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第1章 青春のスタートライン ~始まりの高校生活~

11時間目 お昼ごはんと体育大会

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午前中の競技は、基本的に走る種目ばかりだった。
俺は、100メートル走をぶっちぎりの1番となった。
周りが遅いのか、俺が速すぎるのか分からないが、俺はとにかく無双をした。
山内は、200メートル走にでた。
やはり、余裕の表情でトップを駆け抜けた。
そして、女子の歓声がまた、聞こえた。
俺は毎度の事思う。
やはり、俺の親友は凄いなと。
顔だけでなく、性格もイケメンだ。
そりゃ、モテるわ、モテるわ。
女子に優しく爽やかで、男子にはノリが良く面白い。
なにこれ。
小説の主人公かよ。
やっぱり、親友は凄いな。

三石は、クラス対抗リレーに出場した。
三石は、俺達と並んでいても少し小さい。
そして、あの少し赤みがかかった茶髪を持っている。
彼は、可愛さはこの世の者とは思えないほどであろう。
俺が女子だったら絶対に惚れてる。
三石は、すばしっこいのかトップで次の走者にバトンを渡した。
なぜか、彼の周りの空気がキラキラと輝いているように見えた。
山内とは何か違うオーラを身に付けている。

かわかっけぇ・・・
こうして、午前中の競技を終えて、昼休みとなった。
今日の昼休みは、弁当組と学食組に分かれる。
勿論もちろん、俺達は学食だ。
旨い、安い、早い。
そして、量が多い。
学生、特に1番食べる量が増える高校生男子にとっては、最高である。
トイレを済ませた後、3人で食堂へ向かう。
「今日のご飯はなんだろうね」
三石が、毎日が楽しすぎて仕方がないというほどルンルンとしている。
「さぁ、なんだろな」
俺は、曖昧に返した。
チラリと横を見ると、山内が手を口に当てて、考え事をしている。
俺は、三石と話ながらも、横を気にかけた。
喋らないので会話を振ってみた。
「なぁ、山内はなんだと思う?」
山内は何かを考えた顔をして、返事をしなかった。
「山内? オーイ? どうした?」
すると、我に帰ったような顔をして、
「ごめん。 考え事をしていた。 で、なんだい?」
「いや、学食の日替わり今日はなんだろうなって、思ってさ。 俺はうどんだと思うな。 三石は素麺そうめんって、山内はなんだと思う?」
「う~ん。 僕は焼きうどんだと思うな。 実は今焼きうどんが凄く食べたいからなんだけどね」
フフッと笑って言うその顔はいつもの山内だった。
だが、あんなに思い詰めた顔をして、何を考えていたんだろう。
確か、昔に祖母を亡くしてから性格が変わったって言ってたっけ。
もしかして、今日は命日かもしれないと俺は思い込んだ。
食堂に入ると沢山の人が居たが、皆持っていくのを待っていた。
なんと、今日は教室で食べてもいいらしい。
「今日は教室で食べてもいいんだって。 三石、敦志どうする?」
「俺はどっちでもいいけど。 三石はどうなんだ?」
「俺は教室かな。 だって、俺達普段から別に弁当じゃないから教室でご飯食べる機会なんてないじゃん。 丁度いいよ。 食べよ!」
何が丁度いいんだろうと疑問に持つ反面、教室で飯を食べることに少しだけ興味が湧いてきた。
         ー
「「「いっただきまーす!!!」」」
教室の隅の方で3人の声が揃って聞こえる。
そう、俺達は教室で飯を食べている。
今日はなんと、カレーだった。
この学校では1ヶ月に1回のペースでカレーがでる。
だから、その日は食堂に集まる人が増える。
俺達は、授業後ダッシュで食堂に向かっているため、席がとられる事はないが、カレーがでたその日は、大勢の人が集まる。
カレーは最近はレトルトのカレーしか食べていないので、手作りのカレーの野菜の旨味とルーの美味しさや肉の旨味が口一杯に広がる。
そして、それに沢山入っていてしかも大きいゴロゴロのジャガイモやブロッコリー、ニンジンがとっても美味しい。
夏野菜カレーってやつか。
そんなカレーの美味しさを堪能しながら、午後からの学級リレーや大玉送りを頑張っていこうと思ったのだった。
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