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第3章 憧れの先輩
第3章 第12話 修学旅行 ~3日目~
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朝、目覚まし時計が鳴り、目を覚ますと、山崎がイスに座って、朝日を見ていた。
「お、楓おはよう!」
彼が俺より、早く起きるなんて、珍しいと思いながら、おはようと、返す。
俺は驚愕した。
コイツ...どれだけ、食べるんだよ...
彼はニヒヒッと笑って、ホテルのサービスである、クッキーと、紅茶を食べて飲んでいた。
全く、彼の腹の虫は中々鳴き止まないようだ。
そして、もう一人のクラスメイトと女子達が目を覚まし、俺たちの修学旅行最後の時間が始まろうとしていた。
ホテルグランドオールスターの朝食はとても、豪華で、まるで、5つ星のフレンチを食べているような感覚になった。
郷土料理と、ふわっふわなオムライス。
とても、美味しかった。
そして、11時ぐらいになった。
俺たちは、班行動で、調べた店に向かっている。
電車とバスが無料になるチケットをもらい、山崎が先導をしていた。
はしゃぎ過ぎだ。
時おり、俺が持ってきた観光雑誌を皆でにらみながら、行くと、オシャレ有名カフェ「Dreamdance」に着いた。
外装からして、『流行を走っています!』的な雰囲気が流れているのを、花園さん達、女子組が、ワクワクしながら、入っていった。
このBGMは確か、聞いたことがある気がする。
何かの映画に流れていた。
2、3年前に流行った映画の...
と、映画名を思い出そうとした瞬間、とても元気な声が聞こえてきた。
「わぁ、来たよ!!」
なんと、アイスクリームがドリンクの上に刺さっており、タピオカがたっぷり入ったTHE・甘い系の飲み物が来た。
山崎は興奮しながら、写真を撮っている。
お前は女子か。
初めて食べるタピオカ。
一体どんな味なんだろうかと思い、スプーン1杯分を口に入れた。
もちもちとした食感で、柔らかく、甘い。
アイスクリームは、バニラの風味がとても、気分を良くしてくれる。
とても、美味しいミルクティーを飲みながら、皆で写真を撮った。
電車が一定のリズムで、揺れる。
今から向かう場所は、僕が見つけた、湖畔神社だ。ここは、死者が向かう神社で有名らしい。
ホームページで見た通り、賑やかな祭りが開催されていた。
たくさん並ぶ屋台、神社とは思えないほどの人混み。
真っ昼間から、ビールを飲んでいる中年の人たちもいれば、屋台を歩き回りながら、イチャイチャしているカップルもいる。
そんな感じで、まずは、参拝をしようか。ということになり、皆で神社の鐘を鳴らした。
俺が望むこと。
これは死者に気持ちが届くと言ってもいい。
【ねぇ、君は俺の事を覚えていてくれているかい。
もし、覚えていてくれたら、君に感謝と、気持ちを伝えたい。俺は君のおかげで、大切な人を助けることが出来たよ。本当にありがとう。そして、俺は君の事が好きだった。修学旅行で、一緒の班になった辺りからだ。だけど、気持ちを伝えることは出来なくなったから、今、あの日の俺より、少し大人になった俺が望むことはひとつだけ。君と、幸せになりたかった。けど、もう叶わない。だから、君も、そっちで、幸せになってくれよ。また、どこかで会えるといいね。ありがとう。元気でね。】
俺は、あの子への想いも込めて、拝んだ。
神社から、出ようとした時だった。
ありがとうと女性の声が聞こえた。
そして、好きだったよとまた、聞こえてきた。
俺は泣きそうになる気持ちをグッとこらえて、神社に頭を下げた。
そして、ハンカチを見た。
それから、電車に身を任せ、フラフラと色々な場所に寄った。
アイスクリーム屋に行ったり、猫カフェに行ったり、色々な場所に行き、色々な体験をした。
君の、花園さんの、笑顔がくっきりと目に焼き付いた。
それから、18時。
俺たちはお土産店にいる。
最終の土産店で、自分用に何を買おうかと、迷っている所だ。
花園さんは、「三島君は買ったの?」と聞いてきたので、自分用はまだと言い、一緒に探してくれる優しさを利用した。
本当は、彼女が選んだ物を買いたかっただけだ。
必死に考えてくれるのは、きっと花園さんだけであろう。
俺は、カステラと、長崎で、作られたTシャツを買った。
中々センスがいい。
「花園さん、お土産考えてくれて、ありがとう。」
「ううん。私も、自分用に買いたかったから、一緒にいて楽しかった。」
この言葉が引き金であろう。
体全体に、特殊な熱が走った。
「三島君どうしたの?顔赤いよ?」
「だい、じょう...ぶだから。」
「本当に?」
「うん。心配してくれて、ありがとう。」
俺は気づいてしまった。
心から、思ってしまった。
今日の、神社での、言葉が体をもっと、熱くさせる。
あの子は、俺の事が好きだったんだ。
良かった。
そして、改めて思う。
俺は、花園さんが好きだ。
きっと、誰よりも。
隣の席に座っている。
君が。
「お、楓おはよう!」
彼が俺より、早く起きるなんて、珍しいと思いながら、おはようと、返す。
俺は驚愕した。
コイツ...どれだけ、食べるんだよ...
彼はニヒヒッと笑って、ホテルのサービスである、クッキーと、紅茶を食べて飲んでいた。
全く、彼の腹の虫は中々鳴き止まないようだ。
そして、もう一人のクラスメイトと女子達が目を覚まし、俺たちの修学旅行最後の時間が始まろうとしていた。
ホテルグランドオールスターの朝食はとても、豪華で、まるで、5つ星のフレンチを食べているような感覚になった。
郷土料理と、ふわっふわなオムライス。
とても、美味しかった。
そして、11時ぐらいになった。
俺たちは、班行動で、調べた店に向かっている。
電車とバスが無料になるチケットをもらい、山崎が先導をしていた。
はしゃぎ過ぎだ。
時おり、俺が持ってきた観光雑誌を皆でにらみながら、行くと、オシャレ有名カフェ「Dreamdance」に着いた。
外装からして、『流行を走っています!』的な雰囲気が流れているのを、花園さん達、女子組が、ワクワクしながら、入っていった。
このBGMは確か、聞いたことがある気がする。
何かの映画に流れていた。
2、3年前に流行った映画の...
と、映画名を思い出そうとした瞬間、とても元気な声が聞こえてきた。
「わぁ、来たよ!!」
なんと、アイスクリームがドリンクの上に刺さっており、タピオカがたっぷり入ったTHE・甘い系の飲み物が来た。
山崎は興奮しながら、写真を撮っている。
お前は女子か。
初めて食べるタピオカ。
一体どんな味なんだろうかと思い、スプーン1杯分を口に入れた。
もちもちとした食感で、柔らかく、甘い。
アイスクリームは、バニラの風味がとても、気分を良くしてくれる。
とても、美味しいミルクティーを飲みながら、皆で写真を撮った。
電車が一定のリズムで、揺れる。
今から向かう場所は、僕が見つけた、湖畔神社だ。ここは、死者が向かう神社で有名らしい。
ホームページで見た通り、賑やかな祭りが開催されていた。
たくさん並ぶ屋台、神社とは思えないほどの人混み。
真っ昼間から、ビールを飲んでいる中年の人たちもいれば、屋台を歩き回りながら、イチャイチャしているカップルもいる。
そんな感じで、まずは、参拝をしようか。ということになり、皆で神社の鐘を鳴らした。
俺が望むこと。
これは死者に気持ちが届くと言ってもいい。
【ねぇ、君は俺の事を覚えていてくれているかい。
もし、覚えていてくれたら、君に感謝と、気持ちを伝えたい。俺は君のおかげで、大切な人を助けることが出来たよ。本当にありがとう。そして、俺は君の事が好きだった。修学旅行で、一緒の班になった辺りからだ。だけど、気持ちを伝えることは出来なくなったから、今、あの日の俺より、少し大人になった俺が望むことはひとつだけ。君と、幸せになりたかった。けど、もう叶わない。だから、君も、そっちで、幸せになってくれよ。また、どこかで会えるといいね。ありがとう。元気でね。】
俺は、あの子への想いも込めて、拝んだ。
神社から、出ようとした時だった。
ありがとうと女性の声が聞こえた。
そして、好きだったよとまた、聞こえてきた。
俺は泣きそうになる気持ちをグッとこらえて、神社に頭を下げた。
そして、ハンカチを見た。
それから、電車に身を任せ、フラフラと色々な場所に寄った。
アイスクリーム屋に行ったり、猫カフェに行ったり、色々な場所に行き、色々な体験をした。
君の、花園さんの、笑顔がくっきりと目に焼き付いた。
それから、18時。
俺たちはお土産店にいる。
最終の土産店で、自分用に何を買おうかと、迷っている所だ。
花園さんは、「三島君は買ったの?」と聞いてきたので、自分用はまだと言い、一緒に探してくれる優しさを利用した。
本当は、彼女が選んだ物を買いたかっただけだ。
必死に考えてくれるのは、きっと花園さんだけであろう。
俺は、カステラと、長崎で、作られたTシャツを買った。
中々センスがいい。
「花園さん、お土産考えてくれて、ありがとう。」
「ううん。私も、自分用に買いたかったから、一緒にいて楽しかった。」
この言葉が引き金であろう。
体全体に、特殊な熱が走った。
「三島君どうしたの?顔赤いよ?」
「だい、じょう...ぶだから。」
「本当に?」
「うん。心配してくれて、ありがとう。」
俺は気づいてしまった。
心から、思ってしまった。
今日の、神社での、言葉が体をもっと、熱くさせる。
あの子は、俺の事が好きだったんだ。
良かった。
そして、改めて思う。
俺は、花園さんが好きだ。
きっと、誰よりも。
隣の席に座っている。
君が。
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