上 下
27 / 46
第5章 誰かのために

第5章 第23話 できる人間

しおりを挟む
ピロン!と、スマホが音を立てた。
凜花姉が起きた。
「うーん...あ、楓ちゃんおはよう。」
本当は、「楓ちゃん」と呼ばれて、腹が立ったので、朝ごはんを食べてやろうと思ったが、彼女は、寝ぼけているので、そうする訳にもいかない。
「...凜花姉おはよう。」
ぶっきらぼうにいい、勉強に集中する。
凜花姉は、フラフラと、階段を降りていく。
数分後、階段を俊足で駆け上がっていく音がした。
ドアが、バーンと開き、凜花姉が土下座のポーズをとっている。
「三島楓さん、あざっす!」
きっと、トーストのことだろうと、思う。
あれは、彼女の大好物だから。
「いやいや、俺も。昨日は、ありがとうね。ノート作ってくれて。」
?と、首をかしげていたが、思い出したのか、
「あー、あれね。可愛い可愛い後輩が自分と同じ高校に行くんだから当たり前だって!」
機嫌がいいな。
「んじゃ、冷めない内に食べてくる。」
俺は、「ん!」とだけいい、机に向かう。
凜花姉がくれたこのノートは、とても、役にたつ。
人に教えるのは上手いし、ノートは、とてもきれいにとる、だから、学年トップなんだな、と感心する。
俺は、奨学金を狙えと、言われたので、それを頑張ろう。
そして、昼過ぎに、凜花姉と俺は、家を出て、ゲームセンターに行った。
凜花姉がゲームセンターに行こうという提案からだ。
毎日ゲームセンターに行っているからか、クレーンゲームの腕前は、凄い。
ハイチュウや、ガム、人形まで、1000円以内で取っている。
もちろん、荷物と、それらを持っているのは、持たされているのは、俺だ。
腕は、パンパン。
ふくらはぎは、今にも死にそうだ。
結局、5時間付きっきりで、俺はヘトヘトになって、帰ってきた。
ベットに寝転がり、もらったお菓子やらぬいぐるみやらなんやらを、その場においた。
「つかれた。」
もう、言葉がこれしか出ない。
意識が途切れそうになったときに、メールが来た。
「ふぇ?」
凜花姉からだった。
りんか『今日は、泊まらせてもらったり、ゲーセンに付き合ってもらったりして、ありがとうねー!♥
お菓子を食べ過ぎないように!✌明日から、学校頑張って✊』
お前が頑張れよ。
サボって、ゲーセン行ってんじゃねーよ。
と、送りたい。
でも、そんな長文を書く体力もなく、『お疲れ』と送った気がした。
意識は、完全に途切れ、また、あの日と、同じ、タイムリープしたような感覚に陥る夢を見た。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

恋煩いの幸せレシピ ~社長と秘密の恋始めます~

神原オホカミ【書籍発売中】
恋愛
会社に内緒でダブルワークをしている芽生は、アルバイト先の居酒屋で自身が勤める会社の社長に遭遇。 一般社員の顔なんて覚えていないはずと思っていたのが間違いで、気が付けば、クビの代わりに週末に家政婦の仕事をすることに!? 美味しいご飯と家族と仕事と夢。 能天気色気無し女子が、横暴な俺様社長と繰り広げる、お料理恋愛ラブコメ。 ※注意※ 2020年執筆作品 ◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。 ◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。 ◆大変申し訳ありませんが不定期更新です。また、予告なく非公開にすることがあります。 ◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。 ◆カクヨムさん/エブリスタさん/なろうさんでも掲載してます。

人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?

石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。 ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。 ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。 「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。 小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。 扉絵は汐の音さまに描いていただきました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...