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第5章 誰かのために

第5章 第24話 本気

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「三島君...ごめんね。」
「死ぬなっ!うぁぁぁぁぁ!」
「あ?」
夢か...
俺は、疲れている。
だから、あんな夢を見るんだ。
彼女が小学生の時に好きだった子が死ぬ夢を。
朝。
それは、目覚めの良し悪しで気分がとても変わるものである。
秋の朝は、少し寒い。
ドンッ!
「痛ぁ...」
(避けたはずなのに、ぶつかってこられた。)
「お?お前さっきぶつかったよな?」
「ご、ごめんなさい。」
「あれ?お前三島か?こっちへ来い。」
なんなんだよと、思いつつ、男に従う。
男は、眼鏡を外して、「よぉ、三島。久しぶり。」と言った。
俺と、山崎が恐れていた。
小学校でケンカ番長こと、榊原さかきはらだ。
俺が好きだった子に、アピールをしていた。
「な、なんだよ。何か用でもあんのかよ。」
彼は、真剣な顔をして、
「頼む。救ってほしい人がいるんだ。お前の情報収集能力は群を抜けて凄いと噂になっている。頼む!この通りだ。」と言い、土下座のポーズをとりかけているので、俺は、かつての記憶を呼び起こした。
「なぁ、番長。お前さんが、そんなツラしてんじゃねーよ。お前さんは、もっと堂々と、誰も勝てないと思わせるような人間だったはずだ。お前さんの頼みは引き受ける。山崎にも相談しておく。」
「頼んだ。ありがとう。アルフォード。」
そういや、俺は、このグループで、あの推理小説のアルフォードと同じくらい、推理力が高かったので、アルフォードと呼ばれていたのだ。
かつての番長の願いを聞き入れ、こうして、また、新たな頼みが来てしまった。
だが、受験勉強の気休めにしようと思う。
もう、本気だ。
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