動をやっていた俺はゲームが苦手だった。
プリッツをかじりながら、山内と三石の方に注いだジュースを持っていった。
「はいよ。 お前らホントつぇーよな」
「ありがとう。 僕らは毎日のようにやってるからね。 それに課金キャラも手にいれてるから。 敦志は今度は比較的使いやすい課金キャラでやってみたら? あのさっき使っているキャラは独特な扱いだから難しいよ」
「そうなのか。 分かった。 さぁ、どっちが勝つかね」
「負けないよぉ! 喰らえ! マジックボム!」
と、三石が先程同様、俺のキャラをフルボッコにした剣士を使って山内の拳士を倒そうとしている。
だが、三石のキャラが爆弾を投げたと同時に山内のキャラがつかみ攻撃をした。
「その手の弱点は知っているよ! 爆弾は掴まれると放しちゃうから転がるからね!」
「なぬぅー! 弱点を知られていたとは?!」
「喰らえー! 気合拳!」
と、ドンという大きな効果音に、ぶっ飛んだ三石のキャラ。
「まずい。まずい。 復帰出来るかな?!」
「フッフッフッ・・・ 足元より横を見た方がいいよ!」
「喰らえ! 衝撃拳!」
赤色のカットインが入った。
これで山内の勝ちはほとんど確定だ。
そして、ドーンと三石のキャラが吹っ飛んだ。
「やった!」
「ううぅ・・・ つよ、やっぱり強い~! キィー! くやしー! 次は3人でやろ!」
「いいね!それ! コンピューター増やしてチーム戦でやろう! はい。敦志のリモコン!」
ニッコニコの笑顔でゲームを誘っているが、これは俺に対しての「ボコボコにするよ敦志(はーと)」なのだ。
やだ、怖い。
そんなワケで俺はゲームに強制参加となった。
運が悪く、コンピューターとチームを組んだのだ。
もう勘のいい読者の諸君らなら分かるだろう。
コンピューターは三石、山内コンビに秒殺された。
そして、あえて俺を残して、なんやら拳やほにゃらら爆弾、なんとか斬りを喰らって、両キャラにはほとんどダメージが入ってなかった。
なにこれ。
鬼かよ。
ゲーム三昧で今日は終わった。
もちろん、俺はボコボコにされた。
帰り道、あのゲーム買って練習しようと一人企むのであった。
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