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第1章 青春のスタートライン ~始まりの高校生活~

7時間目 思っていること③ ~三石遼太郎編~

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俺は、生まれつき髪が赤茶色だった。
だから、いじめを受けたし、サルと、呼ばれ、何度も苦しい目にあった。
だが、女子には、モテた。
顔が男子としては可愛いので、付き合うまではいかなくても女子友達が沢山いた。
男子は、仲は良い子もいたが、悪い子の方が多かった。
中学の時は、1年目は、かなり酷くいじめられた気がする。
思い出したくないけど。
俺は、ありのままの自分を知ってもなお、態度を変えずに笑ってくれる友達が欲しかった。
そんな人は、中々見つからなかった。
友情ってなんだろうか。
と、俺は疑問を浮かべる。
スポーツでの、仲間は、友達ではない。
クラスで話しかけてくれる子も、友達とは言えない。
そして、思い立った。
一緒に遊んだり、バカみたいな事を言い合える人が友達なんだと。
俺は、遅れてしまった青春を高校で取り戻そうと決意した。
だが、肝心の自分が行きたいと心から思える高校は見つからなかった。
12月。
志望校最終決定をしなければならない時に、担任に俺は呼ばれた。
「三石君。 君は高校をまだ決定してないようだね。 ここで、先生から君に良いかも知れない高校を見つけたんだが、ここはどうかな?」
と、担任の先生から見せられた高校は、今通っている高校だった。
「ここでは、君みたいな、事情がある子にサポートが行き届いている。 しかも、己の出来ることを極めるという変わったのがあるんだ。 どうだい? ここにするかい?」
俺は、迷いは無かった。
「はい! ここにします」
成績は中の上だった俺は、晴れて合格した。
入学式は、イケメンの子と、髪の毛がツンツンで目付きが悪い人は、二人で、はしゃいでいた事をすごく覚えている。
彼らと友達になりたいなと、思い入学式を終えた。あまり、人から話しかけられずに、一人だったー
・・のは、1日だけだった。
俺は、髪の毛がツンツンで目付きが悪い人に話しかける事を選んだ。
昼休み、普段から仲が良いイケメンの子が他のクラスメイトと話している隙をついて、椅子から立ち上がり、彼の席に近づいた。
「よ、よぉ!」
彼は、カバンから財布を取り出そうとしていた所、顔だけこっちを見た。
なんだ、コイツって、顔してるなぁ・・
「お、おう」
ひかれちゃってるなぁ・・
「あ、突然話しかけられて引いちゃってる?」
無言だったが、「いや、別に」と言わんばかりな顔をしていた。
そして、
「俺こんな性格だからさ、友達一人も居ないんだよね。ボッチなんだよね。だからさ!飯食いに行かねぇ?」
とうとう言った。
頑張ったよ!俺。
彼の方を見ると、少し悩んだような顔をしていたが、チラリと、斜め右を見て、こう言った。
「お、おう。別に大丈夫だけど」
と。
嬉しくて、
「おっし!じゃ、行こう」
と、言って、つい、強引に腕を引っ張ってしまった。
そして、食堂を目指して、教室から出ようとすると、
「お!高橋、新しい友達?良かったじゃん!」
と、イケメンの子が言った。
それに、彼は、
「まだ友達じゃねぇよ」
と、言った。
ちょっと傷ついたが、当たり前かと思った。
出会ってすぐに友達になれるわけがないのだ。
その言葉に俺は、ムッとなり、
ピョコンと俺が彼の脇から飛び出してやった。
そして、
「友達だよっ!」
と、言った。
クスクスと二人とも笑って、
「よろしく。山内です」
と、イケメンの子ー 山内は、自己紹介をした。
すかさずに、
「よろしくッス!自分は、えーと、三石です。三石遼太郎みいしりょうたろう
と、敬語で自己紹介をした。
「よろしく。三石。俺は、高橋敦志たかはしあつし
と、髪の毛がツンツンで目付きが悪い人ー 敦志は、そう自己紹介をした。
「よろしく。敦志!」
と、下の名前で言った。
すると、彼は、「なんで俺だけ下の名前で呼ぶんだよ」と言わんばかりな顔をしていたが、彼は、なぜか親密感が湧くのだ。
そんな事で、友達が二人も出来た。
先生、ありがとうございます。
俺は、これから楽しくやっていきます。
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