上 下
13 / 244
第1章 青春のスタートライン ~始まりの高校生活~

9時間目 始まりの体育大会

しおりを挟む
『これから、体育大会を開会します。 一同、校歌斉唱』
歌詞がうる覚えの校歌をなんとか歌う。
だが、もちろんのこと、知らない歌なので歌詞どころか音程すらあっているかどうかが不明だ。
現在時刻は10時。
ここ、清王高校の体育大会が今始まる。
ここでは、赤チームVS白チームでの学年を越えた勝負がある。
例えば、体育大会、運動会お馴染みのリレー、大縄飛びを初め、ダンス部によるダンスや、部活動対抗リレーも見処で注目ポイントだ。
小・中と運動会、体育大会ではそこそこの活躍しか出来ず、不完全燃焼でいた俺は、今年こそはと熱意を燃やしている。
この熱意だけなら、他の部活動や生徒にも誰にも負けない自信がある。
そして、あの二人はというと、山内は、イケメンで運動神経抜群なのでスイスーイとラジオ体操及び、その他の運動をこなし、また、女子のひそひそ話が聞こえてきた。
もう、1ヶ月近く一緒に居るので慣れた。
自分が言われていないとふと思うと悲しいが、それは仕方ないとなるのである。
彼女いるな これは。
一方、三石はというと、やはりあれから寝ていないのか目をキラキラさせて今か今かと自分がでる種目を待っている。
もう、完全に女子だ。
体育が楽しみすぎていてもたってもいられない女子だ。
そんな事を思いながら、開会式を終わらせ各自生徒席に戻るのだった。
「いやぁ、今日も暑いね」
と、山内が汗を少しかきながらも、爽やかさを残している。
まるで、少女漫画の主人公のようだ。
「そうだな。ていうか、まさか同じ赤チームだったとはな」
俺は、あちぃと呟きながら、ハチマキを結び直す。
「おっし! 頑張ろ!」
「「うん!」」
握りこぶしを、スッと差し出す。
二人とも意味に気づいたようで、コツンとグータッチを交わした。
そして、またもや、女子達の歓声が、黄色い歓声が聞こえた。
「・・・モテまくりだな」
と、俺が呟くと、
「・・・ごめんな。 あ~! モテまくりだと生きるのも辛いよ」
と、彼が懇願のような声で言うと、俺と三石は二人で見合って、
「「俺もそんな事1度でいいから言ってみたいなぁ!!」」
と、男の懇願と欲望を二人でさらけだしたのであった。
モテまくりって、ハーレムかよ。
          ー
『プログラム1番。 50メートル走に出場する選手は、待機場所に集合してください』
「これは、誰もでないよね?」
と、山内が聞く。
「でないな。 俺は、この次の100メートル走からでるから」
「俺もでないよー! 俺は、クラス対抗リレーにでるから。 いやぁ、燃えてきたー!」
イスに座りながら、喋る俺達。
まだまだ太陽が輝いている。
それは、俺達の友情を、見守るかのように光っていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

幼馴染をわからせたい ~実は両想いだと気が付かない二人は、今日も相手を告らせるために勝負(誘惑)して空回る~

下城米雪
青春
「よわよわ」「泣いちゃう?」「情けない」「ざーこ」と幼馴染に言われ続けた尾崎太一は、いつか彼女を泣かすという一心で己を鍛えていた。しかし中学生になった日、可愛くなった彼女を見て気持ちが変化する。その後の彼は、自分を認めさせて告白するために勝負を続けるのだった。  一方、彼の幼馴染である穂村芽依は、三歳の時に交わした結婚の約束が生きていると思っていた。しかし友人から「尾崎くんに対して酷過ぎない?」と言われ太一に恨まれていると錯覚する。だが勝負に勝ち続ける限りは彼と一緒に遊べることに気が付いた。そして思った。いつか負けてしまう前に、彼をメロメロにして告らせれば良いのだ。  かくして、実は両想いだと気が付かない二人は、互いの魅力をわからせるための勝負を続けているのだった。  芽衣は少しだけ他人よりも性欲が強いせいで空回りをして、太一は「愛してるゲーム」「脱衣チェス」「乳首当てゲーム」などの意味不明な勝負に惨敗して自信を喪失してしまう。  乳首当てゲームの後、泣きながら廊下を歩いていた太一は、アニメが大好きな先輩、白柳楓と出会った。彼女は太一の話を聞いて「両想い」に気が付き、アドバイスをする。また二人は会話の波長が合うことから、気が付けば毎日会話するようになっていた。  その関係を芽依が知った時、幼馴染の関係が大きく変わり始めるのだった。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

処理中です...