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第1章 青春のスタートライン ~始まりの高校生活~

15時間目 いざ、夏休みへ!

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体育大会も終わって1ヶ月が過ぎた。
俺達の仲はいつも通りだった。
これから、起こる出来事。
というか、高校生、いや、中学生や小学生、学生なら誰もが楽しみな夏休みが始まる。
夏休み、それは、青春である!!
と、三石が学校の帰り道に青春論を語っていた。
俺は鼻で笑い、山内はブフッと吹いていた。
その反応に三石は頬をプクーと膨らませていた。
そして、その夏休み青春論を語られた次の日。
地獄の期末テストがあった。
本来なら俺は勉強する。
だが、勉強をしなかった。
言い訳にしかならないのだが、

      毎日が楽しい

        ↓

      遊びまくる

        ↓

   期末テストの勉強をしていない

        ↓

   テストの点数がヤバイ

となった。
ヤッベェ・・
と今後悔しても、もう遅い。
時間は戻らないし、過去にも行けないのだから。
過ぎたことは仕方がない。
俺は親に怒られる覚悟でいた。
「あ、敦志・・。 やらかしたな?」
「三石、聞くな。 マジでヤバイって・・・」
「ドンマイ・・。 そういう日もあるさ。 まぁ、勉強していない言い訳が僕らと居て楽しいなら僕はオッケーだけどね」
「・・・ダメだろそれは。 特待生が言うことじゃねぇ・・・」
山内が笑った。
いや、どや顔をしている。
嘲笑あざわらった。
「フフフ・・・ 僕、別に特待生目指していて特待生になったんじゃないよ。 たまたまだったんだ。 た・ま・た・ま、ね」
三石と俺がげんなりした顔で言う。
「「・・・それが1番腹立つんだよなぁ・・・」」
帰り道、俺は今日何度目かになるため息をつく。
今日は、ため息が多い日になりそうだな。
まぁ、いいや。
怒られるか。
「それにしても、もう、夏休みか。 ほんの最近まで体育大会していたのにな」
「あと打ち上げもね」
と、サラリと恥ずかしい記憶を思い出させる山内。
「たしか、そこで敦志はなにしたんだっけ?」
と三石が追い討ちをかける。
「お前ら・・・ マジの鬼かよ・・」
フフフと薄い笑いが生まれる。
が、俺にとっては笑い事ではない。
人前で泣くなんてあり得ないことなのだ。
男が泣いて良いのは卒業式の時と、大切な人が出来たときと、親やばあちゃん、じいちゃんが死んだときだけだって親父に教わったからな。
「お、もういつものコンビニかよ。 じゃあなー! また学校かLINEでな」
「うん、じゃあね!」
「ばいびー!」
山内と俺がぶふっと吹いた。
「お、おう。 ククク・・・」
あー!面白い。
今日は、テストを除けば良い日になりそうだ。

         ー

そして、次の日がやって来た。
もう、修業式だ。
この日は授業は無く、補習組が通常の授業の時間まで残るという悲惨な時間割だ。
だが、優等生の山内は勿論、三石も余裕で赤点を回避した。
俺は、テストが悪かったもののギリギリ赤点は免れた。
修業式をボケーとしながら終えて、今日も山内、三石と共に帰る。
これは俺の大切な日常になった。
きっと、これからも続くだろう。
大切な友達、親友との日々が。
一人はイケメンで勉強も出来て、運動も出来るまるで絵に描いたような高校生。
本当に、モテまくりな少年だ。
更に面白くて、カッコよくて、誰よりも面倒見が良い。
出会ってまだ少しだけど、俺は良い親友を持てたと思っている。
心の底から信用している。

もう一人は、とにかく可愛くて女子と勘違いされてしまうような男の娘だ。
もう一度いう。
男の娘だ。
イケメンよりも可愛いが強い。
女子から人気があって、しかも勉強も運動もそこそこ出来る。
そんな美少年を友達に持てて本当に良かったとこれもまた思っている。
俺は、どうだっただろうか。
二人にもし、会えていなかったら。
こんなに自分でも笑えるようになっていなかったのかもしれない。
鋭い目付きのせいで人から疎遠そえんされていたが、彼らはそれを受け入れてくれた。
まるで何事もないように思ってくれた。
それが嬉しくて嬉しくて、だから、打ち上げの時に泣いてしまったんだ。

俺は、自分より前に居る友達たちに、親友たちに言う。
こんな言葉、使うのなんて初めてだ。
だけど言える。
「三石、山内!」
二人が振り返る。
三石はキョトンと首をかしげ、山内はどうしたと見ている。

「いつも、ありがとな! 親友!!」
と。
俺は、俺の高校生活は輝かしいスタートをきったのであった。
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